2018/10/28 のログ
レイン・レジネス > 「興味が有るか、無いかと言われたら――」

視線はあちらこちらを這い回る。指の先、爪まで這い降りてから肩まで。そこから脇腹、腰。
だが最後に行き着く所は、柔らかく形を歪める胸だ。
人体は造形の美を保ちながら、これほどまでに柔軟性を保てるのかと感嘆を込めて、

「有る。たっぷり有る」

率直な解であった。
木のコップが長閑な音を鳴らす。液面が揺れる。
揺れる液面、琥珀色の酒をくうっと喉へ半分ほど注いでから、

「ならば端的に。〝この夜に〟というのはどうかな」

言葉と共に息継ぎをして、残り半分を胃へ落とした。
酒のペースは早い。強いのかと言われれば、ろれつは回っているし、真っ直ぐ座っているが、顔は赤く染まっている。
最もこの赤が、情欲が為では無いのかと問えば、切り分けるのは当人でも難しかろうが。
そして――食事は頼まない。相手の前に料理が運ばれて来れば、それを食する様を、飽きる様子も無く眺めることだろう。
だが、給仕の娘を呼びつけはする。そして問うのは、こうだ。

「二階の部屋は空いてる?」

声を強めるでもなければ、潜めるでもなく。
わざわざ聞かせる訳でもないが、耳を澄ましていれば周りからも聞き取れる程の声で。
そうするのが当然のように給仕の娘に問いながら、その視線は正面の女の、縦長の瞳へ向けられていた。
前髪のヴェールを覗き込めば、案外に端正な作りの顔が、薄くだが微笑んでいた。

キルシュナ > 「―――お、なんや詩的やねぇ。ほな、それでいこか♪」

と再び木杯を打ち合い、少し高めと思しきホットワインでちびちびと乾きを潤す。

「おほぉー、きたきたぁ❤」

お待たせしましたの定例句と共に無骨な木製テーブルに置かれた料理を、キルシュナはぱむんと柏手で迎えて身を乗り出した。
木製の受け皿に乗った小さなフライパンめいた鉄の器。
そこで今なおバチバチと肉汁を爆ぜさせる分厚い獣肉。
あらびきの塩と胡椒が肉の旨味を強めるハーブと共に香ばしい匂いで鼻孔をくすぐる。ニンジンとインゲンのグラッセと、山盛りのポテトサラダが色を添え、腹ペコにゃんこの食欲をそそる。

「悪いけど、失礼させてもらうでー? ウチ、お腹ぺっこぺこやねん。あ、一口くらいやったら分けたってもえぇよ?」

雑な手付きでギコギコ肉を切り、一口大に切り分けたそれにたっぷりとソースを絡めて大口に頬張る。
口腔にじゅわりと広がる肉汁の濃厚さに「んんぅぅう❤」と幸せそうに表情を緩め、グラッセやサラダにも手を付けながら食事を進める。
その最中、給仕に問う女貴族のセリフに猫耳がぴくんっと反応するも、キルシュナは何を言うでもなく食事を続ける。
黒髪の合間からこちらを見つめる碧眼にも、気付かぬフリの澄まし顔。

レイン・レジネス > 香草、香辛料、そして肉そのもの。これが空腹時であれば、さぞや食欲を誘うものだろう。
が、女はと言えばその食事風景を眺めるばかりで、そちらに手を出すこともない。

「遠慮しておこう、あまりお腹が空いてなくって」

普段からの、食事さえ面倒がる怠惰の性が故、胃袋が小さいのだ。
だから時折酒を頼み、その合間に水を飲みながらも、相手の食事に手を出そうとは――

「――キスの味が二人同じだと、面白くないんじゃない?」

代わりに少し身を乗り出して、肉を頬張る彼女の、獣の耳へと囁いた。
その後は暫し、腰を落ち着けて、彼女の食事が済むのを待つだろう。
待つのは嫌いではない。何もすることが無いというのは、それはそれで幸福なことだ。
周囲の羨望の視線も、だんだんと酔い潰れたか、或いは帰り始めたか、減って行く。
そんな中で女はぽつりと、水滴がコップの縁を伝うような速さで口を開いた。

「……さびしいんだ、最近」

テーブルに片肘をついて、そちらの手で頬杖をつき。頬をぐにゃりと歪ませたまま。

「寒くなってきたから、かな……」

気付かぬふりを続けるなら――それでも良い、と、言わずに示す。
こちらもまた視線をあらぬ方向へ向けて、一人呟くように言葉を続けた。

キルシュナ > 彼女の髪は何かしらの美意識の元に伸ばされたものではなく、ある種の物臭の結果作られた物の様。
はっきりとは見えぬ物の前髪の合間から覗く碧眼は思った通り整った容貌を形作っているだけに勿体無いと思えた。
そんな彼女が今宵口にするセリフは貴族らしい超然とした物なれど、その身が滲ませる怠惰な気質からは少し外れたチグハグな物の様にも思える。
何か無理に自分を作っているようなそんな気配。
そんな違和感が引っかかり据え膳を楽しむ邪魔をするのは、暗殺者としての癖の様な物なのか。

