2020/08/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 無限書庫 十字路」にアサナ・ブックマンさんが現れました。
■アサナ・ブックマン > 一般開放されている書庫にて、入り口際では新しく入った書物を紹介する棚が並んでいるものの、ジャンルはバラバラ。
読み耽るための椅子やテーブルなどが用意されている中で、新しく寄贈されてきた書物をチェックしているのは一人の魔女。
アサナ・ブックマンは盲目であり、瞳を閉じたまま、彫刻された背表紙を撫でながらその僅かな凹凸を指や手のひらで撫でるだけで読み取っていく。
インクですらも同様ながら、ススス、と細い指先で撫でながら内部の本を慎重に開き、パラパラパラとめくる音を聞く。
内部が痛んでいるかを確かめているように。
一部でも解れや破けている場所があれば、修繕を後で施すためにまだ公開せず、パタンと閉じると別の場所へと持っていくためのケースへ収めた。
「今回は面白そうなものはないかなぁ……子供達が喜ぶものは、多いかも?」
時折読み聞かせなどを行っているアサナは、冒険譚や薄い、一巻で完結するようなものの表紙を撫でながらそう呟く。
本を扱う。それは幸せなことのように愛おしそうに撫でながらコトンと、その冒険譚を飾った。
保管しきれなくなった書物を、ここに寄贈すればまた読みに来ることができる。
売買や他人に奪われるくらいなら、という独占欲や純粋な贈り物として、そしてアサナが入手した書物が無限に増えていく場所。
奥へ目を向けながら、大量の書物に囲まれた紙とインクの匂いに満ちながら、機嫌よさげに木製のステッキを手に、コツンコツンと入口際の共有スペースへ。
一休みするように、隅で金属板に打ち込まれた魔法円と文書体の原版風なそれを一枚置くと、ちょんと触れてから赤く発光する魔法円。
水の満ちた薬缶を置きつつ、湯が沸くのを待ちながら、もちこんでいたカップをカチャカチャと弄り。
■アサナ・ブックマン > 淹れ終わったお茶を飲みながらのんびりと椅子の上で書物に囲まれるまま笑みを浮かべる。
また本が読みたくなってしまった。
今度はどんな本を読もう。
丁度時間は食事時の時間
なら、少し先を行ったところに保管されていた月の欠片入りクッキーのレシピでも見ようか。
書物と共するのはよろしくないものの、書物の合間に食む程度ならいいかもしれないなぁと、ステッキを片手に歩き出す。
今は誰もいないせいか、コツコツコツとステッキで床に触れながら、一度入口際から棚の奥へと消えていき―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 無限書庫 十字路」からアサナ・ブックマンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にヴィルアさんが現れました。
■ヴィルア > 【お約束待機】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシンディ・オーネさんが現れました。
■シンディ・オーネ > 冒険者ギルドの支所というかそういう感じの仕事斡旋所。
窓口相談をしていた黒ずくめの女が席を立ち、分かりやすく冴えない様子で新着依頼の掲示板前に佇んだ。
化粧っ気は無く、長袖長ズボンはやや大きめサイズで頑丈そうな大工さん感。
いやに頑丈そうな安全靴めいたブーツがいっその事似合っている。
「――無いじゃない。」
胸の下で腕組みをして、ふー――… っと長いため息をつく。
どこぞの少数民族っぽい男【ノウブル】と、単独よりも複数の方が仕事を貰いやすいらしいという話になって、
はぐれ者同士一緒にやらないかと誘ってもらい、OKしたはいいものの。
王都にやって来たばかりで実績も後ろ盾も無い新米では、
戦える二人組です片方には私より少しは経験ありそうですと言ってみたところで、
信頼稼ぎになりそうな下積み向けの仕事すらそうそう紹介してもらえない。
というか、あるのだが、小間使いみたいな仕事なら別に一人でやればいいじゃんってなる。
