2019/04/02 のログ
シュバルト > 一頻り休憩を満喫すると、ベンチから立ち上がり、両腕を伸ばして身体を解すと、1人鼻歌を歌いながらこの近くにある安宿を目指して歩き出すのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシュバルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド・エデン」にシュンさんが現れました。
シュン > 夕方頃、依頼から帰ってきた冒険者やずっと暇してた冒険者などが酒場へと集ってくる時間帯。
依頼が貼られた掲示板に一通り目を通してから、窓際の席に座る。注文した林檎の果汁を集めた飲み物を口にしながら、ぼーっと酒場内の喧騒を眺めている。

王都に来てから日が浅い自分は、ギルドから認めてもらうために小さめの依頼をこつこつとこなしつつ、日々を繋いでいた。
しかし小さな依頼でずっと行けるのかというと、そうではない。現に手持ちのお金はそろそろ底が見えてきている。

一人で稼げないものかとダイラスの闘技場に足を運んだりしてみたが、まだまだ自分は未熟なのだと思い知っただけだった。まあ自分の年で剣闘士相手に健闘できたのははたから見ればすごいことなのかもしれないが。

ギルドで中級者向けの依頼を受けるぐらいの実力は認められている。足りないのは…仲間だった。即席で組んでも普通ならばいいのだろうが、自分はどうしても信用に足りる人物が仲間に欲しかったのだ。
酒場で働いている店員に声をかけて、同じように仲間を探している人がいればこの席に案内してもらうようにお願いはしておいたが、新参者に近づこうという物好きは果たしているのだろうか…。

シュン > 「……まあ、そうそう居ないか」

何人かのグループで、互い互いに盛り上がりつつある酒場をみて軽くため息をつく。
今日明日にすぐ依頼に、ということは期待していないが、早いところ仲間は見つけておいた方がいい。早ければ早いほど依頼に行くまでに相手を知る猶予ができる。

自分の秘密を知った上で、他に話さないという人が理想ではあるが、それを話すのもリスクがある。とりあえず隠した上で依頼などをこなしていきたいが…。

シュン > …そろそろ日が暮れる。
席を立ち、店員に料金を支払うと戸を開いて街の方へと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド・エデン」からシュンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > とある酒場のカウンター席、その壁際。
いつものようにカウンターに片肘を突き、頬を支えている。
時折頬を支えている掌、小指を唇へ触れさせる扇情的な行動は、もはや無意識。

そういえば今宵の女は、長い髪を纏めているポールバレッタが無い。
腰まで伸びる黒髪は少し湿っており、店の照明を浴びて艶やかに光っていた。
この酒場に来る前に、何ゆえか髪を濡らしていたのだろう。

「…詰まらない男だったわ…何が口説くのが上手、よ。
…口説き文句よりも、喘ぎ声の方が多かった癖に…これだから男って…」

女の言葉と表情からするに、そういう事なのだ。
その代わりに女は、己を満足させる事の出来なかった男の懐から、幾許かの金銭を頂いていた。
今宵の酒代はそこから出ている。

女の黒髪が女の指によって巻き取られ、弄られた。即ち、退屈。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にザイヴァーさんが現れました。
ザイヴァー > 最近、帝国からの「客人」への対応に追われ、忙しい時間を送っていたザイヴァー・グランフォード・カイゼル将軍。
そんな忙しい日々の中、やっとのことでできたのは少しの休息の時間。
さて、何をしようかと考えた時……

「そうだ、酒を飲みに行こう」

と考えた。とはいえ、高級な酒場は、今はシャンエンのお客様や、貴族連中であふれている。
そこでは気を休めて酒が飲めないと、平民地区の、それなりに良い酒場に足を運んだ。
カラン、カランと酒場の扉が開く。そして上下黒い、高級感漂う服装になっているザイヴァーは、
店内を見回して。
さて、どこで酒を飲もうか……まあ、隅の方で飲んでおくか。
そう思い、カウンター席、その壁際の一個隣の席に座る。
その隣には、退屈そうな一人の女性……
此方も、暇な時間というか、この暇を楽しみたいので……