そうして女貴族に見守られる中、健啖な食事風景が鉄皿に盛られた料理をぺろりと平らげる頃、妙に苦しげな、絞り出すような風情で紡がれる弱音には、驚いた様に金瞳が瞬いた。
伸ばした手が木杯を持ち上げ、彼女の奢りのホットワインの残りを飲み干し、それだけでは何事かを考える間が足りなかったのだろう。
再びの頬杖に顎を載せ、金の瞳を脇へと逸してしばしの無言。
客が減り、幾分騒がしさを減じた喧騒の中の小さな静寂。

「困ったなぁ……ウチ、本来はもっと節操ないんやけど……どーにもそういう気にならへんよ……」

初対面の相手に思わず弱音を漏らすほどに寂寥を募らせた娘に向けるには辛辣なセリフは、唇を尖らせ、眉尻を下げたなんともいい難い表情にて紡がれた。
あまり他者に執着することのないキルシュナなれば「ごちそーさん、お酒、美味しかったで❤」などと軽薄な言葉を残して立ち去ってもいいのだが、それはどうにも憚られた。
故に、多くの達観で乾いた頭が、僅かな潤いを拾い集めて言葉を探す。

「あー……なんやろ、なんや、すごい勿体無いって思うんよ。あんた、せっかく可愛らしいのに、こんな前髪で顔隠して……ほれ、こうした方が絶対可愛いと思うで?」

頬杖を付いて顔は横向けたまま、ひょいと持ち上げた腕が刺々しい籠手で彼女の白肌を傷つけぬように気をつけながら、伸ばした指先で前髪をどかしてその目を露出させようとする。

レイン・レジネス > 食事は終わり、酒も空になり、静寂ばかりが少し続く。
夜。外はもう随分と涼しかろうが、人の多い屋内ではそれも分からない。
ただ静かで、程良く暖かい、何もせずに居るには心地良い空間――

「節操無しは私も同じだよ。大概、酷いもんだ……けれどね。
 あるんだよ。抱いても抱かれても、どうしても寒気が収まらない時が。
 それが今で、今日で……ああ、なんだろうな。もっとこう、かわいらしく誘えればいいのに」

感情の吐露はどうにも、その心地良さとは対局に有った。
はぁ。と、大きな溜息をついて、もう片方の肘もテーブルにおいた。
溜息と共に酔いがまた少し回り始めたものか、首が右に傾いて固定される。
角度を付けたままのその顔に近付く指を、見つめる目の反応速度は幾分か落ちていた。

「……ああ、それ、よく言われる。切れとか、留めろとか、たくさんね」

前髪を避けられて、目をはっきりと露出させる。それだけで女の印象は随分と変わる。
酔いと寂寥感の双方で濡れた瞳だが、まだ焦点は合う。
その焦点は、躊躇いがちに相手に向けられたかと思いきや、虚空へ跳んだり、また未練がましく相手に戻ったり――

「私、かわいげ無いのかなぁ……?」

もう一度、はぁ、と溜息をついた。

キルシュナ > 「んふ、今のあんたはさっきまでの無理してる感じよりはよっぽどかわぇえって思うけどね?」

スラリと高い長身と、ミステリアスとも言えるかも知れない目隠しのヴェールに見合わぬ子供じみた言動なれど、素直な言葉はキルシュナには可愛らしい物に思えた。
せっかくの誘いを掛けてくれた相手に、結果として辛辣な返しをしてしまったというのに、それでも相手が席を立たなかった事に少しホッとしたというのもある。

「まぁ、あんたにとってこの前髪が大事な意味を持っとるンなら、誰がなんと言おうと切るべきやないと思う。そん時はもっと、ウチはこの髪型が好きなんじゃー!って開き直ればえぇと思うけどな。」

苦笑と共に紡いだ言葉。
とは言え、髪型一つ変えた所で彼女の問題は解決しないだろうとも思う。
それは、なんとも説明しづらく、外見に見合わぬ時を生きたキルシュナにも明確な正解が分かっている問題なのだ。

「―――これは、あくまでもウチ個人の勝手な意見ちぅことで軽ぅく聞いてほしいんやけども、まず、あんたの素材は悪ぅないんやないかな。」

事実、彼女の見せた小さな所作の端々は、キルシュナから見てもドキッとさせられる所があったのだ。

「問題なんは、自分が相手にどう見られるかに想像が至ってない言う事ちゃうかな。あんたがウチの立場やったとして、目の前に来て据え膳用意してくれる女の子は可愛い方がえぇやろ? あんたみたいな外見の子が大好きやー言う人も居ると思うけど、ちょっと間口狭い思うし、もう少し一般受けするトコ狙ってみたら一気に世界広がったりする可能性もある思うで?」

