2019/11/13 のログ
シロナ > 「―――。」

 ぺろぺろ、ひまだなぁ、ぺろぺろ。
 少女はアイスを舐めながら、人を見るのだけれども、やはりこの時期は、夜は特に人が少ないなぁ、と思う。
 気になる人が居れば絡みに行くのは吝かではないが、興味が湧くような相手が居なければそれもできるものではない。
 腹筋がパキバキの人とかいないかな、とか。
 そうでなくても面白そうな人が居ればいいんだけどなぁ、と。

 ぺろりぺろり、とアイスクリームを舐める少女。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 広場」にゴッツさんが現れました。
ゴッツ > 少女が広場を眺めていると。
この夜に、一際目立つ姿がのっしのっしと歩いている。
平民地区で荷運びの仕事を終えた筋肉質の男が帰り道に広場を通っていたが。

「ん…?」

不意に、その男の視線がアイスを食べる少女に向く。
優し気な風貌と巌のような体がアンバランスな男だ。
そのまま、何が気になったのかのっしのっしと少女に近づき。

「嬢ちゃん。ここは平民地区だけど、夜は危ない。
早く家に帰った方がいい。…何なら送っていくから」

ぱつぱつのブラウスとズボンを纏った男は、人のよさそうな笑みを浮かべて話しかける。
実際、貧民地区の孤児たちには人気なのだ。主にその体を遊具に使われているが。

シロナ > 「ぉ。」

 夜の夜中だから、仕事を終えて帰る人が多いのだけれど、それは明らかに異様であった。
 並の人間よりも頭一つ二つ大きい、体もシッカリと作り上げられている。
 冒険者にも、こんな肉体を持つのは少ないと言って良いだろう、鍛え上げられた肉体。
 浅黒いその肌は日に焼けているが、焼いたというよりも自然とその色になっていった、と言う肉体労働者の物である。

 近づいてくる。
 筋肉が、近づいてくるのだ、割れている、シックスパックが、近づいてくる。
 少女の目は、其処にじっと向けられるのだった。

「いいね、パワー重視の、重量感。
 とても、良い筋肉。」

 輝く瞳、その筋肉を十分に眺めてから視線を上げるのだ。
 禿頭の男性へと。

「あ、大丈夫大丈夫、あたし、一応護身術とかできる系だから。
 眼福有難うございますよ?」

 けら、と楽しそうに笑いながら、少女は立ち上がる。
 少女の服装は、仕立ての良い服であり、平民地区のそれよりランクが上なのは見て判ろう。
 そして、男の前で腕を曲げて見せればしっかりと、筋肉が付いているのだ。
 男性のような、大きな巌と言う訳ではなくスポーツ選手のような、ネコのような筋肉ではあるけれど。
 に、と少女は笑って見せる。

ゴッツ > 男としては、特に誇るものでもない。
いつの間にか…飯を普通に食べていたらこんな風になっていたのだ。
…髪が生えてこないのは、小さいころ散々からかわれたが。

「ん…?」

何か少女から、褒められた気がするが。
遊具として遊ばれることはあれ、あまり褒められる男ではない。
気のせいだろうと思って。

「護身術つってもなあ…、いや、確かに肉はついてるが…。
男に組み伏せられたら、体格差はそう覆せるもんじゃない。…眼福?」

護身術ができるという立ち上がった少女には、確かにしっかり鍛えられた筋肉がついている。
少し上くらいの体格の相手ならば問題なく躱せそうだが、それでも、彼としては…はいそうですか、と放っておけないのが性分だ。
強く拒絶されない限り、世話を焼きたがる…この国には珍しい善良さ。
眼福とはなんだろう、と首をかしげ、こほん、と咳ばらいをして。

「あー、親と喧嘩でもしたのか?そりゃ気まずいだろうが…、何なら一緒に頭下げるからよ。
俺ぁ、自分でもわかるぐらい小心者だが、こんなとこで一人で居るのは放っておけねえよ」

また、にか、と悪意を感じさせない笑みを浮かべて、話しかけ続ける。
推測交じりに、何とか少女を保護してやろうという気持ち。

シロナ > 「ん?」

 褒めたのだけれども、なんか不思議な返答を返された。
 彼の返答に少女もくり、と首を傾いで見せる。もっと良い言い方の方が良かっただろうか。

「筋肉すごく切れてるよ!盛り上がってる!」

 もう一度褒めてみた。
 もしかしたら聞こえなかったのだろうか、とそんな風に言って見せて。

「そだね、でも……ほら、魔法ってのはあるから、さ?
 体格がすべてじゃないんだ。
 おにーさんのような体格とか、筋肉とか、好きだけどね!」

 彼の返答ににっこにっこ笑いながら返答してから。
 あ、と思い出したようにアイスをもしゃり、と食べて見せる。
 ぺろーり、と口元を舐めまわしてアイスを舐めとって見せる。

