2019/06/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にルリアさんが現れました。
■ルリア > 酒場の片隅で店内を眺めながら、派手で肉感的な女がゆっくりとグラスを傾けている。
待ち合わせ中か一人で呑んでいるだけかは一見すると微妙なところだ。
視線はどこを注視するでもなく、あちこちをぼんやりと彷徨っている。
例によって獲物を物色している訳だが、あまり積極的ではない。
運良く良さげな獲物が見つかればラッキーぐらいの気持ちで、のんびりとアルコールを楽しんでいた。
「うぅん?
違うわぁ、今日はオフ。
ふふ、またそのうちよろしくぅ」
ルリアを娼婦と勘違いした男が寄ってきて声をかけるが、特に娼婦ではないと否定もせずあしらう。
実際そう見えるように擬態しているのだし。
ルリアの容姿と性格からすると、人間の都市部ではこういった格好が都合がいい事が多い。
どこに居てもある程度馴染む職種なので偽装の手間がかからないというのが大きな理由だ。
改まった格好をすれば貴婦人にも化けられるだろうが、その場合面倒事も多い。
富裕層に踏み込む時も高級娼婦という出で立ちにすれば大して問題ないので、多くの場面で娼婦の偽装というのは重宝する。
あくまでも偽装しているだけなので実際に金で買われて抱かれるのは御免であるが。
「本当、退屈しなくていい街ねぇ」
グラスに口をつけながら、小さく呟いてクスクスと笑う。
結界で全力が出せないのは忌々しいが、それを差し引いても多種多様な人間が入り乱れ混沌とした都市はルリアからすると魅力的だ。
多少力を封じられたところでそういった楽しみのためなら大して支障もなし。
前線に行くよう催促される事もあるが、正直戦争には大して興味がない。
捕虜の尋問は嫌いではないが、やはり自分の手でじわじわと追い込んでいく方が楽しみも大きい。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフローディアさんが現れました。
■フローディア > (――からぁん、と来客を告げる鈴が鳴る。 扉を開き、新たに店に入ったのはこの辺りではあまり見ない衣装を身にまとった一人の少女。
表情は澄ました様子で落ち着いた様子であるけれど、目敏い者であるならばその顔に浮かぶ僅かな喜色や軽い足取りに気づけるやもしれない。
つい先程、臨時報酬が手に入った。想像よりも狩りがうまくいき、予定よりも大分高額の報酬を手に入れることに成功した。そのため、ちょっとばかし奮発してちょっと高級な店にでも行ってみよう、というのが今回のあらまし。わずかににじみ出るごきげんな様子はそのあらわれか。
そんなご機嫌な少女を店員は店の中へ案内し、丁度席が空いていた先客の派手で肉感的な女から数席離れた所に案内されるだろう。)
・・・・。
(そして、客として来たのだから当然求めるものを注文しなければならない。そこで、なのであるがここでひとつ問題が発生した。難しい顔をしてメニューとにらめっこする少女の姿がここに。
なお、悩みの問題は金がない、とかそういうのではなく。欲しいメニューを見つけたけれど、字が読めないとかそういう根本的な問題であったらしい。)
■ルリア > 時折グラスに口をつけながら、おざなりに物色を続ける。
落ち着きのある店を選んだのは良し悪しで、ルリアが特に好む生きのいい戦士というのはあまり見当たらない。
やはりそれなりに腕に自信があり、立ち向かってくる気概と勇気のある人間をへし折るのが楽しいといえよう。
例えば、今入ってきた少女はまあまあ良さげだ。
他に目ぼしい獲物もいないため、視線は自然とその少女の方へ。
こういった店は不慣れなのか何なのか、注文がすぐには決まらないようで。
折角なのでちょっとからかいに行く事に。
「はぁい、どうしたのお嬢ちゃん?
メニューが決まらない?」
グラスを片手に、断りなく相席する。
そして少女の見つめる先、メニュー表に視線をやるが別に何の変哲もないメニュー表で。
少女の事情など知らないので、何に悩んでいるかなど分かるはずもなく。
「んー、もしかしてお酒は始めてかしらぁ?
