2017/09/13 のログ
アルテア > 「全く、やけに騒がしいと思ったらそういうことね…」

荒くれ者が遠ざかり、血溜まりに沈む男の身体だけが残った通りに、その一角に存在する建物からゆっくりと人影が姿を表す。

騒がしいのが常の街とはいえわざわざ深夜に騎士や冒険者の前で騒ぎを荒立てようとするのは余程の阿呆か上級貴族位だ、ふと気になって窓から視線を覗かせた女ギルドマスターが目にしたのはボロを来た女が正義感の強い男を見捨て扉へ消え去る一連の光景で。

「言わんこっちゃない、余計なことに首を突っ込むのは力が伴ってからじゃないと」

胴体を内蔵毎串刺しにされ、既に息の無い男をチラリと見て女は1つため息を吐く。

「……まぁ流石にギルド前で殺しとなれば見てみぬふり、とはいかないのよね。全部片付いたら弔ってあげるからしばらくそこで横になってなさいな」

何処かへ消えた女の所在を捉えることは不可能に近いが幸いあらくれ者達はまだ遠くに行ってはおらず追跡も容易だろう。彼らにもせめて暴れる場所を選ばなかったことを後悔させてやるくらいの仕打ちは必要だ。

男の遺体から視線を戻した女は再度深い呼吸をすると暗い街並みへと駆け出していく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 裏路地」からアルテアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にオデットさんが現れました。
オデット > 大通りから1本外れた道を歩く女の歩調は いつもに比べればだいぶ速い。
その原因は後ろを歩く男にあった。
そろそろ日も沈もうかという時刻で、宿泊客を迎える準備をせねばと ただでさえ急いでいた時だ。
その昔、娼婦だった頃にしつこく言い寄ってきた元客に、数年ぶりに出くわしたのだった。
本気の好意を向け、己を身請けするために財産を擲ってくれた夫とは違う。
金を払わずして己を好きにしたいケチな本音を隠し、薄っぺらい口説き文句で
どうにか娼館から抜け出せないかと交渉してくる、どうしようもない男であった。
出禁になった後に、同じことを他の娼婦数人に迫っていたことも分かった。

「申し訳ありませんけれど、私急いでおりますの。
 お…夫と子供を待たせているものですから」

何度もそう言ったのだが、嘘がバレているのか元々そんな事情をどうでもよいと思っているのか、男は執拗に後を追ってくる。
このまま勤務する旅篭に戻れば同じことが繰り返されると思い、無暗に街の中を歩き回ることに。
何か上手く逃げられる口実になるものを探し、辺りを見回しながら女は困り顔。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──くわわわ……」

一方、その頃。
同じ道を、大欠伸をかましながら大股で歩いている金髪の男が一人。
眠たげに細まったその双眸は、退屈そうに前方に向けられていた。が……

「……んー?」

やがてその視界に飛び込んできた光景に、軽く目をぱちくりと瞬かせた。

向かいからこちらへ近づいてくるのは、困り顔の和服の女性。
あの和服には見覚えがある。普段良く利用している旅籠の仕事着のはずだ。
そして、その後ろから追従するようにやってくる男。

「……なーんか良からぬ感じだのぅ」

少し眉寄せて独りごちながら、とりあえずそこで足を止めて女性が近くまで辿り着くのを待つことにした。
さて、女性はどう動くだろうか。

オデット > 男はもうとっくに女が自分を撒くために右往左往していることに気付いている。
そのため、後ろからあれやこれやと声をかけてくるのだ。
女は女で必死なため、その言葉を逐一拾うこともせず とにかく『用事がある』の一点張りだったが。
逃げ込む場所もなく、知人も見当たらず―――そも、こんな面倒事に巻き込んでも
気にならないような知人など皆無であったが―――こちらに視線を送る男性の傍を通り過ぎるように、歩く。
仕事中のトラブルならフォローしてくれる同僚もいるが、個人的ないざこざに他人を巻き込むわけにはいかない。
女はそのまま男を引き連れ、どこかに姿を消すことになる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からオデットさんが去りました。
エレイ > 女性は男の脇を通り過ぎていった。
まあ、それも当然といえば当然か。

だがまあ、だからと言って何もせず放っておくわけにもいくまい。

同じく目の前を通り過ぎていこうとする男の足に、横からすぱんと軽く足払いをしてすっ転ばせておいた。
これで女性逃げる時間が稼げればいいが。

その後の出来事は、特に語るまでもないことで──。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 服屋」にボブさんが現れました。
ボブ > (ほどほど安くて、品揃えも豊富だと評判の服屋にやって来た男。
男と同じ思惑であろう人たちも結構来ていて、特に若い女性や子供用の服を買いにきた奥様関係が多い事に気付いて)

「う~ん? 結構汚れ物が多いから替えの服を買いに来たが、ちょっとこれはアウェー感がハンパじゃないな」

(一人暮らしの男…もちろん洗濯や繕い物もちゃんとはしているが、替えの服を持っておいた事に越した事はないのだが、
今の店内の様子に少し気おされて、店の入り口付近で佇んでいる状態であって……)