2017/08/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にスコルさんが現れました。
スコル > (冒険者ギルドへ請けていた薬草採取の仕事を終わらせ
て、泊まっている宿屋への帰り道の途中。小さくため息
を零して綺麗な夜空を見上げて)

「こんなって言ったらいけないけど…これじゃあ、あんまり
お金にならないなぁ…もっと僕が強かったらもっとお仕事も
選べるんだけど…弱いからなぁ、僕…」

(まともな武器も入手できないような稼ぎ。どうにか安い
宿屋に泊り日々の生活を送れるくらいの稼ぎを得ているも
のの、少しでも怪我をして動けなくなったら、直ぐに立ち
いかなくなるような生活。どうしたら強くなれるのか、ど
うしたらもっと稼げるようになるのか、と)

スコル > (夜空を見上げていた顔を前に向けて。
なるべく路地裏の端に座りこんでいる人達には視線を向け
ないように気を付けながら、また歩きだして)

「ここも、一番治安の悪いところに比べたらまだ治安がいい
方だけど…やっぱりちょっと怖いかな。
こんなことで怖がってるから、強くなれないのかも知れない
けど…でも、怖い、かな」

(最初の怖いは綺麗とはいいかねるような服を着て座りこん
でいる浮浪者達に襲われるのではないかという怖さ。
流石に木製とはいえ武装している人間を襲うほどの根性はな
いらしく絡まれはしなくて。
そして次の怖いはいつ自分も彼らのような立場になってしま
うかという怖さ。
孤児院を出て仕送りをするどころか、彼らの仲間入りをして
しまうようになってしまうのではないかと怖くなる)

スコル > 「早く帰って寝ないと、また明日も採取に行かないと
いけないし…疲れたままだと危ないもんね」

(近い場所での薬草採取とはいえ魔物が出ることもあって。
勝てそうにない魔物が出てきたら逃げるしかないから。
疲れていては逃げることも叶わない。
早く戻って寝よう、そう呟いて宿屋に戻って行った)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からスコルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にライムウェルさんが現れました。
ライムウェル > 「さぁさぁ道行くお嬢様、奥方様!もしも宜しければ一時、私のお声に耳を傾けて下さいませ。
 私は今、ご一緒に仕事をしてくれる方を募集しております…!あぁ女性限定です故、男性の方は申し訳なくもお耳汚しとなってしまいます事、ご容赦下さい。
 ともあれ、ともあれ…!何方か、一緒に皆の笑顔を作る素晴らしい仕事をしてみませんか?
 拘束時間は半日程度―――と、延長については要相談では御座いますが。無論、報酬もご満足いただけるだけのものをご用意する所存!
 明るく、楽しく、皆さまの笑顔を作れる素晴らしいお仕事です!どうか、どうかお優しいご婦人方が居られましたら是非にとも…!」

平民地区の広場の一角にて、興行師――最早、路上の芸人染みた格好に近いが――が良く通る声で周囲へと喧伝していた。
曰く『明るく楽しい』『日雇い。拘束時間は応相談』『充実感を得られる仕事です』と単語を抜き取っても非常に胡散臭い内容である。
にこにこと覗く口元は緩やかな笑みを形取り、その風体から遠巻きに見ている人が殆どだった。

「さぁさ、そこのお嬢様!一歩を、一歩を踏み出してみませんか?
 当方、様々な実績が御座いますれば、ご指導も完璧にこなしてみせますとも。
 故に!御心配には及びません。やる気とお優しいお心が御座いましたら身一つで来て頂ければ結構なのです!」

そんな心の距離感などお構いなしに。
とてもとても素晴らしいお仕事なのだと、布教の如き心の籠った言葉を贈る。
強い日差しが降り注ぎ、その場に居るのも少しばかり辛い状況下であるにも拘わらず、その男の姿はやる気に満ち満ちていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエナーシアさんが現れました。
エナーシア > 「不審な勧誘があると苦情があったのだが、元凶はお前か?」

