2017/06/13 のログ
カイン > 「そういうもの、だ。そうでなければ酒なんて飲んでられないからなあ。
 酒なんてのは何かを吐き出すときだけで本来は十分なのさ。
 ま、俺達はそれでは我慢できないから飲むんだが」

いい事風に行っておきながら最後に落ちをつけながら、
全く考えてなかったと見える相手の様子に更に楽しげに目が細まる。
代わりに、と言われた言葉に興味を更に惹かれた様子で小首を傾け。

「なるほど、それを取りに行くのを手伝ってほしいと。
 それで、報酬はどういうものになるのかね」

カネになるのならば多少分けてもらえればそれで十分なのだが、
相手がどういう報酬を提示するのか。それが知りたくて意地の悪い問いかけを投げる。
何せこの男は傭兵なのだ、報酬感情の話に関してはがめついのは致し方ない――という建前の元やりたい放題しているだけなのだが。

オルナ > 「納得、……なんて。してる場合でも……ん。……報酬」
お酒の嗜み方、考え方の複雑さ。個人の違いをしみじみ受け止めてしまって、それで頭が少し止まる。
けれどすぐに報酬と言われて思い浮かぶのは、僅かな給金で住み込んでいる自室で。
魔術道具や書物が山積みの中、触媒に使う宝石が高価といえばそうだけれど。そんな額でないことは確かで。
そもそも、……そんな魔術鉱石なんてあるのだろうか? なんてところからさえ始まっている。
伝説に近いものを求めるのだから。

「じゃあ、……安いかもしれません。けど。……一晩じゃ、払いきれないので……数日…?」

じっと見やる瞳は翠玉色。相手の瞳の色に溶けて見えるままでいて、意地の悪い問いかけなのに
度量や本気の具合を確かめ、試すようでさえいる。受け取り方によっては―――
言葉尻をきってから、頬に手を当てて小首を傾げて、鏡の向こうのような仕草。

「手伝ってくれるなら、……ですけど」

酔いに覚めた時に、多分。顔が真っ赤になるセリフが口を出てしまっていた。

カイン > 「そう、報酬。傭兵煮物を頼むのだから当然その支払いが必要だろう?」

最も余程のお人好しでもなければ無報酬で動くことはまずあるまいが。
相手が思案を巡らせている様子がどうにも面白く、興味深そうに眺めながら考えるのは依頼の内容のことである。
どういうものなのかは全く知らないが、一筋縄でいきそうにないのは相手の様子を見ればおおよそ分かる。
その上で、相手の出した結論を聞けば楽しげに笑って頷いてみせ。


「判った、では其の依頼俺は受け入れよう。お前さんを数字使う対価としてその仕事を引き受ける」

言葉をそう言い放つが早いか、間近な相手の顎に手を置けば己の方へと顔を向けさせて唇と唇を重ね合わせようと頭が動き、
拒まれてもそうでなくても数拍の後に頭を離す。拒まれればあっさりと引くものの、
拒まれねばそのまま舌をねじ込んで暫しその中を蹂躙することを躊躇わないだろうが。

オルナ > 「い、っ……やっぱり。そうなる……? ただ、ええと……じゃあ。頭金みたいな、ことで」
頷きに返しながらぐっと顔を寄せられると、酔いも回るせいで契約なんてことも無く。
受け入れるまま、周囲の視線が集まっているのに唇が重なってしまい。
柔らかく浮いた間から舌先がねじ込まれると目が薄く開いて。呼吸が継がれるみたいに、

「つ、……続きは。見つかるか……見つからなかった時に。でも。……だめ?」

艶っぽく糸引きながら胸元から腕を押すように到底力ではかなわないものの意思表示をしてみせて、
酒場でこれ以上もめ事の種みたいになることも恐れながら。じっと返答を待つままでいる。

「見つからなくても、……御礼くらいは。出せる、……けど」

人が良いというより、どこか言い訳じみたように継ぎ足し。赤面しつつ視線が合わせられない状態に。

カイン > 「それが目当てで持ちかけたんだから当然そうなるとも」

暫しの蹂躙の後にゆっくりと顔を離しがてら、欲望を隠しもせずに言い切って、
まだほろ酔い気味の相手の腰を引いてそのまま立ち上がる。
マスターの方を一瞥すれば、上を指差すのに頷いてから真っ赤な顔の頬へと口づけを落として耳元でささやきかけ。

「俺は前金はしっかりと貰う主義でな、何。
 見つからなくてもそれ以上の追加料金を請求するようなあくどい真似はしないさ、
 勿論それとは別に其の気になったって言うなら話は別だがね?」

囁きかけるままに相手の体を導くように力を込め、宿の奥へと消えていく。
その後どのような顛末になるのかは、二人のみが知る所だろう――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/酒場」からオルナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/酒場」からカインさんが去りました。