2020/10/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にモカさんが現れました。
■モカ > 本日は人通り賑わう露店の並ぶ一角に手編みの敷物を広げ、幾ばくかの糧を得ることにした。
敷物の上に並べていくのは、自身が作った魔剣と呼ばれる類の品々だが、今日店先に並べた魔剣は2つ。
一つは薄っすらと青い光を帯びる短剣、これは雪の降り積もり山頂にて作ったもの。
一突きすれば相手を凍てつかせようと冷気が走り、魔力を注げば吹雪の如き魔法を発することも出来る品。
2つ目は嵐の日に出会った精霊を宿したレイピア、羽のように軽く、震えば突風の如き突きを放つこともできれば、凪げば吹きすさぶ風が刃となって飛んでいく。
そんな品々には値札はなく、代わりに応相談の立て札が近くに置かれているだけ。
読み古した本を片手に、買い手がやってくるのを待ちわびながら時間を潰す。
売れれば運がいい、売れない……というよりは、精霊達が買い手を嫌がってなつかないケースもあって売れるかはまさに運次第。
吹き抜ける風が冷たくなってきた季節柄、あまり長居はできないなと思いながらも建物に囲まれた夜空を見上げる。
月の位置で大凡の時間を測れば、再び視線は手元の本へと向かう。
猫が人間たちの生活を眺める小説だが、獣からすればどうでも良いことに一喜一憂する様を嘲るシーンに頷きたくなる。
俗世離れした生活の身には、分かりづらい悩みだと。
■モカ > どれぐらいたったか、人の通りがまばらになる頃にはその姿はいなくなっていた…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からモカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 外れにある診療所」にオルドさんが現れました。
■オルド > 王都マグメール、平民地区の外れにポツンと存在する小さな診療所。
しかし、そこが診療所であるか、看板もない建物である為に判別が付け辛い。
知っている者といえば、よく通う付近の住人か、薬草の収集を依頼した冒険者や、その関係者。
後は、そうした関わりを持った事のある者から話を聞いた者達くらいだろう。
そんな事だから、今日のような外来患者も居ない日があるのだ。
そこの医師である男は今、誰も居ない診察室のデスクに腰掛け、コーヒーを片手に寛いでいる。
そろそろ片付けでもして寝室に引っ込もうか等を思案しながら。
■オルド > デスクの上には、明日の予定が記されたメモが何枚か。
取りに行く冒険者ギルドへと収集を依頼した薬草の種類。
やって来る外来患者の名前と来訪時間の一覧。
そして出向く出張依頼の患者の名前と時間の一覧。
出張依頼に関しては、平民地区、富裕地区だけでなく、貧民地区の場所も記されていた。
薬草を自分で取りに行く事も出来るが、そればかりではメインである医療術師としての仕事が出来ない。
そして外来患者をメインとはしているが、中には出歩けない患者も居るのだから自ら向かう必要があるのだ。
手にしたコーヒーカップを揺らしながら、視線が奥に向かう扉へと向く。
自室とキッチン、浴室と最低限揃った住居として兼用している部屋だ。
「しまった、そろそろコーヒー粉が切れちまうんだった。
行くついでに買物頼まないといけねぇな」
ふと思い出したような呟き。
自分で買いに行く事も出来るが、基本的には買い物は人頼みなのだ。
理由は二つ。
一つは自分で行くのが面倒という事。
もう一つは、そうした雑用を支払いの出来ない者達に代わりにさせて報酬代わりにさせている為である。
偶に気を利かせた者が、そうして向かわせる前に買って来てくれる事もあるのだが。