「何やら、暗い表情だな。まるで、退屈な男と退屈な時間を過ごしたかのようだ」

そう、隣の女性に声をかけ。

「……マスター」

次に、酒場の主人に声をかけ……

「隣の女性に、カシスソーダを」

そう言って、カシスソーダを相手の女性へプレゼントしようと……

「女性が、そんな表情をするもんじゃない。一緒に酒でも飲まないか?」

フラニエータ > 指に巻き取られた髪が解かれ、伸びる。解かれ、伸びる。
何度もその行為をし、退屈を紛らわせている女の横に一人の男性が座った。
見ればその男性は、とても平民とは言い難い装いで、その懐具合が簡単に予測できる。

女は心の中でほくそ笑んだ。今日もまた己の色香に惑わされた財布が現れた、と。
その彼は酒場の主人に酒を頼んで、しかもそれを己に、と言ってくれるのだ。
女はますます天狗になっており、今日一番の淑女の笑みを葱を背負った鴨に向け、口を開く。

「あら…嬉しいわ、有り難う。…お酒までご一緒させて頂けるの…嬉しい――わ?」

語尾がほんの少しだけ上がった。
彼の顔を見れば、どこかで見た事のある顔。女は自分の知識を総動員し、その顔が誰だったかを思い出す。

思い出した。――将軍だ。
鴨どころではない、鷹や鷲の猛禽類の類。鷹がいくら葱を背負っても食べられない。
淑女の笑みが少々、引きつった。正直、間が持たない…。

その時、彼の頼んでくれたカシスソーダが目の前に置かれる。
女は助かったとばかりにそれに手を伸ばし、彼が頼んだ酒が配膳されるのを待つ。
彼が自分の酒を手にしたのならば、乾杯しませんか?と小首を傾げ、頑張って淑女の笑みを向けるだろう。

ザイヴァー > 「……?」

何故か、相手の表情がひきつった気がした。
だが、自分の身分は将軍、もしかしたら、相手はパレードなどで自分の顔を見かけたことがあり、
もしかしたら将軍ではと思われたか?と思いつつ。
自分の手元にも、酒の入ったグラスが置かれれば……

「ああ。乾杯でもしよう」

そう言って、酒を小さく掲げ、相手が乾杯できるように……

「俺達の人生が交わったこの瞬間に、乾杯」

なんて、少々キザッたらしいことを吐けば……小声で。

「ふ、そう緊張しなくていい。今君の隣で酒を飲もうとしているのは、高い服を着た、ただの将軍様似の男だ。
緊張したまま飲む酒は不味いからな……
将軍様に似た顔つきというのも、困ったものだよ」

と伝え。

「さ、そんなつまらない表情など辞めて、俺と、酒を楽しもう。
カシスソーダには、「君は魅力的」という言葉が込められている……と聞いたことがある。
君は魅力的だ……間違いなく、男を泣かせるほどに魅力的だ」

何て言って、小さく笑って……

フラニエータ > 淑女を装いながらも女の心臓はばくばくと鳴っていた。
もし、本当に彼が己の知っているあの将軍だったのなら…
なにせこちとら一介の盗賊である。相手は精鋭を率いる将軍。しかも昔は師団長、しかも第一。
格差どころの話ではなく、絶対に会う事の無い、水と油の様な関係。
どう対応するのが一番良いのか、と打算をしながら女は彼のグラスに己のグラスを近づけた。

彼の言葉と共にチン、とグラスが鳴る。

「ふぅん…高い服を着た、将軍様似、の男、ね…そんな言葉を信じる人は居ないと思うのだけれど…
――そうね、そうするわ…」

どうやら彼は、その権威を振り乱すような男では無さそうだ。
そしてこういう言い回しをしてくるという事は、間違いなく彼は彼そのもの。
そこで女は考える。――もし、この男を堕とすことができたら、と。