「んー?おかーさん、は片方は冒険者で家に帰らないよ。
 もう一人は多分今頃お仕事中かなぁ。
 暇だから、遊んでるんだけど。

 それならおにーさん、話し相手になってよ?
 おにーさんが居るなら、安全ってことだよね?」

 放っておいてくれないらしい。
 それなら、もっと筋肉を補充できるではないか。
 ぽんぽん、とベンチの隣に腰を掛けるようにたたいて見せて。
 いいじゃん?と見上げるのであった。

ゴッツ > 「お、おう…?ありがとな…?」

気のせいかと思ったら本当に褒められていたらしい。
確かに、荷運びの仕事で良い筋肉してるんだからもっと持てよ、とか言われたことはあるが。
ある意味ストレートに褒められたのは初めてだった。

「魔法、魔法かぁ…俺にはわかんねーが…、お。そうか。
まあ、この筋肉くらいしか取り柄が無い冴えないヤツさ。俺は」

魔法なんて自分からは対極に位置するものだ。よくわからん、と言って
妙に艶めかしい仕草でアイスを食べる少女にまたこほん、と咳払い。

「―――――…」

その後少女の話を聞き…そうか、と男は勘違い…をする。
この少女は、両親が仕事や冒険で忙しく。
…寂しくて、もしかすると遊び相手を探していたのかもしれない。
人情に弱い彼はそれだけで目が潤みそうになるが流石に堪えて、笑顔を作る。

「…よしわかった。そういうことなら気の済むまで話そう!
何があっても、おにーさんが守ってやる…と、俺はゴッツ。嬢ちゃんは?」

小心者と自分で言っていたくせに、話し相手になって、と言われると小山のような力こぶをぐ、と盛り上げて安心させようと。
どっかりベンチに座り。少し大きいくらいのベンチはみちみちに近い状態になってしまうが。
一先ず名前を聞くが、どうにも可愛らしく感じてしまうのはどういうわけか。
特に自分は小児愛者ではないはずだが…と不思議に思いつつ。会話をしようと話題を振ろう。

シロナ > 「もっと、筋肉磨いてね!」

 ぐ、とサムズアップ。
 こんないい筋肉は、育てないとなるまい、そう、育てないと人類の損失であるとか、少女は自分勝手に思うのである。
 迷惑とかそういう思考は、一切ないのが、少女だったりもする。

「ああ、違うの、違うんだよ。
 私が言いたかったのは、只、体格だけがすべてじゃないってこと。
 魔法とかがあれば、筋肉の代わりもある程度できるってことなんだ。
 だから、心配いらないよって。

 まあ、その筋肉あれば、魔法は要らないと思うしね!」

 対局なら、それを極めれば魔法は要らなくなる。
 筋肉は万能なりと、少女はうん、と頷いて。

「やった、おにーさん話判るぅ!
 あ、あたしはね、シロナ。シロナ・トゥルネソルだよ。
 よろしくね!」

 トゥルネソルと言う名前。
 それは、平民地区の大通りに有る商会の名前でもある。
 偶然でも何でもなく、其処の令嬢という事になるのだった。
 しかし、お嬢様的な雰囲気は、一切ないのだが。

ゴッツ > 「磨くつっても…生活してたらこうなっただけだしなぁ…
そりゃそうだが…ってことは、魔法、使えるのか?」

うーむ、と頭を悩ませ。
そういった話を出すということは少女がもしかすると魔法が伝えるのではないかと。
少し興味の色を豆粒のような瞳に出しつつ聴いてみる。

「シロナか。ああ、よろしく…、…ん?トゥルネソル…?トゥルネソルってあのトゥルネソル?」

男の記憶にも、ひっかかるものがあった。
何度か荷運びの仕事を受けたことがある、かあるいは同僚から聞いたか。
どちらにしても、有名な名前であることは間違いなかった。

「お転婆少女かと思ったら、ご令嬢じゃないか…。全く、それなら猶更危ないぞ、シロナ
わるーい奴がいっぱいいるからな、この街には」

驚きつつも、恐縮することはなかった。
少女が親しみやすい雰囲気だというのも大きい。
しかし、令嬢であればなおさら、例えば誘拐してゴルドを要求したり、そういった犯罪にも巻き込まれる可能性が増えてしまう。

