2017/09/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にガートルードさんが現れました。
■ガートルード > 茜差す夕暮れにはまだ少し猶予を残した昼下がり。
こんな午後を優雅に過ごす方々もいるだろうけれど、修道女と言うのは存外忙しい。
「忘れておりました…!は、はい、急いでまいります!」
そう言えばシーツを取り込んだのかと聞かれれば、あっと短く声を上げて飛び上がった娘。
皆同じに修道服を纏う中でも、どこか危なっかしい様子。
院長様に言われれば慌てて駆け出そうとして、足元のバケツを引っ繰り返した。
ゲルダ!と雷が、ひとつ。
「あ、あ、あ…も、申し訳ありません!あの、その…あ、はい、シーツを先に取り込んでまいります!」
傍らの修道女がここは良いから、と溜息混じりに助け舟。
それでようやく、まろびながら修道院の庭へと駆け出して。
心地が付いたのは、路地に面してシーツを揺らす庭に着いてから。
■ガートルード > 「また怒られてしまいました…。」
当然、吐息も沈んでしまう。かくん、と頭を傾けて編み上げブーツの爪先を見つめた。
「今日こそは、院長様に怒られるのは三回以内にできると思いましたのに…。」
午後に入ったばかりで、すでに朝から三回目。
昼を越えたばかりでこれだから、きっと今日も目標は達成できないに違いない。
今日こそは、今日こそはと朝のお祈りの後毎日誓っているのに。
そんな風に気を散らしてばかりいるから…清潔に洗われた真白いシーツがその手をするりとすり抜ける。
「あっ…!お、お待ちくださいませ…!」
思わず顔をさっと青褪めて、慌てて手を伸ばしたものの… まるでからかうように指先を掠めて白布は風に舞い上がり。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシドさんが現れました。
■シド > 袖振り違う度、慇懃に腰深く折るお辞儀をしてみせる平民達。
馬上よりにっこりと唇弓描いて笑い、やんわりと押し止めさせる。
巡回の為でも人々の畏怖を求めてきたのではない。
秋混じる昼のさやかな街の大気が心地好く、其処に呼び出されただけのこと。
強き風が長い銀髪をなびかせ街を彩りを添えるに後ろ手で流し。
ふと仰ぐ空に見るは白いシーツの彩り……
ゆっくりと伸ばす掌がそれを摘んで。
「どこから飛んできた?」
葡萄色の眸を彷徨わせて主を探す。
■ガートルード > 実際には先のお小言でふたつ 怒られてしまったのだから、今日は到底目標を達成できそうにない。
そんな風に気を散らしてばかりだから、また お小言の種を蒔いてしまった。
これを立派に芽吹かせてしまったら、今度こそおおきな雷が落ちてしまう。
本当は肩をふるりと震わせたかったけれど、今はそれどころではなくて。
庭の木戸を押し開け、転けつまろびつ、危なっかしい足取りで追い掛ける。
必死のあまり、視線はシーツにばかり奪われていたものだから
…町行く人々が挙って敬愛を表そうと腰を折る存在に気付けない。
間抜けな追いかけっこの終点は、柔らかく伸ばされた手がシーツを掴んだところ。
あんなに娘の手には大人しく捕まらなかったそれがあっさりと優雅な所作で留められれば、
勿論、慌てて駆けたつま先はそう簡単には止まれない。
たた、と足音を弾いて 無礼にも長い銀の髪を風に遊ばせる方の御前へと飛び出して。
人々が何てことを、と息を飲んだのは分かったけれど …もう遅い。
「あ、あ、あの…も、申し訳御座いません。わ、わたくしが、その、つい…」
取り込み損ねて、と。消え入るような声で申し上げては、街の人々と同じように、頭を深々と垂れた。
■シド > 周囲の異様に目もくれず駆け出す姿に思わず瞬きを繰り返す。
衆目の動揺とは別のもの。
やがてそのシスターの瞳に周囲の状況が見えて……遅くも礼儀を取り計らうのに。
取り繕う笑みにほんの少し心からのものが溢れて。
「フフ…… シスター。髪乱れるほど走ってくるとはよほど大切なシーツとみた。
信者と同じく手放さないように抱きしめてやったらどうだ?」
音も立てず鐙より降りてそっと真白の其れを手渡した。
■ガートルード > どれほど世間知らずの修道女だからと言って、目の前のお方がどんな御立場にあるかくらいは見当が付く。