通報という程でもないが、待機中そのような話しを耳にし最低限の武器を持つと仕事用のマイクロビキニに着替えて現場に赴いた。
それらしい姿を見つけるのは簡単だった。
妙な風体の男が勧誘をしている姿は目立つし、あらゆる面で確かに怪しい。

「ふむ……、このご時世に随分と景気の良い事だ。そういう事なら一つ私を雇ってくれないか?」

見るからに怪しいが今のところ犯罪性はない。
一応は騎士なので不審者を捕らえる権限もなくはないのだが、やはり怪しいだけで強権を振るうのは気が進まない。
丁度女性を募集しているようだし、ここは私が直々に調査するのが得策というものだろう。

ライムウェル > そうして熱弁を振るっていると、後はお決まりの様に通報だ。
しかして本日は、その相手の様相が何時もとは違っていた。
故に気付くのが遅れたともいえる。

「はい!いいえ、そんな恐れ多い…!不振だ等と、とてもとても……はて?」

その物言いは騎士のそれだったが、格好が、マイクロビキニなのだ。
珍しい事に口が止まり、小首を傾げて相手の姿を見つめてしまう。
果たして何者なのだろうかと考えるその時間は、相手の次の言葉で直ぐに脇へと退けられた。

「おお、そうですか、そうですか…!それは非常に嬉しいお申し出で御座います。
 しからば詳しいお話をしたいと思います故、お時間を少々宜しいでしょうか?」

お仕事をしてくれるというならばそれが優先されるに決まっている。
揉み手をせんばかりの勢いで謙り、恭しく頭を下げた後に移動を提案するのだった。

「皆さま!有り難くもお仕事をして下さる方、見つかりまして御座います!
 またお声かける時分があるかと存じますが、その際は是非に宜しくお願い致します―――さぁさ、それでは参りましょうか。」

風体だけ見れば、明らかに周囲から浮いている、2人。
呆気にとられた様に見られている気がしないでもないが、それは置いておこう。
改めて相手に声をかけると、道中に自己紹介をしながら、落ち着ける場所へと移動を開始。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からライムウェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエナーシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にシュカさんが現れました。
シュカ > 平民地区にある冒険者ギルドは、夕刻間近でも賑わっていて、冒険者やら傭兵やらさまざまな人々が行き来している。
ギルドに併設された訓練所は、ギルドに登録さえしていれば誰でも自由に利用できたし、
PTを組む前に実力を測るために利用する者も居れば、単なる鍛練を積むための者もいた。

そのだだっ広い室内にて、赤毛の男は木製の両刃剣を手に、少しばかり息を弾ませており、
滴る汗が顎先から伝い落ちて、剥き出しの地面に落ちていた。

「…こいつはどーにも…。“飲む・打つ・買う”の生活に浸りすぎてた証拠だな、これは」

は、と短く息を吐いてから、汗をぬぐい、ちょうど手合せの相手をしてくれたまだ年若い少年冒険者の方へ歩み、手を差し伸べる。
聊か力任せに木製剣を凪ぐと、細身の少年はすっ飛んで尻もちをついたところだった。

「お疲れさん。俺のツケで酒でも飲んでいーぜ」

手を掴んで起こし、なかなか太っ腹なことを口にすると、少年は破顔して一礼を残して訓練所を出て行った。

ゆると辺りを見渡し、目ぼしい相手がいないかと視線が彷徨う。

「…つっても、この有様じゃ、負けは確定かな」

いまだに息が上がっている。
このところ遊び過ぎていたし、散財もしていたから、少々真面目に金策を、と思い立って、ギルドへとやってきた。
久々に手合せを、と思ってみたものの、どうということはない、息は上がるし、木製の両刃剣ではあったが、それさえ今は少し重い。

シュカ > 「ダメだな、こりゃ」

手が、少しばかり痺れる。
慣れない両刃の剣は模造とはいえ重くもあり。
苦く笑って、無造作に剣を立て掛けていた場所へとしまうと、ふぅ、と一つ息を吐いてから汗をぬぐい。

