2017/08/21 のログ
ティネ > 面白い誰かとの出会いを期待していたのだけど、
特にそういうこともなかったので、
ティネは人々の頭を飛び移りながらどこかへと消えてしまう。
これもまあいつものことだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/通り」からティネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場兼カジノ」にシュカさんが現れました。
シュカ > 平民地区にも、カジノを併設した酒場がある。
冒険者ギルドにもほど近く、冒険者たちの中には、その日稼いだ日銭を持って、このカジノで夢を見る者も少なくない。
少ない元手でも勝てば還りは多いが、負けた場合は…暫くオモテの世界では顔を見なくなるだろう。

「………―――あぁっ、くそっ!」

で、そのカジノで、また一人カモが生まれていた。
苦々しくポーカー台に札を投げ出し、同じくポーカー台を囲んでいた男たちから揶揄と野次が飛ぶ。
勝ち越しているのは、そのチップの数で解る。
片や己は…ゼロ。ものの見事にきれいさっぱりカモられたのである。

野次の中に混じる、売り言葉に買い言葉、酒が入っていることも手伝って、思わず男の胸ぐらをつかんだが、
同時に掛けてきた用心棒だか、警備員だか、とにかく慌ただしく男が2人走ってきて、背後から止めるから、
その段になって、突き飛ばすように男を離したが、当然ここで暴れる一歩前、までやれば、身に起こることは一つ。

そのまま、二人の男に摘まみだされるように、店の外へと押し出されるのがオチ、という典型的な状況が待っていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場兼カジノ」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > そのカジノに程近い冒険者ギルドで、依頼料を受け取って懐が温まった小柄な男が一人、鼻歌混じりでカジノの前に通りかかったところ……ぺいっ、とカジノから摘み出される男を目にして、思わずそちらを見る。

「おぉぅ……ほんとにあるんだな、あぁ言うの。」

賭場で騒ぎを起こして摘み出される……話としては良く聞く話だが、実際に目にするかとなると中々そんな場面に出くわさない。普段から賭け事をしなければ尚更に……となると、そんな奴本当に居たんだな、なぞと思いながらもついまじまじと押し出された男の方を見つめてしまったりして。

シュカ > 「つーか…っ、いー加減放せっ!」

腕を掴まれ、無理やり歩かされるような状況に、いら立ちを隠せず、腕を振り払うようにもがくが、
そんなことをせずとも、男たちは、やや乱暴に背を突き飛ばすみたいにして店の外へと追い出す。

危うく、通りから店に続く階段を落ちそうになったが、どうにかバランスを取り、クソが、などと悪態ついて、
店を後にしようと通りへと視線を馳せると、こちらを見ている人物が視界に入る。

「…なんだよ、見世物じゃねぇっての」

酒も入っているし、少々語気も荒い。
しかも、こちらへと向けられる視線が、実に好奇…に映ったから、苛立ち倍増、という状況で半ば八つ当たり。

ハーティリア > 「おっ……と。」

店と通りとを区切るような階段でバランスを崩した彼に一瞬ギョッとしたが、自力で体勢を立て直したらしくゆるく息を吐く。まあ当然、こちらがまじまじと見つめていれば相手とふとした拍子に目が合うわけで……語気も荒く声を飛ばされると、へらりと、緩い笑みを相手に返し。

「ははっ、悪いねぇ兄さん。話には聞くけど中々見ない光景だから、つい眺めちまったわぁ。」

ケラリと、軽く笑いながら理由なぞ隠しもせずに軽い謝罪とともに言葉を返して。

シュカ > 「はぁ?」

返された言葉に、思わずそんな声が。
どうやら本当に見世物になっていたらしい状況を理解すると、深いため息を一つ。
ついでに言えば、相手の表情を見れば、声を荒げる気も削がれた。

ずいぶんと酒が回って、カジノでスッた苛立つ意識を覚醒させようとするように、
もう一度ゆっくり、深く息を吐く。

「で、あんた、今からここに繰り出すわけか?」

先ほどまでの語気は落ち着いて、通常の会話程度、はできるようになったのか、
己の背後を示すように、肩越しに見遣って、ひょい、と顎で示す。
外観は何の変哲もないただの酒場だが、この辺りを知る者なら、カジノが併設されていることぐらいは既知の事実だろう。

ハーティリア > 「いやほら、店を摘み出されたとか……酒の肴に良く聞く話だけど、実際に目にするかとなると、ねぇだろ?結構。」

だからつい、な……と小さく笑みを零しつつ、小柄だが柔らかそうな体躯の男がひらひらと手を振って聞かれてもいない詳細をペラペラと喋りながらも、会話を始めたためか……自分からゆらりと彼に近付いて行く。