正直自分が何を説明しているのか分からなくなりつつも、猫娘は自分なりの誠実さから言葉を紡ぐ。

レイン・レジネス > 「大事な、意味――」

相手の言葉を受け取り、思案する。
その思考時間が長いのは、やはり酔いが回り始めたが故か。
普段よりよほど鈍った頭を働かせて、提示された解決策をかみ砕き、理解しようとする。
が。

「――びっくりするほど、何も無い」

そう、意味など無いのだ。
ただ単に、切ろうとしていないうちにこの長さになっただけであって。
そして髪の質が為か、放っておくとカールなどしないので自然と顔の前にぶら下がる。
それだけの理由でこういう髪型になってしまっている。それが自然だと思っているのだ。
故に、〝じゃあこれをどうにかした方がいいのでは〟という点に至らない。自然だと思っているから。
……だが、言われたのが一度や二度ならさておき、そうではない。流石に怠惰を極めた女も、思うところは有ったのか、

「……需要が狭いのは、承知してるもん」

少しろれつが回らなくなり始めた口を尖らせ、言った。

「胸は育たないし、背ばかりは伸びるし、柔らかくないし……かわいいおねだりとかできないし。
 一般受けって言ってもそもそも、触手生えてくるような女だし、貴族だけどそんなえらくもないし……う、ぅ」

テーブルに頬を預けて、呻くように。
途中おかしな言葉が混ざったが、よくよく見れば成程、着物の裾の辺りから床へと、制御を失った触手が数本垂れている。
問題はと言うと、良い歳の筈のこの女が、自分の言葉が進むごとに、その碧眼をどんどん涙で曇らせているということだ。

「ぅ、ぅう……ぅえええええええぇ……どうせ私は隙間産業だぁあああぁぁぁ……」

べそを描き始めた。行き着く所まで行った酔っ払いの醜態であった。

キルシュナ > 「―――むぉっ!? あんた、触手とか生えるんっ!? そ、それはむしろウチからしたらチャームポイントなんやけど……」

一般から外れたアブノーマル趣味を持つ変態猫の意見なので、あまり参考にはならぬだろう。いや、でも触手好きは結構いるよね。

「ウチの知り合いにはぺたんこな胸やないと勃たん言うツワモノもおるし、背ぇ高いんはウチかて同じやし……まぁ、ウチはあちこち柔らかやけどな?」

悪戯っぽく笑って豊かな双丘をむにゅりと中央に寄せる意地悪猫。

「貴族っちゅう属性も、使いようによっては可愛げに変わるし……問題はなんか、それらが上手く絡み合ってへんちゅう事やないかなぁ……?」

かくいう己も、依頼遂行のための変装として違う人間を演じる事もあるのだが、その際に作り上げた人物像で似たような失敗をしたことがあるのだ。
性格やら背景設定やら外見やらは全て破綻なく噛み合い、考えている間は魅力的に感じるのだが、いざ出来上がった姿を鏡に映して客観視した時「あれ? なんや今のウチ、あまりイけてへん?」みたいな事が。
今の彼女のケースがそれに当てはまらず「今のウチ、めっちゃかわえぇやん! なんで分からへんねん!」というパターンであった場合は、尖りまくったニッチな魅力に気付いてくれる誰かが現れるのを気長に待つしかないのだが……これはあまりオススメ出来ない。

「あー……よしよし、泣きぃなやぁ、しゃーない子やなぁ。」

困り顔に苦笑を浮かべた黒猫は、よっこいしょと席を立って彼女の隣に回ると、異国の装束に包まれた白肩をぐいと抱き寄せ豊乳にむにゅりと触れさせ、惰性で伸ばしたと思しき彼女の黒髪をよしよしと撫でてやる。
今の彼女には、確かに何やら妙な魅力がある気がしなくもない。
少なくとも柔肉の体温を分けて、髪撫での優しさを向けてあげたくなるくらいには。

レイン・レジネス > 「最大同時操作数はたぶん20ちょっと、体内に限定して縮小すれば100超え……」

触手生えるのか。はい、生えます。生えると言おうか生やせると言おうか。
実際これのお陰もあり、抱く側としては割と引く手数多と言おうか、
背丈や顔立ち、持って生まれた気性からなる口調も相まって、抱く相手は比較的不自由していない。
が。逆となった場合。
要素が絡み合っていないと言おうか、逆方向に特化して絡み過ぎていると言おうか。
お陰で〝そういう気分〟になってから久しく、寂しい独り寝が続いているのであった。

「……うぅうぅぅ……ぐすっ……」

べそを掻きながらも抱き寄せられると、自分からも腕を持ち上げて、相手の身体を抱きしめた。
子供が泣きじゃくる時のような姿ながら――手や頬でその豊かな胸の感触を楽しもうとする。
こればかりは性分、もはや意識せずに出る動きとも言おうか。
せめて人の体温と感触とだけ貰って行こうと、割と遠慮無い手つきではあった。
むしろ、触手を動員して複数方向で攻めに掛からないだけ大人しいのやも知れない。