「ま、どうしても遊びたかったら俺を呼べよ。貧民地区の子供たちに大人気の筋肉ぐるぐるもやってやるから」

筋肉ぐるぐるというのは彼の肩に子供を乗せそのままぐるぐる回る遊びだ。
彼の身長が高いこともあり、非常に楽しいと評判の遊び。
少女が二人座れそうなほどの膝をぽん、と叩く

シロナ > 「うん、まあね。姉貴や、叔母ちゃん程じゃないけど、ね。
 このくらいはできるよ。」

 と、少女は目の前に手を伸ばして、とぷんと、空間の中に手を突っ込む。
 ずるり、と空間から引き抜くのは、鉄の塊と言って良いだろう巨大な剣を引きずり出す。
 片手でぶんぶんと軽く振って見せて、これくらいなら、と。

「うん、多分そのトゥルネソル。」

 品物が多いので、馬車やドラゴン急便のドラゴンから荷物を倉庫に運んだりするという。
 そんな人手は必要なので、きっと彼にもお手伝いを頼んだことはあるのだろう。

「ま、何とかなる成る。」

 あはー、と笑った少女、大剣を地面に置いて、ぐ、と構える。
 格闘技は、本気で学んでいるからか様になっているのである。
 しかも、殴ったり蹴ったりのグラップラーっぷりが板についているのである。
 お転婆お嬢様格闘系。
 何か色々森すぎている気がしなくもない。

「ゴッツにーさんのお家は貧民区なの?
 それなら、そっちに遊びに行くよ?
 腹筋見に。」

 ぐるぐる回されるよりも、その腹筋とか背筋とか胸筋とか。
 そっちの方が見たいんです。

ゴッツ > 「お、おぉ…」

魔法というのは身近でいて、中々直接見る機会は少ない。
少女が空間から巨大な剣を取り出し、軽く振る様を見れば。
先ほどまでの自分の認識が間違っていたことを認めざるを得ない。

「…確かにそれは何とかなりそうだなあ、トゥルネソルのお嬢様とはいえ…」

完全に様になっている大剣の構え方にほー、と目を丸くする。
お嬢様というイメージには遠いが、それが逆に親しみやすい。
どうにも敬語とかかしこまった態度は苦手なのだ。

「お、おう…。やけに褒めてくれるが、そんなに見たいなら別に見せるぞ。
減るもんじゃないしよ」

女がやると大変だが、彼は男であり。
更に今は人通りも少ない時間帯だ。気にすることもあるまいと。
ぱつぱつのブラウスの裾を捲り。
ばきばきに盛り上がったシックスパックを直に見せようとしてみる。

シロナ > 「ま、一部の特殊な人が使えるような技術だしね。
 基本は、ゴッツニーさんのような感覚が正しいんだよ。」

 そう、体格がすべて。最初彼が心配して言ってくれた、力が強くても体格が物を言うというのは、間違いではないのだ。
 魔法を使えるのは、才能と、教育と、様々な要因が重なった一部だけの技術なのであるからで。

「でも、ゴッツにーさんの心配は嬉しかったよ?
 ほら、女の子扱いしてくれたし、アタシもまだまだ、女捨てなくていいんだねって。」

 あはは、少女は快活に笑いながら、魔法で大剣を空間の中にしまい込んでいく。
 ありがとね、ともう一度お礼を言って、ウインクを一つ。

「わぁい。
 触ってもいーい?」

 見ても良いという彼に、わくわくした様子で少女は見上げる。
 むしろ、触りたいオーラがごごごご、と出ているようにも見えるのだ。
 じかに見えるシックスパック、素晴らしい割れ方。
 筋肉イイなぁ。
 おっと、口の端からよだれが。

ゴッツ > 世界は広いな…とひとり呟いて。

「そうか?…って、女捨てなくてもいいって…、シロナはまだまだこれからだろう。
まあ、あれだ。今でも十分可愛いが…きっと将来はもっと美人になるだろうよ。俺はそう思う」

大剣をしまう少女をしげしげと眺めて。
ウィンクには少し照れ臭そうに笑いつつ。
少女の容姿などをみて、今でも可愛いし、時が経てば…引き締まった体は更に武器になる…と男の考えを述べて。

「おいおい、お嬢様が涎垂らすなよ…、別にいいけどよ、よいしょ、と…」

触ってもいいかと聞かれると頷いて
腰を少し回し、腹を少女の方に向ける。
おいしそう?な硬い筋肉の山々がしっかり見えるように。

「くすぐったりしなきゃ、好きに触っていいぞ、シロナ。
何なら膝に乗ってもいいから」

いくら強いとはいえ。
褒められるのも嬉しく。
もしよりしっかりと触りたいなら、ベンチよりも硬そうな彼のふとももに乗れば更に好きなように触れるだろう。

シロナ > 「あはは、そんな、ニーサンに、口説かれちゃってる?
 じゃあ、もう、五年待っててね?五年もしたら、きっともっと美人になるから、さ。」

 嬉しそうに少女は笑って見せる。
 もっとたくましくなるのか、もっと妖艶になるのか、美人と言っても、その表現の方法はいくつも有るのだ。
 なので、どんな私になるかは、内緒、と言っておこう。

