2020/09/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 平民区の中でも、夜に賑わう場所。
小さな酒場から出てきた褐色肌の冒険者は一歩、通りに立ち止まって満足げなため息をついた。
「美味しいお魚料理だったー……!
おなかいっぱい!しあわせー。
――さて!ご飯も済ませたし、次は宿を探さなきゃ。
いつもの場所でも良いけど、たまには別のお部屋にも泊まってみたいなー」
依頼を終えて王都へ戻り、夕食を楽しんだところである。
歩く宿場街の通りは今が賑わいの最高潮、並ぶ宿やお店の前で客の気を引こうと呼ぶ声掛け声もひっきりなし。
自分と同じような冒険者から旅人まで、老若男女。酒や食事や宿、そして一晩の甘い夢を求めて足音は絶えない。
いつもお世話になっているこじんまりとした宿の部屋も気に入っているが、元より遊牧民は根無し草。
放浪気分で別の宿を探し、人混みの中をゆっくりとあたりを見回しながら歩いて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にトーカさんが現れました。
■トーカ > 宿屋の多い通り。あちこちで客引きの掛け声が聞こえる。
その中に、こんな呼びかけが混ざっているのが聞こえただろうか。
『安いよー! ワケありだけど安いよー!
個室の風呂トイレつきのスイートを今夜は半額で提供するよー! ワケありだけどなー!』
もしタピオカが、宿の主人とおぼしき男(NPC)に詳しい話を聞いてみるのならば。
――どうも、一週間ほど前から彼の宿で一番上等な客室にて『不思議なこと』が起こるらしいという。
客の所持品が突然目の前で消えたり。
徹夜して一晩起きていたにもかかわらず荷物が盗まれていたり。
誰かに見られてるような気がしたり、部屋の隅に何かしらの気配を感じたり。
そんな噂が早速広まってしまって、ここ数日は宿自体の利用客も減ってしまっているとのこと。
なので仕方なく、安く部屋を提供しているようだ。おかげでスイートルーム以外は客足が戻り、埋まっている。
加えて、スイートで起こる怪奇現象の謎を解明してくれたのなら、宿代をまけた上に報酬まで出すという。
――まぁ、その怪奇現象の正体は『透明になれる人間』によるイタズラのせいなのだけれど。
いまのところ、トーカはバレずにスイートルームに潜み続け、イタズラを続けている。
そろそろ潮時なのかもしれないが。
■タピオカ > 耳に届く客引きの声に睫毛が弾む。
ワケありだけど、という謎めいたキーワードに好奇心と興味を覚えると迷わず近づいて片手をひらひらと揺らしながら笑顔を向ける。
半額というのも美味しい話だけれども、探求と旅好きの心にきゅんと響いたのだ。何か謎めいたものが待っている部屋というのは。
そのスイーツの部屋に泊まりたいという旨を伝えながら詳しく聞くところによると、ますます面白そうだ。
何が出てくるかわからないびっくり箱を枕代わりにするのも刺激的で良い。多少の脅威があったとしても、剣の腕も体術も自信がある。あわよくば、半値で泊まるスイート部屋と一緒に報酬も手にしてやろう。そんな心意気持ちながら、部屋への案内を頼み。
「わぁ……!普通に素敵なお部屋……!
お風呂もトイレもついててあのお値段なんて信じられないや。
それにこの部屋に何か居るんだよね?
――ねぇ!もしかして。もうこの部屋に誰か居るー?もしもしー?」
一番上等な客室と聞く通りの部屋に着いて、旅の道具や下着類、予備食料等が入ったリュックをベッド脇に置きながら周囲を見回し。普段泊まる安宿とは違う佇まいに感嘆のため息。誰の気配もなく、返事が返って来るわけもないと思いながら、戯れで部屋に向かって呼びかけてみる。
■トーカ > 所詮は平民向けの宿のスイートである。
普通の部屋よりも広く、ベッドが少しだけ上等で、扉や窓の錠前も頑丈、といった程度。
それでも半額であれば他の宿の一般客室よりも安上がりで、大変オトクと言えよう。
ワケありという点も冒険者にとっては好材料のはず。報酬を貰えれば、1週間は飲み食いにも贅沢できるだろう。
そんなわけで、小さな冒険者ひとりが泊まるには若干広すぎる部屋に通されたタピオカ。
さっそく『誰かいるー?』と虚空に向かって問いかけてみても、なんら反応はない。
タピオカがチェックインしたことでこの宿屋は満室となったわけだが、隣室の宿泊客の気配すらも感じられないだろう。
……だが、実際のところ、このスイートルームには先客がいる。
いまは自らの特殊能力である『透明化』と、磨き上げた盗賊の技術により、うまく気配を消している。
そうしたうえで、半開きになった浴室の扉から部屋の中を観察しているのだ。
(………ふひひ♪ ここ数日は客が入らなくて退屈だったけど、よーやく新しいカモが来たぜ!
