2020/10/17 のログ
■ジーゴ > 胸を舐めたことで小さな少年の体が跳ねたことは、馬乗りになって肩を押さえているミレーにはとてもよく伝わる。
にやにやとした笑いをまた零して、ズボンへと手をのばす。
「ヤじゃないでしょ」
反応してしまっている下着の様子をみて、嘲るように言った。下着越しに性器に手をのばして、幾度か上下に手を動かすと、ますます性器が頭をもたげるのを感じて。
布越しではあるが指で先端を刺激して、弄んでから、その手を離してしまうと。
「ねぇ、ほんとに男かわからないから、自分でシてみせてよ」
もう勃ちあがっている性器に性別は明らかなのに、わざわざ相手に自分自身で性器を触るようにと言って。
にやにやと笑った。
■リン > 「あっ……ううっ、あっ!」
緊張と恐怖で感度が高まった身体は、少しそう刺激されるだけで劇的な反応を見せる。
ミレーの少年が手を離したころには、すっかりと膨らみきってしまっているだろう。
「そんな……」
無茶苦茶なことを要求されている。
けれども、従わなければこの場から解放されることはないだろう。
露出した雄茎に、手を伸ばし、扱き始める。
あまりの屈辱に、ぽたぽたと涙が落ちていく。
けれど、そう、イヤじゃない。
年下の男の子に見下され、いいように弄ばれながら、どうしようもなく興奮してしまっている……
とはいえ、流石にその動きは緩慢だ。
やがて分泌される透明な汁が溢れ、手指を汚していく……
■ジーゴ > 嬌声を上げる相手にまた思わず舌なめずりをして、
零された涙にも煽られる。
体格と同じように小さいとはいえ充分に勃ちあがった相手の性器。ゆるゆると触っていても先走りがたれ、興奮が高まっていくのが分かる。
「ちゃんとしないと怒るよ」
片手を乳首に伸ばして、カリカリと獣由来の硬い爪で刺激をした。痛みなどは与えず、快感だけを感じ取れるように気をつけて弱い力で。
ミレーの少年も興奮して、思わず相手の肩を押さえつけている手を離して、服越しに自分の性器に手をのばした。
酒に飲まれている思考は少し緩くて、その間に相手が暴れる可能性には思い至らない。
■リン > 「んんっ、は、はひっ」
肉茎をいじっているところに、胸へと刺激を与えられる、快楽の火花が散る。
わなわなと震え、つうと唾液が口端より落ちる。
余計なことが考えられなくなりつつある。
「あ、……」
言われるがまま、泣きながら自慰を続けていたが、
気がつけば自分を押さえつける手がなくなって、
代わりに相手が、相手自身のものを弄り始めている。
逃げ出すチャンスかもしれない。このままだと、犯されてしまう。
最後の理性を総動員して、もぞもぞと身体を動かして、相手の身体の下から抜け出そうともがく。
服を脱がされ、さらにペニスを握りっぱなしの状態での惨めな這いずり方。
おまけにこの体格差では……相手を怒らせる以上の成果を出せないだろう。
■ジーゴ > 興奮する相手に煽られて、自分の性器に手をのばして
酒の入った目つきがより、とろりと快楽に溶けかけていたのに。
「うごくな」
もちろん、もぞもぞとした小さな抵抗は獣を完全に怒らせる。漏れた獣の唸り声。ピシャンと強い音と共に、勢いを付けた平手が相手の頬を捕らえて。
ミレーは快感を邪魔された怒りをそのまま相手にぶつける。
自分の性器を握ったままの相手の手首を握って、そのまま両方の手を頭の上の地面に押さえ込んで、そのまま、小さな少年の華奢な体を蹂躙しようと。
馬乗りになっていた体をずらして、相手の両方の足を上に上げさせようとして、そのままのし掛かるように、足を戻せないように固定を試みる。
もちろん、開いている片方の手はそのまま幼い体を這い回って、後孔に伸ばされる。
■リン > 「ぅあっ」
小さな悲鳴。頬がじんじんと痛み、今度こそ反抗する意思は奪い取られる。
