2017/07/03 のログ
レア > 「いいでしょう?魔術の加工自体にそれほど手間がかからないから冒険者さんなんかにも売れる商品ではあるわね。えーっと後他…他かしら…」

つらつらと言葉を並べる商人だったが少女の畳み掛けるおねだりに思わず声を詰まらせる。
イヤリングを見せるために近づけた顔に更に前のめりに迫る少女の吐息が耳に掛かると思考すら蕩け落ちて、無意識のうちに胸元の魔法陣へと手が伸びる。

「じゃ…じゃあとっておきよ…?普段はあまり見せないけんだけどこれなんかどうかしら。」

その言葉とともに胸元から引き出された物は緻密な紋様が刻まれた金の土台に緑色の大きな宝石の嵌ったブローチ。

「これはね…この宝石に内包された魔力が金に刻まれた紋様に伝わって持ち主に不幸を齎すが発動していたの。
今は…もう魔力は枯れ果てるから効果はないけど貴族や王族の間でライバルを没落させる為に何度も使われていた逸品よ。」

自らがターゲットとして盗んだ物となれば当然思い入れも深いもので、まくし立てるように戦利品たるアクセサリーについてよ説明が次々と口から零れ落ちる。

アンネリーゼ > 「ん、可愛いし機能的、って言うのは洗練されていて素敵だなぁって。
 冒険者さんにもいいし、貴族の令嬢が身に着ける護身具にもうってつけみたい」

声を詰まらせる彼女の様子に、やはりと密かに得心する。
甘い吐息で誘い、彼女のとっておきを引き出させると、宝石に視線を移した。

「ん、不幸を齎す宝石……?そんなの持っていて大丈夫なのかしら?
 あぁ、もう魔力がないから大丈夫ってことなのね。これ、お姉さんの持ち物?」

それだけ確認すると、少女は悪戯っぽく笑いながら、宝石に向けて指を滑らせる。
為す事は単純、己の魔力を宝石に込めて、充填すること。
彼女が持ち主ならば、当然不幸が齎されることになるが――。

「ふふ、そろそろ頃合いかしら。お姉さん、お名前教えて?
 素敵で親切で気に入っちゃったから、ちょっと意地悪してあげる♪」

もう一つ土産として注ぐのは、単純すぎる呪い。
宝石を手放せなくなるだけの、非常に簡易なもの。
そこまで成せば、後は徐々に演技を覆していくこととしよう。
彼女が出会う最初の不幸は、目の前の少女なのだと知らしめるために。

レア > 「ん…私の名前かしら?私はレアよ。こういうものに興味があるのかしら?これはダメだけどお父さんとかお母さんと相談すれば売ってあげること――ってあら?」

商売トークを行いながら、何気なしにブローチを魔法陣の中に戻そうとした瞬間、違和感を覚え胸元に目線を下ろす。 
彼女が見たのはブローチが魔法陣を弾くようにバチバチと小さな帯電を起こす姿。更に商人の“鑑定眼”は先程まで枯渇していたブローチの魔力がいつの間にかリチャージされている事にも気付いて。

「まずっ…これは…、ど、どうしたのかしら?」

戸惑う間にもブローチの紋様から細い金の糸が伸びて商人の首に巻き付き、一瞬にして外れない呪いのネックレスとなって商人へと取り憑いた。

アンネリーゼ > 「あらあら、大丈夫?それ、魔力がたっぷり封入されている気がするのだけど。
 それこそ最大まで……お姉さんに不幸が訪れちゃうわね。早速外れなくなってるし」

他人事のように囁くと、聞いた名前を舌の上で転がし、にんまりと心からの笑みを浮かべる。
それは、今までの少女の擬態が解けた、どこか小悪魔じみたもの。

「さて、それじゃ、レアお姉ちゃんを、私の奴隷にしてしまおうかしら。
 自由を奪うつもりはないけれど、私の鬱憤晴らしに付き合ってくれる雌に、ね? 今夜はまだ、出会ってすぐだから私の印を刻むだけにしておくけれども」

