2019/01/25 のログ
シュミー > 毎夜毎夜踊っていては踊り子がつぶれてしまう
踊り子が好きな店主だからこそ、彼女らの休息は大事にする

そういった休息日には…踊り子は適当に街に繰り出したりゆっくり体を休めたりするのだが
彼女…シュミーは中途半端だった
街に繰り出したはいいもののお酒を呑む気はあまり起きず。かといって酒場2階の自室で休んでいるのも落ち着かない

なので中途半端に…目についた広場にぼんやりと佇んでいる
時刻は夜半。桃色の髪は夜闇に目立っていて
周りから酒場の喧騒が薄く響いてくるが…丁度酔漢の通り道からは外れているのか、ここまでその喧騒が追ってくる様子はない

「………ふぅ…」

薄く息を吐いて…寒さを感じない体に感謝しながら、冴えた月を眺めている

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 物見遊山で酒場を覗きながら歩いていたら道のはずれまで来てしまった。
引き返そうとしたときにため息を聞いてしまって、そちらに振り向けば。薄着の女が一人。思わず。

「寒くないのか」

口をついて声を掛けていた。
どこぞの踊り子だろうが、火照った身体を収めてるようでもない。
興味本位で、憶測を飛ばしてみる。

「休憩中……にしても、こんなところじゃ寒いだろ。一杯くらいなら奢るぞ」

声を掛けた手前というわけでもないが、誘ってみる。

シュミー > 何をするでもなく、月を眺めていると…野太い声が届いた
確かに寒さについては心配されることが多いため…

「大丈夫。寒くはない…。…お酒は…」

元々、呑む気ではなかった彼女ではあるが
男の言葉を聞いて近寄ってくるだろう

「誰かと一緒ならいいかな…。奢ってくれるんでしょ」

近くで見ると右目はほとんど髪で隠れており…無理矢理に引き下ろせば、そのまま裸になりそうな大胆な衣装で
感情が薄い金の目で相手を見上げるだろう。あまり思考は読めないが…どこに連れていってくれるの?といった様子だろうか

グスタフ > 彼女の言葉を聞くに、一人で飲みたくはなかったというところか。
それはわかるが、彼女の衣装に目を留めて。誰かを誘うのも誘わせるのも思うが儘に見えた。
僥倖と思うことにする。

「勿論。俺はグスタフだ。君は……?」 

踊り子の姿に慣れた手つきで、抱き寄せるように歩き出す。
意識せずにそのまま歩き始めて。

「どこがいいかな。馴染みがなければ、こいつでもいいんだが。君の部屋か、俺の部屋でも」

持ち込み可の店で飲めるように、買ってきた酒を見せびらかす。

シュミー > 「…ほんとは怒られるんだけど…たまには、いっか。」

ぼそり、と…本来は酒場でないとあまり誘ってはいけないのだが…
特にやることもなかったしいいだろう、とそのまま抱き寄せられて

「……誰か、ひっかける気だったの?…いいけど。…行くなら、私の部屋以外で。」

酒を見て、無表情のまま…自分の部屋以外ならどこでもいい、と
あそこは仕事で誘った相手を入れる部屋のため…流石に店主に怒られそうだ、という考え

グスタフ > 「勿論。それじゃ私の家……も遠いし、そこらの宿で」

臆面もなく言いながら、足の向ける先を少し変えて。
街の喧騒からは背を向けて暗い路地の店に二人で入っていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からシュミーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアルブムさんが現れました。
アルブム > 宵の口の王都。冬の長い夜はこれからという時間。
通りにはすでにいくつもの常夜灯に火が着けられ、行き交う人たちをあかあかと照らし出している。
そちらへ往く者、あちらへ往く者。家路を急ぐ者もいれば、これから仕事という者もいるだろう。
住居と商店が入り混じる区画である、あちらこちらの家屋からディナーの香りが漂ってくる。

そんな中。ひとりの少年が、細い路地にわずか入ったあたりでポツンと立ち尽くしていた。
家屋と家屋の間の幅1mちょいの路地。こんなところに入り込んでいるのは、往来を邪魔しないため。
道行く人々にキョロキョロと視線をせわしなく向け続けている。誰かを待っているのだろうか。
片手には身の丈を超える巨大な木の杖。もう片方の手には、重く膨らんだ頑丈な革袋。

「………このお財布の持ち主、現れませんかね……」

つい10分前、アルブムはこの革袋を拾ったのだ。いわゆる財布というやつであるが、中身はぎっしり金貨が詰まっている。
見つけてしまったはいいものの、すでに官憲も職務を終える頃合い、拾得物を届けるアテがない。
見なかったことにして放置しても、誰か別の人に拾われ、持ち去られてしまうのは寝覚めが悪い。
ましてや自分でポッケナイナイするなど以ての外。
というわけで、こうして落とし主が来るまで待っているというわけだ。

「……でも、今日中に来るとも限りませんよね……どうしよ……」

アルブム > 来るかどうかもわからぬ人を待つというのは、ただひたすらに退屈な行為である。
普段だったらとっくに我が家に帰り着いてお風呂に入っている時間帯だろうに。
はぁ~……と、何度目かの溜息をつく。あと何度溜息を吐いたら、帰ろうか?