「だって、ねえ?こう、好物とか目の前にしたら、誰だって思わず垂れるじゃん?」

 自分の方に向いている筋肉。
 ああ、重量感で押しつぶされそうな筋肉、凄い。
 質の高い筋肉に手を伸ばし、その弾力を確かめるように腹を撫でる。

「ああ、もう、凄いね、凄い、筋肉だ。
 硬くてとても、良いな……男の筋肉って感じするよ。」

 撫でり撫でりと筋肉撫でて、太ももに乗っていいと言われたら、目を輝かせ。

「ゴッツニーさん判ってるぅ。
 あたしもう、辛抱たまらないよ!」

 太腿にぴょいと、乗っかる少女。
 少女の柔らかいお尻は、まだ、女性的な色香には薄くても、それでも、女の子の柔らかなお尻であった。
 筋肉の感触を楽しむように、すりすりとこすり付けて、少女は、ああ、と、恍惚のため息。

ゴッツ > 「はは。その時まで俺が生きてたらなー。結構危ないところにもいくしよ」

口説きの言葉を口にしたが。
貧民地区に住んでおり、更に激戦区の砦にまで稀に荷物を運ぶ彼としては。
いつ死ぬかわからないというのは的を射ている。
できるなら、成長した少女の姿を見てみたいとも思いつつ。

「いや、まあ…涎は出るにはでるが…っと」

手で撫でられれば、少女にそのつもりはなくともくすぐったい。
少し笑いを堪えつつも、少女の好きなようにさせて。
硬く、そして男の体温で熱いその筋肉の塊はつついたとしてもまるで沈まず、むしろ手を跳ね返してくるような感触だ。

「あー、シロナ?乗っていいとは言ったが、その、もう少し行儀よくだなあ…」

のっかってくるのは予想内だったが。
太ももに押し付けられる柔らかな感触にはむ、と息を呑む。
いや、俺は犯罪者になるつもりは…とは思うものの。体は少し反応を始めてしまい。
これも、少女から漂う雰囲気や匂いのせいだろうか、などと思考を反らそうとしている。

「…、シロナは、腹筋が好きなのか?二の腕には、あんまり、反応していなかったけどよ」

その一環で、少女に好きな筋肉を聞いてみる。
彼がしゃべる度、ぐぐ、と少し腹筋が盛り上がったり下がったりする様は面白いものではあるだろう。

シロナ > 「大丈夫、筋肉がちゃんと鍛えられていたら、生きていけるさ!
 筋肉は裏切らない!」

 危険な場所まで荷物を運ぶらしい彼の言葉を聞いて、大丈夫、その筋肉なら生きていけるさ。
 サムズアップして少女は太鼓判を押すのだ。筋肉さえあれば、何でもできると。

「ふむふむ……。」

 命の脈動を感じるいい筋肉だな、と少女は思うのだ。
 そして、その筋肉はもっと、筋肉である、強くなると思うのだ。

「異性の筋肉触れてる時点で、十分はしたないと思うよ?
 いまさらいまさら~。」

 けらけらと少女は笑う。
 一般のお嬢様のイメージで考えれば、十分はしたないことをしているのだ。
 ちょっとお尻を押し付けるぐらい。
 筋肉障らせてくれてるからお礼と考えてよ?なんて。

「ん……あ。
 ほんとだね、思わず視線も意識も腹筋に行っちゃってる。
 腕は……でも、よく見る場所でもあるから、かな?」

 言われて、そういえばと、腕の筋肉にあまり反応してなかったことを思い出す。
 そっと手を伸ばして、彼の鉄の棒のような、盛り上がった筋肉に触れてみる。
 よい、筋肉なのが、判る。

「うん。
 多分アタシは、腹筋とか、太もも辺りの筋肉が好きなのかも。」

 新しい発見だね、と笑うのだった。

ゴッツ > 「頼もしい言葉だなあ、俺の方が励まされちまった。
ま、やばそうな魔法使いとあったら逃げるよ」

先ほどの話から言えば、彼とは対極の…魔法専門のようなものがいれば。
彼もまた、あっさり死ぬのだろうと。
そうは思うものの、根拠もなしに筋肉賛美をする少女に、つい笑いが漏れる。