さて――しばらくべそを掻いた後、流石に子供よりはあっさりと泣き止む。
が、泣き止んだ後もこの女は些か面倒である。

「……う」

中々離れようとしないのだ。
きっちり獲物を抱き込んで離さない、まるで捕食生物のように。両腕で抱きついたままなのである。

キルシュナ > 「体内……ま、丸呑みプレイ……。」

ゴクリと喉を慣らして対面の娘を見るも、白皙の華奢な娘に丸呑みされる光景はホラー以外の何物でもなく、節操無しの猫とて萌える事は出来なかった。

「あ、ヤバイ。あんたの泣きべそ、正直ちょっときゅんと来たわ。」

しかし、その外見はといえば、スラッとした長身と見様によってはゴーストめいた黒髪の目隠しヘア。やはり噛み合っていない。少なくとも、キルシュナの趣味からは少々外れているのである。
これが普通に可愛らしい幼女だの、普段は気を張っているツンデレお嬢様だのだったりすれば、もう一発で陥落してあれこれヤッてしまっていただろう。
ここで触手など出して攻めっ気を覗かせたりしたら可愛げもあっさり霧散していたろうが、それを自重する辺り流れを把握する能力も持っていると思われた。
そうした我慢へのご褒美なのか、泣き止んだ後も抱きついた後の細身に対し、褐色猫は何も言わずに抱擁を続け

「んー…ウチやったらぁ……せやなぁ……。」

半ば惰性の頭撫でを続けつつ、少しでも後の糧になればと考え頭をひねり

「あんたはなんや、甘えたがりな雰囲気あるし、ぐいぐい攻める感じよりもヤられる側の方が映えるんちゃうかな。実際のトコはよぉ知らんけど。あ、攻める方が好きやっちゅう話やとしても、今のままやと微妙に噛み合ってへん印象はあるで?」

「ウチ的にはもっと悪魔みたいな、あ、これアカン、絶対勝てへんヤツや…って思わされる感じとか、淫魔みたいにめちゃくちゃエロい雰囲気やとか、そういうんあったらドッキドキやな。」

この辺りまでくるともう完全に個人の趣味を好き勝手に垂れ流しているだけなので、どこまで参考になるかは分からない。

「―――ウチから出来る助言はこんな所や。あんた、潜在能力はすごそうやし、もっと可愛らしぅなってくれること祈っとるで、ホンマ!」

そういいつつ立ち上がる。
彼女がぎゅっと抱きついたままであれば、そのまま諸共に立ち上がる事になるだろう。

レイン・レジネス > 「……何かおかしなものを想像されてる気がする」

流石に人間一人を呑み込む器用な芸当は――機能は搭載していない。
いかに質量保存の法則を無視した改造済みであったとしても。
……実際の所、喉奥に小さな触手を数十も蠢かせる光景が、ホラーでないとは言えないのだが。

さて、しばしの時間が過ぎた。
結局のところ外見云々の問題となると――後はこの女がどれほど気まぐれを起こすか、という話になる。
前髪一つ切るのに、そんな労力が必要か? と問われた場合。
髪型という概念さえ持っていないような女には、それは結構な重労働なのである。
どこからどう切る、長さはどうする。そんな簡単な部分から、既にさっぱりな訳なので、

「――うぎゅっ」

何を考えれば良いかも分からないレベルでぼんやりとしていたら、彼女が立ち上がった表紙に床に落下した。
両腕だけで自分の体重を保持するには、酔いが回りすぎているのだ。
腰の辺りから二つ折りになって、肩と頭を床に付けた尺取り虫のような格好。
その状態から起き上がろうと手を床について、少し力を入れて――

「……ふう」

諦めた。諦めたどころか、その場で仰向けになった。
この女、開き直ってこの場で寝ようという腹づもりである。
床から見上げる顔の高さは、普段口説く相手より掌一つか二つ高い位置にある。

「じゃあ、切ってくれる……?」

その顔へ向けて、最後に問うてみる。

「この髪……なんか、こう、良い感じに」

片手で前髪を掴み、額の方へと押し上げながら。

キルシュナ > 「―――くふふっ、あんた、やっぱり可愛らし方向目指すべきやね。」

べしょんっと床に落ちる際に漏らした呻き声はやはり可愛らしく、最初に彼女が作ろうとしていた貴族らしい態度よりも余程に魅力的に思えた。
単に攻め気の強いキルシュナとの相性問題として、受け気質の娘の方が絡みやすいという部分もあるのかも知れないけれど。
身を起こす事すら出来ない酔っぷりに

