2017/12/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサナさんが現れました。
サナ > 路地を歩いていたら喧噪の中美味しそうな匂いが漂い流れてくる。
腹が空いていたことを思い出して、誘惑に抗い切れずに通りの端にある酒場の戸を開く。

体格の大きな男達はすっかり出来上がっていて一瞬喧騒に圧倒されるが、皆すっかり出来上がっていてこちらを見向きもしない。

フードを目深にして目立たないようこそこそとカウンター近くに行き、オススメの一品と。
酒を聞いて考え込む。酒の種類自体詳しくない。それもオススメをと頼み柱の陰にある目立たない一席へ。
機嫌良さそうな、大きなひとらの声を眺める。赤ら顔で楽しそうにしている。胸元を掴み上げながら笑っている。

注文の品はすぐさま届き、グラスに並々と注がれた酒を煽る。
世界がぐわんと揺れた

「……う………?」

壁の方を見遣ると、達筆で書かれていた。『裏通り名物蛇殺し』
え、と思考停止していたら、パリーンと音が聞こえ。振り返ると、男の頭部が輝いていた、酒瓶の破片を浴びて。


コップと小皿を確保してテーブルの下にしゃがみ込む。一際大きくなる喧噪。

サナ > 「えーっと……。えええっと……。」

柱の向こうでは、規制が掛けられそな勢いの罵倒や野次が飛び交い、皿やグラスが飛び交う。
カウンターを振り仰ぐと先刻までそこにいた店員らの姿は無く、カウンターの壁越しに小さくぼそぼそと『まーた始まったよ』『シラフに戻ったら皿四つ、あいつはふたつ』と手馴れた声が聞こえてくるけれど、


パリン、と。流れ弾のように飛んできたグラスが床に置いた指先の少し先で砕ける。

どう、したら。
あ、水を、全員の頭の上で砕けさせたらいいんじゃない、と思ったが。
『ジミーにグラス1追加』と聞こえてきて、店の調度全部濡らした弁償なんて無理だと即決。

「あでも逃げなきゃ……逃げ……。そんなことより暑いなあ……」

被っていたフードを外し、ボタンを一つ二つ外した所で手が止まる。
テーブルの脚をぎゅうと抱き締め。ちょっとこのあし冷たい、と文句言う始末。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にカルニーツォさんが現れました。
カルニーツォ > 「えーと、エールにソーセージ、あ、マスタード多めで。それとジャガイモのチーズ焼きを」

塹壕戦さながらに飛び交う食器の合間を縫って、カウンターの中へと注文を入れる。一言言葉を交わす度に首を引っ込め、飛んでくる皿をよければ、壁で皿が砕け散る。店員の方も慣れたもので、器用に鍋やフライパンで流れ弾を避けながら、調理をする。

「今日は結構大人しいですねぇ」

のんびりした口調でコインをテーブルに置くと、先に出されたエールのジョッキを手に取り、テーブルの影に隠れて一口飲む。

「...はい、どうも。...さて、どこにしましょうかね?」

料理の載った皿を受け取ると、周囲を見回す。比較的被害の少なそうな場所を見つけると、両手にジョッキと皿を持ち、腰をかがめて、テーブルを盾にしながら少しずつ進んでいく。

「おや、先客がいらっしゃいましたか。こちら相席よろしいですか?」

目当ての場所にたどり着けば、そこにはテーブルの脚にギュッとしがみつく少女の姿が。その少女のに会釈をすると、もそもそとテーブルの下に潜り込んで、早速ソーセージをひと囓り、続けてエールを一口。

「ふぅ...いやぁ、ここのエールとソーセージは絶品ですよね。あ、よろしければ、お一ついかがですか?」

すぐ横でグラスが割れて破片が飛び散るのも気にした様子もなく、料理をその少女に勧める。

サナ > カウンターの向こうで火を扱う音と、芳ばしい匂いが漂い流れてくる。
すきっ腹にグラスを煽ってしまったものの、そもそも美味しそうな匂いにつられてこの店に流れて付いたのを思い出す。

声を掛けられ、驚いたように肩を跳ね上げる。
フードを払った銀糸がふわりと舞って、青い双眸が――初対面の男に比べる由もないのだろうが、普段よりもとろんと濁って見上げる。

「テーブルの下で相席………、テーブルのあし、冷たいよ。
おにーさん、は。喧嘩に参加しなくていいの………。エールって美味しい?」

頷きながらも小さく意味不明な泣き言を告げた。同じ唇から気になることがぽろぽろと零れる。
芳ばしい匂いの源は男の持つ皿だった。勧められると吸い寄せられるように料理に白い指先が伸びる。
手掴みで一つ持っていき、口元に触れさせる寸前で理性の欠片が働いた。

「ありがとう…。頂きます。」

小さく頭を下げてソーセージに齧り付く。こりっとした歯ごたえと一緒に肉汁の旨みが口の中で弾けて表情が明るくなる。夢中で食べて、ほっと一息。椅子の上に置いていた、手つかずの皿を差し出す。

