2017/12/24 のログ
■サナ > 「……雪を見たいな。一面の雪。まだ、少しだけ降ったのしか見たことなくて。」
寒いのは苦手だけど、と付け足しながらつられるように視線を向ける。柱に遮られ窓の枠の端っこしか見えず、緩く首を傾げて。
「ひ弱なの?すごく背が高いし、凄んだら怯んでくれそう。初見のひとなら威嚇成功しそうだよ。……そうなんだ、良い匂いがしなければ見落としそうな端っこに遭ったよね。……ん、美しい…かは自信ないけれど、褒められたら照れるね。」
目を細めて告げる、処。皿を差し出されたら効果は覿面だった模様。花より団子か、ソーセージを遠慮なく――遠慮したり出来ずに喜んでもう一つ抓む。視線が合うと笑み綻んで、食べるのはすごくしあわせそう。
こつん、と。肩が、膝が触れる。薄布一枚と、肌の温み。テーブルから相手の肩がはみ出そうに見えて、頭をゆっくり振る。
「ううん、テーブルや柱は大事な盾だし、ね。……美味しいものは食べたら幸せを感じるけど、身体に良いものはそれ自体が薬なんだね。香辛料は薬にもなるって、不思議だね。香りが良いだけじゃなかったんだ。………癖は抑えるの?活かすの?」
薬草、薬と言えば思うのは独特の味。単純な疑問を零しながら、照れた様子にちっちゃく和んだ。
「ありがとう。カルニーツォさんも、不思議な音だね。名前に由来があったりする?……うん。ふらふらと。そっか、喫茶店って、根を張るのかなあと思ったけれど。長く居心地よく居られたらいいね、お互いに。………私のは、旅の守り位の弱いものだよ。宝飾には届かないし、魔力を少し足したりとか、そのくらい。きれいな紅玉や蛋白石や、…価値があるのかアヤシイ石まで。」
ふ、と少し悪い笑み。身を乗り出す様子に瞬きして、椅子に置き直したグラスを口元にくっつけてみる。―――地元名物、蛇殺しの酒。度数が激強。
■カルニーツォ > 「そうですね...町中なら積もっても美しいと感じられるでしょうねぇ...山の中だとそうも言ってられませんが」
一面の銀世界に包まれた街の様子を想像しているのか、目をつぶりながら返事をする。最後の余計な一言はクスリと笑いながら付け加え。
「そうですかねぇ?目つきが悪いとはよく言われますが、少しは強そうに見えますかね?」
おどけた様子で力こぶを作って見せて。
少女が美味しそうに料理を食べる姿に目を細め、視線が合えば微笑みを返す。
「ウーン、それぞれですねぇ。以前、ニガヨモギの苦みを活かしてロールケーキを作ったときは散々な評判だったので、クリームを甘めのバタークリームに変えたりしたときもありましたし、薬草種の炭酸割りは薬臭さが逆に癖になると評判になったときもありましたしねぇ...」
少女の問いかけには腕を組み、首を捻りながら答えて。
「名前の由来ですか?さて、余りに遠い昔のことだったのですっかり忘れてしまいましたねぇ...」
文字通りの遠い昔、自らが意識を持ち始めた頃の自身をを祀っていた寒村の様子をふと思い出す。貧しい村人が供えるささやかな供物で暮らしていた頃のことを。そして己の存在を否定する新たな神の僕がムラニやってきたときのことを。
「ホォホォ、それでもやはり効果はあるということなのですね。フム。ならば薬といっしょに用いればより効果が上がるものもあるかもしれませんねぇ...フフフ、アヤシイ石ですか?自慢するわけじゃありませんが、私も色々扱っていますよ、アヤシイ薬を、ね。」
少女の言葉にさらに興味を深めたのか、一層身を乗り出し、額がくっつきそうになると、慌てて身体を離し、コホンと咳払いを一つ。
続く言葉にこちらもニヤリと悪い笑み。そして腰のポーチから取り出したのは小さな紙包み。
「そういえば、寒がりとおっしゃっていましたが、冷え性気味なのかもしれませんね。これを試してみませんか?身体が温まりますよ?」
そう言うと包みを開くと、少女の手にしたグラスに中の粉薬を振りかける。一瞬白濁するも、すぐに溶けてしまい透明化する。
確かにこれを飲めば、全身の血行が良くなり、身体が温まるのは間違いはない。
もっとも、同時に全身の触覚が敏感になり、ちょっとした接触や僅かにかかるといきさえもも性感帯を愛撫されたように感じるであろうが。
■サナ > 「街中より、山の中の方が寒そうで、見ることが出来そうだね。……山の中だと良いことある?」
大変な雪景色がいまいち想像出来ずに問い返す。笑う様子が愉しそうに見えて、逆方向に考える。
見える、と小さく頷きながら手を出す。力こぶに手を触れようとした、けれど。エールを持ったジョッキの底でぴとりと触れてしまう。
