2018/03/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にガラッゾさんが現れました。
■ガラッゾ > 今宵は王都の平民地区で露店中である。
他所で作品である武具を販売し財布温かく何とか王都の内外を隔てる門が閉門する前に入り込めたし、とまあまあ幸運なのだろう。
さて、大通りから少しだけ外れた通りの狭い路地。
何時もの様に獣の皮をなめして作った敷物を路面に敷き、其処に胡坐をかいて座り込みながら、残り物ではあるが作品を並べ始めた。
酒盛りはそれからでもよし、と来るまでに購入したツマミと酒瓶は脇に置いて、無骨な2個で1セットの銀の指輪、銀のチェーンの首飾り、赤い宝石のついたシンプルなデザインのイヤリング、等等を丁寧に大事そうにならべ、最後に「おーだーめいどうけつけます」とミミズと触手とナメクジとカエルがダンスを踊って転がりまわったような汚い字で書いた看板を置いて、準備は万端である……。
「アー、今日は売れなクテモイイか、結構色々売れたカラなぁ……。」
けふっ、と言葉の終りに短い欠伸を噛み締めながら、人通りのまだ賑やかな大通りを横目で眺め、くいっといと差し指と親指でフードを摘んで、醜悪な顔を隠すため深く被り直し、眩い世界から視線を逸らし、妄想に耽る……借金の方に誰ぞか嵌めこんで嬲り、時々店番させたり、作品を着せるマネキンにしたりと、溢れんばかりの欲望を思い浮かべ、フードから露出している口元をにやにやと品の欠片もない笑みで歪める。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > ようやっと人として、こうなる以前からの生業であった治療師として平民地区に訪れては、医者に罹れなかったまま化膿してしまった掻き傷に酒場での喧嘩による顔の腫れ、
数日前より痛んでいた腹具合を収める薬に、泣き喚く子供の為の解熱剤…嘗ての治療師としての魔法と調合した幾らかの薬によって、平民地区に留まる者達の悩みを解消していって。
人の役に経つ事を人としてやり遂げて一息着いた後、薬代とせめてもの心付けとして支払われた硬貨を抱いて、理由も無くそのまま町へと繰り出した。屋敷の中に戻るにしても、あまり時間を空け過ぎている気もして。
このまま戻るにしても、急な流れに、おまけに色々と身体を弄られたのだから。改めて受け容れてくれるだろうかと、今になってやっと後悔をひしひしと感じ取る中。
「……うん…?」
戻り辛さをどうしようかと思っていると、最初に感じ取ったのは気配。大通りとは離れた方、細やかな路地へと感じ取ったままに足を運んでみれば、何かの行商人らしい並べられた品物と相手の姿を目に留める。
一日のノルマが課せられた何かの子供であるのだろうかと、フードを被った小柄な姿から一瞬思ったが、直ぐに僅かに覗く顔立ちから人ではないとも察せてしまい、危うさを孕んでいるとも知った上で、ローブを纏った彼女の姿は大通りから消えていく。
■ガラッゾ > 嗅覚は悪い方ではない、寧ろ不自然な匂いには鋭敏でもある。
小脇においた酒瓶からの香りにしては複雑怪奇に入り混じる臭いにフードの奥に隠した眉間にキツく皺を寄せ合わせ、軽く首なんぞ傾げるが、此処は王都で平民地区そんな不自然な臭いがしてもおかしくは無い、寧ろしない方が不自然であろう。
尖り曲がった鉤鼻の鼻腔をスンスンと動かして、気になる臭い臭いの元を探そうと視線を大通りに臭いが漂ってきた方へと向けたが、矢張り何にも……無くも無かった。
濁った茶色い眼には大通りから一つはなれた狭い路地に入り込む人影が見える、それも何だろうか路地の奥にある向こう通りに用事でもあるのか、とにかく此方の方に歩いて来るように……見える。
正直並べている作品は万人受けするとは思えない無骨なモノばかり悪趣味なものばかり、それを買いに来るとは思えないが……。
「……ナンダ?何かオレに用事デモあるノか?それトモ、お客さんカイ?」
先手を打つ、濁った茶色い眼、何時までたっても慣れない王都で商いをする為に憶えた不慣れな言葉を紡ぐ嗄れ声。
右手を伸ばして適当に作品の中から辛うじて見栄えの良さそうな、2個1セットの指輪の一つを摘んで左右に揺らし、この程度の品しか無いが、お客さんか?と言葉だけではなく、態度でも尋ねてみる。
――まだ互いがハッキリと視認できる距離ではないのだろう、相手は女であるのは間違いないが、どんな人相なのかはわからない、だから一先ずは客として対峙しようとする心算である。