「…気障、とは貴方の為にあるような言葉、ね…でも、私、こんなに綺麗な色、していないわよ…。」

紅いカシスソーダが女によって軽く揺らされる。
そしてそのままグラスを唇へと運び、喉を一度こくりと鳴らした。
唇を濡らす酒を赤い舌で舐め取り、彼に向かって言葉を続ける。

「――男を泣かせる程?…なら、将軍様に似ている…貴方は泣いてくれるのかしら…?」

先程までの淑女の笑みが、一転して妖艶なものへと変わった。

ザイヴァー > 「ああ、そうしてくれると助かるよ」

多分、自分を一般人とは思っていないとは思うが、一応、表向き納得してくれたようだ。
気障と言われれば、ふっと笑い……

「はは、そう言ってくれるな。女の扱いは、嗜む程度にしか勉強して無いのでね」

そう言いつつ、此方も酒を傾け、喉を鳴らす。

「ふ、確かに紅くはないが……黒い君の姿は、まるで黒真珠か……ブラックダイヤのようだな」

そう言って、グラスを置き、赤く燃えるような瞳が、相手の黒い姿を映す。

「ブラックダイヤの逸話を知っているか?数多の貴族の手を渡り歩き、
その貴族達を不幸の底に叩き落してきた、魔性の宝石……君の魅力は、そんな魔の物を秘めているようだ
……はは、なんて、な」

そう言った後、妖艶な笑みを浮かべる相手の言葉を聞いて……

「ふ、女に泣かされる趣味はない……今も、これからも。だが……」

そして、ザイヴァーの赤い目の炎が、怪しく揺らめき。

「魔性の宝石を手にした時、俺がどんな不幸を味わうか、興味がある。
俺を屈服させるような不幸を味わうか、それとも……」

そして、此方は力強く笑んで……

「その不幸ごと、俺がその宝石を燃やしてしまうか……な」

なんて言おうか……

フラニエータ > 女の扱いが不勉強とは聞いて呆れる。
彼の続ける言葉は気障ながらも知的で且つ興味を擽り、間接的に相手を喜ばせるような言葉なのである。
言うなれば、女を堕とす為の言葉。
だから女は、彼の言葉の深さ、重さを探る為、その言葉に言葉を重ねていく。

「…手にすれば不幸になる、そんな宝石…
それを知った上でも手に入れたい、そう思う人も居るわ…貴方もそうなの?奇特な人…」

彼の赤い瞳に己の黒い瞳を重ねる為、女はスツールを回して体ごと彼に向く。
そしてカウンターに乗せられた肘、その先の頬を包む掌の小指で、己の唇を弄りながら、

「…燃え尽きて唯の炭になってしまったら、捨てられそうな勢いね…
それは自信?それとも虚栄?…それとも…事実?」

女の口角が少し、上がった。その隙間から微かに漏れる赤い舌。
それは唇を割る様にゆっくりと横に蠢き、濡らす。

ザイヴァー > 相手から漂ってくる色気、というか、妖気のようなものは、
確実に、自分を堕とすために蠢いていると、心のどこかで、小さく警鐘がなる。
だが、それが何だというのだ。女が、男を堕とすために色気という武器を使っているのだ。
なら、それを受けて立っての男ではないか。
不幸になると知ってなお、手に入れたいかと言われれば……軽く笑みを続け。

「ふ。手に入れれば、不幸になる……か。上等ではないか?
宝石とは、古くより争いばかりを引き起こし、感じる幸せと言ったら所有欲のみ……
それは、女にも言えることだ」

赤と、黒の瞳が交わる。男の瞳の中で、女の赤い舌が蠢くように……

「女を手に入れて、所有欲も肉欲も満たされた後に、何が残る?
愛が残れば上等なものだ。残るのは、相手への想いという名の束縛と、醜い嫉妬からくる争い……
これだけ見れば、宝石そのものだよ、女というのは……だが、な」

そこで、再び喉をアルコールで濡らし……

「女には、宝石にはない心がある。その心がるからこそ、宝石より楽しめる。
女の心をどう燃やし、どう美しく愛でるか。そこに男が問われるんだよ。
いわば、女を美しく燃やすのが、男の役割だ。その後に、役割は残っていない……
だからこそ、俺は……君という、宝石のような女を愛で、燃やしたい。
その果てに不幸になろうと、な」

