2018/04/10 のログ
■マイ > そのまま、男たちはマイに誘導され続けた結果、いつの間にかとある通りでマイの姿を見失ってしまう。
その通りは、ソッチの意味合いで危険な通りと言われており、そこに迷い込んだが最後その世界に染められてしまうとかしまわないとか…。
確かなのは男たちの悲鳴が響き、翌朝憔悴した様子の男たちがよろよろと通りから出てきたということくらいだろう。
ご案内:「王都マグメール 冒険者ギルド」からマイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/繁華街」にカインさんが現れました。
■カイン > 騒々しい平民地区の繁華街の真っただ中、
露店で買ったらしい飲み物を片手に道行く人を眺めている男が一人。
誰も彼もが随分と忙しそうに立ち回っていく様子を何処か他人事のように眺めていた。
「相変わらずこの辺は騒々しいもんだ、
仕事で来る分にはこの騒々しさが面倒ごとだがオフなら気楽なもんだな」
どこか上機嫌に漏らしながらもどこかで騒動が起きたのだろう、
聞こえてくる怒声の方に視線を向けてヤジを飛ばす始末。
仕事らしい仕事もなくたまには休みと位置付けての散歩の最中だけに、
普段用心棒をしてる時の飯のタネも気楽に楽しめる余裕がある。
■カイン > 「俺が仕事してる時はおとなしい癖に、こういう時ばっかりは騒動が起きるんだな。
同業者の連中には同情するというか…お、やってるやってる」
近くで始まった女の子にちょっかいをかけようとした男に対し、
用心棒らしき人影が仲裁に入った様子に笑いながら見物の構え。
最も男自身、自分で軽口叩くほど平和な事は稀なのだが。
直にちょっかいかけてた男がノされて影に引きずり込まれていく様子に、
残念と言わんばかりに肩を竦めながら見ると無しに道行く人や客引きを眺め始め。
「ま、口説ける相手には事欠かんと言えば事欠かんのだろうが…」
この辺で不用意に声をかけると後が怖いなと肩を竦める。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/繁華街」にカサンドラさんが現れました。
■カサンドラ >
「でーすーかーらー!
わたくしは一人でも平気ですとおっしゃてるでしょう?」
安酒場、その中から喧騒に紛れて聞こえる透明感のある声
………
何やら言い争いをしているであろう声の主はほどなくして酒場から出てきた
「はぁ…話のわからんオヤジですこと…。
ダンジョンへ潜る依頼は複数人でパーティーを組むのが推奨…
そんなこととーぜん承知ですわ、まったく人を見縊って───」
ボヤいている内容からすると、
酒場の斡旋する冒険者用の依頼を受けようとして蹴られたらしい
不機嫌そうに肩口の髪をくるくると弄りながらぶーたれている
■カイン > 「…あん?なんだ、随分とまあ元気のいい嬢ちゃんだ。
一体どんな依頼を受けようとしてたのかい」
不機嫌そうな少女とは対照的に、上機嫌そうな男はその様子を一瞥すると、
興味を惹かれた様子で声をかけていく。
身の丈に合わない依頼を受けようとした結果の騒動など、
それこそ珍しくも何もないがここまで大仰なのは稀だろう。
ちらりと店内を覗き込むと、馴染みの親父から止めるようにジェスチャーされる辺りは相当と見える。
「そりゃまあ、ダンジョンに潜るってんなら実力もそうだが他にも心得がないといけないからな。
罠の解除や見極めは得意なほうかい?」
■カサンドラ >
「あ?何か用ですの?」
丁寧なんだか粗野なのだかわからない口調でかけられた声の方へとじっとりした視線を向ける
大男だ
文字通り自分とは大人と子供のような差があって思わず見上げた
男の態度が丁寧なものだと判断すると、小さくこほんと咳払い、表情を緩めた
「ええ、古い遺跡探索の許可印がついた依頼を受けようと思ったのですけど、
あのオヤジがまるで人を子供扱いですわ。わたくしは一人でも十分ですと何度も言いましたのに」
ふんすを鼻を小さくならし、また文句を垂れていた
「生半可なトラップなんてお手のものですわ。別に潜るのがはじめてというわけでもありませんし」
言葉を返しながら、少女はカインの姿を眺め見る
「(屈強な大男…いかにも、と言った感じですわね。傭兵か何かなのでしょう)」
自分の野心には無縁の殿方だろうか…などと内心で失礼極まる品定めをはじめた
■カイン > 「何か用かと言われれば、面白そうだから声をかけたってな所だな」
向けられた視線もどこ吹く風。男も男で飄々と、
実に軽い調子で応じて見せる。
しかし相手から飛び出してきた言葉を聞けばおや、と声を上げ。
「なるほど、そいつは失礼した。大したもんだな、見た所正規の騎士だろう?
