2019/02/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」に白露さんが現れました。
白露 > 平民地区に存在する、冒険者ギルド。
扉を開き、しゃらん、と鈴が鳴るような音と共に錫杖を手にした少女が入ってくる。
入り口付近は酒場が兼用されている、仕事を終えた者、今日はのんびりと過ごしている者。
そういった者達が、ゆっくりと寛いでいるのが見て取れるだろう。
入って来たのをちら見はするも、この時間にやってくるだろう冒険者とて珍しくはない、それだけだ。
そこを通り抜け、カウンター席の端へと少女は腰掛けた。

「依頼にあった薬草、必要分ですね。
合っていると思いますので、お納め下さい。
えっと…後は、温めた牛乳でも一杯お願いします」

腰に下げていた袋を手に取れば、それをマスターに渡しつつ、注文を。
壁に錫杖を立て掛ければ、しゃらん、と再びそれは鳴る。
収めた薬草を仕舞いに、そして注文したホットミルクを作りに、マスターは奥へと消えて。

白露 > 注文した物が来る迄、少女は静かに椅子に腰掛けたまま。
目を閉じ、周囲の声に耳を傾けている。

この酒場内程度の距離ならば、どんな囁きの声も聞き逃さないだろう。
だが聞き分ける事も出来る為、必要な会話内容だけを耳に入れてゆく方向だ。
さすがに、触れられたくないだろう内容までは触れる事はしない。
もちろん、奥で注文の品を作り、持って来るマスターの動きも大体は分かるもので。
それに気付けば目を開き、前に置かれたホットミルクに、マスターへと頭を下げる。

そっと両手で包むようにコップを手にすれば、一口、一口、とゆっくりと飲み始めた。

白露 > 飲み終わったか、コップをテーブルへと置いた。
支払いを終えれば、錫杖を手に立ち上がる。
ゆっくりと歩む先は、依頼の張り出されている掲示板。
小さな依頼から、大きな依頼まで、様々な依頼が張り出されているのが見える。

「次の依頼は…」

小さく呟き、考え込む仕草。
その視線は、主に大した事のない小さな依頼に向けられていた。
実力的には、どの依頼もこなす事は出来るだろう。
だが、ここでは新米冒険者、この程度が妥当なのだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」に徒綱さんが現れました。
徒綱 > 首都であろうともどこであろうとも、冒険者のたむろする店というのは大差がない。
それはまあ、そこに行けばどういうものがあるか事前にわかるという一種の安心感とも言えるが、そういうのに飽きてしまうという弊害も存在する。

「失礼しますよ」

扉を押し開け、その内部を確認するのは、どこか異国情緒のある服装をした男。身につけた眼鏡を少し気にしながら、とりあえず依頼所のほうに歩みを進める。そのまま店主と話をし、酒場のほうに。
手には白紙の依頼書が握られていた。冒険者という風情だが、依頼をする側に回るということなのだろうか。

白露 > そんな場所に、新たな来客が訪れる。
それに対する反応は、他の冒険者達と近いものだろう。
自分とて冒険者であり、こうしてやって来ていたのだから。

ただ、この来客との違いは分かっていなかった。
こちらは冒険者、依頼を受ける立場。
だからこそ、依頼をする立場の者との違いは分からないのだ。
再び、その視線は依頼の張り出される掲示板へと戻されて。

徒綱 > あまり質感のよろしくない紙を手に取り、しばし悩んでから持ち込んでいたペンを走らせる。
(筆記具の類はないと困る事例があったので常時持ち歩いているのだが、ここではその事例は割愛する)
しばし悩んだ後、ペンを置き再び冒険者の窓口へ。
さっと走らせたにしてはなかなかの達筆で、いくつかの内容に確認をとった後、掲示板に張り出しがなされた。
それを確認して、酒場のマスターに一杯酒を注文する。まあ、礼儀というやつだ

「……まあ、顔つなぎ程度はしておくべきですしね」

ポツリと、呟く。誰にも聞こえないように。
依頼内容としては出来高製の薬草の採取。少々レアリティの高いものではあるが、奇妙な一文が添えられていた。

自分の身を自分で守れる方のみとさせていただきます。
薬草を取るのに何の危険がるというのか。仲介するギルドの職員も首をひねっている。

白露 > 少女の耳には、その遣り取りの音が届いていた。
それ等の手順を終え、新たな依頼が張り出されるのが目の前に見える。
やっとそこで気付いたのだろう、少女はぽん、と手を打った。

