2021/04/03 のログ
■エゼル > 「んっ?」
手を離そうとするが、ぐいっと肘が伸びる。
相手が手を離さなかったのだ。
なんだろう、と訝し気に相手の顔を見ると、じっと見詰められ、
「お礼──いや、気にしなくていいよ。それに、もう随分遅いじゃない?」
とは言ったものの、子供の言葉を強くしりぞけるのは性格的に躊躇われた。
明日仕事が入っていれば、また結論は変わったのだろうが……明日は休日だ。
結局、引っ張られると相手の導くままに屋敷へと踏み入ることになり。
「分かった、分かったよ。じゃあ、お邪魔するね」
貴族かなにかなのだろうか、両親が夜会で留守とか幾らでも事情は考えられた。
■フレイヤ >
「ふふ、やったわ」
無邪気に笑う。
そうして嬉しそうに彼女の手を引いて屋敷へと向かう。
扉のドアノッカーを叩けば、すぐにメイドが扉を開けるだろう。
彼女の手を離し、その開かれたドアを潜り、くるりとスカートの裾を翻して振り向いてお辞儀。
王族貴族の集まる夜会で見せるような、綺麗なお辞儀だ。
■エゼル > ノッカーを鳴らして、すぐに内側から扉が開かれた。
恭しいたたずまいのメイドや内装に眼をすべらせて、内心で感嘆を漏らす。
富裕層の生活にほとんど縁が無い身にしてみれば、そこは小さな異界とさえ言えた。
やや気おくれしながら会釈してから、相手に続いて──
「お邪魔しまーす……」
■フレイヤ >
そうして、扉が閉まる。
バタン、と大きさの割に静かな音。
続くガチャリと言う音は、鍵が閉まる音だ。
「ふふ、ほら、こっち」
振り向き、廊下を歩き出す。
彼女からは見えないが、ペロリと舌で唇を舐め取りながら――
【ルームを移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」からフレイヤさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」からエゼルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都に幾つか存在する冒険者ギルドの支部の一つ。
とは言うものの、その実態は冒険者が客として集まる酒場兼宿屋であり、
申し訳ない程度に店内の掲示板に日銭を稼ぐための依頼文が貼られているに過ぎない。
それでも、1階の酒場では冒険者を始めとした荒くれ者や、彼らを相手に春を鬻ぐ娼婦、
その他にも飲食の為に訪れた一般客達にて相応の賑わいを見せていた。
その賑わいの中心、客達がそれぞれの卓にて同席の身内や仲間と思い思いの
時間や食事を愉しんでいる中で、独り、周囲の卓の客にちょっかいを掛ける中年男の影が一つ。
本来であれば、嫌われそうな行為であるが、誰も文句を言わず、また、店主も黙認する理由は至極単純で。
「いやぁ、運が良かったぜぇ。冒険の最中にコカトリスの卵を見付けてよぉ。
貴族の美食家が高値で買ってくれたぜ。アレは鶏と蛇のどっちの卵なんだろうな?
と、んん?グラスが空じゃないか? マスター、こっちの人に俺の奢りで同じのもう一杯。ほら、乾~杯~♪」
等と、傍迷惑ながらも、明快にて、周囲の客達に見境なくも奢りを振る舞う故。
奢られた方は多少困惑するも、ただで酒が飲めるとあって強く文句を口にする事もできず、
店主も彼のお陰で儲かる上に支払い許容額も抑えている為に、この行為を見て見ぬ振りをする始末。
■トーラス > 店内の騒々しさは未だ収まる気配を見せず――――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からトーラスさんが去りました。