ちょっと背伸びして来るには、ここは早かったかもねぇ」
と、子供相手にするような大人特有の上から目線で。
■フローディア > (声をかけられればぴくり、と思わず身体を強張らせ帽子の中の耳が立つ。温和でありながら不思議な色香を感じるその声の主へ視線を向ければ)
・・・ばかにしないで。お酒くらい飲めるわ。
(強いか弱いかはともかくとして、少女だって狩人。一人前の戦士である。狩りが成功すれば仲間と共に祝杯だってあげるし、この国にきて知り合った友人と酒を交わしたコトだって何度かある。
大人からすればまだまだ子供、といえるような年齢ではあるのだけれど当の本人からすればもう大人、と主張したい年頃なのである。)
・・・ただ、その。なんというか。
(少し恥ずかしそうに視線を外し左右に惑わせる。頼みたいメニューは決まってる。写真を見て美味しそうだと思った。ただ字が読めない。この国の公用語とは違う言葉に、違う文字を扱って育った少女にとってはこの国の文字はまだ不慣れであり、全てを理解できている訳ではなかった。されど、わからない言葉があっても聞けば応えてくれる便りになる現地人の友人がいるわけでもなく。迷った末に声をかけてきた女に、メニューを見せて、ぴ、と指先でひとつのメニューを指さして)
・・・これ、なんて読むの。なんていうの。
(静かで落ち着いた声ながら頬はわずかに紅潮し、恥ずかしそうにしながらも彼女に訪ねた。いつまでも読めない、わからない、のままでは前に進めない・・・。)
■ルリア > 「ん~?
ああ、そういうことね」
衣服を見るに、文盲というよりこの国の文字に不慣れということなのだろう。
童顔なのでお子様だと思いこんでいたが。
そういう事情ならと、代わりに差されたそのメニューを注文してあげる。
親切な人の振り、というのもたまには面白いものだ。
「外国人、にしても珍しいわねぇ他所の言語圏からなんて。
普段結構大変なんじゃあないのぉ?」
折角の出会いだし、今日の獲物はこの子にしよう。
容姿は合格だし、この調子だと国内に身よりもないだろう。
つまり何かあっても、何かしても後処理は楽という事だ。
後のことを思えば面倒事が少ないに越したことはない。
まずは親切にして油断させて、本格的な料理はその後だ。
裏切られた、という思いがあれば心地よく鳴いてくれそうだし。
「さて、折角だから一緒に飲んで良い?
ああ、私はルリアって呼んで頂戴。
貴女、名前は?
どこから来たの?」
そういうわけで、まずはお互いの事をよく知っていこう。
当たり障りのない自己紹介というのも、たまにやると新鮮で面白い。
■フローディア > ・・・ありがとう。助かったわ。
(ふんわりと小さな微笑みを浮かべて、貴女に感謝を。その目には僅かな信頼が伺えるだろう。
流石にそれだけで全面的に信頼を寄せる程世間知らずではないけれど、助けられた、という事実が貴女に良い人、という印象を植え付ける。 ・・・それが偽りの姿であったとしてもただ、店でぱったりと出会っただけの関係。それを見抜ける程の慧眼ではない。)
苦労は、する。けれど、ここが一番・・・稼げるから。
(お金を稼ぐにも。・・・部族を存続させる為の男を見繕うにも。ここが一番適していた。人も多いし、金も回る。自分のような身寄りのないものであっても、様々な場所から人が流れ着いている以上、多少は警戒されるかもしれないがすぐに排他されるコトもない。
・・・ミレー族そのものが奴隷扱い、というのは少々腹が立つけれど。それでも、生き抜くためにここで生きていくしか少女に選ぶ道はなかった。)
えぇ、構わない。
私は・・・フローディア。出身は北の方。
(正確な出身の言及を避けるのは少女自身の癖のようなものか。自分の出身は知るものにとっては、それだけで種族を特定出来るほどのもの。そして、種族が特定される、というコトはミレーであることがバレてしまう、ということ。それがバレてしまえば、ここで悠長に酒を飲んでいる場合ではなくなるかもしれない。それは、避けたかった。今、この国ではミレーである、というコトの露見はマイナスにしか感じられなくて。そのため、明確な言及は避け、ただ北の方から。それだけを彼女に伝えた。)
ルリア、貴女は?折角だから・・・私も貴女のコト知りたい。
■ルリア > 「私は移住者よぉ。
やっぱりここが一番稼げるものねぇ。
何の仕事かは、ご想像にお任せという事で」
こちらも具体的な情報ははぐらかす。
仕事に関しては、見たままの印象なら娼婦ということでわざわざ口にするのも憚られるという雰囲気を出せば、そう不自然な事でもないし。
初対面の相手に対してはお互いこんなものだろう。
注文したお酒が届けば今更ながら乾杯をし。
「それじゃあフローディア、って呼ばせてもらうわねぇ。
フローディアはこの後どう?
