2018/10/23 のログ
アデリーナ > 「誰か来ないかなあ。出来ればここの支払い持ってくれる人。
 欲を言えば注文した酒をこっそり分けてくれる人がいい」

うだうだ。
頬杖をついたまま他の客を物色するようにじろじろ。
店主が食い終わったならさっさと帰れよという視線をさっきからチラチラ向けてくるが知るかよ。
僕はまだ帰りたくないのー。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > からんとドアベルがなり、新たな客の入店を伝える。
客で賑わう酒場の中、空いている席を求めてうろうろと。

「む…ぅ?」

なんか、明らかに空気の変なテーブルが…。
少女が一人、背後になんか男が立ってる。王家の紋章の鎧付き…厳しいことこの上ない。
偉い人か、犯罪者か…いや、犯罪者がこんなところにいるわけ無いか。

「えーっと、おっさん。空いてる席……」

店主にどこかないかと聞いてみれば、そのあたりがあるだろうと少女のあたりを示される。
あそこらへんに漂う空気がわからないでもないだろうに、意地の悪いことだ。
しかたなく、覚悟を決めて傍のテーブルに付くとしよう。

アデリーナ > 「あん?」

じろりと隈の刻まれた眠そうな半目で新入りを見る。
ガキじゃん。
こいつは酒をたかれそうにないなあ。
とか思ってたらクソ店主めこっちに案内しやがった。
いかにも酒飲みで気前の良さそうなおっちゃんとか通せよお前。そういうとこだぞお前。
だから幾つになっても嫁さん来ないしお前のデコは年々後退してるんだ。

なんて店主に内心であらん限りの罵詈雑言を叩きつけ。

「エール!! ジョッキで!! ああ駄目だよな知ってるさ!
 てめー僕が何年前から通ってやってると思ってんだこのやろー!
 だから幾つになっても嫁さん来ないしお前のデコは年々後退してるんだ!!」

盛大に口にも出してやった。
そんな騒がしいテーブルの主である。

ブレイド > なんかめっちゃ睨まれた。
そりゃこのあたりの席も空くわと呆れる。
ガラもわりーし。

「あ、おっさん。オレも果実酒くれ。
あと、なんか簡単に食えそーなやつな」

半ばいわれのない文句を叩きつけられる店主に同情しつつもこちらも酒類を注文する。
冒険者だし、まぁこれくらいは嗜みだ。
傍にいるガラの悪い少女をよそにして、とりあえず食事と酒だ。
これでメシがふつうくらいであれば、来る客も減るだろう。
かわいそうに…。

アデリーナ > 「…………あン?」

眉根を寄せて呻く。
果実酒? ここのハゲ店主はよいこに優しいルールを守る阿呆だぞ。
そんなお前みたいなガキンチョが酒を注文したところであのハゲが出すはず

「出るんかい!!」

僕が駄目であいつがいいとはどういう了見だ。こちとらハゲがフサフサしてた頃から来てやってんのに!!
むきー!! むしゃくしゃしたら腹が減ってきた。

「ハゲ! 揚げ物の盛り合わせ! あと調味料も全部もってこい!」

フォークの尻でテーブルをガンガン叩きながら注文。
クソ迷惑な客である。

ブレイド > 「お、ありがとよ……ってなんだぁ?」

出るんかいって何がだよと言った表情。
口にしてみれば、りんごの風味のスッキリとした酒だ。
酒としての強さは、それなりと言ったところ…だが、何が気に食わないのか
傍の少女がバンバカテーブルを叩いている。
酒でも飲みすぎたんだろうか?
いや、酒に類するものは彼女のテーブルには見られないが。
あんたも大変だな…と、店主にはますます同情しつつも……

「味は悪くねーけどなぁ…」

適当に持ってこられた揚げ物をサクサク。
上等とは言えないが、美味い。この時間に賑わうだけのこともある。
だが…客で損している…。

「るっせーな…」

思わずつぶやいてしまうほどに。

アデリーナ > 「うるせーとは何事だガキンチョ!!
 子供のくせに一丁前に酒なんて呑みやがって。
 アレだぞ、酒に含まれるアルコールは脳を破壊するんだぞ、特に未成熟なガキの脳なんて一発だ!」

ハゲが分かってんならなおさらアンタに出せるか!! と厨房からツッコミを入れてくるが黙殺。
ちくしょう、今度王国軍に納入するゴーレムにあのハゲの顔刻んでやる。
そんでとびきり激戦地で使い潰すよう言い付けよう。よしスッキリするな!!

「…………で、何だよガキンチョ? なんか用事あんの?
 言っとくが僕の揚げ物はやんねーぞ」

揚げたての芋やエビにこれでもかとマスタードをぶちまけながら

ブレイド > 「何いってんだお前。
酒も飲んでねーのにそれなら、おっさんも酒なんて出したかねーよな…そりゃ…。
まぁ、飲んでどうかなるっつっても、テメーみたいにはならねーようにしとくわ」

声を荒らげられると逆に冷静になるの図。
ぐーっとグラスを空にしてもう一杯。
子供かどうかでなくて、理性的かどうかで客を見ている気がする店主の方に視線を向けて
『なんかごめんな?』とジェスチャーで謝っておく。

「いらねーよ。むしろ絡んできたのおめーだろ。
国のえらいさんか知らねーが、あんたが好き勝手やる場所でもねーよ」

不遜な態度を続ける少女には、流石にムッと来たのか
店主の手前もあってついつい口に出してしまう。
善人ぶるつもりもないが、美味い飯を楽しみたいだけなのだ。

アデリーナ > 「酒が出ねーから荒れてんの! あーもー、ハゲめこんなのを近くに置きやがって」

イライラが募って腹の中の油が煮えたぎるような感覚。
揚げた芋を口いっぱいに頬張って咀嚼して、フォークで乱暴にエビを突き刺しかぶりつく。
何が悲しゅうてストレス発散に来た飲み屋でイライラせにゃあならんのだ。

「ぶつぶつ文句垂れてるガキンチョが居なきゃ僕だって絡みゃしねーよ。
 へいへい、そいじゃスーパーウルトラめちゃくちゃ偉いアデリーナちゃんは好き勝手しないで帰りますよっと。
 ハゲ、お勘定! てめー芋の仕入れケチったろ、種類変わってんの気づいてんだかんな。
 酒出さねーなら食い物くらい満足させやがれこのやろー」

ハゲ店主の脇腹を小突きながら、支払いを済ませて店を出る。
小柄な少女がぷりぷりと肩をいからせ歩く後ろを、ゴーレムがのっしのっしと続いていく――

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からアデリーナさんが去りました。
ブレイド > 「………なんなんだよ、あれ…
あんたの店、あんなのがウロウロしてんのか…大変だな」

なんか親父に文句いうだけ言って帰っていった少女の背中を見送る。
結局後ろの鎧は何も言わなかったなと思いつつ。

「酒場の店主ってのも苦労してんだな」

ハゲとしか呼ばれなかった店主に対しての同情は計り知れない。
なんか小突かれてたし。
食事をしつつも夜は更けていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からブレイドさんが去りました。