冒険者ってには身形がよすぎるし、何よりどっかで見た顔だ」
騎士団は色々な意味でお得意様の一つである。
それだけにそこそこ程度には接点があるのだ。
文句をまだ言い続ける様子にクックと喉を鳴らして少し考え返し。
「そうだな、それじゃあ俺の事を雇ってみる気はないか?
何、そんなに吹っ掛けはせんさ。その代わり大物が出たら譲ってほしいね」
当然、大物というのは宝の事ではない。むしろ危険そのものである敵の事である。
至極楽しげに弾んだ声で言う辺り、どうにも戦闘に対して楽しみを見いだす手合いの方であるのを隠しもしない。
「自分で言うのもなんだが腕はいい方だぜ?
騎士ってんなら、腕の立って信用できる相手とのコネクションの一つ二つはあっても損はないだろ」
そうやって流れるように売り込みをかける辺りは慣れているのだろう。
自分で腕が立つ、というのも大概ではあるのだが。
■カサンドラ >
面白そう、という言葉には少し眉を顰める
いい年した殿方に見えるが暇なのだろうか
いや気ままな傭兵などそういうものなのかもしれない
「新米ですけれど、ね。今日はオフですわ。
上を目指すためには安価な市販品ではない、良質の装備も必要。
ですので遺跡やダンジョンへ足を運んでいたのですけど」
今日は文字通りの門前払い、酒場の中へ目をやれば他の冒険者達がオヤジと話をしていた
はぁ、と溜息。ついでに小さく肩も落とす
「貴方を……?」
自らを売り込んできた
傭兵という推察はどうやら当たりのようだ
「(言うことは真っ当。風格も中々のものを感じますし海千山千ではなさそうですわね。
契約料を高くせず条件を提示するあたりは金銭よりも優先するものがあるということ…)」
口元に指をあてて、しばし思案する
「腕を疑うわけではありませんけれど、なぜわたくしに?
それに正規の騎士に話を持ちかける傭兵が金銭を高く要求しないのも気になりますわ。
いまいち、貴方の求めるモノが見えてこないままでは返答できませんわね」
小さな笑みを浮かべてそう言葉を返す。…思い切り見上げながら
長時間話すと首が疲れそうだと思いつつも低身長なりにプライドがあるのでどこかに座れなどとも言わないのであった
■カイン > 「オフを遺跡探索に費やそうってのは大したもんだ、そんな向上心のあるやつ…
いやまあ、ほかの方向性で向上心のあるやつはたまに見かけるな」
休日もひたすら訓練場で剣を真正面から振り続けてるような手合いである。
愚直も愚直だが、それが上達の一番の道であるのは男も知る所だけにバカにする気は毛頭ない。
それとは全く別方向の強くなるためのアプローチに思わず感心した様子で頷いて見せる。
騎士に向上心がある手合いは少なくはないものの、実に目新しく映る。
「理由は三つ。
一つは、その半分位は蛮勇同然の向こう見ずさ。
放っておけんってのはまあ、十分な理由になるだろうさ。
二つ目は挑もうとしてる場所。
それだけの場所だ、修行に丁度いい大物がいる可能性は高いんだろ?
