2020/09/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  平民地区の少し人気のない通りで一人、きょろりと辺りを見回してどこか人待ち顔をしている女が立っていた。
 ――待ち合わせの相手は、まだ誰が来るのかは分かっていない。
 ただ今回の依頼を受けるに当たって、カップルを装うという必要があったので適当に手隙でさらに相手がコイツでも請けるという人物が冒険者ギルドを通して派遣される筈だ。
 カップルである必要性があるのは、最近ここいらで仲の良いカップルを狙っての嫌がらせというか――テロが起こっているから。犯人は恐らく極度の拗らせ独男。「爆発しろ!」と叫んで爆薬を投下してくるというヤバさ。
 その爆薬が手持ち花火程度なので今のところ死者や重傷者は出ていないが――それも今後はどうなるか分からない。早めにとっ捕まえよう、と云うことになって今回囮作戦に乗り出したという経緯。

 なお、男女カップルに限らず、人目憚らずにいちゃいちゃとらぶいオーラを出してさえおれば、女性同士のカップル、男性同士のカップルも狙われるため、今夜待っている相方が女性なのか男性なのかも来てみないことにはまだ判らない。

 犯人が引っ掛かって爆薬を投下してきた場合負傷のケアが速やかに行え、また一般人程度であれば問題なく反撃可能ということで自分は選ばれたのだった。

 しかし、もう一人の相方がどんな相手かさっぱり分からないのは少し困るな、と待ち合わせ場所である鳩の看板が目印の宿屋の前で待ちながらそわそわと右、左、と通りを確認していた。

ティアフェル > 「あ~……やばい、なんかドキドキしてきたー……要はバカップルの芝居だもんね、振りでもイチャイチャしなきゃなんだもんね。どーしよ、余りにもイケメンが来てしまったら………」

 両頬に包むようにして手を当てて、独りで盛り上がる女。そこまで無駄な妄想をカマしたところではた、と我に返り。

「……イケメンってだけでなびく程我ながら浮ついてなかったわ……。それに、誰が来るんだか知らないけど、むこーがわたしにドキドキもしないだろーしな。
 あー。考えれば考える程何も甘酸っぱくなーい」

 ふぅぅ……。異性であれ同性であれ簡単にそういう対象として見てもらえたらわたしのプライベートもっと分厚いわ、と空笑いし。

「せめて、独男にイラっときてもらえるよーな、そんな立派なバカ女の振りをしよう。声はワントーン上げて……上目づかいで、目にはハートを浮かべ……それから語尾は伸ばし気味に……一人称も気を付けて……ここぞとシナなんか作るといーかな?」

 ぶつぶつぶつ。役作りに勤しみながら宿屋の軒先で待機中。こんなことならどっかの店で待ち合わせの方が良かったかなーと若干後悔しながら。相手を待つ間、客観的に観て腹立つバカップルの挙動をアレコレ思案していた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアネラさんが現れました。
アネラ > 今日のこの日は完全オフ。放浪者にオンもオフもないのだが。
王都内の楽しそうなところ探し。色んな場所に立ち入ることができる年齢となり、これはとても楽しいこと。
ああ、今日はいいお酒でも探しに行こうかな。なんて、目的は部屋を出てからコロコロ変わっている。

「……うん?」

なんて歩いていると、宿屋の看板のところに……つい最近沢山おしゃべりした色鮮やかな女性。
立って何かを待っている風だが、その所作もなんだかにぎやかだ。
何かあるのだろうか……?

「ええっと……。 ……ティアさーん。何かあったんですかー?」

前回の帰り道への入り口で変えた呼び名。日が少し空いてよぶにはちょっとだけ気恥ずかしい。
けど、仲良くなった証だから。軽く手を振りながら笑顔で。

ティアフェル >  待てど暮らせど誰も来ない。ただ、独り可笑しなテンションで立っているもので異様な物を見る目でチラ見されながら通り過ぎて行かれるくらいだった。今のところ誰とも目を合わせていない。むしろ合わそうとして貰えていない。

「それにしても遅いなー……ひょっとしてすっぽかされたパターンか、コレ……」

 いい加減待ちくたびれて呟いた。冒険者ギルドの方で相方が見つからなかったのかも知れないな、と察して困ったなあと小首を傾げ、一旦戻るかなと考え始めていたその時。

「………お?」

 不意に掛けられた声。先日知り合ったとてもとても人の良い男の子。確か勝手にこう呼んだ。

「アッくーん!」

 誰が来るかは知らされていないが、ギルドから派遣されて来た様子でも、ない……ともかく手を振り返しながら気安く笑い掛け。そしてここで何をしているか、大きな声ではいえないので、えーとと口ごもり。

「……えへ」

 誤魔化すようにへらりとした笑みを刻んだ。説明してもいーのかね、これ。と考えあぐねつつ。

アネラ > なんだか思案顔だったり、結構百面相をしている。
元気なお姉さんだなあとは思っていたけれど、今日は表情もとっても元気なのだろうか。
なら内心になにかがある?うーん……?

