2018/01/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 酒場はひどく静かだった。寝入った酔っぱらい、コップを拭くマスター。
それに暖炉の火がぱちんとはぜる音。
流石に深夜帯ともなれば、煩い人間は誰もいやしない。

そんな時間でも男はひとりで、ぎしり、と椅子のきしむ音を追加して、酒場で管を巻いていた。
片手には酒の杯。中身が満たされたそれを、ぐびり。

「ふ、っく、ぁ――…。」

くあり、とあくびをかみ殺した。もう寝たって良いような時間。
ただなんともなしに楽しいことがないかと、ぼんやり、ただ時間を浪費していた。

イグナス > どれだけ時間を潰しただろうか。
いくら浪費したところで、面白いコト、なんてのは簡単に転がってないようだった。
いつかは男もあきらめて、宿へと移動して――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/娼館街」にカインさんが現れました。
カイン > 夜中の繁華街、その中でも少し奥まったところにある娼館の立ち並ぶ並び。
夜も更けたというのにひっきりなしに人が行き来し、
女が男に声をかけて店や陰に消えていく光景はいっそ浮世離れしたものだ。
そんな様子を娼館の一つの壁に寄りかかりながら眺める男の姿。
大して隠す気も無い武装した大柄な様子は、見る人間が見れば一目で用心棒の類と知れるだろう。

「こりゃ平和に終わりそうな気配しかしないな。
 全く、繁華街だってんだからもっと騒動が起きてもいいだろうにさ」

物騒な事を口走る男の眼前で依頼を受けて護衛している店の女の子がまた一人、
男を捕まえて自分に合図を送りながら去っていく様子を見ながら、
思わず呆れたような声が口をつく。週の終わりともなればやはり発散に
来る人間も多いようでいつもより明らかに客の数が多いのが見て取れる。

「終わったら一杯やるかねえ。…こいつじゃちょいと味気ない」

本気半分の軽口をたたきながら喉を鳴らして出番のなさそうな自分の得物を右手で慣らし、
左手で持った木製のコップに入った果汁らしき飲み物を揺らして一口煽りながら通路に視線を移した。酒ではないらしい。

カイン > 「酔えるってのは間違いなく利点だが、仕事中には飲めないって事だから不便なこった。
 かといって酔えない状態で酒を飲むかというと…飲まないよな」

感じる酩酊感と喉を潤す感触、そして何より味。その三つどれが欠けても、
酒を楽しむ事にはならないだろうと大真面目な様子で考える飲兵衛の思考。

「たまには大き目の台所でも借りて自分で作るのもいいかもしれんな。
 そういやめっきり野宿しなくなったせいで自炊してないと来たもんだ」

生来が不精な性質だけに、好んでやる訳ではないが屋外生活が長いだけに苦手な訳でもない。
やたらと古めかしい手帳を取り出して小器用に片手で広げながら中を覗き込む。
中には手書きらしい地図や覚書がびっしりと取り留めもなく書き込まれており、
それをやはり片手でページをめくって目当ての項目を探す。
ガッシリとした外見の男が小さな手帳を眺める様子は武装した風体と相まって、
傍目にはかなり奇矯に映るようで周囲からチラチラと眺められるがどこ吹く風といった様子。

カイン > 「酒のつまみってんなら芋でも買って来るか…っと」

明かに仕事の事の書いてあるページにも覚書のように酒の事や、
食べ物の事がちらほらと混ざる。お陰で余人が見ても何が何やら意味不明なページも多々。
そんな中でもさすがに書いた本人はある程度は覚えている様子で、
それほどの時間もかけずに目当てのモノを探し当てる。
自分で口に出した通り芋を用いた酒のツマミのレシピ。
何やら思い出した様子で手帳に挿しっぱなしのペンを引き抜いては見るものの、

「…片手が塞がってるのがどうにかなってからでいいか」

流石に手帳を持ったまま片手でかける程には芸達者ではない。
しおりだけ挟みなおしながら、片手を塞いでる原因である果汁を一口喉に流し込む。
酸味よりも甘さの方が先に立つ味に少々渋面になる。

「買うやつ間違えたかもな」