命の水クダサイ、とかなんとか言いながら、一旦ギルドを後にして…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からシュカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にレヴィさんが現れました。
レヴィ > 人通りの少なくなった大通りから一つ脇にそれた路地裏。
通りから少し覗き込めば見える場所で壁に背を預け通りを眺める。

視線の先ではいかにも成金と言った風貌の貴族のお坊ちゃまが通行人の若い少女や女性に声をかけているのが見えて。

「あんなのの護衛だなんて聞いてないッスよ。騙されたッス……」

街を出歩くお坊ちゃんを付かず離れずに見守り護衛をするという仕事。
楽そうだと思い受けたまでは良かった、しかし蓋を開ければどう見ても馬鹿丸だしなお坊ちゃんの護衛。
もう何度目かのナンパをしては振られるという光景を目にするがめげずに声をかけていく姿に溜息しか出ず。
この仕事はまだ続くのかと思えば面倒にしか思えない。
しかし契約なだけに放置も出来ずに如何にもやる気がありませんオーラ全開で通りを眺める。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にロズワールさんが現れました。
ロズワール > 「まさか、あんなに売れるとは...、次の発注の時、今日の倍は仕入れないと駄目だなぁ...」

先日仕入れた魔道具はたった数時間で完売。
今日もロズワール魔道具店は繁盛した。
白髪の少女は早めに店を切り上げ、夕食の買い出しをしに大通りに足を運ばせていた。
相変わらず、賑わっている大通りであらかた食材を買い込めば、自宅への近道である路地裏へと足を踏み入れる。

この通りはあまり治安がいいとは言えず、地元の平民たちですらこの道を避ける。
しかし、今日はどうやら人の影もあるらしい。

自宅の方へまっすぐ、細い道を歩いていくと貴族風の男性がここを通る女性に声をかけていた。
平民地区ではあまり見慣れない服装に疑問を持つも、気にすることなく男の前を通り過ぎていく。

しかし、今度はイリヤ自身がその男に声を掛けられてしまった。

「お...、えっと、何か用かな?」

自身に声をかけてきた男に首をかしげながら笑みを見せる。
所謂ナンパというやつか。
この街に住んでから何度かされているため、そこまでの恐怖心は覚えず、いつものようににっこりと笑いかける。

レヴィ > いい加減諦めれば仕事も終わるのに…。
何人もの女性に袖にされてもめげずにナンパを続ける護衛対象の姿に呆れるしかなく。

また一人に振られそろそろ諦めると思った矢先にはまた別の女性に声をかけている。
ただ今までと違うのはその声をかけられた女性は足を止めてお坊ちゃんに話しかけている様子。

「あー…これはもしかするッス?」

何事もなく振られるかナンパ成功ならばよいが、立ち止まったことに勘違いをしたお坊ちゃんが勘違いをしないか。
もしすれば止めねばならなくなると壁から背を放し、何かあればすぐに飛び出せるように二人の様子に注意をして見守る。

ロズワール > 「え...、ちょ、何かな...っ、痛い、よ...」

若い男が何やら軽い言葉のノリでイリヤを口説こうとしていたが、イリヤはただただ笑いながら男の誘いを全てスルーしていた。
しかし、男に急に手首をつかまれると、動揺し始め、大した力で掴まれたわけでもないのに不思議と手首が痛み出す。

「は、離して...、やめてっ......」

徐々に呼吸が荒くなり、過去のトラウマがフラッシュバックする感覚に陥る。
そんなイリヤの姿に男も動揺し始め、イリヤの手首を離すが、時すでに遅く、イリヤはいつもは絶対に見せないような恐怖に染まった表情で男をにらんでいた。

レヴィ > 「やったッスね…あのお坊ちゃんは……」

様子を伺っていれば色々と言葉巧みに話しかけては女性にスルーされている様子。
これは大丈夫そうと油断をした所にスルーされていたと気が付かないお坊ちゃんが脈ありと勘違いをしたのか掴みかかっている姿が見えて。