青髪の少年の細い両手首は、片手でもまとめて押さえつけられてしまう。
両脚は強引に恥ずかしく開かれて、手放された若勃起が先走りを垂らしながらぷるぷると無様に揺れている。
「あっ、やめ、やめてっ、やめてよおっ。
もうわかったでしょぉ、ぼく大人の男なんだよぉっ」
もはや運命を悟り、懇願の叫びを上げる。
しかし言葉とは裏腹に、敏感になったあちこちの素肌を触れられれば
そのたびに脚の付け根に生える男性器はぴくんぴくんと跳ね、ぶら下がる睾丸が揺れる。
後ろのすぼまりはひくひく、と呼吸するように動き、正直な反応を見せてしまう。
■ジーゴ > 望んだとおり、簡単に小さな相手は腕を拘束されたまま、足を左右に開かされた恥ずかしい姿をさらしていて。
ミレーは満足げに、にっこりとした。
「こんなちっちゃい大人いるわけないでしょ」
すぼまりに伸ばした手は探るように、その中に中指を突き立てようとして。
「でも、アレだよ。『このチンポで大人にしてやるからな』ってあるでしょ。試したらお前も大人になるかもよ」
ひくひくと性器のように動く後孔から一度手を離して、
自分のズボンを下着ごと一気にずり下げた。
既に興奮を隠しきれず、勃ちあがった自分の性器を数回上下にしごいて、
再び相手の後孔に先ほどよりも本数を増やした指を挿し入れようとして。嫌がったとしても強引に押し進めようと。
■リン > 「んぐっ」
びく、と痙攣。
腸に突き入れられた中指に、息をすることを少し忘れる。
抵抗できないうちに、更に本数を増やされる。
「んぁーっ、んんっ、あああ、」
裏返った嬌声。
窮屈かと思われたが、少し時間をかけるだけでその孔は複数本の指を呑み込んでしまう。
中で指が動けば、玩具めいて体全体ががくがくと揺れる。
滲み出した腸液が指先を、とろぉと湧き水のように溢れ出すカウパー液が手をしとどに濡らしていく。
ペニスを直接刺激されているわけではないこともあり、まだ果てるには至らない。
「ふぅぅぅ……」
そして、ついに露出したミレーの暴威に、少年の視線が釘付けになる。
肌を上気させ、呼吸を荒くしたその姿は、
雄に征服され、犯されることを待ち望む生娘とさして変わりない。
もはや拘束がなくなったとしても、逃げるという発想すらなくなっているだろう。
■ジーゴ > 後孔に挿入した指を中で曲げてみたり、抜き差しを繰り返したりと弄びながら、相手を拘束している腕をようやく外して、相手の性器に指を這わせようとして。
がくがくと跳ねる小さな少年の体。
獣は舌なめずりをすると、そのままのしかかるように乳首に舌を伸ばす。ザラついた獣の舌が少年の乳首を刺激した。
「ほしそうな顔してんじゃん」
視線を感じてますます固く勃起したミレーの熱い熱が小さな少年の粘膜に近づく。くちゅりとキスをするような音を立てて、
先走りに濡れた獣の性器が、小さな少年の後孔に挿し入れられる。
「んぁ…」
ずん、と一気に奥まで挿入すると、思わず獣も快感に声を漏らす。欲望のままに何度も何度も抜き差しを繰り返して、奥に叩きつけるような腰使いと、荒い息づかい。
■リン > 「あっ、あ~~っ……」
のしかかられれば、小さすぎる少年の身体は簡単に覆われて下に隠れてしまう。
幼気さの残るミレーの少年に、上から、下から、獣性を叩きつけられる。
なぞる指の動きの一つにも、ささやく声にも、屈服してしまいたくなる。
迫りくる肉の柱は、自分のものよりもずっとたくましく大きい。
淫靡な花が口を開いて、湿った音と熱をもって、雄竿を迎え入れていく。
「あぐぅぅぅぅっ♥」
容赦なく打ち込まれる熱塊に、空気を吐き出して叫ぶ。
小さく細い身体ごと叩き潰すような強烈な注挿。
あっけなく最奥に到達する欲望の熱に、内側から、臓腑を灼かれていく。
下卑た獣の子供の、欲求のはけ口にされている。