「二人組できます、か…」
幼馴染であり恋人であり、相棒の【アーネスト】とできるはずだった言葉を、他の人と使っている事を少し寂しく思う。
アーネストと新参者二人で探したってこの結果なわけだから、彼が経験ある冒険団に拾ってもらえたのは喜ばしい事だが。
もやもやした思いを胸に、あてどなく一度見た掲示物を追っていく。
■ヴィルア > 仕事斡旋所には、直接依頼主から斡旋所に持ち込まれる仕事もあれば。
書面などを斡旋所に送付して掲示板に貼り付けられる仕事もある。
仕事を探す女が掲示板に向き合って少しした後、斡旋所の扉が開き。
少しだけではあるが、ざわりと場がどよめく。
「ああ、失礼。騒がせるつもりはなかったのだが…。
新たにここに掲示したい依頼があってね、いいかな」
現れたのは、金髪と青い瞳、仕立ての良い服を着た…明らかに貴族とわかる男。
傍らには二人、傭兵やそれに類する…戦闘を経験してきたであろう雰囲気を漂わせる男の護衛を付けている。
仕事の合間…本当は書面送付で済ませてもいいのだが、とかくこの国には面白い人材が多い。
それは、書面のみではなかなか見つからない。だからこそ、暇があればこうして自ら斡旋所を訪れることもある。
彼の胸の紋章はこの辺りの流通に広く噛んでいる貴族のものだ。
受付に一言言ってから、直接掲示板に近づき。
そこで、ふと。まだ掲示板の近くに居るなら、大工のような格好の女に眼を止める。
「…?、依頼を探しているのかな。是非、これにも目を通してみてくれ」
どうにも、あまり見ない顔つきだ。
たしか、シェンヤンの方に多かったように思う。
洒落気のないその姿は冒険者か、あるいは出稼ぎか。
そんな予想を男に立てさせる。
護衛はその間に、依頼をぺたりと掲示板に張り付ける。
内容は―――
護衛依頼
対象:ヴィルア・リルアール
期限:無期限
時間:週7日の内2,3日 朝から夕 あるいは 夕から朝
食事、仮眠、自由時間有
賃金:1日500ゴルド(危険給:元額の倍)
簡単な面接を行うため、希望者はリルアール別邸まで
戦闘能力などの質問を行う
そんな内容だ。
態度と服装からも、斡旋所に現れた男が、依頼者だということもわかるだろう。
他の冒険者たちは、既に何かしらの依頼を受けていたり。
昼間から飲んだくれていたりするため…今、掲示板に居るのは貴族の男とその護衛、そして黒ずくめの女だけだ。
■シンディ・オーネ > ざわめく周囲に、何だろうと視線を走らせる。
誰が注目を集めているのかはすぐに分かったが、世情に疎くそれが何者かは分からなかった。
紋章はどこかで見た事あるような気もするが、ようするに貴族サマとかそんなのだろう程度の認識であとは十把一絡げである。
住む世界の違う人。
仕立ての良さそうな服だけでこうも違和感を覚えるとは思えない。
何だろう、姿勢か? 歩き方? 付き人の威圧感? などと物珍し気に眺めていたら、目が合った。
「…誰でもいいってわけじゃないんでしょう?」
目を通したところでさと、腕組みしたまま肩を竦めるのは不敬だろうか。
そう考える多少の常識は持ち合わせているが、
知りもしない相手が貴族っぽいというだけで自然体を崩したくないというような意地が働いてしまう。
貴族の怖さというものを、あまり身近で感じたことが無かった。
…とはいえ、貼られればナニ探してるのと見ますよそりゃあ。
「500…」
おお、って感じで呟いてしまう。
週2.3日シフト?に入れただけで、生活費としては困らなくなりそうな金額だ。
でも、という事は、やはりそれだけの人材を求めているはずで。
「…これは、今襲われそうになってるの?敵が増えたとか。」
どうせ自分には受けられないのだろうと思い、
単純な好奇心として気になるところではあるのだが、なんか可愛げなく言ってしまう。
■ヴィルア > やはり、と男は思う。
一人で掲示板の前に立っていることからも予想は出来たが…
依頼を…それもやはり、美味しい依頼を探していたのだろう。
依頼書を張り終え、話しかけられれば…ふむ、と品定めするように女を一瞥してから