「そこまでッスよ。お坊ちゃんのやんちゃは終わりッス。
さっさと帰らないと今日は牢屋ッスよ」

女性の様子が変わった事に慌てだしたお坊ちゃんから女性をかばう様に間に割って入り。
女性の様子を伺えば恐怖に染まりながらもにらんでいる様子。
これは面倒事になると急かすようにお坊ちゃんをこの場から追い払う。

「アレに絡まれて災難だったッスね。大丈夫ッスか?」

お坊ちゃんがこの場から離れれば他の護衛が捕まえ屋敷まで連行をするはず。
それを今は信じて女性に大丈夫かと声をかけて。

ロズワール > 「っ、は、はぁ...は、ぁ...」

男を見る瞳には殺意や憎しみなどの感情も混じっていただろう。
目の前に割って入った少女のおかげで、踏みとどまることができた。
彼女が来なければ今頃...

恐怖から、身体が震え、立っていることもままならずヘタリと地面に倒れこむ。
呼吸は安定せず、肩で何度も激しい呼吸を繰り返し、苦しそうにせき込んでいた。

暫くして、少し落ち着けば顔を見上げ、震える体を両手で抱きながら小さく「ありがとう...」と、目の前の少女に告げる。

レヴィ > 「間に合ってよかったッス」

女性の瞳に交じる感情は近くで見ればはっきりとわかる負の感情。
もし割り込んでいなければあのお坊ちゃんは女性を介抱の名でどこかに連れ込み
そして殺されていたと思えばまさに危機一髪だったと。

地面に倒れ込み激しい呼吸を繰り返しせき込む傍にと屈み、少しでも落ち着けるように背を撫でて。

女性の言葉に首を左右に振り気にしなくていいと笑い、立てると問う様に片手を伸ばして。

ロズワール > 「はぁ...大分落ち着いたよ、ありがとね...」

少女が背を摩ってくれたおかげで落ち着いたのか、うっすら涙が浮かぶ瞳を少女に向け、弱々しく微笑む。
手や足の震えは未だに収まることはないが、過呼吸は収まったようで、少女の差し出した手を握れば、ふらふらとした足取りで立ち上がる。

「...、助けてくれてありがとう」

自身を助けてくれた少女に感謝を込め、深々と頭を下げる。
滅多に人に弱さを見せることなどしないイリヤにとって戸惑いを隠しきれない様子。

レヴィ > 「気にしなくていいッスよ。災難だったッスね」

もっと早くお坊ちゃんを強制的にでも連れて帰っておけば起きなかったこと。
それを考えればお礼を言われる立場でもなく首を横にと振り。

荒かった呼吸も収まり差し出した手を握られ、立ち上がりやすいように軽く引き。

「少し間に合ってなかったッスよ」

深々と頭を下げる女性に本当に気にしないでいいと手を振り慌て。
何やら戸惑っている様子にまだ不安なのだろうかと見て。

ロズワール > 「私...男の人に触られるといつもああだから、ほんとに助けてくれてありがと...」

いつもの元気な笑顔を見せる余裕すらないのか、イリヤの華奢な体は小刻みに震えている。
最近は男性との接触など全くなかったため、今の出来事はイリヤの心に恐怖を深く刻み込んだ。