「いんや、店の前を通りかかっただけよ。まあ、泡銭で遊ぶくらいはしても良いかもだが……おじさん打つよりは買う……買わせる?方が好きだからぁ。 (サマの応酬になってもなぁ。)」 

「店」で遊ぶのかと問われると、苦笑いしながら首も手も左右に振って否を示し。最後の最後にポツリと口の中、ものすごく小声で何か呟いたが外には微かに響いただけで。

シュカ > 「ふぅん。…まぁ、外に出されるぐらいなら、今日はツイてる方さ。
下手すりゃ…暫くは碌でもねぇ仕事を引き受けなきゃならんからな。
あんたも気を付けたほうがいいぜ」

負ければ、その債務を払うために、場合によってはバフート直行、なんてこともあり得る。
となれば、今日は摘まみだされただけでもいいのだろう。
大げさに首を竦めてみせてから、これからここに繰り出すであろう男に一応の忠告めいた言葉。

「なんだ、ここに繰り出すんじゃねぇのか。…ま、そいつは賢明かもな。
はぁ、買わせる…って、あんた、へぇ」

どうやら、先ほどの忠告は意味がないようであったが、それが真っ当な人間なら、最善の選択だろう。
納得したように頷いたのち、不躾ながら相手を眺める。
ふぅん、と値踏みでもするみたいな、酒が入っているからの無礼さも手伝って、言葉の意味は十分理解したうえでの言動。

ハーティリア > 「ふはは、確かにそうだろうなぁ……俺の地元でも良くあったわ、そういうの。 そうさな、何が原因でそうなるか分からねぇんだ、せいぜい気をつけるさな。」

こくりと、相手の忠告めいたそれに笑顔で頷き、心配してくれてありがとうな、なんて言葉を交えつつ。

「ここの種銭にするより、錬金術の材料費にして、薬売った方が確実に儲かるからなぁ。絶対ではねぇけど。」

調合に失敗するか、ジャックポットをドカンと当てるかされたらまあ、流石に無理だし……と1割を余裕で割り込む確率の話をしながらも……値踏みをするような視線に、愛嬌のある顔が、愉しげな笑みを浮かべて返す。
小柄だが、着崩したワイシャツやスラックスの下からむっちりと、抱き心地の良さそうな、適度に脂の乗った体躯の線を浮かせた男からは、ふわりと……甘い香りがする。嗅ぐと頭の奥がジンと痺れて蕩けるような、淫魔の匂いが男の一挙手一投足に混じるが、風向きや彼が嗜んだ酒の匂いが邪魔をする事もあるだろう。)

シュカ > 礼を言われると、まーなー、と相槌を打ってから、

「カモがカモを作るわけにもいかんだろ。それに、俺から金を巻き上げたンだから、それ以上儲けさせる必要もねぇし」

背後の店を見遣り、舌打ち一つ。
忠告した理由は、後者の意味も含んでいたから、店に対しては営業妨害も甚だしいが。

「へぇ。あんた、そういうのが使えるのか。そいつは賢い上に堅実と来てる。
まぁ、俺みたいに日銭稼いで、飲む・打つ・買う、の自堕落的な生活と違って、利口だな」

口は悪いが、結構真面目に褒めている、つもり。
軽く腕を組み、真っ当な生活を送っているらしい相手を眺め、えらいえらい、などと上から目線な呟きも。

「ついでに、忠告をも一つ」

腕を解き、突っ立ったままの階段を下り、相手と同じ通りへ出る。
それから、相手を軽く見下ろす恰好になると、

「平民地区っつったって、この辺は、俺みたいな碌でもねぇのが多いからな。
十分気を付けるこった」

に、と口許に笑みを乗せれば、八重歯が覗くも少々意地の悪い悪人面が浮かぶ。
言っていることは、忠告、ではあるし、平民地区でもこの辺りはゴロツキだって多いのも事実。

その忠告を一つ残し、ひら、と手を上げては、気ぃつけろよ~、などと赤毛の酔っ払いは、のらりくらりと通りを歩み出して………。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場兼カジノ」からシュカさんが去りました。
ハーティリア > 「ははっ、なるほどなぁ……これでも魔術師の端くれなんでねぇ。まあ本業は花売りだけどな。」

上から目線の賞賛、のような何かにどうもどうも、なんて軽いノリで返していると……いつの間にか詰められていた距離と、悪人のような笑みに、こちらもニィッと笑みを浮かべれば。

「おじさん、自分なロクな奴だって言った覚えもねぇけどなーぁ?……まあ、ありがとさんよ。」

ククッ、と再びの忠告に礼を告げながらも、のらくらと通りを去っていく赤毛を見送れば……鼻歌混じりに彼とは逆の道を歩いて去っていき……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場兼カジノ」からハーティリアさんが去りました。