腕を磨けるなら俺はそれでいい。武器や防具の類にはあまり興味がないからな。
三つめは…そうだな、お前さんが気に入った」
指を三つ立て、つらつらと語って最後の一本を折る時に、
ニヤりと笑って見せる。
結局のところ、修行の一環として見ているらしい。
「それに、新米騎士にタカるほど金には困ってないさ。
ああ、それと後一つのセールスポイントとして……俺連れてけばあのオヤジ、多分だが二つ返事でオーケーするぞ」
あっけらかん金銭面に一切不足がないと言い放って見せながら、
最期にもう一つ自分を売り込むに足る理由を付け加え。
■カサンドラ >
「え、あー…はぁ…そうなんですの…?」
一つめ、蛮勇との評価は妥当である、結果さえ示せば覆る
二つめ、この手の手合いだったかと納得する、物品よりも経験を優先する。所謂達観した人物だ
三つめ、……を聞いた反応が上記のセリフである
なんでや、という不信感を真っ直ぐに現した、半目がちの胡散臭いものを見るような視線であった
「傭兵をやる連中なんて金銭目的ばかりと思っていましたけれど、まるで求道者のようなことを言いますわね…」
しかしそういったものに価値を見出しているのなら、先程の提案は理にかなう
変わった人物である、という評価は付け加えられたが
「───なるほど。お得意様ということ、ですわね?」
胸の下で腕を組みつつ、酒場の中へと視線を移す
確かにこういった場所は傭兵達や冒険者を生業としている人間のほうが話が通るのだろう
そもそも酒場のオヤジも一人でやるという話でなければ、まぁ納得するだろう
「……お名前を伺ってもよろしいかしら」
向き直り、見上げて、そう問いかけた
■カイン > 「そりゃ、御堅い騎士様の中にあってそんな面白い事考える奴だ、
俺みたいな無頼漢にとっては好ましくも見えるさ」
ハッハッハと声を上げて笑いながらも、胡散臭い物を見る様な視線もどこ吹く風。
求道者と言われれば、そんなことを言われたのはそういえば初めてである。
顎に手を当てて少し考えるしぐさを見せ。
「傭兵やってるのも元々そのためだからなあ、
遠出の用事がない時は用心棒何てやってはいるが鍛錬欠かした事はないしな。
一度天辺ってもんを見せられると、そこを目指してみたいって思うのが人情ってモンだろう?」
まるで少年の様な有様で弾んだ声を隠しもせずに言い返す。
いい年しておいて何を行ってるのかと笑われても仕方がない。
「そういう事、だ。
それじゃあ自己紹介と行こうか。俺はカイン、見ての通りの傭兵だ。
お嬢ちゃんの名前は何てんだい?」
そう笑いながらもまっすぐ相手を見据えながら右手を差し出す。
それが礼儀だとでもいうかの様に、見下ろす格好になりながらも芯を外さぬままに。
■カサンドラ >
無頼漢
実に男を形容するにわかりやすい言葉であると思った
「カイン。わたくしもオフは堅苦しいのが苦手でして、呼び捨てで構いませんかしら」
前置きしつつ、ふわりと髪を撫で整えて視線を交える
「わたくしはカサンドラ。お家の名前は別によろしいですわよね」
騎士と傭兵の関係、わざわざ家の名を出すまでもないと名乗りを済ませ、
もう一度その顔をじっくりと見上げてゆく
「求道者と評したのは貴方が地位に拘らない殿方に見えたから。
鍛錬を欠かさず、目標は高く、なのに騎士団に身を置かないのは、そういう性分ですからでしょう?
わたくしとはまるで違うであろうその目標、少々気にはなりますけれど」
ふっと小さな笑みを浮かべる
「よろしいですわ。しばしの間パートナーとして迎えましょう」
■カイン > 「それじゃあ、お互いにそうしておこうか。
他の名前を聞くのは公的な場で出くわした時の楽しみにしておくさ、
よろしくカサンドラ」
呵呵と笑い飛ばして見せながら、腰に手を当てながらゆっくりと目を細める。
しかしながら自分への評価になんとなしにむずかゆく感じればすっと視線をそらし。
「ま、確かに地位ってのはな…一度やって懲りた。
アレは俺にはあんまり向いてないなあ、カサンドラは何処目指してんだ?