「あああっ、ううう、うぅぅぅぅんっ。
大人にっ、大人にしてぇ、大人にしてぇぇぇぇっ」
青い髪を振り乱す。絶叫が路地に響き渡る。
自由になった腕を相手の背中に抱くように回す。
密着した腸壁が複雑にわなないて、侵入物を蕩かしていく。
ごしごし、と動物の仔のように、顔を相手の胸へとこすりつける。
もっともっとと、ねだっている。
■ジーゴ > 奥を突き上げるたびに飛んでいきそうになってしまう小さな体の肩を両手で押さえつけた。
体重をかけないようにするような配慮はなく、体の重みで相手を動かなくして
ガンガンと貫くような注挿が繰り返される。
「あッあ…」
相手の負担を考えることなく、何度も何度も奥を突き上げるように。あたたかな腸壁に包み込まれる性器がきもちよい。
なにも考えられなくなって、ただただ快感を貪って。
興奮しすぎて、漏れる声にたまに獣の唸り声が混ざる。
「や…やめ…」
腕が背中に回されてより密着するとやわらかな体が気持ちいい。胸に顔を擦りつけられると、くすぐったさに声を出して
「イ…いきそ…大人なれ!」
快感にどんどん回らなくなっている頭。
とにかく刺激を、快感を貪ろうとした結果、
順調に上り詰めた体は、ビクンと大きく跳ねて、
相手の胎内に白濁を吐く。
体を走り抜ける強い快感。
幾度か性器を痙攣させて、精液を注ぎきってしまうと性器を抜き去って。
そのまま、小さな相手の体にいくつものキスをふらせる。
できればそのまま相手の口をふさいでしまおうと。
■リン > 「ひぃぃぃぃぃ……んっ」
奥底で膨張と収縮が繰り返され、獣の欲望が身体の中心部へと注がれゆく。
それと同時に小さな少年も果てて、己の白濁で密着したお互いの下腹部を濡らした。
後ろに栓をしていたものが抜かれれば、前から後ろから、緩んだ蛇口のように白を零していく。
「あ……」
快楽の余韻に震え、呆然としていた少年に、口づけが殺到する。
見上げたかんばせの小さな唇も、絶え絶えの呼吸も、そっくり奪われる。
「ん、ん、あ……」
何か言うまもなく、口内に入り込んでくる舌。
それに己の舌を絡めて歓待し、流し込まれる唾液をこくこくと受け入れ飲んでいく……
余すところ無く征服されていく感覚に、果てたばかりの肉棒が再び緩く元気を取り戻す……
■ジーゴ > 「んっ…」
獣のザラついた舌が小さな咥内を埋めるようにして
歯列を舐めながら
小さな頭に手をのばして藍色の綺麗な髪を撫でる。
のし掛かった体の下で、再び小さな肉棒が勃ちあがるのを感じると、片方の手はそちらに伸ばした。
くちゅりくちゅりと、性器を刺激する音と、唾液の混ざる深いキスの音が人気のない、夜の暗がりに響いて。
まだまだ、小さな少年と幼い獣の交わりは続く。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からジーゴさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > ふらり、と疲労感を滲ませた顔、力ない足取りで夜の通りを進む女が一人。
夜を迎えても繁華街に近いその大きな通りでは人波が耐えることはないどころか、一層賑わっていくように思える。そこを往く人々の多くは酔っぱらって少し赤ら顔であったり、これからお楽しみに繰り出す途中で浮足立っていたり、連れと肩を寄せ合って笑っていたり――どの顔も一様に明かるいものが多かった。
そんな中で、疲れた重たい歩調は少ない方で。
かと云ってそういう者がいない訳ではもちろんなく、珍しくもない疲れた女の顔に注意を払う者などいる訳もない。
「………はあ、もう、そんな時間なのか……」
すれ違った通行人が連れに時刻を口にして遅れるから急ごうと云い合っていたのを耳にして、そこでようやく現時刻を把握した女は、あっと云う間に過ぎた一日を振り返るのも億劫で。