「...ううんっ、もしあなたが助けに来なかったら私...」

考えるだけでも恐ろしかった。
修業時代、何度か人間の男を殺めてしまったこともあり、その時の罪悪感や恐怖など、トラウマとなってイリヤの脳裏に浮かび上がる。

レヴィ > 「そうなんッスね。もしかして男性恐怖症ッス?」

小刻みに震える女性の様子にもしかしてと聞いてしまい。
どちらかと言えば気紛れに男と遊ぶことも多いだけにその大変さがいまいちわからないという様子で。

「目を見てわかってるッス。あのバカ坊ちゃんを殺してたかもしれないッスね」

そこは仕事柄に直ぐに判ってしまい。
あんなお坊ちゃんでも殺してしまえば大ごとになってしまう。
それだけに止める事が出来てよかったと安堵の息を吐いて。

ロズワール > 「...うん。話すことはできるんだけどね...」

苦笑いを浮かべながら答える。
手や足の震えはようやく収まったようで、もう一度彼女へ頭を下げお礼の言葉を口にする。

「...うん。そうだね、きっと...」

殺してしまっていた。
一種の自己嫌悪に陥りながらも顔を上げる。
無理にでも笑顔を見せなければ自分を見失ってしまうような気がしたからだ。

「...えっと、貴方の名前は?私はロズワール」

レヴィ > 「そうッスか。それだと大変ッスね。」

苦笑いを浮かべる女性にこれ以上は聞かないほうが良いと考えてこの話題はここまでとして。
ようやくに手足の震えが収まりだした姿にもう大丈夫そうと見て。

「それに殺されてたら私も困ったッスからね。止めれてよかったっス」

アレの護衛だったっと困った顔で自白をして。
止めれなかったことにごめんなさいと頭を深く下げる。

「私ッスか?私はレヴィッスよ」

ロズワール > 「...うん」

心中を察して、それ以上の詮索をしなかった彼女には感謝の気持ちしかなかった。
正直思い出したくない記憶と感覚だ。

「あの人の...護衛か何かかな...?」

先ほどの男が何人かの人間に連れていかれたのを見るに、彼女もまた護衛の一人だろうと、訪ね。

「レヴィ、ね...。ほんとに助かったよ...、ありがとう」

名前を教えてくれた彼女に、今度はちゃんとした笑顔を見せ、手を強く握った。
あれからしばらくして、精神的にも余裕を取り戻せたのか、表情も明るくなっている。

しかし、やはりまだ不安や恐怖は消えていない。
このまま家へ帰るのも少しだけ怖かった。

「ねえ、レヴィ...、その、助けてくれたお礼がしたいんだ。私の家に、寄っていかないかなぁ...なんて」

お礼とは言ったものの、本音は一人で家に帰ることに不安と恐怖を覚えているからだ。
しかし、レヴィが断れば無理強いする気もない。

レヴィ > 誰にでも聞かれたくない事の一つや二つはある。
なのでこれは聞かないほうがいいという事はなんとなくわかり。

「そうッスね。ああやって偶に街でナンパするらしいっス。
それの護衛と……今みたいなときは止めるのが仕事ッスね」

どうやらお坊ちゃんが連れて行かれたのを目にしたのか、問われたことに頷いて。

「気にしなくていいッスよ。仕事だったのもあるッスが困ったときはお互い様ッス」

こうして感謝を示されるのは慣れていないのかどこか困った顔をしてしまい。
すっかりと先ほどの様子もなくなり明るくなった表情が本来の姿なのだろうと。

「お誘いは嬉しいッスけど仕事中なんスよ。でも家までは送らせてもらうッス」

仕事でないなら喜んで誘いを受けるのだが今は残念ながら仕事の途中。
それを放り出し誘いに乗れば今後の仕事にも関わるだけに本当に残念という顔で首を左右に振り。

だが一人で帰らせるのは心配なので家には送っていくと笑顔で告げて。

ロズワール > 「そうなんだね...。怖かった、ほんとに...」

やはり護衛だったらしい。
その点では、レヴィは自分の仕事を全うしたと言えるだろう。
自分からあの男を守ったのだから。

「優しいんだねぇ...。なら、今度困ったときは私もレヴィを助けるよっ」

不思議と困った表情を浮かべるレヴィに満面の笑みを浮かべる。
といっても、もしレヴィが困っていても、イリヤにできることなんて限られているだろうが。

「そっか、お仕事なら仕方ないね。ありがとう」

少しだけ、残念そうな顔を浮かべるも、家まで送ってもらえることに少しだけ安心したのかホッと一息。