ハッハ、戦いってのを手段に選んでるならその内いやでも見ちまうかもな。
今の所俺は50年に1回くらいは見てる気がする」
人間の寿命に換算するとかなりものである年月をさらりと告げながら、
顎に手を当てつつも見上げる相手から視線を店に移し。
「ま、とりあえず中に入るか。そろそろ首、疲れるだろ?
折角だし乾杯といこうや。ま、別の方法ってのでも構わんならそれはそれで歓迎だが」
ケっケッケと、下品に笑ってセクハラそのものの発言を言い放つ。
そういう意味でも無頼の類であるのは間違いなさそうである。
■カサンドラ >
「馴れ合うというわけではありませんのでそこはお間違えなく」
笑顔のまま紡ぐ言葉は利己的な冷たさも感じさせる
「──…まぁ、どうやら貴方のことはよく知っておく必要がありそうですわね」
高い地位を懲りた、という割に男の顔は見覚えがない
他所の国の話なら兎も角、今度は50年だとか言い出した
「(傭兵の戯言、として片付けてしまえるのは簡単ですけど)」
どうも嘘をつかれている気がしないのだった
「当面の目標は騎士の頂点。最終目標は雲の上ですので、今はそうとだけ」
何処を目指すか、と聞かれればそう答える
少女の未来予想図の中で騎士の頂点は踏み台であるが目標には違いない
「…く、この程度で疲れたりなどしませんわ。
それと、この身はそう安いものではありませんことよ」
セクハラ発言にはふいとそっぽを向いて、
そのままカインの視線の先…酒場の中へと足先を戻すのであった
■カイン > 「ああ。それでも構わんさ。
だがどうせなら仲良くするに越した事はないだろう?
利用し、利用され大いに結構!だがそれはそれとして、
共にある一時が楽しい関係が築ければそれが一番さ」
一刻前に談笑を交わしていた相手と、戦場で斬りあうのもままある商売である。
だからこその割り切り方か、ある意味極端と言えることをあっけらかんと言い放ち。
「んー?ま、俺みたいなオッサンの話でよければ幾らでもするけどな。
こっちの国に来てからはまあ、それなりに笑い話も多いんだが。
…ほー、まずは団長、そして元帥か。大した目標だ。
そっからさらに上、となると――だが」
この上なく大言と感じられる事を言っているのに、
笑い飛ばす気にならないのは相手が本気だからだろう。
感心するだけで頷いて見せながら、あっさりと袖にされた事を笑って流し、
先に席についておくように言いおきながら男は店主と二言三言言葉を交わして証文に何やら書き込み始め。
■カサンドラ >
「道理ですわね」
ギスギスしたパートナーとのダンジョン攻略などまっぴらごめんである
カインの言う言葉は概ね正しい。釘を刺したつもりがあまり効果はなかった気がする
促されるまま席につき、
酒は飲まないとしてミルクを注文してみたが特に嘲笑されることもなかった
見た目相応だったということだろうか、それはそれで腹立たしいが
「50年を尺度に用いる人間なんて見たことがありませんもの。
はっきり言って傭兵であること以外正体不明ですわよ、貴方」
物怖じなどせずにはっきりしっかり言葉を返してゆく
「笑わないんですのね。家でも養父以外は一笑に付したものですけど。
ちゃあんとわかっておりますわよ。此の国で女がそれを成すことの道の険しさくらいは」
なんとなく頬杖をつきつつ言葉を交わし、何やら忙しく手先を動かすカインを眺め見る
■カイン > 「ま、そういうわけでそれなりに仲良くやろうぜ。
この辺、騎士の連中に言うと怒られることの方が多いんだがな」
同意してもらえて何よりだとうなずいて見せる反面、
心の中でやはり変な奴だと思ってしまう。
そのまま証文を書き終えて、ついでに酒を注文しながらカサンドラの席の前座り込み。
「んー?そうか、まあ確かに人間だとそうだな。俺は人間じゃないが」
あっけらかんと言い放って見せながら、運ばれてきた酒を手に取り、
相手にグラスを向けつつ依頼書を差し出し。
「やる気なんだろ?だったら笑う理由がないさ、男だ女だ関係あるかよ。
使えるモンは全部使え、それこそここで会ったのも何かの縁さね。
こんな傭兵でもここで話したことで何かの役に立つかもしれない可能性ってのが生まれたわけだしな」
依頼を受けることを証明する為のサインを促しながらも、
言われた言葉に至極不思議そうな様子で言い返して見せる。
■カサンドラ >
「ふふっ、公務の時でしたら歯牙にもかけませんわ。オフはオフ、分別ははっきりとしなければ」