「あぁ、なるほど、これが依頼の流れなのですね。しかし…」

納得での独り言を口にする少女、とりあえず、と依頼書へと目を通す。
内容は受けようとした薬草の採取、そこは変わらない。
ただ、その奇妙な一文に首を傾げるのは他の者と同じだった。

確かに薬草の採取自体には、危険性は感じられない。
問題は、その薬草が何であるか、だ。
様々な地域を歩き回っている少女には、別の考えが浮かぶ。
薬草の中には、魔物を寄せる物も存在する。
自己防衛を求めるのは、つまり、それではないのか?と。

少女は、更に別の考えを浮かべる事となった。
それを伝えるべきなのか、知らずに何かあれば大変だからだ。
自ずと、必要以上に掲示板の前に立っている事となるだろう。

徒綱 > 様式があっていればその辺りはどうにかなるだろうか、今度は紙を持ち帰っていろいろしてやろうか、などと思っていたのもつかの間。
ふう、と大きく息を吐き出して酒のほうを舐める。
そんなに質は悪くはないのだろうがやや強い気がするそれを少しだけ口にした後、依頼書のほうに立ち止まる少女のほうに歩み寄る。

「……何か、疑問に思われることでも?」

彼女の目線が自分の依頼書に向いていたことは何とはなしにわかる。
質問があるなら受け付けます、とそういう流れだ。

白露 > 当然、そんな事をしていれば、気付かれるものだろう。
依頼の主からの声に、ゆらりとそちらへと視線を向ける。
言葉を選んでいるのか、少しの間。

「えっと…確かに薬草の採取ではあります、そうなのですが…
もう少し、ちゃんと記載をした方が良いのではないか、と。
自分の身は自分で守る力、それは冒険者として持つべきもの。
しかし、これでは、どの程度の力が必要かが分からないのです。
もしかしたら、実力が足りずに危険が伴うかもしれません…そうでしょう?
他の冒険者の方々の安全を、そして、貴方様の依頼が受理され易くする為にも、必要な事だと思った次第でして…
差し出がましい意見ですが、一案として考慮頂けますでしょうか?」

その間を置いてから、おずおずとそれを伝えた。
どことなく、ばつの悪そうな表情を浮かべて。
せっかく依頼を記載し、張り出しもした、その後の意見だからだ。

徒綱 > ふうむ、と思案する。返ってきた言葉はしっかりとしていた。
少々の間を置いたのはある程度考えをまとめていたのだろう。
その辺りはまあ、分かる部分はある。
言われた内容にも頷ける事柄は多く存在する。
ただし。

「忠言、ありがたく受け取らせていただきますよ。
 ただ、少々事情のある依頼なのです。
 どの程度の危険があるか、というのが分からないのです。
 身の恥を晒すようで申し訳ないのですが、ある事情で自分はそこに行っても問題がない。
 ただ、自分一人ではどうしても手が足らないので人の手を借りたいと、そういう次第でして。
 具体的なことを書けないようで申し訳ないのですが」

 実際、依頼する箇所は自分の店がある近隣。あそこにある危険なものは大体何とでもできるので問題はない。
ただし、そこにいる連中がこの町の冒険者のレベルでどの程度なのかが分からないのである。
無論、その辺りはちゃんと考えて依頼報酬は出来高性になっている。
やばかったら最低限採取して逃げ帰っても一切気にしない、というわけだ。その辺はちゃんとしている。

ちなみに、危険度でいうとある程度仕込んでいるとはいえアルラウネが徘徊する森である。
そちらには対策を施すが、跳ねっ返りの魔物が何をするかは一切の保障が利かないし、何がいるかも把握できていない。

白露 > 返って来る言葉に、再び少女は考え込む。
それならば、道理は通っている。
自分とてここの冒険者のレベルというものが、どれほどかは解っていない。
それが、冒険者でない者が解る訳もないのだ。
そうは言っても、だからどうしろと言えるものでもない。

「なるほど…確かにそれでは、細かく伝えようもないですね。
しかし、危険には変わらず…うぅん…」

もし実力足らずの者が行けば、どうなるか分からない。
出来高だ、確かに最低限採取して逃げると言う手もある。
だが、その場合は満足いく採取が出来るかが問われる。
採取も出来て、危険性も無く行う、それを考えれば…

「仕方ありません、私が行きましょう。
要は、目的は採取であり、危険の排除ではないんですよね?」

目的は薬草の採取であり、魔物の退治ではない。
最悪、力を行使してでも魔物達を抑え、採取に集中する。
そうすれば、自分達も、魔物達にも必要以上の害は無い。
少女は戦う事を、そう好いてはいないのだから。

