2017/10/11 のログ
■リト > 距離を縮めてみると、どうやら少女の双眸は自身の胸元に向いていると気づく。
ドレスは肩から胸元にかけて露出しているので、なお谷間辺りが強調されているわけで。
とはいえ、見られることには慣れているのかチラ見を咎めることはない。
見たいのなら好きなだけ、と言わんばかりに隠すこともしない。
「へー、冒険者なんだ。怪我がないなら良かったよ!」
尾てい骨、お尻の辺りが如何などとは、言われなければ気づくこともない。
そう言われてみれば確かに、身なりがいかにも冒険者然としている――気がする。
「………あっ、…危ない!」
しかし、平然と話してはいるが此処は大門の前、大通りの真ん中付近。
往来の人々も当然多い。再び、馬を引く商人が少女にぶつかりそうになるのを見て、反射的に手を伸ばした。
避けられなければその腕をとって引っ張り、衝突を避けようとするが―――
■オルティニア > つい先程まで野外で野宿で、着の身着のまま長旅をしてきた自分は、もしかしたら少し臭うかも知れない。
露出した胸元の白も眩しい彼女の成りに、思わずそんな事を考える。
チュニックの脇やら胸元やらはちょくちょく汗染みで色を変えていたし、パンツなんてもう3日目だ。
髪を洗ったのも一昨日が最後だし、それも水辺でゆすいだ程度。
考えれば考えるほどヤバい気がする。
というか、本来なら汚らしい人間を前に、エルフたる自分が穢れ一つ無い清潔さを見せつけて種族としての格の違いを思い知らせるというのが正しいのに、これは一体どうした事か。
こんなことなら魔力をケチらず、街に入る前に全身に清浄化の呪文を掛けておくべきだった。
己の薄汚れた有様にじわじわと羞恥の朱を広げる頬の横、こめかみから垂れたブルネットの髪をくりくりといじくり回す。
そんな気もそぞろな状態であったのだから、冒険者としては鈍い所ばかりなエルフ娘がぶつかりそうな気配に反応出来るはずもなく
「――――んゃ……っ!?」
少女の細腕にされるがまま、ぐいと引かれて彼女の胸元に飛び込む形。
おかげさまで屈強な馬体にぶつかられる事は避けられた物の、小柄さと胸のボリュームがつり合わぬ二人の少女は、その柔肉同士を重ね合い、抱き合うような形である。
触れ合う乳肉の柔らかさやら、彼女の匂いやら、己の恥ずかしい体臭やらで、オルティニアはばくんっと心音を跳ねさせ、硬直する。
■リト > 臭い、に関しては然程気にしてはいなかった。自身も長旅の経験がないわけでは無いし、そういうのは慣れている。
だが気づかないかといえばそうでもなくて、近くまで寄っているものだから尚更だ。
徐々に羞恥の為染まる頰に気づき、あまり長話をしない方が良いかな…と思い始めた刹那のこと。
どうにか衝突する前に、少女を引き寄せることが出来た。
自然、お互いのボリューム溢れる乳肉が重なり合う。触れ合い、潰れ合う柔らかな感触に思わず瞬く。
甘酸っぱいような、柑橘の淡い香りが少女の鼻先を擽るだろう。
「………あは。なんとか間に合ったねー…良かった良かった」
朗らかな、ともすれば暢気にも思える声を上げ、何事もなかったことを喜びつつ。
柔肉の感触が心地よくて、中々抱き合う体勢を解けないのも現状。
■オルティニア > ふたなり化の呪いを受けて以来、同性との接触にどうにも身体が熱くなる。
それまではなんてことなかった友人達からのからかい混じりの乳揉み攻撃にも、冗談では済まない恥ずかしい声音を漏らしてしまう程に。
そんな童貞エルフであったから、自身と変わらぬ程度の背丈の、にも関わらず雌としての柔らかさを十全に感じさせる少女との接触に、思わずきゅんっと下腹部が疼いてしまった。
先刻までは薄っすらと桜色の色合いを目元に滲ませる程度だった頬の赤みが、今では薄く汗を浮かばせるほどの熱を伴いエルフ娘を紅潮させている。
「ぅ……ん、うん、え、と……あ、ありがと……。」
そんな有様で至近の彼女から必死に目線を反らせるオルティニアは、エルフが人間に向けるに相応しくない素直な礼を口にした事に気付いてもいない。
相手が男であったなら、憎まれ口を叩きつつ、非力な腕で思いっきり突き飛ばす場面なれど、柔らかくていい匂いのする同性相手ではこちらも抱き合う姿勢を解くことが出来ず、中途半端な姿勢で固まるばかり。
跳ねる心音も、高まる体温も、おそらく彼女には伝わってしまっているだろう。
■リト > お互い少女の背丈にもかかわらず、こうして抱き合うと豊乳の柔らかさが一際よく伝わってくる。