そもそも騎士という立場で以て強引に依頼を受けることも可能だった
あくまでも一剣士として拘った為に先程は蹴られたのだ
「………はー……いえね、オフであると公言はしましたけれども…、
騎士の前で平然と自分は人間じゃないだなんて言い放つものではありませんことよ」
呆れたような表情で依頼書へと目を移し、熟読する
特に問題もおかしなところもない
酒場のマスターに羽ペンを借り、さらさらとサインを書き込んだ
「──貴方に言われるまでもなく、
何もかも糧として踏み台として、昇ってゆくのがわたくしの生き方ですわ」
差し向けられたグラスに、ミルクの注がれた自身のタンブラーを重ねるようにコツンと当てた
■カイン > 「そこまではっきりできるのも大したもんだな。
ま、それだけ見据えてる場所が違うって事か」
勝手に納得しながらも甲高い音が響くのを心地よさそうに眺めながら、
グラスの中身を一口傾ける。アルコール度の高い薄緑の液体が喉を焼いていく感覚に大きく息を吐き。
「ぷはっか…クック、別にエルフやドワーフ、果ては竜なんてのまで、
長命な種族なんてのは珍しくもないだろう?
この国に色んな種族の色んな経歴の奴が流れてくるなんて今に始まった事じゃないじゃないか」
そうは見えないのが問題なのである、というのをあえて無視していけしゃあしゃあと言い放つ。
しっかりと読みこんでから書き込む慎重さを好ましく思いながらに、
ニヤりと笑いながらグラスを揺らし。
「ああ、そいつは面白そうだ。ぜひ見物させてもらうとするかね」
相手が望む、望まざるに関わらずその道行が本当に目標に届くならば、
それは衆目に触れるものになるだろう。クックと喉を鳴らして漏らしがてら一口酒を煽り。
「しかし酒は飲まないほうかい?オフってんなら多少飲んでもよかろうに」
酔っている風は全くない物の、上機嫌に宣い絡む様は半ば酔っ払いじみたそれ。
普段は一人の酒席に連れ合いができれば口が軽くなるのも無理もない話ではあるのだが。
■カサンドラ >
「いーえー…見縊らないで欲しいですわね。
貴方の言うように様々な種族出自の者がいますわよ?ええ」
エルフ?とてもそうは見えない
ドラゴン?擬態しているとしても巧すぎる
ドワーフ?問題外だ
「外見的特徴も感じられる魔力の波長も加味すると神魔の類しかありませんわ、貴方。
そして神や天使なんて柄でもありませんでしょ」
ぐいーっとタンブラーを呷る。いい飲みっぷりである。ミルクだけど
「ぷは……ま、今日は公務ではないので何もいたしませんわ。
対魔族特化大隊の兵隊としては失格かもしれませんけど、まだお給料ももらっていませんし」
コトン、とテーブルにタンブラーを置いて、一息
「お酒はその、まあ、経験がないんでございますことよ。
挑戦を渋っているわけではございませんけれど、わたくし一人ならば本来は今日すぐにでもダンジョンに…というつもりでしたし、
いえもう話が変わったわけですしペアで向かうならば準備が必要で時間はあるということもわかっていますけれどね。
まぁ人生においていずれ挑戦する時が来るのはわかっているわけですし今飲む必要ありませんですわ、ええ」
視線をちょっと外しつつ、饒舌になるのだった
■カイン > 「おやおや。
…案外この状況でも冷静さを欠かないのは大したもんだ」
相手の物言いに心底感心した様子で頷いて、
顎に手を当てて言い返す。なるほど、確かに神魔と区切れば完全に自分はクロである。
「そりゃどうも、ぜひそのままお目こぼし願いたいもんだね。
ま、お察しの通り所謂魔族ってやつだ、
こっちに来てもうン百年立ってるけどな…えーと…うん、数えて無いからわからんな」
あっけらかんと自分の急所になりうる事柄を明かして見せたのは、
それこそ害意がない事を示すためであり、半ば信頼を見せたという証左でもある。
自分がこちらに来てからの正確な数字を考えようと思考を手繰ってみるものの、
残念ながらよく解らない。そう思えばあっさりと思考を放棄した。
その程度に放っておかれている程度には、害を今一つ認められていない存在ではあるのだろうが。
「ただ働きは良くないな、どんな働きであっても対価ってのはあってしかるべきだ。
そのスタンスは俺は好きだぜ?やっぱり性根は俺らに近いかもな、カサンドラは」
傭兵にでもなればさぞ恐れられる事だろう、と笑い飛ばしながらも、
早口になった相手の様子にきょとんとした表情を浮かべ。
「何言ってんだい、だったら別に今のんだって変わらんだろ?