胸を撫で下ろし、ゆっくりとした足取りで歩きだす。

「私の家、こっち...」

ほんとはこの路地裏をまっすぐに進んだ方が近道なのだが、ちょっとばかし不安が残っているらしく、大通りの方へ足を向ける。

レヴィ > 「普段なら受けないッスけど今回はたまたま受けたッス。
でもそれでロズワールの危機を救えてよかったッス」

本当ならこうなる前に止めるべきなのだが間に合わず。
仕事を全うしたとはいえ巻き込まれた女性への罪悪感は拭えず。

「優しいッスか?そんな事はないと思うッスけど……そうっスか?ならその時は頼むッス」

満面の笑みを向けられ、その眩しい笑みに思わず気圧されてしまい。
困っときはと言ってくれる女性にその時はどうなるか判らないが内容次第では頼るかもしれないと考えて。

「一応一日契約ッスからね。こっちこそ折角のお誘いに行けなくてごめんッス」

残念そうにする女性にもう一度頭を下げて見せ。
ゆっくりと歩きだす横に並ぶように歩きだし。

「そっちッスね」

女性の家が何処か判りはしないが、こっちと言われればそれを信じて共に大通りへと足を向けて。

ロズワール > 「そうなんだぁ。でも、レヴィが来てくれてなかったらほんとに大変だった。とても感謝してるよっ」

こんな言葉で彼女の罪悪感が紛れるかはわからないが、笑みに含めた本音の感謝を彼女へ向ける。

「見ず知らずの私を助けてくれたんだから、レヴィはきっと優しいんだよっ」

わははっ、といつもの特徴的な笑い声を漏らし、レヴィの何かあったら頼るという言葉に大きくうなずいた。

「大丈夫だよっ。お仕事優先、お仕事優先っ!」

何一つ気にしていないような素振りで歩き、時々談笑をしながら自宅の方へと歩いていく。

しばらく歩いて「ロズワール魔道具店」の看板が見えてくればそこで立ち止まった。

「私の家、ここの二階だから...。今日は本当にありがとう。何かあったら、このお店に来てねっ」

ここまで送ってもらったレヴィに感謝の気持ちを込め、最後にもう一度頭を下げた。
そして、レヴィが見えなくなるまで店の前でレヴィに手を振り続けた___

レヴィ > 「そう言ってくれると気が楽になるッスよ。でも感謝されると照れるッスね」

間に合いは下が怖い思いをさせてしまった。
その罪悪感は強かったがロズワールの言葉にほっと胸を撫で下ろし。

「私は冒険者ッスよ。お金で何でもする怖い人かもしれないッスよ?」

実際に怖い事もする訳だが特徴的な笑い声にすっかりと肩の力を抜いて。

「そう言ってくれると助かるッス。もしお仕事があるならギルドで依頼してくれれば受けるッスよ」

さりげなく売り込みをしながら談笑をして案内されるままに家への道を歩く。
しばらく歩いていけば看板が見え、そこには魔道具店の文字がありその前で止まり。

「この店が家なんッスね。覚えておくッスよ。こっちこそありがとうス。
何かあったら頼らせてもらうッスよ」

頭を下げられれば照れくさそうに頬を掻き。
仕事に戻るッスと告げれば軽く手を振り雇い主の屋敷への道を歩き出して…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からロズワールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からレヴィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/通り」にティネさんが現れました。
ティネ > ふわ……ふわ……と、ぼんやりと光るものが平民地区の表通りを浮遊して、人々とすれ違う。
たまに怪訝に視線を向けるものがいないでもないが、多くの人々は気づいていないように無視していた。
飛んで移動する手のひらサイズの蝶翅の妖精の少女――ティネは、妖精ゆえか人の目には『見えにくい』。
どこかで酒でも盗み飲みしたのか、その表情はどことなく夢見心地だ。

ティネ > 「ふわ~~~」

移動することが億劫になったのか、適当に道歩くものを見定めて、
そのうちのひとりの頭にぴょん、と乗っかってしまう。
こんなことをしても鈍い人間は気が付かないと思っている。
この手乗りの妖精の少女は、自分の翅で飛ぶのがあまり得意ではないのだ。