「ニガヨモギのロールケーキ…試食しなかったの?……バタークリーム美味しそう。研究みたいだね、オリジナルの美味しい物作りって。………そんなに長く生きているの、」
蛇殺し酒が入ってるグラスを当ててしまわないように脇に遠ざける。そちらに気を取られていたら、額が触れる程の近さに緩く双眸を見開いて、焦点が合わない程近くにきた男が、離れるのを見遣る。動きが早くて、鈍い身の反応が追い付かずに、瞬きを数度。
「………一緒に煎じて飲んだりできる石も、もしかしたらあるのかもしれないね。その知識はないから、どれが薬でどれが毒かは分からない。………アヤシイ薬って言いながらとり出したら、アヤシイのみたいだよ」
テーブルのあしに凭れかかるようになっていた体躯をずり上げながら、冷え性改善と聞けば興味が沸く。
色が消えてしまったグラスを掲げ見る。
天井から注ぐ橙の光と混ざって淡く反射する。まだ口をつけていないエールを一口だけ含んで、ジョッキを床に置く。グラスを両手で引き寄せ、
「……そうとう強いお酒みたいなんだけど、一緒に薬を飲んで大丈夫?」
尋ねながらちびと舌先で酒を舐めてみる。味はさっきと変わらず強い。酒精が強すぎて寧ろ味が変わっても分からなそうだった。こくり、と一口二口小さく飲んでみる。咽喉を熱い感覚が通り過ぎて、多くは飲めずに目を瞑る、身体の芯がぽかぽかするような、くらくらするような。
「………あれ、飲みすぎたかな……。」
■カルニーツォ > 「いいこと、ですか?そうですね。真冬の山中にしか咲かない花があるのですよ。真っ白で花びらなのですが、夜にはうっすらと青白く輝く綺麗な花なんですが、それはある秘薬の原料でしてね。非常に高価に売れるのですよ。それがいいことですかねぇ?」
少女が勘違いして発した問いに、こちらも勘違いをして答えを返す。
「もちろん、試食しましたよ?私としては苦みがあっさりとした甘みを引き立たせるとふんだんですがねぇ...どうも私の味覚は世間一般とずれているのかもしれません...フフフ、そんなにおじいさんに見えますか?」
少しムキになって反論するも、終わりの方にはかくんと肩を落として言葉を返す。
続く問いには冗談めかした笑みを浮かべて問い返す。
「さて、サナさん、あなたはどう思われますか?この薬がアヤシイかどうか?でも、身体を温める効果は保証しますよ。身体を温める効果だけはね...」
少女が訝しげにグラスをじっと見る様子を見ながら静かに笑みを浮かべる。
残ったソーセージを口に放り込み、エールを飲み干すと、にっこり笑って少女に答える。
「ええ、少々薬の効きが良くなりますが、身体に害になることはありませんよ」
にこやかに人の良さそうな笑みを浮かべてそう答える。もっとも心の内ではこう付け加えていたが。
『貞操に関しては害になるかもしれませんけどね』
■サナ > 「……それが雪が降る程咲くものなんだね。……秘薬って、万能の治癒薬、とか。………カルツォーネさんがきっとすごい苦い物好きなんだね。他の甘味が評判良いなら、きっとそこ。 ううん、遠い昔って、言うから。」
ことん、と音を立ててグラスが床に降りる。
割ったり倒したりするようなものでなかったから幸いだったけれど。
意識が少しだけ揺らいで、真っ直ぐ座っていられずにテーブルの方に凭れかかる。
先刻テーブルの足を抱きしめていた時よりも、ずっとそこが冷たく感じられるのは何故か、
余り思考が働かずに
「……だけはって言うのがアヤシイ……。お酒だけにしてはちょっと変な感じが、する…」
■カルニーツォ > 少女が一口、二口と飲むうちに段々と視線が虚ろになり、呂律も徐々に怪しくなってくる。
身体を支えるのも辛くなってきたのか、座っていてもふらついてくる。
「おやおや、お疲れのようですね。大丈夫ですか?そろそろ店を出ましょうか?」
いつの間にか店内に飛び交っていた怒号や食器もやみ、普段の賑やかな喧噪がもどり、店員が後始末を始めている。
少女を支えるようにしてテーブルの下から這い出ると、ゆっくりと立ち上がらせその身体を自身のマントで包み込む。
そして店内の喧噪を背に、そのままゆっくりとした足取りで店の外へと出て行く。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からサナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からカルニーツォさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にカルニーツォさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からカルニーツォさんが去りました。