というわけでほれ、こいつはどうだ。
ジュースみたいなもんだって、一口くらいはいいだろ?」
良くない飲兵衛の癖が出る。きょとんとした表情で言い返したかと思えば、
追加で注文していた酒が手元に来たのをいいことに相手にグラスを向けてみせる。
強い酒にジュースを混ぜたやはり強いカクテルだ、酒に弱い人間や初見の人間に到底おススメできるものではない。
■カサンドラ >
「……貴方に会ったのがオフの日で本当に良かったですわ。
願わくば正体は隠しつつ、大事を起こさないよういてもらいたいものですわね」
そうであれば、騎士としての職務として向き合う必要はないのだから
第七師団は普通の王国軍とは少しわけが違う
対魔族特化戦力、それを掲げている以上は国内に侵入した魔族は…根絶を謳う
「言ったでしょう?新米も新米なのですわ。叙任式から二週間程度しか経っていませんの。
……ま、わたくしも平民あがりですし。といっても傭兵の皆さんよりは堅実的に上を目指しておりますわよ」
言い終えると再びタンブラーを口元へと運ぶ
…差し出されるグラスにはやはり眉を潜めた
「……えー……まぁ今日はもうあとは宿に帰るくらいでしょうけども…」
あからさまにちょっといやそうな顔をしつつも、カインの言うことは筋が通る
一本気というか、自身が正論と認めることはごまかせない性格のようであった
「まぁ…ちょっとだけなら?試してみても?よろしいですけど?」
結局、グラスを受け取ることになるのだった
■カイン > 「はっはっは、まあお手柔らかにな。
俺も別に無益な殺生をしたいわけじゃないから、
その手合いに出くわしたらばそそくさ退散するさ」
クックと喉を鳴らして言い放つ言葉は中々に傲岸不遜なものではある。
だが、逆に言えばそれだけ騒動を起こす気も特にないという事でもあるのだが。
何せ百年単位でここにいるだけあって、顔やらなにやらはそれなり異常には利く。備えは少なくもない。
「おやまあ、そいつは苦労も多いだろ?
確かにな、お役所勤めの方がよほど堅実だ」
それは違いないと笑い飛ばして言い返しながら、
グラスを受け取られればよしよしと満足そうに頷いて。
「その意気だその意気、酒ってのはやっぱり一人で楽しむのもいいが、
酒を一緒に飲むってのも醍醐味だからな。
生い先短い爺の頼みってことで一つ」
思ってもない事を真顔のまま言い放って見せながら、
自分も一つ酒を追加注文して手元に置き。
「というわけで改めて一つ、乾杯といこうじゃないか」
楽しそうに笑って言いながら再度グラスを相手に向け。
■カサンドラ >
カチン
薄いガラス同士が当たる小気味良い音が響く
「………」
完敗を終えて、手に持ったグラスをじっと見る
香るはフルーティーな香り、酒場の窓から差し込む光に透けて色づいた水が美しい
「(ま、所詮は大人ならば誰もが嗜む程度のものですし)」
グラスを口元にあて、ゆっくりと傾けた
「───ッッッ」
酒が舌の上を滑るまでは良かった
鼻を抜けるような良い香りが口の中一杯に広がって、問題は喉を駆け抜ける時である
「けほっ、なっ、あ、熱ッ…───!?」
思わずグラスをテーブルに置いて咳き込む
「どこがジュース!!?」
思わず涙目で睨んでしまった
■カイン > 初めての人間に酒を薦めるというのは、あまり経験がない。
それだけに反応を楽しみにしていたのだが、
「お、おおう…その、なんだ…すまん…?