そこまで伝え、どうでしょう?と相手を見遣り。

徒綱 > ちなみに、管理しないのはちゃんと理由がある。
自然にあるものは自然にあるがままのほうがいいという経験談である。
アルラウネには話と筋を通しているため、魔力弾などの外的破壊対策に施してある施術以外はアルラウネの生育に最適な環境を自身で生成している。
そういう環境下で生える特殊な薬草が必要なのだが、これが採取にして面倒という具合である。
冒険者を雇ってでも何とかしたいというのは分かっていただきたい。

「ええ。採取が主目的です。戦わなくてかまいません。
危険といえば少々厄介な植物がいる程度ですが、あれは弁えていますから。
逃げる相手を追いはしませんよ」

受けると言った相手に対し、一礼をして答える。
こちらとしては採取が出来れば問題はないのだから、受けるという相手に情報を開示するのは当然である。

「場所ですが、ここから三日ほど行ったところにある森になります。
地理的な都合か、霧が深いので明かりを準備したほうがいいでしょう。
採取する薬草と出来高ですが……」

受けるという相手にはちゃんと筋を通す。それが商取引の基本である。
ちゃんと内容と場所、必要なものなどをきっちりと説明していく。受けるというのならば問題はない。

「遅れましたが、私は依頼させて頂く御剣 徒綱と申します。
小さな店を構えておりまして、薬草はそちらの商品に使います。御入用でしたら、報酬から天引きという形になりますがお譲りしましょう」

そうして、受けるといってくれた彼女に一礼をし、名乗る。これもまた礼儀というやつだ。
採取する草の種類は効能の高い薬草。生成すれば効能の高いポーションが出来上がることだろう。

ちなみに、森の主に対して逃げなかった相手の処遇については伏せる。
彼女たちは店の警護も兼ねているのだ、盗賊にはしかるべき報いを、というわけだ。
後は察していただきたい。

白露 > 話を聞いた感じで言えば、この人は大体の事を理解している。
どこまでが無茶であり、無茶でないかの判断は出来るだろう。
そして、採取する場所に居るだろう魔物も、それは言えるのだと。

そして場所に対する説明、必要な物、等々を記憶に控えておく。
何とか準備出来る程度の物であり、その点は助かる。
その際に聞かされる薬草の種類も同じく、記憶として残して。

「大体の事は理解しました、何とかなるでしょう。
あ、すいません、私は白露と申します。
白き露と書いて【はくろ】です、よろしくお願い致しますね。
商品と報酬については、その時にまた考えておきます」

薬草自体は、実際に自分に必要となるかは分からない。
しかし、そうした物もあるに限るとも考えるもの。
言葉の通りに、終わった後にでも考えれば良いだろう。

少女は余分な行為はしない。
必要な量さえ採取出来れば、後は素直に引くだけである。
だからこそ、森の主と対峙する事はない、そう考えられるか。
もっとも、そんな存在の事は、今まだ知らぬ事ではあるが。

「では、必要な量だけ、後はお願いします。
準備を終えたら、すぐに向かいますので」

そう伝え、残りの情報を得れば、さっそくと行動を。
結果は果たしてどうなるのか、それは、また後の話となるだろうか。

徒綱 > 「白露様、ですね。今回はよろしくお願いします。
いや、受けてくれる方がいてくれて助かりました」

これは偽らざる本心であるがゆえに、深々と礼をする。
口調が柔らかいのは余所行きの状態であるがためだが、目の前の少女に対してある程度例を尽くすべきだと感じているのも含まれているだろう。
礼には礼を、無礼には無礼を。
悪い感情を持たれたくないと思う相手には、相応に礼を尽くすのが彼のやり方である。
だからだろう。懐から一枚の和紙を差し出したのは。

「もしも何か入用のものがございましたら、こちらを二つに破いた後、お一人で扉をくぐって下さい。
お時間さえ頂ければ、我が須弥山は大概のものは揃えられます。
お客を選ぶ店ですので、くれぐれも御内密に」

そう言って片目を閉じて見せて、行動を起こす相手に改めて一礼をする。
ちなみに、この札を持っている相手は自分の客であることを示し、あるら畝たちが攻撃をしない対象に選定されるという副次効果もあるにはあるのだが、今回の依頼にはさほど関係がないので黙っておく。

お客であることと、依頼は別。
依頼人には森の条件を潜り抜けてもらわなければ困るし、それが出来ると思える相手だからこそ、先に札を渡そうと思うのだから。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」から白露さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」から徒綱さんが去りました。