■レフェーリア > ほんの僅かに大通りを外れるだけでも雰囲気はガラリと変わり、貧民地区から訪れた者しかり、怪しい物売りとこうして出会っても何もおかしくはない。
兵士に見付かろうものならば忽ちに捕まってしまい品物が盗品かどうかを調べられもするだろうが、細く入り組んだ路地もあってか完全には取り締まれて居ないのが現状である。ちょうど今の様に。
「まあ……今の、所は……」
変にざらついてたどたどしい言葉に、解読にすら苦労する程に汚らしい立て看板の文字を眉根を潜めながらもその意味を知り、先に話し掛けて来た相手を見下ろしつつ言葉を返し、歩み寄った末に相手の目の前でその足を止める。
持っている指輪の他には、路地裏で売られている物としてはいかにも、といった華やかさや煌びやかな様子とは掛け離れた無骨なものか、それとも主人が奴隷を淫猥に飾るような物ばかりが並んでいるのを見下ろして。
ある程度の金銭は先ほど授かったばかりで、どのようにして扱うのか、それとも買えるかどうかを何気無く眺めながら、
「……寧ろ、貴方に用があるかも、しれません…」
小柄な相手と敷布に置かれた物品を見下ろしている間にも、ローブ一枚のみを身に纏った姿はあちこちからいつでも肉が零れ落ちそうになる、とは彼女もまた分かっている上で何も言わない。
治療中の間にも何気無い体を装って胸元に手を伸ばされたりもしたが、久し振りであるからとこれといった指摘も反応もしていない。それが治療師として、人としての仕事であるから。
そして今の様に…分かっている上でも足を踏み入れたならば、流れと相手の、己が欲にもまた合わせてしまおうと。
■ガラッゾ > 親指と人差し指、その指先で摘むように持ち上げていた指輪を親指の爪先に乗せてピンッと弾いて中へ飛ばし、視線の高さに落ちてくるタイミングでパシッと握り込むと、魔物皮の敷物の上の片割れの傍に置きなおし、妖精の名残が今だ残る尖った耳を震わせて、女の言葉に意識を傾けたが……言葉の意味が理解出来ない。
「……何ダおーだーめいどノ依頼カ?首輪か手錠見たイナ拘束具か?ソレとも拷問器具カイ?」
作品ではなく自分に用事が有ると……。
思い当たる節は無くもない。
視線の先で自分に用事が有ると言葉にした女の親類縁者が野良ではない呼び出された兄弟に捕らえられているとか、若しくは兄弟が違法に契約を持ち出して束縛した者の近親者か、はたまた借金取りか……と、もう片方の手で自らの眉間を指先でグリグリと弄り解すがどれもコレもピンと来るものは無い。
いやいや、濁った眼差しの先で溢れ零れんばかりの肉には興味しかないが、それよりも相手の物言いが酷く気になり、エーットだのアーットだの時間稼ぎではないが間延びする言葉と唸りをくり返して、心当たりを思い出そうと。
但し視線は間違いなく時々チラチラと女の方に向けてしまうが、理性と本能が珍しくせめぎ合う様子を見せてしまう。
何故かと言えばもし仕事絡みだったら場合、契約と言う一族を縛るモノが関わる為であり、蔑ろに出来るものでもなく。
もし、それ絡みの客であれば作品を仕上げて渡さないとマズいからであった。
■レフェーリア > フードからはみ出ている耳の尖った様子と、浅黒い肌の色合いから明らかに人ではないのだと確信した上で、弾かれた指輪を目線で追う。敷物までもが布の類ではないと質感で察しながら、露骨に悩み始めた相手の様子に軽く首を横に振って言葉を続ける。
「いえ……私と貴方は間違い無く初対面、ですけど……」
羞恥心と呼ばれるものは以前よりも格段に薄れてしまっていたものの、見られている感覚ははっきりと伝わってもいるもので。此方の姿を見上げながらも苦悩している様子の相手に、過去には何も関係を結んでいないのだと話す。
言葉の中で、拷問器具から拘束具まで相手達は仕立て上げられるという事も何となく興味が、それこそ人とは違った倒錯した魔族らしい感覚を覚えてしまってもいたが、今は相手とはそこまでの関係は無いのは確かであり。
そう、大事なのはこれから、どのような関係を相手と結ぶ事になるのかが大事で、淫猥で、人としてはおかしい流れへと乗ってしまうだろうが。
「……逆、ですかね……もしも宜しければ…この身体を、私を、少しの間でも良いので役立てて欲しいのです、けど…」
本来なら人間に召喚されて扱われるのも珍しくない相手に、人成らざる者に対して、ローブから柔肉を今にもはみ出させそうな身体を備えた彼女は、逆に己を相手に預けたいのだと告げた、言ってしまった。
相手の返答が来るより前に手を差し出せば、敷物として扱われていた魔物革が四角く切り取られて、契約書代わりを仕立て上げてしまって。