少し離れてこちらを見ている街の人たちの表情だったり、伴う馬の毛並みがどんなに見事であったり…
何より、今までお逢いしたどなた様とも違う 貴い空気を纏ってらっしゃる。
とんでもない事をしてしまったのだわ、と心の中でばかり呟けば 思わず、さあっと白い顔から血の気が引いた。
修道服の裾を絡げて、深く頭を垂れて謝辞を示したけれど …不安で心臓が早鐘を打った。
そう言えば、前に修道院に出入りの 牛乳売りのおじさまから聞いたことがある。
貴いお方に失礼があったらそれはもう 無事ではいられない、と。
おじさまのいとこは貴族様に粗相をしたせいで、海の向こうの九頭龍山脈に追いやられ ずっと鉱物を掘り続けているのだと。
…本当のところは牛乳売りの老父が修道女をからかっただけなのだけれど。
けれども、修道女にはもちろん それが嘘であっただなんて知る術がなく。
「あ…、ええと、…はい。その、修道院の物には限りが御座いますので…ひとつひとつを大事にせよと、院長様が。」
怯えと不安を抱えたままに、そっと会釈の中で眼前のお方を伺い見れば …零れた笑みに驚いて。
降った言葉の響きは柔らかく、まだ残りはするものの 修道女の胸の強張りをゆるく溶かして。
音も無く馬上より降り立つ姿を見ては、慌てるように再び頭を下げて …それからシーツをそっと受け取った。
「あの…申し訳御座いません。…本当に、ありがとうございます。巡回の…途中でいらっしゃったのでは…?」
これは、周囲の人々の様子から推し量っただけで。街の人々がよく存じ上げるお方の様にお見受けしたから …その道行きのお邪魔をしてしまったのではないかと。
■シド > 修道女の心理も知る由もない。受けとった後で嘶く馬の、栗色の毛並みをそっと撫でながら清聴するのみ。
「物を大切にするのは良いことだ。王宮の官達にも是非説いてやってほしい。
……が、そう謝ることでもないだろう?粗相をしたと焦ってるのか?」
馬耳ゆるりと撫ぜて初めて真正面で彼女を見る。
自然、その掌が己がイヤリングに触れ。凛、と澄んだ音を奏でた。
「巡回ならば伴をひくさ。今日は秋風が心地よいからな。
少しばかり街並みを見てみたくなっただけのこと。
……さて美しきシスター。よろしければお茶の一杯でも馳走してくれないか。
涼しくとも日差しが強くて喉が乾いてしまった。」
酷くゆっくりと伸びる掌、避けられるだけの速度をもって蜂蜜色の毛並みにそろり、と触れようとした。
■ガートルード > てっきり厳しい叱責を受けるものだとばかり思っていたから、目の前のお方のなさる事には随分と驚いて。
想像の中ばかりに住んでいた貴族の方々、と言うのとは 随分違うのだわ、とペパミントグリーンの瞳をまあるく見開いてから瞬かせる。
「ええと…、…は、…はい。わたくし、その…そそっかしくて、粗相ばかりしてしまうものですから。院長様にもよくお叱りを受けるのです。」
耳飾りが涼やかに歌えば、自然とつられるように視線はそちらへと上げられて。
続けられた言葉に はっとするように再び一対の葡萄の色を見上げる。
「あ…さ、左様で御座いますか。わたくし、あまり…世間という物を恥ずかしながら存じておりませんもので…。」
伴を、と言う言葉に 周囲の誰かが頷いたのが分かった。
己の物知らずに思わず、染まりそうになった頬を白い布で覆うように隠して。
「えっ…、そ、そんな…美しいなど…あ、ええと、はい、お茶を…、」
きっと言葉遊びに過ぎないのに、この修道女への刺激には充分で。
目の前のお方の、普段まわりに居られるような貴婦人達は きっと優雅に微笑んで返すだろうに
…この娘にはこれが精一杯だ。
お茶をご招待するのに、高貴なお方を修道院になどお連れして良いものかと頭を悩ませかけたところ、
「…っ!」
ゆっくりと伸ばされた指先に気付いて、思わず身を引きかけて …それが無礼に当たってしまうやもと思えば、
それ以上には動けない。
緩く波打ったそれに触れられれば、いよいよ頬を染める色は隠しきれなくて。
せめて、と言うようにシーツでその口許を隠しては 身を強張らせる。
■シド > 紡がれる言葉はどれも慇懃で敬意を払ったもの。
なれど辟易露わに眉を下げて手遊びに髪糸を指に搦める。
「そんなに畏まっていたら疲れないか?
約束するよ。悪意のない言葉以外では貴族の権限を使わないと。
……もしかして、どこに誘うか迷ってるのかい?
