2019/10/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > 夜更けでも人通りの少なくない表通り。
そこに面した酒場の入り口から、突如として2つの人影が文字通り転がり出てきた。

その人影──体格のいい男二人は赤ら顔で、酒に酔っていることが容易に想像できる。
そんな二人が揃って睨みつける店の入口から、二人を追うようにしてぬっと姿を表したのは、
端正な顔立ちに至極面倒そうな表情を浮かべた金髪の男だった。

「──全く手間を掛けさせてくれるなという顔になる。ホレ、酔っ払って暴れだすような
恥知らずはとっとと帰るべきそうするべき」

しっし、と追い払うような仕草をしながらそんな言葉を酔っぱらい二人に投げかける。
男は、冒険者としてこの店の用心棒の依頼を受けていて、今まさにその役目を果たしている最中であった。

『ち、ちくしょう……覚えてやがれ……!』

非常にお約束くさいセリフを吐き捨てながら、男たちはフラフラとやや千鳥足気味の不安定な足取りで去ってゆく。
それを見送って男はフンス、と鼻を鳴らして。

「俺的にはむしろそっちの記憶のほうが心配なんじゃが……まあいい」

あれほど酔っ払った状態では、むしろ向こうのほうが覚えていられるかどうか怪しいところだ。
そんなふうに思って大げさに肩をすくめる。

エレイ > ちなみに店内で何があったのかといえば──

彼らは店内にいたとある女性客に狼藉を働こうとし、止めに入った男に当然のごとく殴りかかった訳だが、
その自慢の腕っぷしで無抵抗の男の顔を何度も殴りつけておいて、それでも男の整った顔に傷一つ残せなかった。
あまつさえその後殴り返される事もなく、襟首を引っ掴まれてポイポイと無造作に店の外に
文字通り放り出され──先のシーンに至る訳である。

「──ハイハイ、他のお客サンもそろそろ帰る準備をするべきだろうな。時既に店じまいの時間は近い」

そうして店内に戻ると、パンパンと手を打ち鳴らしながら残っている客にも帰宅を促す。
先述のようなシーンを見せつけられてなお、男に逆らうような者はおらず、すごすごと一人一人店を後にしてゆく。

「……さて、あとは……」

あらかた客が退店したところで、男はとある場所に視線を向ける。
カウンター席の端のほう、カウンターにぐでりと突っ伏している女性客の姿がそこにあった。
泥酔しているのか、眠りこけているのか……ともかく無防備な有様である。先程の男たちは、この女性に良からぬ真似をしようとしていたのだ。
男はとりあえずその女性にも退店を促そうと、その肩に手を添え軽く揺すって反応を確かめてみることにした。

「……おーぅい、お客サン? 大丈夫かえ? もう閉店の時間ですよ?」

エレイ > その後女性客をちゃんと帰せたのかどうかは、男と店のマスターだけが知る所──
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にセイバーさんが現れました。
セイバー > 今夜も小遣い稼ぎである。
冒険者ギルドの正規の仕事で、今夜は平民地区から
貧民地区のほうに好奇心だけで供えもなく踏み込む人間を
説得するなり殴り倒すなりして追い返す仕事である。

もし勝てないほどの暴力沙汰や貴族がきたらギルドに報告するか巡回している衛兵に連絡するという手筈である。

まあ?もし貴族であれば袖のしたが重くなったら、ほら引き止め難くなるじゃない?
という方向でもお小遣い稼ぎなのである。
それにもっと重たくなったら喜んでご案内差し上げる心算。

「しっかし、迷い込む奴はまだわかるけど、自分から入り込む奴は何かね?人探しでもする心算?それとも奴隷志願者?」

是が仕事じゃなきゃ関わりたくないねぇ。
何て後頭部の辺りで後ろ手を組んだ姿勢で欠伸を零しながら、
ついでに愚痴を零しながら平民地区と貧民地区の境に近しいとおりを歩く。

――…誰かしら来るなら金になる。
こなくても金になるし、保障された仕事である。
こんなに楽で安全な仕事はないと気は弛みっぱなしで。

セイバー > 全力などではなく、それとない力加減でぼちぼちと仕事をこなして行く。
最低限の労力で最大限の報酬をもらうために。
あくまでも適当に良い意味合いでの適当にで。

暫く素直に貧民地区へ入り込もうとする者達を捌いていたが
それも疲れてくると段々と御座なりとなり、最後には欠伸を零して路地裏の木箱に寄りかかって仮眠を始まるのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からセイバーさんが去りました。