朝から下働きに、失った魔法を回復させる為の情報収集に、走り回っていたせいで重くなった足を引きずるように進めていた。
回復術師の女は、急に魔法が使えなくなってしまい。冒険者として活動していたがそれも、もちろんヒーラーとしての仕事もできずに、その代わりに方々で下働きや雑用を請け負って日銭を稼ぐだけでも今までよりも多忙となってしまったが、さらにその合間を縫ってどうにか魔法を取り戻そうと情報を持っていそうな者、状態回復を行えそうな者を探し回っていた。
――正直一日がいくらあっても足りない。そんな調子であったので、寝る時間を削り食事もゆっくり摂らず。
一日が終わりかけてくるこの時間となると――……、
「…………死ぬ……」
疲れ切ってふらふら。ぼそりと重々しい声でそんな独り言すら零れてしまう。
実際顔色も悪く、目の下には薄っすらと隈も浮かんで顔全体に『疲労感』と書かれていた。
自宅に向かって歩くのも、しんどい。家が目の前に移動して欲しいとあらぬことを考える程……だったので。
「ぁ……?」
とうとう、目すら眩んできて、ふらっと覚束ない足取りがよろけ身体が傾いた―――
■ティアフェル > あ、と思った時には瞼を閉じた訳でもないのに一気に目の前が暗くなり、ぐにゃりと地面が歪んだかのように感じたかと思えば――
ど さ り
行き交う人々の沢山の足音がすれ違う往来の片隅で、ばったりと倒れ伏してしまった。
かと云って、それもまた、珍しいことでもない。
この時間、通りのそこかしこでは酔っぱらって潰れた者や小競り合いでやられた者や使い潰された奴隷が力尽きて倒れていたからだ。
その中にひとり混じったところで目立つものでもない、が。
……だめ、こんな所で倒れてちゃ、だめ……。
一応見てくれは若い女だったので、いくらなんでも危ない……。このままでいるとどういう目に遭うか知れている。
どうにか必死に瞼をこじ開けようと焦るが、裏腹に意識が遠のいていく。
……だめ、だめ……起きなきゃ……起きて……。
けれどどうしても抗い切れず、暗く深く沈んでいくようだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にファイネアさんが現れました。
■ファイネア > 「―――ィア。―――ティア!」
眠りに落ちていく中に響く声。
倒れた女性を抱き起すように背中に手を当て、声をかけている。
仕事を終え、どこか酒場にでも寄ろうかしらと考えていた所、
見知った顔を見かけてやってきてみればいきなり倒れてしまった。
この所この子をギルドでは見かけていなかった。
その上掲示板には少し焦燥の見える依頼文まで出ており、少し気がかりではあったのだ。
会えたら聞いてみよう、と思っていた所で見かけてみたらこれである。
少しでも目を開ければ、いつも通りのような少し心配顔のような表情が見える。
ただ、普段通りのような笑顔は無いだろう。
■ティアフェル > 「………ぇ……?」
どこか、聞き覚えのある声が呑まれて行こうとしていた意識を引っ張り揚げた。
掠れた小さな声とも云えないような一音が零れて、呼びかけてくれる女の子声に反応した。ぴくり、と重く閉じていた瞼が薄く開いて、ぼやけた視界に映った姿。
綺麗な桃色の瞳は――……、
「ぁ、れぇ……? ファイネア、ちゃん……?」
見知った顔を見つけると少し持ち直したのか、かすれ気味の力ない声で呼びかけ。
いつもと少し違うような表情に思えて、「どうしたの?」と云おうとするが、一体どうしたのかは……己の話である。
夜間は随分冷え込むようになっていて、身を沈めた冷たく重い地面の感触の中背中を抱き起してくれる彼女の掌だけがあったかい。
■ファイネア > 「よかった。まだ意識はあるみたいね。」
