2020/05/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──昼間の大通り。

青空の下、金髪の男は雑踏の中を一人大股で闊歩しながら、途中の屋台で買った
ちょっと変わった串焼きをムシャムシャと齧っていた。

「──ンームム……味はまあまあといったところかな?」

モゴモゴと咀嚼しつつ味の感想を呟く。

ちなみにその串焼きの何が変わっているかと言えば──兎にも角にもその見た目だろう。
それは、緑色の体表をした、少々大きめのトカゲかヤモリめいた爬虫類。それに無造作に串を通し、丸焼きにした──そんな代物だった。
男もこれをひと目見た時には、店主に『これは化け物のエサか何か?』と訊いたほどだ。

事実、それは一番安いのに一番売れてなかった。
サバイバル生活に慣れており、ヘビなんかでも平気で食らうこの男のような奴でもない限り、
手を出す者はそうそう居ないだろう。
もしかしたら見た目のインパクト狙いというのもあるのかもしれないが、
客の食欲を減衰させかねないのは如何なものか──男は頭の片隅でそう思った。

エレイ > それに、これを食いながら歩いているとそこはかとなく好奇の目に晒されるのも少々問題な気がする。
まあ、そこは立ち食いしなければいいだけの話なのだが。

ちなみに町人達にはこの串焼きの存在はある程度知れているのか、こちらに向けられる視線の訴える所は
『なんかヘンなモン食ってる…』というよりは『アレに手を出したのか…』と言った風情のような気がする。

男はそんなこともお構いなしにソレを完食すると、残った串を口端に咥えてプラプラさせながら
のほほんと歩みを進め続ける。

「んー……そこそこ食いではあったがこれだけじゃオヤツにはちと足らんのう。……なんか甘いモンでも食うかな?」

キョロキョロと周囲を眺めながら、そんな盛大な独り言を漏らし。

エレイ > 「……──おっ、これなんかエエかな」

やがてひとつの屋台に興味を惹かれれば、男はそちらに足を向け。
平和な買い食いタイムは、その後もしばらく続いたようで──

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。