2017/09/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店街」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (夜も更けた、とはいっても、この界隈はまだ充分に賑やかだった。
もちろん、一番目立つのは酒場を渡り歩く酔っ払いの姿だけれど、
遅い夕食のためだろうか、食材の買い物をする人の姿もちらほらと。

そんな人波を縫うように歩く己は、フードのついたダークカラーのマントを、
ドレスのうえから羽織っていた。
追っ手の目を誤魔化す意図もあったし、単純に、ドレスでは少し肌寒かった所為もある。

ともあれ、今宵、己の目的は買い物―――というより、市場調査、マーケティング。
あちこちの商店の店先に並ぶ品々を眺めては、ついている値札を確かめ、
あるいはちょうど店先に出ていた店主から、直接物の値段を聞いては、
目を丸くしたり、顔をしかめたり、を繰り返していた。)

――――意外と、高いん、だなぁ…。
この辺なら、もう少し物価も安いのかと思ってた…。

(呟いて、そっと溜め息。
貴族のボンボンのなれのはて、世間知らずがまたひとつ、世の中の厳しさを学んだ瞬間だった。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店街」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > (今日も今日とて仕事が終わり、気が付けば夜も更けて。
何かしら食べ物でも見繕って、家にでも帰ろうとぶらついていた辺りであった)

……近いな

(小さくつぶやく声と共に、チラリと周囲を見回す。
最近は依頼も忙しかったせいで、あまりうろついていなかったせいだろうか。
有る人物に仕込んだ術式の気配を察すると、軽く口の端を上げる。
もっとも、場所も場所だけに出来ることも限られる訳で、あるが。
人の合間を避けつつ、進む先。目当ての人物は……アレだろうか。
フードのせいで、ぱっと見る判断は、つきにくいのだが)

自分で買うとなると、悩ましいモンだろ?
予算と、どれだけ残すかとも相談しないといけないからな

(不意と小さく聞こえた声にこたえるように。
言葉を告げながら後ろへと近づいてゆく)

リュシー > (この界隈での宿は決まっているけれど、生活するうえで、食べものの調達は不可欠だ。
そればかりは節約するにも限度があるのだし、と、
目深に被ったフードの下で、思いめぐらせていたところ。

不意に背後から聞こえてきた声に、弾かれたように振り返る。
フードの下から覗く碧い瞳が、警戒心をあらわにして、近づいてくる男の姿を捉え)

……安心してよ。
どれだけお金に困っても、あんたに泣きついたりしないからさ。

(今現在、所持金はほとんどゼロに等しいが、そもそも買い物目当ての外出ではない。
ついでにいえば、この男に見つかってしまった以上―――そろそろ、
宿に帰るべき頃合いか、とも考えており。
とりあえず、男が近づいて来たぶん、己はそっと後ずさる。
この時間でも買い物客が出入りしている食料品店の店先であり、
ひと目もあるここでなら、滅多なことは起こらないだろう、と。)

アシュトン > (此方の声に合わせて咄嗟に振り返り、全身から警戒心を発散させる相手。
とは対照的に、此方と言えば口の端を軽くと上げ、片手を振って。まるで知人にでも挨拶するかのように呑気なモノである)

なるほど、そいつは結構。社会がどれぐらい厳しいか、身を以て知るのも大切だからな。
もっとも、その辺で野タレ死なれても困るんでな。『まとも』な仕事を紹介してやってもいいんだがな。

(相手の瞳をじっと見つめたまま、片手を握って、閉じて。何かを確かめるような動作、にも見える。
実際の所は、その通りなのだが。
以前に隠れ家に連れ込んで施した、術式の一つ。平たくと言えば、身体の動きをコチラで操るモノ、な訳だが。
如何せんどこぞの高名な術者でもなければ、凶悪な魔族でもない。
起動と制御に、暫く相手の目を見る必要がある訳だ。
此方が手を動かす度に、少々と彼女が感じ始めるのは違和感、だろうか。
会話の間に気が付けばと、フードを脱ぎ始めることに、なってしまう訳であるが)

リュシー > (あいにく、世間の厳しさを教えてくれた、という意味では、目の前の男も同様。
ゆえ、のんきに挨拶を返すゆとりは生まれない。
思いきり仏頂面で、相対する男の顔を睨みながら)

―――ぼくがどこかで野垂れ死んだところで、あんたには関係ない。
何度も言うけど、ぼくはあんたの所有物じゃないし…、
あんたが紹介してくれる仕事なんて、絶対、しないから、―――――

(見つめ返してくれる眼差しに、わずかな違和感。
それは身に埋め込まれた術式が疼く気配だったのかもしれない、
あるいはただ、男の視線に居心地の悪さを感じただけなのかも―――

そんななかで、不意に。
背後から声を掛けられて振り返り、ほっと肩から力が抜けた。

数日前に常宿を決めたため、顔見知りになった店主の一人だ。
何をしているんだい、早く家に帰んな、と、気のいい店主が忠告してくるのへ、
慌てた仕草で頷き、きびすを返して走り出す。
途中でフードは肩へ脱げ落ちたけれども、小柄な少女の姿はすぐに、
人混みに紛れて見えなくなり―――――。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店街」からリュシーさんが去りました。
アシュトン > おっと、間が悪かったかな。

(消える後姿を暫しと眺めた後、考えるように夜空を見上げた後。
緩い足取り、その場を後にする)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店街」からアシュトンさんが去りました。