ひょい、と身軽に抱き着くと、手早く彼女の下腹部に指を押し当て、布越しになでる。
それだけで、下腹部に小さくハートを刻むと、装飾向きの古代文字で『Anneliese』と署名を仕込んで。

「ふふ、成長式の淫紋を上げる。お姉さんが今後、淫らな目にあったら徐々にそれを記憶してくれる刻印よ。
 私はいつでもそれを覗いて、レアお姉ちゃんのエッチな姿を確認できるって寸法ね♪
 それと、私が昔調教した、別の雌の記録も刻み付けられるから、今度いっぱいしてあげる♪」

それだけ告げると、ひょいと立ち上がり、少女は店主に金貨を一枚放り投げ。

「あ、このお姉さん、店主さんの好きにしていいよ?お酒で酔っ払っちゃったみたいだし。
 ただ寝かせてあげてもいいし、柔らかそうな体をいじってもいいし、おトイレに縛り付けて、みんなに使わせてあげるのもいいかもね♪なーんて♪」

彼女の分の代金は、今夜のお礼に支払っておく。
代わりに彼女がどのような夜を過ごしたか、それが新しい楽しみとなる――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」からアンネリーゼさんが去りました。
レア > 「ど、奴隷…?一体なにを言って…、まずそれよりこのネックレスをなんとかしないと――」

すっかり余裕のなくなった張り詰めた顔でネックレスに解呪を走らせようとした瞬間、腰に何か温かいものが触れるのを感じる。
視線を下におろして見れば少女が体を密着させていて。少女の意図が理解できず、一瞬思考が止まった次の瞬間、下腹部が内側から燃えるような感覚を得、一気に意識が遠ざかっていく

「な、何を…?ま、まさか貴女…ま、ぞ…」

薄れ行く景色の中、女商人の視界の中心には自らを覗き込む少女の顔があった。

さながら整った顔が見せる歪でどことなく寒気すら感じさせるその笑みは人形というより人を貶める悪魔のそれに見えて。

しかし、それも一瞬。言葉を続ける時間もないまま商人の意識はそのまま深淵へと沈み込んでいって

ご案内:「王都マグメール 平民地区 露店通り」からレアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 通りの広場にて、ベンチの背もたれに頭を載せて休んでいた。
頭の上には魔法で作った氷を載せて。
平たく言うと、急激に上昇した気温に体力をやられていたのだ。

「あっついわ~~。 やっぱアイツとは相性ダメだわ~~~。」
アイツとは、天から人々を照らす憎いアイツ。
僕らの天敵であるアイツは、今日は一段と元気にこの街を照らしていた。

駄目だ、このままだと天に召されそうだ…。

ウィルバー > 涼しくなって着た頃合いを見計らって、ふらふらと死人のように移動する。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からウィルバーさんが去りました。
ご案内:「冒険者ギルド」にエルツさんが現れました。
エルツ > 「んー……どうしよっかなぁ」

(夜も更けてきたギルドのエントランス。こんな時間でも受け付けの人はいるし、出入りする人間も多いのは冒険者という特殊な職故だろうか。少女もまた、そんな特殊な人種の一人。今は依頼表が張られた掲示板の前で一人考え込んでいる)

エルツ > (こんな遅い時間にきても、貼られているのは受け手がいないような難解な依頼か、常設してある薬草取りや日雇いの仕事のみ。美味しい依頼は早い者勝ちというのはどこも同じ事情)

「貯金はあるけど…皮鎧のままにするか、軽い依頼受けてもうちょっと高いのを買うか……街中での配達や荷運びなら、鎧も要らないしー」

(先日知り合いと狩った魔獣は、初心者の自分には荷が重い相手で、命は助かったけど摩耗した装備の買い替えが必要になったという事情。予想以上に得たものは多かったけれど、だからこそ生まれる悩みもある)

エルツ > 「あんまり重いと困るけど…なんとかチェインメイルくらいは買いたいかな」

(丸盾は取り回しがいいけど、防御をなんとか上げられないか考える。この辺は鍛冶屋で相談とかかなあと考えながらとりあえず、荷運びの仕事を受けることに。依頼表を取って受付を済ませれば今夜は帰宅しよう)

ご案内:「冒険者ギルド」からエルツさんが去りました。