2017/11/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 酒場」にクトゥワールさんが現れました。
クトゥワール > 喧騒は嫌いでも苦手でもないが、進んでこのような場に身を置くのは珍しい。
それが今まさに喧騒の只中に居る理由は、どれだけ独り言を呟いても聞き咎める者も居ないからだ。
麦酒を煽りながら難しい顔をしている。手の中には一枚の古紙。卓上にも似たようなものが何枚か転がっている。

「いやー……わっかんねぇな。」

紙の焼け具合や作りの古さからして、骨董品の類だと傍目にも判るだろう。
価値のある物と勘違いする者もいるらしく、通り過ぎざまに時に目線を落としていく者もいる。
そのような事も気にかけず、男はひたすらこの書類と面を突き合わせていた。

「もうちょっと何か、残ってねぇもんかな。」
「ま。探して一日で当たりが見つかるってモンでもないか。」

それら紙類は、ある物はこの土地の地形図のようだった。
またある物は海辺の伝承について記されている。
先日、何の準備もなく脚を向けて呆気なく失敗した洞窟群に、どうにも興味を惹かれる。
土地について何か記されたものがあればと一日都を探し回って、手に入れたのがこれら紙束というわけだった。