「ホンマ、困った子やなぁ」

と浮かべる苦笑い。
貧民地区にほど近い場末の食堂の床である。
女貴族の自宅の様な絨毯敷きであるはずもなく、埃や食べかすの転がる不衛生で隙間だらけの木床である。
流石にそのまま捨て置く事も出来ず、水着めいた衣装から半裸の褐色を晒す黒猫は腰を折って腕を伸ばして、その細身をヒョイと抱き上げた。
そうして作る姫抱きに、妙に子供っぽい懇願を聞いたなら、ニィっと歪めた大口から白い八重歯を覗かせて、その頼りない細身を椅子に腰掛けさせる。

「――――動いたらあかんで? 別に死ぬことはあらへんし、肌に傷も付けへんけど、切り過ぎたりしたら格好悪いやろ?」

と、左右の腕を背に回す。
互い違いに交差させた、歪な刀身を持つ小剣の柄に手を掛けて――――ジャウッと黒色の蛇の如く振るう双腕が、刹那の閃きを中空に残して鞘に戻る。
一瞬遅れてはらりと落ちるのは、先程まで野暮ったく彼女の目元を覆っていた黒艶のヴェール。
眠たげな半眼の、それでも澄んだ色彩が宝石を思わせる碧瞳が露わになる。
猫娘が彼女に与えたのは、黒の艶髪がエキゾチックな魅力を匂わす所謂姫カットと言われる髪型だった。

「これでさっきよりは見られるようなったと思うで。色々がんばりぃ」

そう告げると、少し離れた場所からこちらのやり取りを盗み見ていた女給に向けて

「――――さっきこの子がとった部屋あったやろ? カギ、くれる?」

なんていいつつ、触手娘を姫抱きに、カギを受け取りその部屋へ。
正直あまり上等な部屋ではなかったけれど、床で寝るよりマシなはず。
そうして彼女が拒まぬのなら、髪を切って可愛らしさを増した姿の味見と称し、節操なしの猫娘の淫らな魔手が伸びるだろう。
それは、彼女の望んだものとは違う形となっただろうが、少なくとも一人寝の寂しさを忘れさせる人肌の暖かさを伴う夜であったはず―――。

ご案内:「平民地区の食堂」からキルシュナさんが去りました。
ご案内:「平民地区の食堂」からレイン・レジネスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 商店街」にさんが現れました。
> 先日、ダンジョンの中でミイラとかゾンビとかスケルトンのモンスターハウスに出会い、一時退却をしたおねーさん。
 あれを攻略するには持っていくものが足りないので、それの補充に来たのです、いのちだいじに、一回で攻略できないなら、何回も出たり入ったりすればいい。
 その間に誰かに攻略されたらまあ仕方ないと諦めましょう、一人冒険者の悲しい所。
 それはともかく、女はフフフと、不気味な笑いをこぼしながら商店街を歩いております。
 若草色のローブをフードまでつけて歩けば不審人物待ったなしなので、フードはつけておりませんがそれでも不気味なのです。

「おのれ、不死者ども、この恨み晴らさでおくべきか。」

 なんか東洋風の呪詛の言葉を吐いてますが呪いの魔法は使えません。
 ということで、リベンジのためのアイテムを求めて、冒険者御用達系のお店に向かい歩いているのです。

> 冒険者御用達のお店と言っても、幾つかある。
 例えば、戦士のような人には武器防具、シーフならば、シーフギルド、魔術師には、魔法具店、僧侶には教会といった感じである。
 とは言えども、一人で動くのであれば一つに固執してしまってはいけないのだ。
 様々な状況に併せて、道具を手に入れて使うのも、必要なことなのである。

「そう考えると、こないだ学者様の提案受けて、あの光の奴とか、別のがあれば別のでもいいけど、買っておけばよかったわ。」

 後悔先立たずとは言うが、あんなにタイミングよく必要になるとは思わなかった。
 今回必要なのはアンデッドに対抗するための道具。
 単体ではなく範囲系の道具である。油を買ってぶちまけて燃やすのもいい、爆発系の魔法が込められた魔法石も、部屋の広さからはありだろう。
 アンデッドなので聖水を被って、攻撃を避ける方法も考える。
 考えられるべきものは全部持っていくべきであろう、使い捨てになるから。
 そう考えると……お宝見つけないと尚更お金がピンチになりそう。
 女は大きく溜息を吐き出して、損失がーとうなだれる。

 気を取り直して、この辺に魔法具店あったわよね、とキョロり、と視線を動かしてみる。

> 「あ。あったあった。」

 にま、と笑みを浮かべて女は店を見る。看板を見れば確かに魔法具店である。
 予算というものがあるから値段と相談しないといけない、だからこそ一番値段の高いだろう魔法具店に足を運んだのである。
 いろいろな魔法の道具があるのが分かるが、今欲しいのは使い捨ての魔法石。
 使い捨てゆえに値段はそこまで高いものではなかろう……まあ、一般的な道具に比べれば高いけれど。
 大量のアンデッドなので、範囲攻撃ができる火属性のものがあればいいなぁ、と考えながら、店の中を見回しながら歩く。
 足音は静かに、視線は棚に飾られている魔法の道具、いろいろあって、どれもこれも……とは言い難い。
 高いものだから、イミテーションで盗まれないようにしているのかもしれない、魔力を持たない道具も置いてある模様。
 へえ、と軽くつぶやきながら、魔法石の棚に移動し、解説を読んでいく。
 とは言え、実際の効果は店員に確認しないとなーとか考えて。
 カウンターに人が居るかどうかもちらりと確認。