しかも女の子じゃん♪ ずーっと男相手のイタズラばっかでつまんなすぎたんだよなー!)
透明化した少年の口角が嫌らしく持ち上がる。
もちろんすぐには手を出さない。しばらくは観察である。
ヒトがプライベート空間でどういう行動をするか。ヒトの秘密にしたいことを明らかにするのは、楽しい。
■タピオカ > いつも泊まる部屋よりも余裕のある空間。賑わう通りの気配が望める窓に備えられた防犯対策。ここなら半額と言わず全額出しても満足できるように思う。
そんな部屋にまず一夜、じっくり腰を落ち着けてみようじゃないか。ここに巣食う、何かと対峙しながら。
そんな思いに呼びかけた声はどこか弾んだものだった。
呼びかけへの反応は全く無し。
草むらの影に潜む危険な肉食獣めいた気配も感じられない。と、そう思った。
けれど、何か視線のようなものだけが向けられている矛盾を感じた。透明化している相手へ一瞬だけ、目と目が偶然合うが。特に不審がる様子もなく。ベッドの端にすとんと腰かけ。
「何が起きるのかな……?
でもとりあえず……。お風呂に入ろう。
一日じゅう歩いて汗かいちゃったし。
個室にお風呂があるなんて贅沢、めったに無いし!」
しばらくあたりの様子を見守るものの、ひとまず謎の解明よりも旅人が宿に泊まるにあたっての欲求を先に叶える事にした。広い部屋という開放感がそうさせるのか、その場でするするとチュニックを脱ぎ始める。巻きスカートの合わせ目を解き、チューブトップの背中を緩め。淡いブルーの紐下着を解いて生まれたままの姿になる。衣服類を綺麗に折りたたんでサイドテーブルへ置く。
浅い膨らみの乳房も薄桃色の恥丘も露わになったまま、浴室の扉へと鼻歌を歌いながら入ろうとし。
脱衣の間浴室扉の向こうへ居る相手が浴室や室内のどこかへ隠れる準備時間は十分にある。その気になれば引き続き気配を隠しながら様子を伺うのは容易だろう。
■トーカ > 部屋に入って来たのは、小さな褐色の女の子。この国ではあまり見ない人種かもしれない。
帯びている曲刀などを見るに、旅人か冒険者か。たぶん後者だろう。
だが、多分に幼さの残る顔立ち、体つきである。きっと腕っぷしは大したことはないだろう。
――そんな風にタカをくくりつつ、値踏みの視線を向けるトーカ。
目の前では、安心しきった様子の少女がスルスルと服を脱ぎ去っていく。
幼くても女は女である。つまびらかになっていく異性の生々しい素肌に、トーカも興奮を禁じえない。
早くも股間ではペニスがむくむくと鎌首をもたげ始めている。
細長いつくりの肉棒は、鮮やかな髪や目の色、とがり気味の耳と相まって、純粋な人間でないことを伺わせる。
見えないけれど。
どうやら彼女はさっそく入浴としゃれこもうとしているようだ。おあつらえ向きに、すでに湯は張ってある。
入浴はヒトが就寝時の次に無防備になる瞬間である。当然、ご同伴したい……ところだが。
トーカはその欲求をあえて抑え込み、タピオカと入れ違いになるようにしてスルリと浴室から出てきた。
足音も息遣いもほとんど立てることなく、ほんのわずか湯気だけをまとって。
そして、タピオカが浴室に入りバスタイムに興じ始めて、数分後。
―――ぴぃ~~~…………ぷぴっ…………ぷえぇ~~~~
気の抜けたような笛の音が、客室から聞こえてくるだろう。タピオカはその音色に聞き覚えがあるはずだ。
そう、タピオカが常日頃持ち歩いている笛の音である。それを何者かが(トーカが)吹いているのだ。
笛を吹く技術はまったく習得していないため、その音は完全に雑音と化しているが。
もし、タピオカがすぐさま浴室から出てくるなら。
置いていた荷物の傍で、笛と紐下着だけがフヨフヨと宙に浮いているのが目にとまるだろう。
そしてなぜか、他の着衣が見当たらない。愛用の曲刀さえも。
■タピオカ > 幼い頃から野外生活に慣れ親しんできたし、冒険者として経験を積んでも居た。けれど不可視の存在を見通せるような魔眼は持ち合わせておらず、一糸まとわぬ無防備な姿が浴室の扉をくぐる。その刹那、何かがすぐ脇を通り過ぎた気がした。直感に近いものがそう自分に囁いて振り向くも、やはり何も見えず小首だけを傾げ。
スイートルームの名に恥じないバスタブだった。
風呂桶に入ったお湯でタオルを濡らし、身体を吹いて足を拭う。安宿の湯浴みといえばその程度だったから、湯けむり沸き立つ浴槽に思わず目元綻ばせ。
「わーい!ちゃんとしたお風呂……!