「いや、単なる補充さ。貴族というだけで恨まれたり厄介ごとに巻き込まれることは多い。
戦が起きればそれだけ権力争い、領地争いも激しくなるからね。…しかし、どうしても歳や怪我で護衛に欠員がでる場合もある。
もちろん補充したいのだが…ただ…有名な冒険者はこれよりも尚高い金額を吹っかけてくるからね。
ここの冒険者や仕事を探すものを雇えれば、私にとっても得なのさ」
女の態度にも、特に何も…不敬だとか、そんなことは思わない。
何せ、彼の家を支えているのは…貴族ではなく、平民や奴隷なのだから。
余程敵意を向けられない限り、優し気な視線を女に向けながらゆったりと話す。
「それと…確かに、誰でもいいというわけではない。
簡単に、依頼を受けたい理由やスキルを言える範囲で教えてもらうが…興味があるなら、直接私が君を面接しようか」
いかにも男慣れしていなさそうな、堅物、と言った風情の女を見て。
服装は、その人物の現在の気質だ。
それなら、逆に、飾り気のない女は護衛として優秀だと言えるとも思う。そう言った意味ではすでに合格に近い。
後はどれだけの技能を持っているかの部分だ。
質問をしてきたことから、興味はあるのだろうと感じたためそう提案する。
「失礼、ヴィルア・リルアールだ。まあ貴族ではあるが、商人のようなものさ」
やはり、依頼主そのものであることを示しつつ。
緊張を抱かせすぎないように配慮するが、その心配はいらないだろうな、とも思っている。
初対面の貴族にそのまま話せる肝…というか、性格は好ましく思える部分でもあり。
■シンディ・オーネ > 律儀に説明してくれる男の言葉は、すんなりと入ってくるものだった。
嘘かもしれないけれどそんなの疑ったってしょうがない程度には、まあそうでしょうねという、ありそうで無難な。
…妙に構えてしまった分、優し気な目でゆったり話されたりすると自分が聞き分けの無い犬猫になったような気分になる。
あ、そ、大変ねと少し気まずそうに視線を逸らし…
面接しようかと言われると、ナンデ私と目を瞬いた。
こういうお得意様?にはギルドが適当な人材を斡旋してくれるのではないかとか、
どうして私が護衛なんか出来るように見えるのかとか、
悩みはするけれど、美味しそうな話である。
別に護衛を失敗したって私には失う名声など無い。最悪自分が生き残れれば良いのだから…
「お願いします、ヴィルアールさん。
新参者で実績ないけどきっと拾い物ですよたぶん。
シンディオーネ、魔術師です。」
面接よろしくと、主に斡旋所からの声掛けを遮るべく頷いた。
雇い主になるかもとなれば通りすがりの他人ではない。
若干喋り慣れてない感はあるが、ですます調にだってなれるのだ。
■ヴィルア > 誘った理由は、珍しいからだ。
現時点では、女ソロの冒険者、シェンヤンが混じる顔つき、飾り気のない恰好、物怖じしないかあるいはしにくい性格。
その程度だ。どこか間違っているかもしれないが、それは面接で聞けば済む話。
しかしそれだけでも興味を引くには十分
もちろん女一人に護衛を任せたりはしない。ベテランが横に付くことになるだろうが。
「く、く。言葉は丁寧だが、名前が混じっているよ。いや、存外緊張しているのかな
ヴィルアで構わないさ、シンディオーネ。…本当に契約するとなると二度手間になる。別邸に案内しよう」
女が呼んだ自分の名前が融合していることに面白そうに笑いながら。
アピールしてくる女を先導し、馬車に乗ろう。
それほど時間はかからずすぐに、別邸に着くことになる
女を通すのは、綿が詰まった大きな椅子が向かい合った部屋。
椅子の間には透明のテーブルが置かれている。
装飾品がどれもこれも精緻な、客用の部屋だ。
「さて、好きに座ってくれ。リラックスして正直に答えてくれればそれでいい」
女に、片方の椅子を示して、対面に座る。
改めてじっくりと、女の姿を見て。
「まず…そうだな、なぜ金が欲しいのか。動機は大事だからね。出稼ぎかな?」
ゆったりと自分はリラックスしつつ、質問を。
斡旋所の時から相変わらず優し気な目線で、相手を見つめている。
■シンディ・オーネ > 「――んン!?