「はい、アッくんですよー」

故郷でもそう呼ばれなかった、ティアさんからだけ呼ばれるニックネーム。
ちょっとだけこそばゆくって、ふにゃと笑顔、ちょっと赤面。
手をふわふわと柔らかく振って。

「……? どうしました?」

なんだか悩み事なのだろうか。口に出すか出すまいか、そういった仕草にみえる。
あまり女性にアレコレと質問するのもあれだし……。
なんて考えてる顔は、ちょっと心配げ。

ティアフェル >  呼び返すととても素直なお返事が返って来た。んー。今日も良い子だなーと微笑まし気ににやつきながら、笑顔と少し赤くなる彼の少し女の子っぽい顔を眺めていたが。

「え。えーとぉ……」

 誤魔化し笑いだけじゃさすがに乗り切れなかった。そりゃそうだ。ただただ不審なだけだ。心配そうな雰囲気まで出されては、云った方が楽だな、と判断し。さらに口止めしとけばペラペラしゃべる子でもなかろうし、そもそも禁口令は敷かれていない。

「あのねー……実は……ちょっとお耳を拝借……」

 しかし大声で話すこともできず一応こしょこしょと耳打ちの態で説明し始めた。冒険者ギルドからの依頼でカップルの振りをしての囮作戦の予定なのだけど、派遣される筈の相手がどうも来れないようで今日は諦めるところだったと。

アネラ > 「何か……困ったことでもありますか?」

もし、自分で可能なことなら助けになりたい。
この国、この街ではそうそう思ってはいけないこと。けれど、友達になら大丈夫。
だから、もし自分で力になれるのなら……。

「はい、耳。耳お貸しします」

こちらが少し背が高いから、ちょっとだけそちらに傾くように、話しやすいように。
ことのあらましを色々と説明してもらう。
『えええそんなしょうもない犯罪者が?』という複雑な訝しげな珍妙な顔になる。
『カップルのフリ……』と、ちょっとだけほっぺが赤くなる。生娘か。
『相手がこない』という、なんかもう組織なのにだめだなあと呆れ顔。
こちらも表情が百面相になっていく。

「はああ、なるほど。そりゃあ困った顔にもなりますよね……」

耳を貸しながら、うんうんと頷いて。僕ならたぶん、ぶっちぎって帰っている。不義理にはすぐツンとする犬気質だ。

ティアフェル > 「まーね……困った、ってゆーか。モチベ上げつつ待ちぼうけてたわたしなんなのってかね」

 誰も来やしないのに超役作りしてたなんてお笑い種もいいところだ。微苦笑しつつ頬を掻き掻き。
 耳を貸してもらって、内緒話のようにことのあらましを説明していくと、目の前で百面相が展開された。
 さすがに堪え切れず、っふ、と小さく吹き出しつつ。
 説明終了して相手からの感想に、少し思案顔で黙ってから少々躊躇いがちに口を開く。

「ま、そーゆう可能性もなきにしもあらず、ということではあったからしょーがないんだけど……。
 ――ね、あのさ、もしも暇なら……アッ君手伝ってくれないかなー?」

 今宵の相方にドタキャン(?)食らったので、この肩透かし状態をどうにかしたい、と思い余って少々云いづらそうながら彼の顔を窺うようにして。駄目もとで訊いてみた。

アネラ > 「ちゃんとお仕事にやる気だったのに、肩透かしだったらそうなっちゃいますよー」

役作りとかは、その場をみていなかった見としては『まるで役者さんみたいで、すごい努力だなあ』というのんきなもの。
うんうん、と全面的に肯定していく姿勢でうんうん。
ちいさく吹き出す声。ちょっとした笑顔。そういうふうに不安とかが重量軽めなら大丈夫かな、なんてちょっと安心。

「……………。
――――。
へあっ!?  (急に小声になおして)ぼ、ぼくで、いいん、ですか……!?えと、お芝居でも、そういう2人の感じですよ!?」

弟のようにしか見れないんじゃないかな、大丈夫なのかな。
いいのかな。大丈夫かな。むしろ僕が大丈夫かな?おちつこう僕。

ティアフェル > 「やー……ね。こう、ちょっと演劇の歴史変えてやろうかってくらいの名演を考えていたものだから、スカされるとすごい不完全燃焼感があるってゆうか」

 囮作戦の芝居でそこまで考えている女はどうかしている。そんな冗談のひとつも云わないとやってられないのか、失笑気味にほざいていたが。
 妙な経緯だがこちらのことを考えてくれるようなタイプだし、押せば押し切れそうな気もするし、何よりこのまま暇な夜を過ごすのも癪過ぎる。
 芝居が駄目でもごはんくらいは一緒してもらおうかなんて考えていたが。
 返ってきたのは即答で拒否されるという訳ではなく、死ぬ程戸惑いに満ちた姿。