わずかに安堵の表情を見せれば、ティアの顔にかかる髪を払う。
ついでに額に手を当て、熱が無いかなどを診る。
ここ数日は少し冷え込んで来ている。冬は近いだろう。
風邪などひいてなければいいが…ただ倒れるような体調では油断できないとは思っている。
「どうしたの。らしくないじゃない。」
普段は元気印の娘だ。
ぶっ倒れるような体調に加え、如何にも疲れ切っていますという表情。
自分の知っている様子とずいぶん違う事に、そう声をかけた。
あまり心配そうな声を出しても良くないと思った事もある。
起きれる?と問いかけ、立って歩けるようならどこか近くのベンチにでもいこうかと考えている様子。
■ティアフェル > 「……だ、だいじょうぶ、大丈夫」
全然大丈夫ではなさそうな青白い顔で、口許を歪めるように空笑いして答えた。
柔らかな手が髪を払って額に触れる感触に、微かにくすぐったげな表情を浮かべ。それから、あー、ぶっ倒れたの見れられちゃったなあ、恥ずい……と明後日なことを考えていたが。
ぶるり、と脊髄反射のように吹き抜けた冷たい秋風に身震いし、それかららしくないと掛けられた声に、いやはやまったく面目ないと苦笑いし。
「足元が若干よろけまして……もー、大丈夫…………ぁ……」
判り易い嘘を吐いて、それから語尾が終わったかどうかの内にぐ~と最近あまり満たされていない胃が文句を訴えるように鳴って、気恥ずかしそうに目元を歪めると。
「お腹減った、かも……あそこ、入らない……?」
一度倒れて、彼女の顔を見つけて気が張ったのか、問いかけに肯いてよろ、とやはりすこし頼りない調子で身を起こし、立ち上がって、手近にある食堂を指差して。
■ファイネア > 「全然大丈夫そうに見えないわ。」
カラ元気というには弱々しすぎる。
いかにも疲労困憊という姿に軽く苦笑いを浮かべる。
「…まぁ、虚勢を張れるだけマシかしら。」
本気で弱っているのだろうが、それでも友人の前で気を張ろうとする姿にやれやれと一息。
これは無理にでも休ませないとダメね、と考え…。
お腹の音に、くすっと笑ってしまった。身体は正直だ。
「あそこはダメ。向かいの宿にしましょ。」
指差された食堂をきっぱり拒否して、向かいの安そうな宿に目を向ける。
1階は酒場になっているようで、元気そうな男達の声がする。
ただ、そこなら食事を終えれば部屋を借りて休む事ができるだろう。
立ち上がってもなお頼りない姿に、もう、と一声上げて腰に手を回すようにして支える。
ほら早く行きましょ、と小さな声。
少々強引でも軽く引っ張るようにして宿へと歩いて行くだろう。
■ティアフェル > 「あら。変ねえ……」
まったく通じない強がりに微苦笑しながら、あははと乾いた笑いを落とした。
話していると気が張る。緩んでしまえばまた気絶しそうなのでなるべく口を動かそうと。
「うーん……敵わないなあ。
……そ? うん、じゃそっちにしよっか」
食べれば取り敢えず大丈夫、と相変わらず雑な思考。しかし空腹は本当だったので声より大きく響いた胃の音。まだまだ「腹減った」とばかりに続けて鳴る空腹音に腹部を抑え「アンタちょっと静かになさいよ、笑われちゃったでしょ」と苦情を云い。
それから、どこでもいいから近場の食堂、と思ったが酒場と一緒になった宿の方を示されてどっちでも良い、と同意して。
それから危なっかしい足取りを支えてもらって「面目ない…」とやはり苦笑い。
引っ立てられるようにそちらへ連れられて向かい。
がやがやと賑わう酒場の一角へ落ち着き、「なんでもいいからすぐに出せるもの」とだけ注文するとふう、と息を吐き出した。
■ファイネア > やけにくぅくぅと希望を訴えるティアのお腹をまじまじを見つめる。
この子ホントに大丈夫かしら?という表情を微かに浮かべるが…。
ひとまず、支えたままでペア席を陣取るだろう。
