2019/01/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 平民地区の噴水前広場。繁盛している店に囲まれたここは、この時間でも中々の人通りだった。
帰路を急ぐ者から噴水横の長椅子で休む者、男臭い集団から連れ添う男女まで様々な人物が行き交っていく。
女はそんな風景を、長椅子に座って紙袋に入った干し棗を齧りながら眺めている。

「…楽しい事、無いかしら…」

そんなに食べたら喉が渇くだろう、そんな勢いで棗を齧る女。
傍から見れば暇そうな女がぼーっとしている様子だが、その目はしっかりと目の前を行き交う一般人に向けられている。
大凡泥酔、酩酊している人物を探しているのだろう。
女はそれらを見ながら、

「…愉しい事、無いかしら…」

ともう一度独り言。若干言葉の色合いが変わっている。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にルーミスさんが現れました。
ルーミス > 賑わいが途切れない平民地区の噴水広場に足を踏み入れたのは、客先での取引の帰路でのこと。
時間に似合わず人通りの多い中を、縫うようにして歩いていく。
どうやら上手くいかなかったらしい取引を思い返し、苦い表情を浮かべながら小さく舌打ちをかました。

「…モノの価値をわかってない奴ってのは、めんどくせぇな……」

聞き耳も立てられないであろう状況をいいことに毒づきもする。
そんな中、ふと視線を感じて立ち止まった。
誰が見ているんだろうと辺りを見渡せば、少し離れた長椅子で道行く人々を眺めている女の姿が視界に飛び込んでくる。
なんてこともない、暇そうな気怠げな雰囲気を纏う女だが。視線の主は彼女だろうかと、自問するように首を傾いだ。

フラニエータ > 女の目の前を通る人々は、ほぼ笑みを浮かべている。
酒に酔っているから、美味しい物を食べたから…理由は様々だろう。
ストレスを溜めた人々がそれを発散する、そんな場所でもある此処。
そんな中、一人の女性に目が行った。
明らかに己より美しい肢体、瑞々しい肌、煌く翡翠の髪…身に纏う衣装は注目も浴びるであろう。
女にとって非常に面白くない。だから自然と目が…
――いや、そうではなく。
この場所で女一人きり、しかもあまり機嫌が良くはなさそう。
そういう意味で女の注目を攫っていた。決して女の嫉妬ではない。

「…ふぅん、生意気そうな女ね…愉しいかしら?」

彼女の独り言が聞こえていた訳では無い。あくまで女のファーストインスピレーション。
彼女がこちらに気がつけば、女は人々の中から彼女に視線を固定した。
じっと、猟犬が獲物を狙っている様な瞳で見据える。
そして一転、小首を傾げながら淑女の優しい笑みを返すだろう。

ルーミス > 時に周囲から向けられる眼差しは、自身にとって興味の端にも上らない、どうでも良いもの。
しかし群衆の中、長椅子に座る彼女から向けられる視線は他とは少し違っていた。
獲物を狙うかのような鋭い眼差し、次いで人の良さそうな微笑。
コロコロとした表情の変遷もまた、女の興味を煽ったらしい。

「………はん」

対して此方は、意識して少し上から、面白がるように細められた瞳。
受け取り方によっては挑発とも取れるような攻撃的なもの。
最もこの女の性格上、そんなテイストになるのも無理からぬ所ではあったが。
面白そうだ、と思う。機嫌が上向いたわけではないが、少し絡んでいってもバチは当たらないだろう、多分。

フラニエータ > 彼女の意識が己に向いたのを悟れば、女は彼女に軽く手を振った。そして中指だけを折り曲げ、此方に来い、と招く。
此方から足を運んでも問題は無い。知り合いの振りをして声を掛ける等、手段は沢山ある。
しかし女は長椅子から腰を上げない。主導権争いはもう始まっている、そんな想いも受け取れる様子。

「…いらっしゃいな。」

女は少し大きめに口を開き、ゆっくりとした口調で彼女に語りかける。
たとえ聞こえなくても口の動きでその内容や意図が解る、そんな動き。
勿論、言葉の最後は優しい笑みと傾げる小首で締める。

ルーミス > 手を振る最中、中指が招くような動きを見せる。
長椅子から一切腰を上げようとしない彼女の様子に、唇の端を小さく持ち上げるだけの不敵な笑みを返した。
お言葉に与り、此方から一歩、彼女の元へ足を踏み出す。
しかし、主導権を譲り渡すつもりは毛頭無い。余程鈍くなければ、態度からして読み取れるだろう様。

行き交う人々を横切り、ゆっくり距離を詰めていく。
やがて十分に声が届く範囲になれば一度、立ち止まって。

「……来てやったぞ?」

尊大な物言いは、彼女の出方を伺う為でもある。
相手は座ったまま、此方は立ったまま。バチバチと視線が交錯する。

フラニエータ > 雰囲気にそぐった生意気そうな声。女は嬉しそうに口角を少し吊り上げた。
さて、彼女の尊大な態度、言葉遣いは相応しいものか…

「フフ…ありがとう、…機嫌が悪そうだったから、どうしたのかと思って…ね?」

彼女の物言いにも眉一つ動かさず、微笑んで返答する。
そして彼女を己の横に座らせようと、長椅子を掌で撫でて。
彼女が腰掛けようとするなら、同時に言葉を投げかける。

「生意気そうな所もイイわ…」

極々小さな囁き。彼女に聞こえるか、聞こえないか、そんな微妙な囁き。

ルーミス > 「……機嫌が悪いのは当たってる。よく見てるな?」

最近、鳴りを潜めては来たものの…やはり生来の性分は直りそうにない。
むしろそれを誇示するかのような体で、撫でられた長椅子、彼女の隣に腰を下ろす。
思わぬ邂逅でやや気分が上向いた。単純に、隣に座る女は面白そうだという思考だが。