肩までつかれるお湯なんて、いつぶりかな……!
えへー。……ふぁぁ……。素敵……」
浴室に歓声が響く。相手が浴室内を見ていなくても、その笑顔が容易に想像できるような声音。いそいそと湯船に身体を沈めると、その心地よさに呟きが溶けていく。
……のだけれども。
「ふあっ!?えっ?えっ?何の音……、って、……僕の笛?
待って、なんで、誰……?
――ぅわぁああぁっ!誰!?かっ、……返してよぉっ!」
何の前触れもなく鳴った、曲芸のピエロが失敗で笑いを誘うような笛の音にびくりと裸体がすくんで慌てて湯船から立ち上がる。濡れた身体のまま室内へ戻ってみれば、下着が笛を鳴らし……、じゃなかった、笛と下着がひとりでに浮かんでいる奇妙な光景。
明らかに自分が見えていない何かが自分の荷物で遊んでいる。大切な笛だけではない、人に露わにするものではない、自分が先ほどまで身につけた体温も残る下着までもだ。
混乱するやら恥ずかしいやら、顔を赤く染めながら。
反射的に部屋を改めるが愛用の曲刀は見当たらない。もっと警戒すべきでありながら、自分が裸という気の焦りも手伝って。笛とぱんつを取り戻すべく、あてずっぽうの素手で彼に掴みかかろうとし。
■トーカ > 女子の持ち物の中から笛を見つけたら、つい吹いてみたくなるというのが男心。たぶん。
少なくともトーカは、いの一番に手を伸ばした下着よりもそっちに気を惹かれたのだ。
かくして、片手にほかほか脱ぎたて下着を握りしめたまま、横笛にも手と口を伸ばしてしまった次第。
――もちろん、音を立てることによって少女に警戒心を抱かせてしまうが、覚悟の上。
案の定、下手な音色につられて、慌てた様子の少女が浴室から飛び出してくる。当然素っ裸で。
部屋の中では笛と下着が空中浮遊しているが、現れた少女の姿にピタリと音色は止まり、くるりとそちらを向く。
その所作から、『透明化した人物がここにいて笛を持っている』ところまでは想像がつくだろう。
もちろんトーカは、そのまま素手で殴りかかられて来ても、無防備に組み付かれてしまうような素人ではない。
迫りくる裸体の少女の目の前に笛だけをフワフワと浮かせたまま、不可視の何者かは俊敏に横っ飛び。
タピオカの突進を器用に躱しつつ、くるりと身を捻ってそのままタピオカの背後を取り、抱き付いてしまう。
両手を褐色少女の腹と首元に絡みつかせ、ぎゅっと力を込める。
背丈にそれほど差はなく、体格も細め。決して怪力ではないが、しかし男の力である。
互いの怪我も厭わない全力を出すか、意表を突くかしないかぎり、振りほどくには苦労するだろう。
「………ごめんなぁ、せっかくのバスタイムを邪魔しちゃってよ?
ところでさ、この笛の吹き方教えてくんなーい……?」
不審者の姿はいまだ透明ながら、組み付いてしまえばその正体のおおよそは予想がつくだろう。
その予想から概ね外れない印象の声が耳元でつぶやかれる。声変わり途中の少年くらいの声質。
鼻息荒めの呟き声でそう語りかけながら、右手に持った横笛をペチペチとタピオカの頬に当ててくる。
少女の薄いお尻には硬く張った肉棒もぐにぐにと押し付けられ、たいへんに無作法だ。