「あ、いや、嫌なら無理にとは云えないんだけどさ。良かったら……。
 ってか、フリとは云えわたしが彼女役じゃ困るか……」

 年も上だし中身は完全なるゴリだし、願い下げだろうとは思うが。
 キメエ無理!とハッキリ云えそうにない相手なので少し悪い気はしつつ、小声でやはりこしょこしょと、飽くまで良かったらだからとさすがに気を遣った。

アネラ > 囮作戦で演劇史がぬりかえられるなら、その場の観衆はいったいどれくらいになるのだろうか。
そのままトップ舞台女優に躍り出るのではなかろうか。そうなったら楽しいなあ。

お察しの通り、この術士、親しい人間からなら押せば押し切られるタイプである。なぜなら犬気質だから。
ただ、今回は内容が内容。本来色恋やらイヤーンな事にでも、何にでも笑顔でいつもどおりだが……
……ちょっとでも『お姉さんさ』に甘さを感じてしまうと一気にその、ある種では酷い人間なマイペースが崩れてしまう。
故に『僕なんかでいいのか』という、この人に僕は釣り合うのか、なんていう不安。

「い、嫌じゃないですっ!(ここだけハッキリ大声)
…………むしろその、僕みたいになよっとした奴で、その役が務まるのかとか……
僕とか、その、弟さんみたいにうつるでしょうし、いいのかなって」

こっちから見れば『大家族のたくましい優しいお姉ちゃん』。弟さんをしっかり導いてきたのだろうなあと。
そこに打撃があったかもしれないことは考えていない。
最初の大声以外はこちらもこしょこしょと。……僕でほんとにいいなら、その、えと、その。助けになりたいです。
妙に気弱な答え。

ティアフェル >  なんとか賞とか総なめにしてレッドカーペット(そんな伝統あるのか知らないが)歩いてやるってくらいの気概で挑む――囮作戦。
 万が一光る演技が出来たとして、それは専門家からの評価は一切受けられませんので、こんな女は舞台の方から弾き出されることだろう。
 それはさておき。善良なる少年にあんまりゴリ押ししちゃあ、さすがに人間じゃないよな、と、押し切れそうな気配は察したが実行に移すことに躊躇い気味で。
 どちらかと云えば控えめなオファーだった。
 しかし、ハッキリした声での返答に、「お。おぉ…」と少し驚いたように肯いて。

「もちろんもちろん、アッっくんでばっちりだよ。
 最悪高齢者とか来るかもって思ってたし……それはただの介護現場にしか見えなくって難しいだろうなーってそこまでシミュレーションしてたわたしに、死角はないよ」

 死角しかないような女がなんぞほざいた。幸い3歳差くらいならオネショタまでいかないだろう。ギリギリカップルで通る筈だ。それもこの女の芝居にかかってはいるが。
 弱気ながら肯定的な返答をいただけば、ぱ、と表情を明るくして。ぎゅむ、と手を握ると。

「じゃあ、よろしくダーリン!」

 さっそく始まった。

アネラ > たぶん今顔が真っ赤になっているのだろう。やたらに暑いから。心音すごいから。
そんな感じで話を聞くと、なんていうかうんうんって頷くしか無い。

「おじいちゃんにこられたら色々とどうしようもないですからね……
一応、その、男性身長としてはちゃんとしてる部類だと思いますし、あとはその、適度にいちゃつけば、うん」

その場合は老人を襲撃する凶悪犯ということでもっと大事になってるんだろうなあ、と頭の別側面は考えはするのだが。
この術士の自覚としては「いやー15も過ぎたしちゃんと大人だなあ」なんてところである。世間とのギャップよ。
だから自認としては男役ちゃんとできますよってなるのだが。だが。うん。頑張り次第だ。
ちゃんと世間一般でいうところの彼氏をしなければ。世間一般で言うところのそれはまだしてない術士は変に意気込む。
手を握られる。ぼんと顔が赤くなる。駄目だこいつ。

「よ、よろ、しくね。……はにー……?」

使い慣れない言葉で低速スタートだった。

ティアフェル >  デートのフリで顔真っ赤なら本気のデートの時どーすんだろ、この子……姉ちゃん的に心配になるが、今はまあ…逆に好都合(?)かも知れない?

