2020/11/24 のログ
■ジーゴ > 自分でも、冒険者ギルドに仕事を求めるには技能不足なことは気がついているから。相手の沈黙に不安そうな顔になり、獣の耳もへにゃりと後ろに向いてしまっていたけれど、相手の返事を聞くとまた獣の耳はしゃきりと上を向いた。
「ロイスさん、よろしくおねがいします。あ、オレ、ジーゴだよ」
丁寧な言葉づかいをしているつもりでも、細かい部分には粗が目立つ。相手に連れられるまま、酒を楽しんでいる人たちとは離れた席に座り。
「オレ、しなないやつがいいです。いたいこともないやつがいいです。おかねは100ゴルドくらいもらえたらいいです」
今回、冒険者ギルドで職を得られたとしても、冒険者と呼ぶにはまだまだ技量不足なのだから、死ぬような仕事は任されないと気がつけもせず、また相場もよく分かっていないこと丸出しの希望を言った。
■ロイス > 「ジーゴ君ね。あ、何か飲む?お酒は無理だけど、ジュースぐらいなら頼んでいいよ」
喉乾くだろうし、と言いつつ、男の方は店員にライムジュースを注文。
ギルド職員としてはあまりこういうサービスはしない方が良いのだが、後輩冒険者にすると考えればありだろう。……都合よく身分を入れ替え過ぎだと思うが。
「んー、流石に100ゴルドはないかなあ。
――依頼料の相場って大体300ゴルドぐらいだし」
流石に100ゴルドは冒険者を安く見すぎだろうと苦笑いする。
冒険者はいつも金に困っているイメージがあるらしいので恐らく彼もその辺りから相場を推測したのだろうが。
きちんと慎ましく暮らしていけば、ちゃんと貯金とか出来るんだぞと思いつつ、
「だから、お金は除いて、死なない奴と痛くない奴って条件で探すと……」
ペラペラと書類をめくり、幾つかの書類をジーゴの前に滑らせていく。警備員や倉庫整理の仕事など、どちらかというと冒険者というより肉体労働者という仕事が多いが、
「――あ、これとかどう?」
と、ちょっと明るい声で言って、一枚の書類を投げた。
依頼名は、『子犬探し』と書いてある。
富裕地区の豪商の犬を探して欲しいというシンプルな依頼で、依頼料は400ゴルド。
これなら、ジーゴのスキルと合致しているし、何よりその依頼主が、
「ミレー族の、高給奴隷。
同じ種族の人だから、ミレー族だからって言って無理な値切りとかされる心配も薄いと思う」
ぴったりなのがあって良かった、と胸をなでおろす男であった。
■ジーゴ > 「じゃぁ、リンゴのやつ!」
ロイスにジュースを頼んでいいと言われると、嬉しそうに、リンゴジュースを店員に注文した。
「300!すごい!ごはん何でもたべられる」
金額を聞いて、思わず感嘆の声を漏らす。
100ゴルドと言ったのは、100ゴルドは彼が色々な場所で仕事をしたときにもらえる平均的な金額だからだ。やはり、ギルドを通さない仕事だから、ミレー族だということでぼったくられているのだろうか。
相手が書類の束をめくって、こちらに差し出してくれるのをしげしげと眺めるふりをした。
たまに分かる単語もあるが、かなり簡単な日常的な単語しか読めないから、ギルドの書類などは殆ど読めない状態で。
「こいぬさがし!いぬ…しろいろ…ちいさい」
最後に出された書類を懸命に読み上げた。
ちょうど良い案件が見つかったことを喜んで、肩に乗ったままの小さな竜も小さな鳴き声を上げた。
「これやります!犬さがして、つれてくればいいですか?」
事務手続きなどもあるだろうに、今にも探し出しに行きそうな勢いで相手に尋ねた。
そのとき、ちょうど頼んだ飲み物が到着して、リンゴジュースよりも仕事の話に集中している少年を横目に、竜がまずリンゴジュースを少し味見。
■ロイス > りんごジュースを頼むジーゴを微笑ましく見つつ、しかし300ゴルドですごいと言っているのは少し心配になる。
確かに食費としては相当に高いが、
「い、一応ちゃんとお金は貯めようね。100ゴルドぐらいで良いからさ」
何か、冒険者というより、お小遣いの使い方がよく解ってない子供の世話をしている気がしてきたが、しかしそういうのもギルド職員の仕事なのだろう。
しげしげと解ってるのか解っていないのか解らない胡乱な目で、書類を眺めていたのは少し不安だが、しかし大喜びで「やります!」と言ってくれれば男も表情を綻ばせて。
「うん。でも、先に、この仕事やりますってギルドの人と、依頼を出した人に教えないといけないから――」
と言って、ちらりと受付を見る。
丁度人が途切れたらしく、受付の前は空いていた。
男は、犬探しの依頼書に、ジーゴと自分の名前を書いて――ふと、そこで筆が止まり。
「そういえば、この竜……かな?この子は君のペット、かな?
一応、依頼に同行させるなら、その子の事も書いとかないといけないんだけど……」
依頼人にとってはどうでもいい情報だが、ギルド的には、魔物の様な存在を使役する冒険者がトラブルを起こした場合、後処理の為にその魔物の情報が必要なことがある。
だから、念の為に聞いてみる。
■ジーゴ > 「だいじょうぶ。お仕事してお金ためる」
うんうん、と頷いた。自分の生活費くらいはご主人さまに納められるようにするための仕事だ。もちろん無駄使いするつもりはない。
ロイスが依頼書に名前を記入してくれるのを熱心に眺めて。ここに名前を書いて受付に提出するのだとちゃんと覚えようとして。
「この子?クローロさんってなまえのともだち」
完全に不足している説明に、竜は「キュー」と小さく鳴いて、下げている小さな鞄からなにやら紙を取り出してロイスに見せる。その紙には紅月の従魔である旨が書かれているだろうか。
■ロイス > 「ん、貯金が出来るのは偉いぞ。冒険者の中にはマジでそういうの出来ないのも多いからねえ」
ぐりぐりとやや乱暴に頭を撫でて。
ちなみに、自分の名前を書いたのはいざという時に責任を取るためである。
「クローロって言うのか。って、この子なにげに賢いな」
会話から自分の事を言ってるのか解ったのだろうか。
そう思いながら、差し出した紙を見ると、「うわあ」と少し驚いて。
「紅月……君、紅月と知り合いなのかい?
それはまた、何というか……だったらあの子がついてくればいいのに……」
紅月がついていってくれたなら、色々と話がスムーズだったと思うのだが。
或いは、社会勉強のつもりだったのかもしれない。彼女結構そういう事する。
そんな事を思いながら、「成程」と頷いて、
「でもまあ、それならギルドの人にも話を通しやすそうだ。
それじゃ、ついてきて。一緒に、お仕事の手続きをしよう」
と言って、カウンターに歩いていく。
その後、スムーズに仕事は受けられる事になっただろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロイスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からジーゴさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にボブさんが現れました。
■ボブ > (仕事を終え、王都内を散策していた褐色肌の男。
お目当ての店の開店時間より少し早い時間だったので目に入った喫茶店に入れば
ブレンドのコーヒーとバタークッキーを頼み、出てきたフレンドをブラックのまま軽く入れていって)
「ふぅ~~、ちょっと外の風が冷たかったから、温かいコーヒーが本当に身体に染み渡るな」
(コーヒーの温かさで身体を暖めつつ、まったりとした午後の時間を堪能している男)