> カウンターには当然ながら人はいる。
 魔法具店など基本は個人営業なのだし、店が開いているなら居るに決まっているだろう。
 それに、これを取り扱う時点で魔法に携わる人間であることも確定である。
 売っているのは、この店主が作ったのであろう魔法具。

「すみませーん、少し聞きたいことが。」

 声をかけながら店主の元へ行き。
 女は、手にした魔法石の使用した場合の範囲などを確認する。
 というよりも、状況を説明し、それにあった魔法石を進めてもらったほうが早いだろう。
 軽く会話をして、ちょっとサービスして、女は魔法石をいくつか手に入れて、その店を去るのだった

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 商店街」からさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にメヒティルデさんが現れました。
メヒティルデ > がやがやと騒がしく、宿屋も併設された酒場では、赤ら顔の冒険者がエールの杯を、中身がこぼれるのも構わず打ち付け合い、その隣で暗い顔をしてカップを覗き込む行商人が隣りに座る男に肩を叩かれている。
そんなどこにでもある喧騒の中、酒場の隅の方では一人の黒ローブが小さな机に座って食事を取っていた。
こんな場でも人目を避けるように下げられたフードの下から、落ち着きなくキョロキョロと気弱な視線を彷徨わせながら、スープの入ったカップを抱え込み…

「うう…なんだか今日、いつもより落ち着かない…」

ずず、とスープをすすっていれば、隣の席の男が大きく手を広げた際にばしっとローブに手があたり、ぼさぼさの茶色の髪がぱっとこぼれ落ちる

「あいたっ…あ、す、すいません!」

反射的にぺこぺこと頭を下げてフードを被り直し、ずりずりと机ごとそこから離れようとするも、覗いた肌の色に、酔っぱらいの濁った瞳がにぃ、と細められ…

「あ、あのあの、こ、困ります…私、明日早いんです、ごめんなさいごめんなさい…!」

酔った男に女であることを見破られ、絡まれるのを、ひぃぃ、なんて気弱な悲鳴さえ上げながら周囲に助けを求めるように、あたりを見回して・・・

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフォーコさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に黒須さんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からフォーコさんが去りました。
黒須 > 「…おい、やめときな?」

(たまたまその酒場で酒を飲み、訓練の疲れを癒そうと思い来客していた。
久しぶりの酒を飲もうとした時、大男に絡まれる少女を見つけ、めんどくせぇっ一言漏らしながら、男の背後へ。)
(明らかにその男よりも巨大な体をし、狼らしい顔に尻尾、フカフカの体毛をし、武闘家のような筋力をした革ジャン姿の獣人が制裁に来た)

メヒティルデ > 「あ、あっ、あり、がと…ござい、ます…!」

絡んできた男に涙目になっていた少女にとってかけられた声はまさに救いの声だった。
ぶつくさと文句を言いながら席に戻る男の背をちらりと見送ってから、助けてくれた男に礼を言おうと頭を下げる。
2mにもなる長身に一瞬気圧されたように言葉がつまるも、助けてもらったことにより恐怖から開放された少女にとってそれはむしろ頼りがいのあるように感じられ、涙を浮かべた瞳のまま、何度もぺこぺこと頭を下げ続けて

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から黒須さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に黒須さんが現れました。
黒須 > 「たく、めんどくせぇ野郎だな?…大丈夫か?」

(ぶつくさと席に戻る男の背中に聞こえるように文句を言いながら、頭を掻く。
そのあと、メヒティルデの方を向き直り一度心配する様に声をかける。
何度も礼儀正しく涙まだ浮かべられると少々心中で苦虫を噛んだ顔をしながらも手を振って平気っという)

「そう礼儀正しくすんな?とりあえず、軽く飲んで気を直さねぇか?」

(片眉を上げて近くの席を指さす。
二人一組に慣れるようなテーブルを指さし、客の壁になるよう外側の席に座り、店員に向けレモン水を一杯注文する。)

メヒティルデ > 「だ、だいじょぶ、です。助かり、ました」

改めて顔をあげれば、落ち着かなくゆれる瞳は涙に濡れているものの感謝を込めて男を見つめていて。そんな自分にはっと気が付き、かぁ、っと白い肌を羞恥に染めながらごそごそ、とフードを被り直してから、ちら、と上目遣いに男を見上げて

「でででも、こういうのは、ちゃんとしたほうが…あ、はい」

厳しくしつけられているのか、礼儀正しくした方がいい、と反論しようとしたところで飲み直そうと、言われれば、それに押し切られるように、思わず頷いてしまって…あれよあれという間に注文までしてしまう男に、申し訳なさそうにしながら、ちょこん、と身体を小さくして男の前に座って…