「……しかし。この辺は夜になってもすごい賑やかですね。
 食べ物屋さんが多いってのもあるでしょうけど、なんか綺麗な宿屋もいっぱいありますね……」

暇つぶしがてらに、人間観察。空色の瞳を丸くして、表通りを眺めながら、小さな声で独り言をつぶやく。
貴族などの富裕層が住まう区画に近いせいか、道行く人々は総じて身なりも良い。
そんな人たちが客として入っていく店は、酒場にせよ宿屋にせよ、入り口からしてサービスが良いこともわかる。
戸を開けた途端に店員に歓待されるというのは、貧乏人向けの店ではまずありえない。

「ぼくもいつか、こういう店で美味しいご飯を食べてみたいですねぇ……。
 ………や、も、もちろん、このお金は使いませんよっ! ひとのお金ですから!」

ぶんぶん、とかぶりを振る少年。うなじで結ばれた長いポニテが、波を描いて揺れる。一体誰と話しているのやら。

「……うう。おやつ食べたからまだお腹は空いてませんが、2時間も3時間も待たされたらさすがにヤバいですね。
 早く来てくれないかな……おまわりさんでもいいから、誰か……」

コツコツ、と杖で地面を鳴らす。杖のもう一端に付いた大きな鈴が清浄な音色を奏でるが、喧騒に呑まれていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にルキオラさんが現れました。
ルキオラ > 鈴の音が届いたか、路地にポーションなどの雑貨が山積みの荷車がひとりでに入ってきた。
正確には車輪の代わりに人の腕のような部品で移動する荷車である。
ものものしい印象に反して移動音は静かで、それが逆に不気味である。
ひょっとしたらどこかで見たことがあるかもしれない。

荷車もどきの前方に二股帽子の手のひらサイズの小人が腕組みで立っていた。
目線はおよそアルバムと同じぐらいになるだろうか。

「おやおや何をやってるんです? 親にでも捨てられました?
 こんなところでボケっとしてたら悪い人にさらわれちゃいますよ~」

小人が口をきく。
珍生物を眺めるような目つきだがこちらのほうがよほど珍生物だ。

アルブム > 「…………!?」

異様な人工物が、路地へと入ってくる。
ひとめで分かるのは、それが荷物運搬用のワゴン……に近い物であること。
車輪のあるべき位置から生えた腕はあからさまに異様だが、それ以上におかしいのは、その荷車を牽いている者がいないこと。
第一印象はモンスターである。街なかで、それもこんなに往来がある場所でモンスターと遭遇することがありえるだろうか?
……王都ならなくもないかもだけど。ともかく、その接近者に対しては自ずと警戒の姿勢を見せてしまう。

「………小さい、人??」

杖を両手に握りしめながら、ぽつりとつぶやく。荷車の曳き手のあたりに小人の姿を見定めたからだ。
かけられた言葉が、自分に向けられたものであることに気付くまで数秒、きょとんとした表情で凍りつく。

「……や、ち、違うんです。親に捨てられたとか、そういうのじゃ……いや、そうなのかも? あ、でもそれはずっと前のことでー。
 じゃなくて、ぼく、財布を拾っちゃったんで、持ち主が来るまでここで待ってたんです!
 怪しいものじゃありません!」

やがて、それが小さくとも人間に近いもの、少なくとも自分を襲おうとしてるわけでないことを悟れば、相手の質問に言葉を返す。
それでも、目の前に居座って表通りへの道を塞ぐ異形の荷車には、警戒は解けないけど。
杖を握りつつ、指に挟んで保持した革袋を見せつける。重く硬く膨らみ、揺れればジャラリと金属音が鳴る。

「これ、あなたの……じゃないですよね、きっと。小さいですし。あははー……」

白い歯を見せ、苦々しい笑みを浮かべる。

ルキオラ > 「へえ。財布を……まあ、あたしのじゃないですね~。もうちょっとおしゃれですよ。
 で、律儀に待ってたんです? ふぅん。ネコババしちゃえばいいのに。
 落としたほうだって、盗られずに残ってるなんて期待してないでしょ」

ずけずけとものを言う。この国の人々の善性の比率がいささか低いことは
そこそこ過ごしていればわかることだ。アホを見る目そのものである。

「というわけでそれはあたしが預かっておきますね。授業料として」

と言うが早いが、荷車もどきがガコンと変形して腕が生えてくる(気持ち悪い)。
とっさに反応できなければ、成人男性相当の硬質な腕が、財布をひったくってしまうだろう。

アルブム > 「そっかー、やっぱりあなたのじゃないですよねー。この路地に入ってくるから、もしかして、とも思ったのですが。
 ……って、ネコババなんて。そんな悪いこと、しちゃ駄目です!
 ぼくは良いことをして、《かみさま》に認めてもらうんです。落とし主も待たずにもらっちゃうなんて許されません!」