こういう時は自分の家が妥当だと思うな。
私も、シスターの私生活に興味がある。」
語りながらも指は動く。眺める瞳は恥じらいを舐るように。
さらさら、と掌にこぼれ落ちる感触に長い睫毛をしばたかせる。
「綺麗な髪だ。私も長髪だから分かるが手入れが大変。
シスターとしての務めを果たしながらも美容にも手入れが言っている。
君はしっかりした人だ。 …ええっと?」
漸く髪から離れた掌を胸板に寄せて下げる頭、銀髪を滝の如く流れた。
「紹介がまだだった。私の名前はシド。お名前を教えてくれるかなシスター?」
■ガートルード > さらりと滑り落ちて指先を滑った髪は、自身の肩を撫ぜて 落ちる。
詰まらせていた吐息を、ここでようやく吐き出して。
「お…御戯れはお止めくださいませ…!」
耳まで羞恥に染め上げれば、すこうしだけ恨めしそうに 目の前の優しいお方を見上げて。
賜る美辞だって、優雅な指先に触れられた栄誉だって、このお方に想いを寄せる貴婦人達からすれば、
溜息が出るほどに羨ましがられる出来事だろうに。
優雅に振舞うことも、鮮やかに笑うことも出来ない落ち零れは、へどもどと落ち着かずに 頬を薄紅に染めるばかり。
「…で、ですが…」
元々、物言いは常からこの様なものであるとは言え 目の前のお方の心遣いを感じれば、ほんのすこし、肩の力が抜けた。
問い掛けに素直に頷けば、背から髪が零れる。シーツを持った手で、慌てて押えて。
そこに聞く、長い髪の手入れの話。
…本当に、 本当に不敬だとは思ったけれど …思わず、小さく笑みを咲かせてしまう。
「…わたくしより、余程、貴方様のほうがお美しく感じられますわ。きっと周りのお方も羨ましく思っていらっしゃる筈です。」
微笑めば、やっぱりすこしだけ …このお方の心遣いのおかげで、心が解れたように思う。
名乗りを先に戴いてしまって、背を一度ぴん と正しはしたけれど。
「わたくし、ガートルード・クラークと申します。皆様からはゲルダと…お見知りおき戴けましたら、幸いです、シド様。」
正した背はまっすぐに、一度きちんとした礼を取って。
絡げたスカートの裾を払えば、先に立ってご案内しようと。…シーツは飛ばないように、しっかりと捕まえて。
「まぁ。…わたくしの私生活なんて、あまり面白いものではありませんわ。…お越しになってから、退屈だなんて仰らないでくださいませね。」
■シド > 「戯れを忘れたら退屈で死んでしまうよ……
いや、失敬。君が美人といったのが戯れという意味でも無し。
神に仕えるものに戯言も禁句だったな。
……だが、そうやって柔らかく微笑む顔は実に良いよ。
ゲルダ。」
名を小さく呟きて漸く顔をあげる。首筋にかかる髪房を後ろに払う掌は。
照れくさそうに髪を掻く。
「喜んでいいのか。悪いのか。美しいと言われるより男らしい。
と頼られる方が好ましいな。
……退屈だったら、そうだ。ゲルダに何か一芸でもして貰おうか。
ほら、乗って。今度はシーツを落とさないように確りと持ってからな。」
身を翻し鞍に腰を預ければ手を伸ばす。そして軽々と愛馬の後ろに跨がらせて進もう。
夏日当てられ幾ばくか色褪せた石畳、ゆっくりとした馬蹄の音を響かせながら。
件の彼女の家へと2人と1頭は進む。
■ガートルード > 麗句を重ねられれば、慣れないことにまた羞恥の心が込み上げて。
修道院で日々暮らせば、戯れを欠いては成り立たぬ世界とは無縁であるから。
「も、もう…そんな風に仰られては…、その、わたくしどうしたら良いか…。」
ありがとう、と貴婦人然と微笑み返せれば良かったのに、と …修道院育ちを恥じたことは無いけれど、
今この時ばかりは世間離れをすこうし恨めしく思った。
ただ、先のそれとは違うのは …呼ばわれた名を嬉しく思ったからで。
艶やかに、とはとてもいかないけれど ほんのりと微笑んだ。
「ふふっ…殿方さまは複雑でいらっしゃいますね。そんなことを仰ったら、ご婦人方から嫉妬されてしまいますわ。
…まぁ。わ、わたくし、聖歌くらいしか…その…何か特技が…」
あったかしら?
一芸を、と言われれば、生真面目に眉根を寄せて …そこに差し出された手。
躊躇ってから …そっと、掴もうと。
まるで舞い上がるように馬上へと連れられれば、小さく悲鳴を上げて。
まるで夢見るような道行きに、街の娘達からの視線がすこしだけ痛くて。
修道院に着いたら、きっと 見知りの修道女たちが目をまるくするのに違いない。
そんな事を考えて …少しだけ、また修道女は微笑むのだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からガートルードさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に火棘さんが現れました。
■火棘 > 今日は食料品の買い物に出てきたとこ、不思議と大きめのトートバックはかるく膨らんでるけど
中はいくらでも入っていく、野菜や調味料など
本来なら重たいはずなのに、涼しげな顔をして
市場を歩き、気になるテントをみつけては脚をとめて店主とやりとりしては
少し安くしれもらえたり、オマケをしてもらえたり
得なることなら、と…特に気にもしないで、人の中に混じりながら歩いてて
■火棘 > また別のテントをくぐれば
香辛料のお店らしくスパイスが混ざり合う匂いがしてる
適当に小瓶をいくつか手にとって代金を支払って、カバンの中に入れて、街を歩き疲れたか
通りに転々と置かれてあるベンチに腰を下ろす
かるく脚を組んだまま息をついて
あとは何が必要か、頭の中で考えてたけど
ほとんどは揃ったはず、買い物も終えれば行き交うヒトを眺めてる
人間や魔族やミレーなど混ざりながら賑わってる様子を見てて
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から火棘さんが去りました。