「すごく美味しい。……じゃがいものチーズ乗せ、もしよかったら」

片腕はテーブルの脚、片腕は皿を差し出す。店の中央では料理も飛び交っている。勿体ない事態。

カルニーツォ > 「テーブルの脚が冷たい?...ああ、今晩は冷えますからねぇ...ん?いえ、別にここにはエールと料理を楽しみに来ただけですからねぇ。わざわざ疲れるようなことをしなくても...ああ、おいしいですよ?どうです、お嬢さん、お近づきに一杯?」

横を通りかかった店員を呼び止めると、コインを渡してエールを追加する。どうやら他にも喧噪を避けて料理を楽しむ客もいるらしく、店員の方も慣れた様子で注文を受けている。

「...それは良かった。自分の好きなものを気に入ってもらえると、嬉しくなりますね...おや、これはありがとうございます。では、遠慮なく」

少女の表情が明るくなるのを見ると、男の顔にも笑みが浮かぶ。差し出された料理をフォークで突き、口に入れる。満足げに頷きながら咀嚼すると、エールでそれを流し込む。

「プフゥ...いや、これもおいしいですねぇ。この店、もう少し落ち着いて食事ができればいいんですけれどもねぇ」

しゃがみ込んだ足下にジョッキが飛んでくれば、それを避けるようにテーブルの下に皿に潜り込み、少女との距離を詰める。

「あ、申し遅れました。私、カルニーツォと申します。薬師を生業としていますが、近所で喫茶店もやっております。お見知りおきを。よろしければ、お嬢さんのお名前を伺っても?」

店員が持ってきたエールのジョッキを受け取ると、少女に差し出しながら問いかけて。

サナ > 「あったかいテーブルじゃないと。この寒さはきっとどこかで雪が降っているよね…。喧嘩したらとても強そうに見える。常連さんなの?所作がすごく慣れてる……。あ、……ありがとう。……ねだったみたい、だね」

少し赤らんだ貌で笑う。皿と怒号の砲弾の中を突破する店員さんをもはや尊敬のまなざしで見送ってしまう。
男が美味しそうに食べているのを見遣ると、ご機嫌に目を細める。
皿を引き寄せて膝の上に置く


「でしょう?…まだ食べてなかったけれど。きゃ」

ゴトン、と鈍い音がして男の足元でジョッキが跳ねる。割れなかったのは幸いか。思わず小さく悲鳴を上げ、大きくならない内に飲み込む。喧嘩の群れの端っこで存在を主張しても余り碌な事にはなりそうになかったから。

柱の影のテーブルの下、男が入るスペースを作ろうと。あしをぎゅうと抱き締めていた腕を離して片腕で寄り掛かるようにする。

「カルニーツォ、さん。……薬師様でマスターって、すごく幅広いね。
喫茶店では何を作っているの?………ありがとう。私はサナ、です。輝石を売ったりして旅をしていて、この国には来たばかり。」

自分のグラスを椅子の上に置き、差し出してもらったジョッキを受け取る。ジョッキの口先を触れ合わせようと差し出して

「酒場の賑わいと新しい出会いに乾杯、」

カルニーツォ > 「確かにそろそろ行きの季節ですしね...」

少女の言葉にここからは見えないが、窓の方に視線を向ける。

「喧嘩?いえいえ、とんでもない。私なんかひ弱で困ってしまいますよ。もう少し荒事にも対応できれば安心何ですけれどもね...ウーン、常連と言うほどでもないですね。私も最近ここに通い始めたところですから...いえ、お気になさらず。お嬢さんのように美しい方とお近づきになるための賄賂ですから」

少女の言葉には苦笑を浮かべて肩をすくめる。事実、この街に集う猛者たちに比べれば、赤子以下の存在で敷かない。こと腕力に限れば。
そしてさらなる賄賂とばかりに皿を差し出しながら、いたずらっぽく笑いかける。

そのまま空けてもらったスペースに入り込むと、少し窮屈そうに背中を丸めて膝を抱える。それでも肩や膝が少女と触れあうくらいには近づいてしまう。

「窮屈な思いをさせてすみません。...ああ、喫茶店の方も全くの無関係というわけではないのですよ。東方では医食同源という言葉がありましてね。普段の食事こそ薬であると言うことなんですよ。実際、香辛料の多くは薬としても使われているんですよ?私の店はそう言うところに少し重きを置いていると言うだけのことなんですよ。例えば薬草を雉に練り込んだケーキとか、体調に応じて調合したハーブティーとかね」

少女に感心されれば、少し恥ずかしげに顔を赤らめつつ応える。

「サナさん、ですか。良い響きの名前ですね。なるほど。旅の途中でこちらの寄られたのですか。私もあちこち旅をしてきたのですが、最近、こちらに落ち着いたのですよ。またいつかは出ていくかとは思いますが、しばらくはここに腰を落ち着けようかと...輝石を扱っていらっしゃるんですか...話には輝石にはいろいろな効能とか魔力があると聞いたことがありますが、サナさんはどのようなものを扱っていらっしゃるんですか?」

ジョッキを合わせると、好奇心に満ちた表情で、少女の方へと僅かに身を乗り出して聞き始める。