横領を教唆してくる小人の声に、アルブムはあからさまに頬を膨らませて反駁する。
たしかに、1時間以上(落とした時間からすればそれ以上)経っても来ないとなれば、持ち主も諦めてる可能性もなくはないが。
それでも、万が一ということはあり、とてもアルブムの良心が許すことでもなく……。

…と、杖を鳴らしながら反論するアルブムに、突如太い腕が襲いかかる。
暗がりであることに加え、荷車の腕が移動以外にも使えることに想像が至らなかったせいもあって、財布はすげなく奪われてしまう。
こうなると、いよいよアルブムの顔も真っ赤に染まり。

「あーっ!! 小人さん、ダメですっ! さっき『自分のじゃない』って言っておきながら、盗るなんて!
 あったばかりの人に授業料を納める義理もないですっ! どろぼーはいけないことですっ!
 天罰っ! 天罰モノですよっ! もーっ!!」

思春期前の甲高い声で、ぴーぴーと喚き立てる少年。さすがにここまで騒げば表通りにも声は届くかも。
それでも、バンバンと地団駄を踏み、杖を苛立たしげに揺すって鈴を鳴らしもするが、襲いかかり取り返すような動きはない。
逃げようとすれば追ってくるだろうが。いくら相手に非があっても即座に暴力を奮わないのは、優しいせいか、臆病なせいか。

……ところで、先に真相を伝えておくと。
財布の紐はとんでもなく硬く結ばれており、少なくとも今日中はほどかれた気配はないだろう。
もしルキオラが中身を見るなら、そこに入っているのは金貨に似たサイズにくり抜かれた、ただの鉄板数十枚である。
誰か悪しき者が、通行人や官憲を困らせるために置いたいたずらアイテムだったのだ。
とはいえ、現時点の2人にとっては金貨のつまった財布である。

ルキオラ > 「うるさいなぁ~小さい人の聴覚は敏感なんですよぉ~。
 だいいちキミのものでもないんだからあたしが持ってたっていいでしょうが」

荷車のヘリに器用に寝そべって騒ぐアルブムをあざけ笑っている。
本気で金貨に執着しているわけではないようで即座にとんずらしたりはしないが、
真相を考えるとこの小人の行いもやっぱりいささか滑稽であった。

「取り返したいんでしょ? ホラホラ天罰でもなんでも落としてみなさいよ。
 落とせないんです? なら誠意を示さないと返してあげませんよ~」

腕がアルブムの手の届きそうなところに金貨袋を近づけてはまた離す。
完全になめきっている。見苦しい弱い者いじめであった。
かわいい子を怒らせてみたいというルキオラの欲望もあったという。

アルブム > 「ううーーーっ……」

唸るアルブム。自分自身の力は大した事はないが、それでも相手は小人である。ヘタに殴りかかったら大怪我に至る可能性も。
小人とは対照的に、荷車は腕っぷしもありそうだ。これに反撃を貰うのもそれはそれで怖い。
かように小さい人間というのを見るのも初めてなので、次の一手をとりあぐねている。
とはいえもちろん、このまま金貨袋を取られっぱなしにするのも、奪われるのもよくない。
……となれば、頼れるのはただひとり。

「……て、天罰、落としますよっ、ほんとに、ほんとにっ。
 《かみさま》、お願いしますっ。このいたずら好きな小人さんに、何か……」

彼なりに凄んで見せてるのか、それとも『声が大きい』という指摘に腰が引けたか。低い声で絞るように言葉を紡ぐ。
そして、キッと強く伏せた眼光で、眼の前の小人を見据える。
そのまま数呼吸、まんじりともせず相対していたが。

びゅううううっ!!

何の予兆もなく突然、王都の路地をすさまじい強風が駆け抜けた。夏の台風を思わせる風圧が、刺す寒気を伴って。
表通りから裏路地へ、轟音を鳴らしながら吹き込む。通りを往く者も誰もが立ちすくみ、身を屈める。
そして小さいルキオラにとってはひとたまりもない風圧のはずだ。物に掴まれなければ、数mは余裕で飛ばされるだろう。
今日は快晴。穏やかに過ぎた王都の1日をかき乱す突然の強風……あきらかに、何者かの作為が絡んでいる。

「わ、わわわわっ!!!」

そして、その風の襲来はアルブムにとっても予想外だったようで。
白いローブが帆のように広がり、引っ張られて後ろになぎ倒され、尻もちをついてしまう。
ローブの下はぴっちりとした水色のタイツで、細いボディラインも、脚の付け根についた男の子の膨らみも露わになる。