何か予定ある?
いいとこ知ってるからぁ、軽く呑んだらちょっと言ってみない?」
この調子なら労せず隠れ家に連れ込めそうだ。
あえて公共の施設に連れ込むというのも面白いかもしれない。
これからの展開を想像して、自然と口元が緩む。
今の状況なら、これも自然な笑顔として映るだろうが内実は邪悪そのものである。
■フローディア > ふふ、わかった。じゃあ、勝手に想像することにする。
(けれども、相手の雰囲気を感じ取ればなんとなく察することもできる。その妖艶な雰囲気、大人の女の余裕を感じさせる所作。恐らく夜の街を仕事場とする女であろう。娼婦・踊り子・ホステス・・・そんな所であろう。夜と酒と男を獲物とする夜の蝶。想像するならばそんな所であろう。
そうして注文した料理が届けば相手とグラスをかちり、とかち合わせ小気味良い音を鳴らし、その味を楽しんで。)
ん?良いわ。予定は終わったから・・・貴女には助けられたもの。付き合ってあげるわ。
(くすり、と柔らかな微笑みを浮かべながら彼女の誘いに応えよう。その腹の中に潜む、邪な思いには気づかぬまま・・・少女は女との一夜の邂逅を楽しんでいて。)
■ルリア > 「助けた、って程大したことじゃあないわよぉ。
何にしても付き合ってくれるっていうなら文句はないわぁ」
ルリアからすると茶番もいいところなのだが、最初の印象が良かったせいかそれなりに信用されているようで。
こうなると毒牙にかけるのも容易い事。
「それじゃ、私の秘密の場所に招待してあげる」
とりあえず、この店を出たら隠れ家へ連れて行く事にしよう。
普段は拉致して連れ込む事が多いが、自然に誘導出来るのならそれに越したことはないだろう。
秘密の場所という言い回しも本当に言葉通りだが、この雰囲気なら不審さもないだろうし。
本当茶番であるが、こういう展開も中々面白いものだ。
■ルリア > 《移動します》
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からルリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からフローディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にライムウェルさんが現れました。
■ライムウェル > 熱い日差しの照り付ける、平民地区の大通り。
身を焼く様な陽光の中でも、喧騒は常の通りに賑わっている。
そんな中、高らかに響く声があった。
「そこ行くお嬢様!えぇ、えぇ!貴女です!貴女ですとも!
少しお時間を頂きたいのですが、如何ですかな!
なぁに、風体は怪しく見えるかもしれませぬが、人畜無害がモットーの私です!」
営業スマイル―――目元が隠れているが故、表情の読み難いアルカイックスマイルと言うべきか。
兎角、笑顔を浮かべても怪しさに遜色が無いのだからどうしようもない。
ナンパの如く、堂々と道行く女性に声をかけ、開く口からは雪崩の様に言葉が次々と放たれていた。
「実は私、大変、大変困っておりまして!
嗚呼、しかし何という事でしょう…!貴女に出会えました!この出会いは、そう、運命!
是非に、是非にご助力を願いたいのです。皆が幸せになれるお仕事なのですが、是非とも貴女とそれを成してみたいと。
如何でしょう、如何でしょうか!一緒に笑顔と活気を作り出してみませんか…!」
風体どころか、その内容も実に怪しさ溢れる勧誘である。
キラキラと目を輝かせ――その目は隠れているが――期待に満ち満ちた視線を送りながら、どうか、どうかお願い致しますと両手を握り込み祈り込むような姿勢での懇願だった。
非常に目立って仕方がない。
絡まれた女性は、ご愁傷様と言わざるを得ない。
■ライムウェル > 声をかけられた女性はなるべく刺激をせぬように、言葉を選びながら拒否をしているのがありありとわかる態度。
それでも尚、引き下がり。
周囲の注目が集まって。ついには憲兵までが現れた。
腐った貴族たち相手には大した仕事を笑みしない憲兵たちだが、相手にするには聊か部も悪い。
笑みを深め、一礼をするとその場を駆けて逃げていく。
―――また目の届かぬどこかの場所で、女性の勧誘に勤しむのだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からライムウェルさんが去りました。