「あ、えっと、南の方で薬、つくってます。メヒティルデ、と言います。」

自己紹介していなかったことに気が付き、あわあわと視線を男に向けてはちら、とそらし、またおずおずと男の方を伺う、というのを繰り返して…

黒須 > 「ああ、気にすんな…。こちとら、訓練帰りにこれだ、酒が不味くなっちまうだろ?
だから、止めさせたんだよ…ま、酒は飲んでねぇけどな?」

(顔を見ればわかる通りの狼の獣人であった。
長い口に黒く丸い鼻、人間の様に言葉を離せば、何度も犬らしい牙の歯がちらちらと見える。)

「固く喋んのも辛いだろ?ほら、こいつでも飲んで気を緩めておけ…。」

(運ばれてきたレモン水の入ったコップをメヒティルデの前に置き、もう一杯注文しながら、適当なつまみを注文する。)

「んぁ?薬屋か…。
俺は黒須・狼。元貧民地区の金貸し屋だが、今は第七師団の戦闘員だ。
よろしくな?」

(自己紹介をされると同じように自己紹介をする。
しかし、黒いズボンにデカイ靴。上半身裸で黒い革ジャンを着ている姿。
どう見てもゴロツキにしか見えないが、はっきり嘘無く師団の一員だと言った。)

メヒティルデ > 「お酒は騒がしいのであまり好きじゃないんです…ありがとうございます」

獣人はあまり見たことがないのか、ちらちらと獣の口、鼻、顔のパーツに視線を彷徨わせながら、それは失礼だという意識はあるのか、視線を合わせるも、しばらくすればまた視線はさまよい始めて

「そ、そうは言っても、その、私、あまり、喋るの、なれてなくて…」

勧められるままにちろりちろりとレモン水を舐めるように口にしながら、こちらこそ、よろしくお願いします、と頭を下げて

「く、黒須さんは…その…ッ!」

お強いんですね、なんて言おうとした言葉は、さまよう視線が、ちらっとその胸元におちれば、相手の格好に今そこで気がついたのか、かぁ、っと顔を赤くしてうつむいてしまい…
鍛えた男の身体は刺激が強かったのか、深くかぶったフードの下、羞恥にかっと熱くなった身体は、少し薬草の匂いを強く発してしまうかもしれず

黒須 > 「ん?なら、今日はなんで居るんだ?別に攻めるわけじゃねぇがよ…。」

(騒がしいのが好きじゃないのなら、来ることは無いと思い聞いてみた。
その後少女の目線に気付くもわざわざそれに目を動かさずに広い視野を利用して目線を見ていた。
珍しそうに自分の顔を見ていることがわかり、さぞや興味があるのだろうとわかった)

「…ああ、そうか。ま、そう言うんだったら仕方ねぇかもな?良いぜ?自分の話しやすい話し方で…」

(運ばれてきレモン水を受け取り、コクコクと飲みながら、つまみに出て来た干し肉を齧る)

「あ?どうした…?」

(何か言おうとしたのに、いきなり赤くなり言葉を止めた。
頬辺りを指先で掻くとなんだと思い、先ほどの目線を考えて自分の体を見る。
胸元には気持ちよさそうなフワフワの黒い毛玉に、はっきりと見える黒肌の腹筋。
それに恥ずかしがってしまったのかと思い、チャックに手を伸ばして前を隠す。
ただし、胸元の毛玉は隠せないため、それがひょこっと出ているようにしたまま閉める。
その後、フワっと香る薬草の匂い。
嗅覚は良いため、すぐにわかるが別段嫌な顔はしない。
いつも煙草を吸っているため、強い匂いには慣れっこであり、この程度ならば普通にかげるのである)

「薬草の匂いか…ここまで香るとなれば…かなり勉強でもしてんのか?」

メヒティルデ > 「それが…検品が遅れて、門がしまっちゃったんです」

本当は今日中に戻る予定だったものが、予定が遅れてここに止まらざるを得なかったのだと、悲しそうに肩を落として

「ありがとう、ございます。…私、さっきからこればっかりですね」

ふと気がついて、恥ずかしそうにグラスを抱え込むようにして苦笑して

「あ、ありがとうございます、その、黒須さんみたいな人、私あまり関わりなかったから…」

男が気を使って前を閉じてくれたことに気が付き、嬉しそうにへにゃりと笑って…

「あ、えっと、はい…!私、薬作るほうが得意なんです。呪いの依頼なんかもあるんですけど、そういうのは苦手で…」

なんで初めてあった人にこんなこと話してるんだろう、という思いはあるものの、不思議と不快ではなく、ちびちびとレモン水を飲みながら、なんとはなしに嬉しくてふふ、と微笑がもれてしまって