同性との接触をこと好む身としては、いざこういう状況になってしまうと中々逃れがたいものがあった。
眼前に見る紅潮した頰、薄く浮かんでいる汗は視線を惹きつけるのに十分で。
「………あ、えっと……うん、一旦離れよっか……」
跳ねる心音、高まっていく体温を直に感じながらも、此処は大通り。
抱き合っているだけでも人目についてしまうわけで、それは少しばかり好ましくない。
どうにか理性を働かせ、抱き合っていた身をそろそろと解いていく。
しかし、完全に離れてしまうことは避けたのか、片手を伸ばしおずおずと繋ごうとする。
■オルティニア > 「う……うん……。」
見目麗しい少女二人の抱擁に向けられる周囲からの視線、己の体臭に対する羞恥、そうした物はあるのに、それでも彼女の体温を手放す事に名残惜しさを感じてしまう。
なればこそ、離れ際にそっと伸ばされた小さな手に、こちらもぷいっとそっぽを向きつつきゅっと手指を絡ませる。
「あんた、ええと……そういえばわたし達、お互いの名前も知らないじゃない。」
彼女の手はしっかりと繋いだまま、何故か挑戦的にキッと翠瞳を向けて言う。
「わたしの名前はオルティニア。見ての通り高貴なエルフよ。本来ならあんたみたいな人間風情が……って、え? 違う……? あ、人間じゃないの?」
ふふんっと見下すような自己紹介の最中、不意に尖り耳の一つがぴくぴくっと小さく震え、そちらに目を向けたエルフ少女が困惑気味の独り言を漏らす。
そうして改めて、まじまじと対面の少女の顔を見つめ。
「ん……たしかに、人間とは違う雰囲気があるんだけども……。」
と小首を傾げてストレートな問いを投げる。
「あんた、何なの?」
■リト > 伸ばした手指は拒否されることなく、無事少女の手指と絡まり繋がれた。
嬉しそうに微笑んで握り返し、往来のど真ん中で二人突っ立っているのも何なので少し離れたところに移動しようとする。
「………あぁ、そういえばそうだねっ」
今更、自己紹介をしていなかったことを言われて気づく。すっかり忘れていた。
何やら挑戦的に向けられる翠瞳を、飄々とした態度で受け流しつつ口を開く。
「オルティニア、だね!私はリト。よろしくね、オルティ」
早くも呼び名を考え出しながら、ふと。その尖耳がヒクつくのを見た。
何が聞こえたかなど分からず首を傾げていると、思いの外じっくりと顔を見つめられる。
「私? うん、人間じゃないよ。えっと……吸血鬼なんだ」
特に隠すようなことでもなし。さらりと正体を明かして、平気な顔をしていた。
■オルティニア > とりあえず、彼女に合わせて人通りの激しい大路から移動しつつ
「オルティって………。」
無遠慮な愛称に傲慢エルフは桜色の唇を尖らせるも、その口端がぴくぴくしているのははにかみ笑いを堪えているから。
人の街に来ていきなりこんな友人が出来た事が、正直少しうれしいのだ。
「―――ふん、まぁ、いいわ。と・く・べ・つ・に! 特別にその無礼な呼び名を許してあげる、感謝なさい、リト。」
そんな偉そうなセリフもあっけらかんと明かされた彼女の正体を耳にすれば、きょとんと目を丸くした年相応の幼さを見せて
「き、吸血鬼って、ええっとアンデッドの上位の、あれ? 処女の血をちぅちぅ啜って眷属増やすっていう……?」
翠瞳を瞬かせ、暖かな日差しを投げかけてくれる秋の太陽を見上げ、再び少女の顔に戻す。
思わずといった調子で伸ばした指先が、ふにゅりと彼女の頬を摘んでその感触と体温を確かめようとする。
そこにあるのは純粋な好奇心。恐れの気配は見られない。
■リト > 大路を離れれば、あとは人の姿も疎らだ。やはり、露店が密集している辺りに人は多く集まるものらしい。
愛称に対し、然程悪くない感情を抱かれていることは表情に滲み出る雰囲気で察した。
暢気な言動に反して、其処は存外聡いものがある。
「ふふっ。ありがとー、オルティ! ―――うん、まぁ。……大体そんな感じかなー?」
転じて、吸血鬼に関する問いやら、向けられる好奇心。
伸びてくる指先が、己の頰をあっさりと摘んだ。少女の柔らかさを残す白い肌は、太陽の光に当たっても触れられても変化する兆しすら見せない。
「あ、太陽の光は平気なんだ、私。……まぁ、全く大丈夫ってわけでもないけど!」
■オルティニア > 「やっぱり柔らかいし……そんなに冷たいってことも無い……のかしら……。」
ふにゅんふにゅんとほっぺたの柔らかさを堪能しつつ、彼女の言葉に耳を傾ける。
「吸血鬼って言っても色々いるのね。」
吸血鬼など、長老の語る昔話で耳にした程度の知識しかない。