ジュースのカクテルなんだけどなあ、口に合わなかったか」
睨まれた。それはもう、猛烈に睨まれた。
困惑気味に言い返しながらも進めた手前ばつが悪そうだ。
それもそのはず、半分ジュースというのは嘘ではないが残り半分がアルコール度の強いジンである。
繰り返していうが初めて飲む酒にはとても適さないものである。
「もうちょっと度数の弱い酒で慣らしていった方がいいかもなあ、ワインとか。
強い酒ってのは向いてない人間は向いて無いからな」
一応用意していたお冷を相手の前に置きながら、
すまなかったと謝意を示しつつも酒そのものが悪いという結論に至らないのが飲兵衛の理屈である。
■カサンドラ >
前に置かれた水の入ったグラスを慌てるようにして口へと運ぶ
「あー……喉が熱いですわ……。
いくらわたくしが疎いと言ってもこれはわかりますわよ、強いお酒ということがっ」
流石に一口で酔ってはいないようだが熱を感じているせいか顔が赤い
「ん、んんっ。ま、まぁお酒に関しては少しずつ嗜んでいきますわ…。
順序を謝れば火傷をすることくらいわたくしはちゃんと知っているのでしてよ」
咳払いしつつ、お酒のまだたっぷりはいったグラスをすすす…とテーブルを滑らせてカインのほうへと押しやる
どうやらこの少女を飲みに突き合わせるには完全にまだ早かったということらしい
………
「まったく、よくあんなものをかぱかぱと飲んでしまうものですわね」
カインの飲む様子などを眺めていれば、頬杖をつきながらそんな言葉を漏らす
喉やお腹にすごい熱を感じたのだが、彼らは平気なのだろうかと疑問にすら思っていそうな顔であった
■カイン > 「うーん、そうか。これが俺は当たり前になってるからなあ…。
そうだな、ゆっくり鳴らしていけばいいさ。
こんなもん慣れだよ慣れ、慣れたら飲めるようになる」
それ以前に体質やら何やらがあるのだがそんなものを全てガン無視した発言。
上機嫌に笑いながらも、あっさりと自分のグラスを開けてから、
突っ返された酒をぐいと飲み干して上機嫌に息を吐く。
「この熱と味を楽しむのが酒の楽しみ方でな、
一度それを楽しいと思ったらやめられないのさ」
少し中身の残ったグラスを揺らして喉を鳴らしがてら、
空のグラスを相手の前に置き。
「ま、嗜めるようになったらまた付き合ってくれ」
そういいながら挑発的ににんまりと笑い。
■カサンドラ >
「そーですわね。いずれは飲めるようになって見せますわ」
挑戦的な言葉には当然のようにそう返す
こういうところでも向上心は高いようだった
空になったタンブラーを手元で弄びつつ、酒場に差し込む光が薄くなったことに気づく
せっかくの休日もあと僅かである
ダンジョンには行けなかったが、収穫はあったと言える
「それでは話もまとまり、乾杯も済ませたことですしわたくしはそろそろお暇しようかと思いますわ。
遺跡探索の詳しい日取りは準備が出来次第、酒場のマスターに申し付けて置いてくださいまし」
言いつつ立ち上がると、酒代とミルク代には十分なるであろうゴルドを懐から取り出しテーブルへと置く
給料はまだ出ていないが貴族の家に仕える身、ひとまず手持ちは十分にあるようであった