黒須 > 「ああ、なるほどな…。だから、この宿のある酒場で夜食食ってたわけか…。」

(事情を聞けばすぐに分かった。
悲しそうな顔をしながら落ち込むその姿を見て、ふぅっと鼻で一息吐き、皿に盛られた干し肉を差し出す。)

「なんか、つれぇことある時は…大抵は飯食って治るものさ…。ほら、食っちまえ。」

(顎で干し肉を指しながら、少し強引だか勧める)

「ん…。…かもな?ここいらの街じゃ、良い奴はすくねぇ。
ほとんどの男は体か金か、もしくは両方が狙いって奴が居るからな…。」

(へにゃりと笑う少女の顔を見れば、とある女性のことを思い浮かべて、姿を思い浮かべた。
つい自分も口角が上がるそうだが、それはその女性のみの特別であるため、グッと我慢した。)

「そりゃそうだろうな?自己紹介の時に薬作ってるって言っている奴が苦手なんざ…矛盾してるしよ?
呪いの依頼だぁ?んだしょりゃ…誰か呪うのか?」

(気軽に話す少女よりも呪いの依頼に興味を持った。
自分の主な仕事は砦での監視などが普通であるため、なかなか別の依頼については首を突っ込むことがまずなかったのである)

メヒティルデ > 「ありがとうございます…。黒須さん、優しいんですね」

ぽぅ、と嬉しげに目元を朱に染めながらはにかむように笑って男を上目遣いで伺って、勧められるままに干し肉を受け取ればリスのように小さく一口食べて…

「やっぱり、いろいろ世知辛いですよね。今度からもっと、早い時間に出るようにしないと…あ、でも、遅くならなかったら、黒須さんに会えてませんね」

恥ずかしそうに、えへ、と笑いながら、流石に少し恥ずかしかったのか、少しうつむいて、はむはむと干し肉を口にして

「そ、それもそうですね。え、っと…私呪術師なので、そういう依頼もあるんですけど…」

あんまり実績もないから、依頼もないんですけどね、と少し困ったように眉を八の字によせて…興味、あるんですか?なんて首を傾げて

黒須 > 「まあ、親父が一筋で俺を育てたからな…子供の扱いだとかに面倒は見る方なんだよ…。ま、親父譲りで、口癖も「めんどくせぇ」って言ってい舞うがな?」

(母親も居なく、親父が孕ませて生ませてしまったため、責任を持ち、男一人で育てたために、それを見習って育てる技術やテクニックを覚えたのである。)

「んぁ?まぁ、そうかもな…。あれだ、また飲みにでも行きてぇなら…黒須って名前で第七師団に手紙でも送ればどうだ?
そのうち、行くかもしれねぇしよ?」

(かなり純粋的な少女であるも、数回会話を進めただけでここまで緊張が和らいだと感じると、それなりに信用されたかと思い、ふぅっと安堵のため息を漏らす)

「薬屋な上に呪術師か…。魔術だかには興味ねぇが、それはそれで面白いんじゃねぇか?」

メヒティルデ > 「…私、子供ですか?もう16になるんですけど…」

ちょっと、発育は良くないかもしれないですけど、とショックを受けたように、ぺたぺたと自分の身体に触れ、少し子供っぽく唇を尖らせて

「もし、そういう機会があれば、よろしく、お願いします」

私、知り合い少なかったから、なんてちびちびとレモン水を口にして嬉しげに微笑み

「あんまり、面白いものではないですけど…人を呪わば穴2つ、とも言いますし。なんだかこう、あんまり表に出せないどろどろしたものがあるんです」

魔術のほうがスッキリしてますよ、なんて苦笑しながら笑って…あふ、と小さくあくびを噛み殺し

「ごめんなさい、朝早かったから少し眠くなってきちゃいました。今日はもう部屋に戻ろうと思うんですけど…」

今日は助けていただき、ありがとうございました、と頭を下げて

メヒティルデ > そのまま、少女は二階の宿屋の方へ下がっていく。最後に二階から、もう一度助けてくれた男の方へ頭を下げて…
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からメヒティルデさんが去りました。
黒須 > 「ま、俺の彼女と比べれば…ちと、子供に見えるかもしれねぇけど、もう大人だって言うんだったら前言撤回するぞ?」

(自分の体に子供のような怒り方、似ていると思うも、やはり違うとわかり、ふっと鼻で軽く笑う)

「ああ、いいぞ。そん時は男に気を付けろよ?」

(自分も最後の一口を飲み込み、コップをテーブルに置く)

「なるほどな。かなり黒い魔術ってことか…ま、とりあえず、仕事は頑張れよ?」

(そのまま元気づけるように手を振り、軽く応援の言葉を贈る)

「ああ、ぐっすり寝て明日も頑張れよ。んじゃ、またな?」

(二階の方へ行き、頭を投げる少女に向けて手を振り、そのまま自分も会計を済ませてどこかへ立ち去っていく)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から黒須さんが去りました。