「せめて50代でお願いしますって星に願っていたところよ。
 うんうん、アっくんなら全ッ然いけるいける」

 先日知り合ってからこちら的にも信頼はあるし、気安い相手なので文句はない。
 もちろん、ギルドの方へ説明して代役を知り合いに頼んだのでと報酬も出してもらうつもりだとも補足して話し。
 それはそれとて幕は下りたのだから、猿芝居だとてやってやるしかないぜと始まる舞台。
 そのまま腕を組みにかかって彼の肩に頬を寄せるようにしな垂れかかり。

「じゃあぁ~、行きましょ。
 ティアねえ~、久々のデートだから行きたいところいーっぱいあるのぉ」

 語尾伸ばし上がり気味の甘ったれた声を出して適当に通りを歩き出す。犯人が出そうだと目されている方へ。
 中身をある程度知っている彼が、不快感の余り不調をきたさないかだけが懸念される。自分でもやべえ、キモすぎ、と軽く鳥肌だが。
 お互いやってる内に慣れればいいなと。

アネラ > 一応は、故郷ではちょっとだけプレイボーイに片足突っ込んでいたのではあるが
相手が同年代のみだったので、こういう追加効果のときめきとかは一切なかったために普通にこなせていたのである。そんな言い訳。

「じゃ、じゃあ、ええ、その、よろしくおねがいします……」

さて始まった変な囮作戦。報酬が出るかもしれないとあれば、ちょっとそういう思考で頭を塗り替えることもできる。
お芝居とは言え、目立つのなら見つけてもらいやすいだろう。
そうすればしめたものである。そうすれば
あああ近い。近いです近い。

「う、うん。行こうか。
ごめんね、ティア。ちょっとさみしい思いさせちゃったかな? 色んな所いこうね」

甘ったるい。砂糖入れすぎのやつだ。わざとらしいといえば間違いなくそうだが
こういう人を街でみないわけでは。びっくりすることに。大丈夫大丈夫。
ティアさんこんな声もだせるんだなー。なんて思いながら……
自分は「お話にでてくるような良いことばっかりいう男」を。
演技の引き出しが絶望的に少ない。

なおティアさんがありかなしかでいうと「たまにはこういうのも見てみたいかも」であった。

ティアフェル >  とてもコマしていたタイプとは思えないし、全然そうも見てなかったし、今の挙動からそれは全く察しないのできっと自己申告されない限りは永遠に知ることなどない。

 そして、よろしくお願いします、とちょっと硬い様子に、っちっちっち、と人差し指を振る、もう幕が上がったのだからそれじゃダメ、と云うように。
 だからここはいっちょ自分から引っ張って行こうじゃないか、と芝居に熱が篭る。その方がキモいと感じる心が早めに麻痺してくれる。

「そーだよぉ、女の子はぁ、寂しいと死んじゃうんだからねッ。
 気を付けてくれないとぉ。心はいつもうさぎちゃんなんだからぁ」

 なんだよどういうことだようさぎも寂しくても自殺しやしねえよ、と内心では自分の発言に突っ込みの嵐だったが。表面的にはかなり取り繕いスキルが上達していて、軽く唇を尖らせた拗ねた淋しがりガールの様相を呈する。
 アレ、わたしひょっとしてガチで主演女優賞狙えちゃうヤツ?と盛大な誤解をしながら、ぶりぶりな演技を続行。
 科白だけじゃだめだな、アクションもいる、と甘えたな声を出しつつ、ツン、と彼の鼻先をつつくというウザイ小芝居もやってのける。
 
 ――早くも、ウッゼ。みたいな目で見る通行人が出だした。イケルかも知れない。

アネラ > ゼスチャーによる行動言動への指導。うざいカップルはこんなもんじゃないぞというアドバイス。
そして鞭を入れてスパートをかける馬のように走り出すティアさんの演技。大丈夫かなこの駿馬。

「あはは、ごめんごめん。寂しい思いなんて今夜はさせたりしないからね?
かわいいウサギちゃんは、ずっと腕の中にキャッチしておかないと」

たまに聞くけど野うさぎってすごくたくましい生き物だよなあと思う。群れないし。後ろ蹴りすごいし。稀に首を跳ねる個体も居ると聞く。
ティアさんはリアル野うさぎの類ではなかろうか、なんて思いながら、やりすぎなぶりっ子を全部うけとめてなお余りある懐の深さを見せつけていく。
つん、と鼻先をつつかれると、その指先にちゅっと口付けを。
なんてした自分の行動で頭から蒸気がでそうである……。

……うん。バカップルうぜえと、珍奇なのがいるなという目が半々かな?