「…全く、おにーさんがいいやつを装った悪いやつだったらどーするんだー?」

毛頭そんなつもりはないが。
どうしても、柔らかな部分を押し付けられると意識と反応はしてしまう。
それを誤魔化すために、片手で少女の頭を撫でようともするのだが。

「ああ、見慣れてるから逆にってことか。…なかなか深いねえ、筋肉も」

確かに腕などは職人や運び屋がよくまくりあげているし、少女が見慣れているのかもしれない。
そうであるなら…普段隠れている腹筋などに興味が行くのもわかる。

「太ももを捲るのはちょいと厳しいな…服の上からでもいいなら別に触っても構わねーが。
シロナの暇をつぶせるなら、ちょうどいいさ」

ブラウスを片手でまくり上げつつ、太ももも触っていいと。
鳩尾のすぐ上あたりまでまくり上げているため、やろうと思えば背筋にも手が回せそうではある。

シロナ > 「ん?やばそうな魔法使いが来たら、逃げるのは悪手だよ?
 魔法詠唱の時間を与えることになるから。
 やばそうな魔法使いを見たら、魔法を使われる前に、腹パンだヨ。」

 根拠はあったらしい。
 魔法使いを見たら腹パン、理由は魔法使いの大半は鍛えていない。
 だからダメージに弱いのである、基本戦士に守ってもらったりするのはそのためであり、みぞおちなんぞ殴れば悶絶して魔法など使えなくなるのだ。
 だから、見かけたら逃げるよりも殴ってから逃げるといいよ、と。

「んー。
 その時は……アタシのスープレックスが、炸☆裂。」

 悪い奴だったら、ね、と。彼は解るだろうが、純粋培養お嬢様暴力系なので、襲われたら、襲い返す、を地で行ける子なのである。
 頭を撫でてくれるなら、ちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめるのだ。

「筋肉は、人によって、鍛え方によって、千差万別だから、ね。
 深いと思うよー。」

 彼の言葉に、うんうんと頷いて見せてる少女。
 彼の考えた通りの理由なのか何なのかは、言わないのであった。

「んふ。
 大丈夫だよ、お尻でたっぷり感じてるから。
 でも、そろそろアタシも、帰らないと、かな。」

 時間がいい感じに過ぎてきているし。
 流石に、母親も家に帰っているかもしれない。
 そう考えると、うん、帰ろうかな、と言う気分になって。

「ありがとね、ゴッツにーさん。」

 少女は、顔を近づけて。
 ちゅ、とその頬に唇を押し当てて、音を立てて吸って見せる。

ゴッツ > 「殴ってからか…」

何とも暴力的な解決法だが、説明されてみれば確かに、と納得する。
アドバイスを受け取り、素直にうなずく。

「はは。あんな大剣振り回せる力で投げられちゃきついな」

冗談の応酬をし、これはこれで楽しいな、と思う。
何度かぽふぽふと撫でてから、手を放して。

「ま…俺は何ともいえねーけど…できるだけ維持していこうか」

少女が喜んでくれるなら、意識しなくても維持はできるものの。
少しだけ、荷物運びの量を増やし、身体に負荷を与えてみようなどとも思うのだ。

「そうか。…帰ってるといいな、親御さん」

大分遅い時間まで話してしまった。
お嬢様とは思えない話しやすさだったが流石に拘束し続けるわけにもいかない。
ブラウスの裾を戻し、さて見送るか、と思っていたが。

「…っと。…おませなお嬢様だ。」

唇を頬に押し当てられ。…表情は何とか取り繕ったが。
なぜか、心臓が跳ねた。
少しぎこちない笑みを浮かべつつ。

「ほら、見送るからよ。また会ったら話そう」

よいしょ、と立ち上がり。
でかい手を振って、少女が去るなら見送るだろう。

シロナ > 「そ、先手必勝。
 平和だ大事だけど、身を護るための暴力も大事。」

 素直にうなずく相手に、頑張れ筋肉と、訳の分からない応援を一つ。

「うん、だから、悪いおにーさんにはならないでね?」

 筋肉鍛えたら、きっと投げても駄目になるんでしょ、と。
 そんな風に言って、彼から降りようか。

「うん、おかーさんはちゃんと帰ってくるよ。
 と、じゃあ、そろそろ本気で、帰るよ。」

 頭を撫でられて、少女は彼から離れて。
 じゃあね、と軽く手を振って。
 夜の闇の中に消えていくのである。

「楽しかったよ―――。」

 そんな声が風に乗って響いていたのであろう―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 広場」からシロナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 広場」からゴッツさんが去りました。