やってきた給仕の子も心配そうな顔を見せるが…。
「私、ワインとお肉。…あとポトフお願いね。」
雑に注文をした目の前の相手に一息。座って少しは落ち着いただろうかと視線を向ける。
じーっと見ていれば少し変わっている様子を見て取るだろう。
髪も乱れていたし、くまもできている。
お肌の様子もちょっと良くないかなー、と思うのだが…。それを指摘したりする事はなかった。
ひとまず休ませたいな、と思っているからだ。
ただ、座っていて眠ってしまいそうにも思えるので…。
「で、何があったの?」
と短く問いかけをぶつけておいた。
■ティアフェル > 鳴るな腹よ、と訴えたところで通じるような相手ではない。あーあ、まったく恥ずかしい…と溜息を吐いて諦め、それから、大丈夫かこいつって顔には気づいて。
あは、と短く笑いながらひらりと手を上げて誤魔化した。
給仕にも同じような態度を見せたので……返って不気味がられる。
酒場の他の客とは少し離れた席で落ち着いて、ほーと息を吐き出していると、じっと注がれる視座に気づいて、慌てて髪に触れて整えたり目を擦って隈を誤魔化そうとしたり、無駄な抵抗をするが、時すでに遅しである。
はーっとまた嘆息を零して、やれやれと自分に肩を竦め、端的な問いに一瞬ぐっと詰まって。
「ん……あの。最近忙しくってちょっと寝不足で……ごはんも少々忘れがちでね。
………………魔法が、使えなくなっちゃったものだから……」
へどもどと躊躇うようにくちにして最後はまるで悪いことをした時のようなバツの悪そうな顔をして小さく口にした。
話していると、すぐにサラダ、スープ、パンと作り置きのコールドチキンが出て来て。
ごめん、とりま食べるわ、とマジで腹がうるさかったので先に手を付けさせてもらうことにする。彼女のオーダーも続いてすぐまずワインが運ばれポトフもやってきたので。
■ファイネア > いそいそと誤魔化すような姿。
きっとこちらに心配を掛けたくないのだろう。
気持ちはわかる、わかるのだが。そもそも倒れた所見つかっているものね、と内心で苦笑する。
「魔法が? そっか。」
小さく口にする言葉にすぐに合点がいった。
掲示板の依頼文もそういう事ね、という所。
魔法が使えないヒーラーなら仕事にもならないだろう、という所も。
「だから無理してぶっ倒れてたのね。…無理しすぎ。」
ダメよ、とそれだけ。
ただ、無理しなければならないのだろう。稼ぎが減ったらその分生活が苦しくなるのだから。
やってきたワインを一口飲んで、怒った風な言葉続けないように飲み込んだ。
大皿のポトフを少し取り分け、ティアの前に。
「スープだけじゃなくて、暖かいモノ食べて。」
■ティアフェル > 多少誤魔化そうとしたところで無駄なのは分かっているのだが、情けなさ過ぎて色々無駄なことをしたくてしょうがない。
彼女が通りかかってくれて確かに助かったのだから、余計になんだか済まないような気持にもなり。
どこか気まずそうにうろうろと視線を彷徨わせ。向こうに座っていた客と目が合って、慌てて反らし。
「そー。まったく……ヒーラーがヒールできないんだからお笑い種よ」
自嘲気味に肩を竦めて零し、それから。唇を噛み締めてふる、と一度首を振って見せると。
「……全然、無理じゃないわ。足りないもの」
およう
何も解決していない。それは努力が足りないからだ。まだできる余地があると焦燥感すら抱いて。今はやるしかない、と少々重い顔をして口端を失敗した笑みで歪めて。
それから注文の品に手を付けようとしたところで、ポトフをお裾分けしてもらい。
ほっこりと双眸を和ませて。ありがとうと受け取り。
「いただきます」
大きくカットされた野菜を崩して口に運んで、シンプルな味わいが空っぽの胃にじわっと沁みて、目を細めて幸せそうに相好を崩し。
