2020/07/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──んが……?」
まだ日の高い時間の、王都の中央広場。
その片隅のベンチに腰掛け、一人うたた寝していた金髪の男はふと目を覚ました。
ぱちぱち、と数度瞬きをしたあと、くわわ……と大きく口を開けてでかい欠伸をかまし。
「……ふむむ、あー……天気が良くていつの間にか寝てしまっていた感。──ンン……?」
寝ぼけ眼のまま現状把握に努めようとしたところで、左の太腿側面に生暖かい感触があるのに
気づいて再び瞬き。そこに視線を向けてみると……
「……なんだぬこか。昼寝をするのは勝手だがそれなりの場所があるでしょう?」
一匹の黒猫が、男の脚に身体を預けてくつろいでいた。
男の声に気づいてきょろりと丸い目を向けるも、そこから退こうとする気配はなく。
そんな猫に男はフンス、と鼻を鳴らしてそう言いつつも退かすことはせず、その胴体をゆるゆると撫で付けてやって。
■エレイ > そうしてしばらく猫とまったり過ごしていたが、やがて起き上がった猫が伸びをした後
ベンチから降りて、軽快な足取りで何処かへと姿を消し。
それを見送った男も、欠伸をしながら立ち上がると雑踏の中へと消えていって──。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 平民地区のとある広場には中央に噴水が設置されており豊かな地下水を地上へと涼し気に湧き出させていた。
日が落ちて日中の熱さも薄らぎ、ほっとひと心地できる頃合い。今日の仕事も終わって一息つこうかと思い立ち。普段ならばどこかの食堂なり酒場なりに顔を出すのだが、今日は夜風に誘われてシードルの小瓶と屋台で串焼き肉などを買い込み、噴水の縁に腰かけて星見酒と洒落込むことにした。
「っぷは……いい風……この時間なら涼しー……」
髪をなびかせる夜風に心地よさげに双眸を細めて呟き、ぐい、と冷えたシードルを煽り串焼きに齧りつき。
「はー……堪らん……」
親父臭い、と自覚しないでもなかったが、一仕事終えた後の一杯となれば概ねこうなるのが人のサガ。
上機嫌で煽りながら、広場を行き過ぎる人々を眺め。改めて色んな人がおるなあ、と抱く感想。
耳と尻尾の生えているのはミレー族。重たげな甲冑を纏う冒険者。お供を連れているのは気まぐれにやって来た貴族。髪や肌の色も様々で、稀に獣が二足歩行しているような人種も見受けられる。
眺めていると飽きの来ない通行人観察。バラエティ豊かな人々を肴に酒を進ませ。
■ティアフェル > そうして、暢気に平和に上機嫌にシードルを干していたのだが、今日は少々酒の周りが早いようで少しばかり出来上がってきた。
その内若干調子はずれな鼻歌を口ずさみ始め、ゆらゆらと両足を揺らしながらリズムを取っていたその時――
ワン!
っとっとっとと斜め後ろから近づいて来ていた犬に唐突に吠えられて、油断しきっていた犬恐怖症は一気に恐怖に叩きこまれ。
「?!?!」
慌てて逃げようと立ち上がりかけて足を縺れさせ、そのままバランスを崩した上背後の噴水へと大きく倒れ込み――、
「きゃあぁ――!」
噴水へと頭からマジで落っこちる2秒前。
■ティアフェル > ばっしゃーん!!
成す術もなく噴水へ背中から落っこち、大きく上がる水柱と跳ねる水音。悲鳴を引き連れて派手に広場に響き渡り。
騒がしい物音にすわ何事か、と一時周囲の視線を集中させた。
「っつ、っめたぁ……」
頭からスブ濡れになり、ごほごほと気管に入った水に噎せ返りながら、ざばっと噴水から上半身を起こし身震いし、そこで集中する沢山の目に気づき、羞恥に一瞬で紅潮して。
胸中で、ぎゃあぁぁぁ、恥ずかしいー!と悲鳴を上げ、咄嗟にざぶ、と何故かもういっぺん視線から逃れるように噴水の中に潜り。
しーん、と静まり返る噴水付近。一体何なんだ……というような唖然とした空気が流れ。
「……………………」
上がる頃にはみんなどっか行ってないだろうか……と呼吸が苦しくなった時点で恐る恐る視線を水面に上げて、ぶくぶくと気泡を浮かべながら窺い見たが。
「ごふっ」
当然まだ、めっちゃ見られている訳で。刺さる視線の数々に噴いた。
■ティアフェル > そして、これ以上潜るには行き交続かない、何より無意味過ぎるのでいい加減噴水から這い出して。
「っへ……くしゅん!」
涼しい夜風に身震いしてくしゃみを零し、まったく水難だ……とぼやきながら風邪を引かない内に帰ろうと注がれる好奇な目にも居たたまれなくて足早に引き上げていくのであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からティアフェルさんが去りました。