そして……

「ふ、燃え尽き、ただの炭になるほど君を愛でられるのなら」

そっと、頬杖をついていない方の頬へと手を伸ばし……

「男として、それ以上の役割はない。例え不幸になろうと……
それが降りかかるのは、役割を終えた男にだ
宝石のような女である君が、心配する必要は無い」

何て言って、燃えるような体温を、武骨な掌から頬へと伝えて……

フラニエータ > 数多の男をあの手この手で堕としてきた女。しかしどうやら、彼にはなかなか通用しそうにない。
しかも彼は、気障な台詞の上に情欲を擽るような言葉まで乗せて来るのだ。
それが、たまらなく、愉快。

女は彼の言葉をゆっくりと聴いていた。ただ、何をするわけでもなく、その瞳を見つめながら、ゆっくりと。
彼の言葉が終わり、己の頬に彼の手が添えられれば、
掌に乗っていた顔の重さを彼の掌へと移し、その掌へゆるりと頬を擦り付ける。
それまで女の顔を支えていた掌は、己の頬を支える彼の掌にそっと、添えられた。

「…一々魅力的な言葉…女の扱い、慣れすぎてるんじゃないかしら?
見た目とは違って人生経験が豊富…まるで本当の将軍様みたい…」

正直、彼の言葉を聞き入ってしまったのも事実。
彼の掌に頬を寄せるのも、打算では無くその言葉に酔ってしまったから。
けれども、女はその魅力的な言葉を受けるわけにはいかない。職業柄、女は女に成ってならない。
だから頬に添えられている彼の掌、唇近くにあるその親指を食みながら言葉を続けた。

「気障で酸いも甘いも知った素敵な貴方に教えてあげる…
――私に一番効果的な言葉は、抱かせてくれ、その一言よ…
それを知った上で、更に言葉で酔わせてくれるのかしら…期待してるわよ…?…ククク…」

彼の親指を軽く吸い、後ににやりと嗤った。

ザイヴァー > 親指を吸われながらも、相手の言葉はどうにも心を高ぶらせてくれる。
どうやら、相手もまた、酸いも甘いも知った女の様だ。
自分の武骨なもう一つの手が、自分の頬に触れた、女の手に触れ、包む。
抱かせてくれ、か。それを言うのは簡単だが……
此方もまた、それを簡単にいう気はない。

「ふ、抱かせてくれ……か。俺の口から、その言葉を引き出す気かい?」

そう言って、相手の手を、頬を、優しくなでるように、掌を微妙に動かす。

「男は、女をの心を燃やし、愛でる生き物だ……
君に抱かせろと迫って、体を重ねるなんて……そんなつまらない、心の燃やし方はないだろう?
君に、この男に燃やされたいと思われなくちゃ……男として、君を燃やしがいがない」

そう言いながら自分の頬を撫でる手を、優しくつかみ、自分の胸、心臓の上にその掌を置かせて……
自身の熱い鼓音を、相手の掌へと伝えようと……

「感じるか?俺の鼓音。君を燃やしたいという昂りが、ここまで鼓音を大きくさせている……
君という宝石のような女性と、言葉で酔わせ合うだけで、
ここまで鼓音を大きくさせる、ここまで、俺の体温を高ぶらせる……
君も興味はないかい?俺の熱で燃やされた果てに、何が残るのか。
君に、俺を最高まで昂らせ、君を燃やす魔法の言葉を教えるよ。」

そして、相手へと顔を近づけ、耳元まで唇を近づければ……


「抱いてくれ。この一言だ。
この一言が、君の唇から出れば……君を、灰も残さず燃やし愛でて、
君という宝石に最高の輝きを与えよう
そして……その果てに俺に見せてくれ。君が俺に与えられる、最高の不幸を……」

そう、耳元で、自身の低い声色で伝えよう……