「……お互い様だろ?」

かろうじて耳に届いた囁きを聞き留めれば、此方も同じ程度の囁きを投げかける。
傍目には仲が良さげに見えているのかもしれない状況下だが。

フラニエータ > 「気になる子は見詰める癖があるの…ごめんなさいね?」

彼女が腰を下ろせば、女は少し体を彼女に寄せ、その距離を詰める。
そしてほんの少し彼女の方へと体をむけ、彼女に紙袋を差し出した。
干し棗が入っているそれは女の手の中でがさがさと音を立てている。

「ホント、生意気…フフ…
内面を誇示しているのか…それとも誇張しているのか…どちらなのかしら…?」

女は切れ長の目をじっと彼女に向け、そう問うた。同時に紙袋を揺すり、どうぞ召し上がれ?と小首を傾げる。

ルーミス > 「ふーん……じゃあ私は、あんたに気に入られたってわけだ?」

まるで当然とでも言うような、ごく軽い口ぶり。
笑みは絶やさぬまま互いに距離を詰め…差し出された紙袋の中を覗き込む。
転がる干し棗に瞳を細めて…

「……誇張だとでも思うか?…私は天才だ、と面と向かって言ってもいいんだがな」

一切の躊躇も無く言い放ちながら、片手で干し棗を一つ袋から拾い上げる。
それを掌に収めながら、徐ろに身を乗り出し……
鼻先が触れ合いそうな程の距離で、視線を絡ませ…不敵に笑ってみせた。

フラニエータ > 「気に入るかどうかは貴女次第よ。」

生意気だけは嫌い、と告げようとした時、彼女が干し棗を見ながら口を開いた。
躊躇無く自分の事を天才と言った彼女。女はつい、笑い声が漏れる。

「ククク…本当?…使える子は好きなの…手に入れたくなっちゃうわ…
…あの手この手で…ね?悪い癖かしら。」

彼女の笑顔には此方も妖しく微笑んでみせつつ、更に顔を近づける。鼻先同士がちょん、と触れた。

「美味しい?」

彼女が干し棗を食めば、熱い吐息と共にその言葉を投げかける。

ルーミス > 生意気は嫌い、ともし告げられていれば、女はそれを一笑に付したかもしれない。
ちょっと前までは生意気をそのまま人の形にしたような性格だったから。
今はだいぶ大人しくなったとはいえ…

「…あの手この手で、ねぇ? 悪い癖といえばそうかもな」
「でもそういうヒト…私は、嫌いじゃないぜ?」

掌で転がしていた干し棗を口に放り込んだ直後。更に互いの顔が近付き、鼻先同士が触れ合う。
それでもなお離れようとはせずに。

「……まぁまぁ」

彼女に投げかけた言葉と吐息は、同様に熱を帯びつつあった。
どちらが何を仕掛けるか、それも楽しんでいるような風に至近距離で見つめ合う。

フラニエータ > 「嫌いじゃない?…素直に好きって言えば良いのに…」

彼女の口が動き、小さな咀嚼音がする。女はそんななか、紙袋の中から干し棗を一つ取った。
鼻先をゆらりゆらりと擦り付け、離し…それを繰り返しながら、女は口にする。

「あら、そう?じゃあ…これはどう?気に入ってくれると嬉しいのだけれど…」

己の指先に摘まれた干し棗、それを彼女の口へとそっと運ぶ。
あーん、と彼女に告げられた女の口、その中は赤い舌が踊っている。
見詰め合いは途切れる事が無く、一刻でも長く目に入れていようと、瞬きすら減っている程だった。

ルーミス > 「好き、って言葉も分かりやすいけど……でも、つまんないだろ?」

判断の基準は、自身にとってより面白いかどうか。
言葉の使い方で相手がどんな反応をするか、なんて見ている辺り、中々に捻くれているのだろう。
鼻先を擦り付け合い、離れ…繰り返される動作は端から見ると奇妙かもしれないが。
幸い、帰路を急ぐ人達が此方に気を遣ることはなさそうだ。

「ん? ……さて、どうだろうな…」

瞬きを忘れたかのように、途切れること無く絡み合う互いの視線、瞳。
あーん、という声に応じて開けられた唇の奥には、彼女と同じくらい赤く色づいた舌が見えるだろう。
止められなければ、運ばれる棗を舌先で掬い上げるように食む。

フラニエータ > 「…駆け引きも愉しめるのね…好いわ、素敵よ…」

女はじっと、彼女がどうするかを見ていた。周囲の様子など全く気にしてはいない…
いや、見せ付けていると感じてもおかしくない程、堂々としている。
女は彼女の舌先が棗を拾うと、棗を摘んでいた己の指先を彼女の舌先に軽く触れさせた。

「…より美味しいでしょう?」

彼女の唾液が乗った己の指先、それに軽く口付け、舌先を当てながらの一言。
その後、女はまた、干し棗を一つ手に取った。今度はそれを、己の口へと運び、唇で挟み…
彼女に見せ付ける。

ルーミス > 「どーも。……素敵って言われるのは、悪い気分じゃないな」

見せつけているように見えるのは、有象無象に見られても一向に構わないという思いがある故。
彼女の指先が己の舌に触れれば、笑うように瞳が細められた。

「……ん。ふふっ、……いいね。素敵だよ、あんたも」

今度は彼女の口元に運ばれる干し棗。
見せつけるような行為に小さく、微かな笑い声を零し…すっ、と顔を寄せた。
薄く唇を開き…彼女のそれに重ねて。蠢く舌先が棗を絡め取ろうとする。