「ぅぁー、ちょーおいしー……沁みる~」
■ファイネア > 「何ならフロントに出てみれば? ティアならいけそうだけど。」
お笑い種、という事なのでそう言ってみた。
真面目な話、この機会に杖の扱い方で前衛の戦い方を学んでもそう悪い選択ではないと思う。
事情が解決した後も無駄にはならないのだから。
「足りない、ね。…でも倒れちゃったらダメでしょ。
貴女自身の事だけならまだしも、家族もいるんだから。」
好きなだけ食べていいよ、とポトフの大皿を示す。
空きっ腹に温かい食事は換えられるものもない。幸せそうな様子に少し満足する。
次いで運ばれてきた鶏肉の鉄板焼きにフォークを挿して口に運んで行く。
「…でも、原因はわかんないのよね? その前後で何かあった?」
鶏肉を飲み下し、手掛かりでもないか聞いてみるが…。
■ティアフェル > 「……わたしは前衛ほどの力はないからね。武器も扱えないし」
スタッフを振り回しているのは職業上の装備制限もあるけれど、やんちゃな連中やモンスターと磨いた喧嘩技くらいしかないもので。回復術がなければ加えてくれるパーティもない。ふ、と息を抜くように吐き出して。
「人は倒れて鍛えるものよ。……あ、嘘です怒らないで下さい……。
……気を付けます。確かにここいらの路上で倒れたらエサでしかないからねえ」
今日も彼女が通りかからなければあのまま気絶して末路はと考えると、下手な冗談はすぐに謝罪して。
ポトフを勧められるとありがとう、と笑って。取り敢えず自分の分にも手を付けて、しばし、ぱくぱくぱく、と夢中で食事に没頭し。ある程度胃に収めたところで人心地。ふいい…と満足そうな息を吐いた。
水を飲みながら訊かれて、んー…と首を傾げ。
「その前には、魔力を使い果たすくらい限界突破で搾りだして……それから魔力が戻った頃に使おうとしてみても発動しなくなって……」
ある見解では、魔力回路の不具合ではないかと云われている。考えながら答えて。
■ファイネア > 「真面目に練習するなら付き合うよ?」
長物の使い方は知っている。
厳密には違う武器ではあるが扱いに共通する事も多いだろう。
なので力になれるなら協力する。…が、時間も少ないかもしれないなぁ…とは考え。
「そうよ。外で倒れても危ないけれど、王都の中でも危ないんだから。
…怒ってはないけれど、繰り返さないかが心配ね。」
もぐもぐと食事を続ける彼女を見ながら、ゆっくりと食事を続ける。
ワインも鶏肉も美味しい。ただ、今日はそこまで味わっている、という気分でもなかった。
情が出てるわね、と内心で考えてはいる。
「ふぅん…。私は門外漢だからわからないけれど、そういう事ってあるのね。
案外気持ちの問題っていう事もあるかもね。ティアは頑張り屋だから。」
ポトフに入っているじゃがいものをつつきながら、食事を終えた相手を見つめる。
実際の所どうなのだろう、と考える。
自分が魔力を扱う事は基本的に伏せてはいるが、そういう症状に心当たりはない。
うーん、と言いながらグラスに入っているワインを干した。
■ティアフェル > 「ありがとう。嬉しい。でも、わたしヒーラーに戻りたいから」
冒険者に戻りたいのもあるが前衛としての役割でではなかったので、お気持ちはありがたく頂戴し、ふるりと首を振った。
武器の修練をするよりもやらなければならないこともあるので。
「そりゃあね。倒れていい場所なんてベッドの上くらいよねー。
本日はは大変お世話になり感謝しておりますぅ」
改めて深々。頭を下げた。お友達に心配をかけてしまった。助けられてしまった。
ありがたいとともに申し訳ない。若干恐縮がちだが、注意してくれる言葉が嬉しい気持ちはあった。だから人心地着いた今、少しばかりにやにやした。