齢経た大吸血鬼は太陽の光にも耐性を得るという話だったが、眼前の彼女からはそこまでの凄みは感じない。
何より、彼女からは己を害しようという気配が感じられない。
「…………まぁ、アンデッドなんて人間以下の汚らしい化物だけども、リトはいい匂いがするし柔らかいし……いいわ、貴女は特別ってことにしてあげる。」
ぽかーんっと半開きだった唇がにゅいっと笑みの形を作る。
太陽の光が完全に大丈夫というわけではないという彼女のために、陽の光の差し込まない細い路地、細身の二人が並んで歩くことも難しい路地裏へと入り込み、ブルネットの長髪を翻して振り返ると、いくらか悪戯っぽい表情で問いかける。
「それで? リトはわたしの血も飲みたいのかしら?」
ツンと顎を持ち上げたその所作は、多少薄汚れているとはいえ真白な首筋を挑発的に曝け出す。
薄青い静脈が、ミルク色の白肌に薄く浮かび上がっている。
■リト > 「そんなに人間と変わらないんじゃないかな…?」
体温も、せいぜい常人よりやや低い程度か。
触れてもさして違いはわからない可能性が高い。勿論、吸血鬼にも色々いる――とは彼女の言う通りだけど。
大吸血鬼、と呼べるほどではないが、それなりの年数は生きている。
おまけに由緒ある血族だ――とは、今ここで言うことでもないから黙っているけれど。
「………ふふ、それはどうも。これでも身なりには気を使ってるんだよ?」
陽の光も満足に差し込むことのない細い路地に足を運ぶ。気を遣わせてしまったかな、と思うのも束の間。
振り向く少女が悪戯っぽい表情のまま、その首筋を曝け出すのを目にして笑みが、深まった。
「うーん、血は今はいらないけどー……そんな風にされると、ちょっと味見したくなっちゃうなぁ」
血を、ではなく。――そっと距離を詰めると、露わになった真白い首筋へ――唇を触れさせようとする。
引き剥がされないのであれば、其処に顔を埋めるようにして、キスを二度、三度と落とそうとするが如何か。
■オルティニア > 彼女の体温は吸血鬼だと言われてみれば、たしかに少しひんやりしているかも?といった程度のもので、アンデッド特有の背筋の凍る様な冷たさは無い。
むしろ、旅の最中の火照った身体で抱きしめれば、さぞや心地いいだろうと思うくらい。
「わ、わたしだって普段はこんな……。」
彼女の物言いに、改めて自分の薄汚れた様を思い出して頬を赤らめる。
首筋を晒して挑発的に彼女をからかったのは、それが少し悔しかったからかも知れない。
しかし、無防備に首筋をさらけ出しても、彼女の纏う雰囲気に魔も色が覗くことはなく、だからこそ、オルティニアも近付く唇に身を固くすることはあっても突き飛ばすような真似はせずに
「―――……ん……ぁ……っ」
甘い口付けにひくっ、ひくんっと白首を震わせて切なげな吐息を零して受け入れた。
しかし、やはり今の自分は少し臭うかも……なんて事が気になって、改めて彼女の手をきゅっと握ると
「ね、ねぇ……貴女、この街にはそこそこ詳しいのよね? だったら、その……お、お風呂……入れる所に案内してくれる……?」
気恥ずかしげに翠瞳を反らしつつ、道案内を強請る。
彼女が案内をしてくれるなら、思い切って一緒に入ろうなんて誘いも掛けて、彼女の大きな胸を直に見たり触ったり……なんてことまで考えてしまうのだけれど、後の顛末がいかに転がるかは彼女次第となるだろう。
■リト > ちょっとした熱冷ましくらいにならなれるかもしれない。
一応、高貴な吸血鬼である。他のアンデッドとは違う、という自負はあるものだ。
「うん…うん。長旅の後だから、しょうがないよねー」
わかってるよ、と言わんばかりの頷き。
とはいえ、彼女の肌の白さは見事なものだった。汚れを落として整えれば、さぞや滑らかな肌、端正な容姿なのだろう。
甘い口づけを二、三度。挨拶代わりのように落とせば、埋めていた顔を離した。
握られる手と、提案。少し考えて、丁度良さそうな所を幾つか思い起こす。
「……うーんと、じゃあ。お風呂に入れて、休める所があるからー……そこに行こうかっ」
道案内はお安い御用、と繋いだ手を引いた。
細い路地を出て、行きつけ――というわけではないが、知っている場所へ少女を案内する。
お風呂を一緒に、との誘いがあるならば喜んで応じるし、胸の触り合いなどもしてしまうのだろうけど。
それはまた、別のお話として―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からオルティニアさんが去りました。