2018/10/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミョウリさんが現れました。
■ミョウリ > 平民地区内にある冒険者ギルド。
多くの冒険者たちが集まるそこでは、多種多様なものたちがいる。
冒険者をはじめ、ギルド員や商人などの依頼主も。
「わあー。賑やかなんですねー。ここだけでうちの村の人口よりもおおいかも? さすがは冒険者ギルド」
皆が忙しく、あるいは、真剣に、動いている中、一人呑気な声をあげる水色ローブの娘。
ローブをやぼったく着こなした彼女は、入り口付近で興味深く中を見回している。
「さてー。まずは冒険者をするにあたってなにをしたらいいのでしょうー。どなたかに質問してみたいところですが―。
でも、皆さん、とってもお忙しそうですねー。これはたいへん。さーどーしましょー」
腕を組んで、うーん、なんて。
でも、どうしましょうという割に、顔には真剣さが見られない。前向きと言うか楽天家というか。
のほほんと思案する超新米冒険者?はギルドの入り口に立ち続ける。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にレイン・レジネスさんが現れました。
■レイン・レジネス > ギルドの入り口に立ち尽くす彼女の背後から……
ずる、ずると、何かを引きずるような音が聞こえてくる。
街の中にあって聞くことなどついぞ無いような奇っ怪な音だ。
「もしもし、君」
その音の発生源は、ローブの娘の背後に立ち、彼女へ呼びかける。
もしも振り向いてその姿を見たのなら、そこにはシェンヤン風のゆったりした服の女を見るだろう。
そしてまた、その女の衣服の裾や袖口から石畳へ向かって這う、海洋生物のような触手も。
「火急の要素の無い〝たいへん〟が聞こえてきたけれども……大丈夫?」
背丈は高め、細身の、目元が前髪で隠れた女は――
「……ふん、ふん」
触手をずるずると引きずりながら近付いて来て、間近から娘の顔を覗き込もうとしている。
■ミョウリ > 背後から聞こえてきた耳慣れない音に、耳がひくり。
「おややー」と間延びした声。
相手が入り口を通ろうとしているのなら道を譲ろう、と足を動かしかけたが、駆けられる声。歩くのをやめて、振り向いた。
「はいはい、おねーさん」
もしもし君に対応するご挨拶。
ちょこん、と会釈。ポニーテールが揺れる
相手の質問に顎に指をあてて考える。
「そうですねぇ。冬眠から目を覚ました熊さんにあうよりは、かきゅーではないですが。
畑で鍬の振り方をわすれてしまった、それくらいには火急かもしれませんねー。
冒険者になりにきましたのに、何をどうしていいか、分からないのですよー」
能天気な笑み。間近から覗き込んでくるなら、こちらも顔を見つめ返そう。
■レイン・レジネス > 「おや、それはまた分かりづらい例えだ。鍬も鋤も持った事が無いもので」
彼女の言葉は果たして冗談なのだろうか――と一瞬、首を傾げて思考する。
が、表情は変わらない。表情筋が労働を拒否しているかのように、触手女の表情は不変だ。
見つめ返して来る視線には、前髪の向こうの双眸が応じる。
そして、じいっと互いに見つめ合ってしまったのち、
「うーん……冒険者に。あれって、割と自称みたいなものだと思ってたけど……。
例えば、身分証明とか色々用意して、受付の人に言う……?」
元々広くも無かった距離を、ぐいぐいと詰める。
「……どうしたらいいんだろうね?」
ぐいぐいと詰める。そして、首を傾げる。
自分が聞かれている質問を、何故か相手に問い返し。
「……悩んでもしかたがないし、あそこで一杯どう?」
と、ギルドの建物内にある、飲食スペースを指さす。
テーブルや椅子が用意されていて、食事や酒を楽しめる区画だ。
なんのことはない、ナンパである。
■ミョウリ > 「そうですね。確かにおねーさんは農婦さんにはみえませんねぇ。逆に私は畑や山のことならしっているのですが、王都のことをほとんど知らなくってですねー」
見つめ合う視線をいったんそらし、相手の体をまじまじと見つめた。
触手はミョウリにとってはみちのものらしく、物珍しげな顔。
そして再び視線を戻せば、相手がぐいぐいと近づいてくる。
「わわ」なんてちょっとびっくりして、背筋をそらす。一歩だけ交代。
そらした拍子に相手の体の間近で胸が弾んだ。
「身分証明……村長さんの書付なら確か持ってきたはず…後で受け付けの人に聞いてみましょう……
だけど、おねーさん、どうして、そんなに間近に? おねーさんみたいな方にこんなに近くに来られたら、そうですねー
ちょっとドキドキしちゃいます」
自分の胸をさして、ふにゅっと突いてみたり。
そして相手の指を視線で追いかけた。
「おや、ここではお食事やお酒もでるのですねー。
もちろん、お姉さんのお誘いなら断りませんが、わたしをよわせてどうするつもりですかー?」
くすくす、口元に手を当てて笑いつつ、では参りましょうと、飲食スペースへ歩き出す。
■レイン・レジネス > 距離はかなり近い――と言うか、距離を埋めている。
手を伸ばすどころか、軽く手を上げれば触れられそうな距離だ。
むしろ手を伸ばして捕えようでも言うつもりなのか――というところで、少女が一歩、距離を開ける。
「……むぅ、逃げられた。ドキドキさせるのが目的だったのに」
相手の離れた体を追うように、袖から伸びていた触手が虚空を掻く。
指の示すように柔らかく動く胸には、思わず視線を奪われもする。
仮に周囲に人の目が無ければ、このまま抱きついていたやも知れないところだが。
「……うーむ、なんと無警戒と言おうか、ノーガード戦法な子」
こうまであっさり誘いに乗ってくれる相手も、そうは見つからない。
元より無表情な女ではあるが、憮然とした顔で少女と並び歩いて行く。
適当な丸テーブルを見つけ、椅子に腰を下ろす。
メニューの種類はさほど多くないが、女はそれに目もくれず、近くの給仕の娘に酒を要求した。
琥珀のような色合いの、強めの酒だ。無論、酔わせる為の。
「酔わせてどうするか、って?」
女はここで初めて微笑み、手を、少女の頬へと伸ばした。
「楽しいことをするの」