「魔法職には稀にあることなんだって。精神と結びつく技でもあるから何かショックを受けた時とか……使えないって自分で思い込んじゃった時とか。
わたしの場合はハッキリしないから困ってるんだけど……。
はは、大分前のめりに生きちゃってるからねえー」
頑張り屋、と良い方に解釈してもらってくすぐったげに頬を掻いて。
明るい話題でもないが話していると気持ちが落ち着いてくる。どこかほっと安堵したような心地で。
「聞いてくれてありがとねー。図々しいついでに、もしも何かわたしみたいな症状の話を聞いたら教えてくれると助かる」
■ファイネア > 「そっか。なら止めないわ。」
大方、予想通りの答えではあった。
まぁ、それでも暇があるなら手ほどきくらいは考えておこう。
護身程度でもないよりはマシだろうし。
「別に気にしてないから、本当に繰り返さない事だけね。
何なら私の胸の中に倒れ込んでもいいけれど?」
そんなニヤニヤした様子に切り返す。
柔らかいよ?とこちらもにやにやしながらインナーに包まれた胸元をちらりと見せてあげた。
「…ふぅん…。」
じゃあ何かショッキングな事があったのか、と思うが…。
今ここで根掘り葉掘り訊くのも気が引けた。二人きりというわけでもない。
ただ、話して少しほっとした様子にわずかばかり安心はした。
「わかった。と言ってもあまり症例としては無さそうだけど。
…あぁ、そういえば平民区の修道院が日雇いの救護の仕事募集してたかしら。」
行ってみたら?と最後の鶏肉を口に運んだ。
魔法が使えなくても怪我人への対処はあるのだ。
気持ちの問題だとすれば、そういう仕事をしていれば回復につながるかもしれない。
それと―――。
「…あと心配ついでのお節介だけど、少しここで休んでいく事。
小一時間経ったら起こしてあげるから、ちょっと寝なさい。」
部屋代と食事代はツケにしといてあげるから、と笑う。
ただし、その笑みは「絶対逃がさないから」という若干蛇のオーラが見えるようであった。
■ティアフェル > 「ん、ありがと」
尊重してくれるようなのが嬉しかったし、それから本職に影響しない程度の武術指南ならお願いしたいところだったのでいずれかの機会に手ほどきを受けるかも知れない。
「やだー。それもイーィねえー。
次はぜひそうしたい所存ー」
胸元をチラつかされて、二人してにやにや笑いながらそこは乗る。
同性だとて柔らかな胸元は魅力的だ。自分のには埋まれないものだから人さまのにいっぺん埋まってみるのも悪くない。
おねしゃす、と会釈するエロ親父。
そして、親しいと思っている相手に話を聞いてもらえただけで大分落ち着いたのか、当初よりも陰りは薄くなっていた。
相変わらず眠たげではあったけど。
「そうね、でも冒険者なら普通の人よりもそういう情報をキャッチするかなとは思うので。
……ん? そうなんだ。ありがとう。じゃあシフトが空いてれば顔出してみるよ」
その情報はなかなか耳より。さすが冒険者。アンテナがやっぱり色んなところに立っている。修道院ね、と頭の中にメモを取って肯き。
「え? あ……う。わ、分かった。
本当にありがとう……。正直お腹がいっぱいになってめっちゃくちゃ眠たかったの……多分そうそう起きないだろうから、引っ叩いてくださいな」
もう泥のように眠りたい。何だが圧も感じたので抵抗するのは非常に無意味と悟り。
実際ありがたいことであったので素直に甘えさせていただく。
お金は払う払うっ、とそこでは抵抗するが。
そして、お腹一杯でほっとして死ぬ程眠かったので二階に上がり空き室のベッドに倒れ込むなり、秒で深く眠り込んでしまったのだった。
起こそうとしてもその後、なかなか目を覚まさず手古摺らせるという面倒くささまで発揮する迷惑なヤツ――。すっかりお世話になって最終的に、ありがとーファイネアちゃん大好きーとにこにこ。大分良くなった顔色で告げるだろう。