い、え別に緊張はっ… 失礼しました、ヴィルアさん。
私はシンディでもオーネでも。」
むぐっと名前間違えにうろたえて、それで気分を害する様子でもないので助かるが、
単純に自分が間抜けっぽく、気まずそうに目が泳ぐ。
…別邸か、場違いなんだろうなと気後れするが、職場になるかもしれないのならしょうがなし。
いざなわれるまま馬車に乗り、馴染みのない高級な世界にきょろきょろしてしまいながらお屋敷へ。
なんか明るくキラキラした世界に、マジか、って感じで呆けていた。
「――は? あ、ああ、ハイ、お邪魔します。」
座ってくれ、に対して何か違うが、これ座っていいやつなのかとそわそわしながら着席。
…おお、と思わずちょっとお尻をはずませた。綿ヤバイ、とぽふんぽふん。
じっと見られている事に気付いて居住まいを正す。金?
「生活費です。
ろくに蓄えも無いのに駆け落ちして稼がないとどうしようも。
冒険者をしているのは、私は魔術を実地で慣熟させるため。
と… …夫、ではまだないですがあの、相棒… えっと、こい… 相方?あー…」
アーネストの事を説明しようとして… 駆け落ちとはさらりと言えたのに、表現に困る。
婚約は具体的なところがまだなので明らかに夫ではないのだが、
説明を省いてそう言った方が早いだろうかと口にしたら、なんか思いのほか照れた。
いやいやと修正するが、恋人とかなんか浮ついている気がする、けど相棒では距離がありはしないか。
…もごもごして、今ここで悩むのはそこじゃないと咳払い。
「…彼は、何というか人助けとか好きな人で、剣士です。
はじめは二人でやっていくつもりでしたが、たまたま経験ある冒険団と縁があって、
一人向こうに加えてもらえる事になって、当座は別々に。」
いずれは一緒にやっていくつもりだけれど、今はそれが有利なのだと、最後の方はちょっと自分に言い聞かせるトーン。
■ヴィルア > まだ笑いながら、シンディと呼ぼう、と。
緊張していては聞き出せることも聞き出しにくい。
できるだけ気安く接し続ける。
珍しそうに…本気で呆けたり、驚いたりしていることから。
巧妙に仕組まれた密偵、ということは無さそうだ。
椅子に座って軽く体を跳ねさせる相手に、また少し笑みをこぼし。
質問に対する女の答えを聞く。
「なるほど。駆け落ちか…。ふむ…?金が欲しい事情はわかったが…。」
「これは答えなくてもいい質問だ。その…そうだな、駆け落ちというなら、仮に恋人としよう。
その恋人のためなら、どのくらいのことができるかな。
例えばここで働いている最中に嫌な出来事があったとしても
恋人が喜んでくれるなら、するかい?」
なんとも要領を得ない関係…というか、この場ではそういったことは話しにくいかと。
敢えて、こちらから話を振る。これで少しは話しやすくなるだろう
「後は…魔術師と言っていたが、どんな魔法を使えるか…ありていに言えば戦闘能力だ。
魔物なら、どのくらいを単独で倒せるかな?ギルドにある魔物図鑑の基準で構わないよ」
続けて、質問するのは重要な護衛としての能力。
ギルドには、誰でも閲覧可能な魔物図鑑があり、魔物がランク分けされている。
それを基準に、相手の大体の能力を知ろうとしていく。
丁度、給仕服を着た女性が紅茶を二人の前において。
喉が渇けば…彼の領地で作られた上質な茶葉から抽出されたそれを呑むこともできる。