2017/05/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にシラトリさんが現れました。
■シラトリ > 「おやすみなさいませ、お嬢様。」
一つになっていた影が二人分に分かれ。
その内の片方はぺろりと唇を舐めるメイド姿の女。
酒場のウェイトレスをひっかけて、遊びとは無縁の恰好でひたすら遊んで、最後に甘いキスで別れを告げる。
ウィンクを交わして扉が閉まれば、さて、と少し思案顔のメイド服。
周囲はもうすっかり暗い。
送っていきましょう、と恰好つけたはいいが、彼女自身の戦闘能力は、ぶっちゃけた話あんまりない。
■シラトリ > 白い髪にフリルのついたメイド姿は、こんな夜でもよく目立つ。
余り遅くならぬように気を付けていたのだが、気を付けようと誓ったその翌日にこの時間だ。
「ま、考えていてもしかたありませんね。」
魔法が使えるわけでもないから、空を飛ぶこともできやしない。
さっくりと腹をくくって、夜の路地裏をすたすたと歩くメイド服。
違和感しかない光景である。
怯えていても堂々としていても、死ぬときは死ぬのだ。
だったら私は前のめりに死にたい。
ごめん嘘、可愛い女の子に抱かれて死にたい。
そんなどうでもいいことを考えながら、屋敷の廊下のように背筋を伸ばして、場違いなメイドが歩く。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にエナーシアさんが現れました。
■エナーシア > メイドだ。
メイドがいる。
いやメイド自体はそう珍しいものではない。
だが場所と時間を鑑みると、正直怪しい。
あまりにも堂々としているのもまた怪しい。
とりあえず、話しかけてみるか。
ただのメイドだと確認出来ればそれでいいんだし。
「おい、メイドがこんなところで何をしている?」
呼び止め、一切迂遠な表現をせず問いただす。
本当に見た目通りのメイドならいいのだが、念のためいつでも駆け出せる程度に警戒はしたままだ。
■シラトリ > 「……。」
あらまあ、女の方に抱かれて死にたいと思っていたら女の方。
これは運命? ディスティニー? どっちにしろ対応を誤ったら危険な状況ですね。
さてはて、と一瞬頭を巡らせて。
「…私は、この街の外れにある館のメイドですわ。
主人に依頼され、お酒を買い求めようと酒場に出向いた際、泥酔しているお方をお見掛けしたので、この近くにある家まで送り届けた次第です。
勇敢そうな方、もしや心配をしていただけたのでしょうか。
であれば、ありがとうございます。」
言葉を連ねて、更に間を置かずに丁寧にしゃなりとお辞儀。
これで頭を割られたらしゃーないという、腹をくくって演技ができる女。
半分嘘で、半分本当。全部嘘はすぐばれることが分かっている。
■エナーシア > ……怪しいな。
これはただの勘だが、何かを隠してる気がする。
本当にただのメイドだとして、説明が詳細で明朗すぎる。
経験上、嘘つきは破綻が無いように気をつけながら詳細に述べる事が多いがどうもそんな感じがする。
何を隠しているのか、害のある存在なのかまでは分からないが少し気をつける必要があるかもしれないな。
「……ここも、そう安全とはいえない。
メイドの独り歩きは危ないだろう。良ければ送っていこう」
これで本当にただのメイドで、このまま帰るなり次の仕事に向かうのであればそれでいい。
何か危険な事を隠しているのなら、近くで見張れるしな。
■シラトリ > 「ありがとうございます。
ええ、よろしくお願いいたします。
…私はシラトリ。 普通にシラトリとお呼び下さいまし。
勇敢なお嬢様はどのような?」
首を傾げて、微笑みかける。
■エナーシア > 警戒はしているが、この状況で名乗らないというのはあまりにも不自然だな。
こちらにはやましい事はないのだし、素直に名乗っておくか。
「エナーシア。エナでいい。
とりあえず送るが、どこに行けばいい?」
……見たところ、危険そうな感じはしないのだが、どうにも掴めないな。
上流階級の関係者はこんなものなのか?
どうにも態度が白々しいというか、言葉にしづらいが違和感が拭えない。
警戒したまま、自然と態度は硬くなる。
自己紹介も必要最低限だ。
もっとも、態度に関しては普段からそれほど柔らかくはないのだが。
■シラトリ > 「………この街の外れ、というよりも壁の外なので。
今宵のうちに帰宅するのであれば、街から出なければいけません。
今宵のうちに戻ってこいとは言われておりませんので、どこぞの木賃宿にでも送り頂ければ。」
微笑みながら、眼を細める。
表情が硬くなっているのを感じれば、首を少しだけ傾げ。
「私の主人は変わり者なのですわ。
確かに、訝しむのも分からなくはありません。
……怪しいかどうかはともかくとして、危ないものは何一つ持っておりませんわ?」
なんて、軽くウィンク一つ。実際女遊びをしているだけで、犯罪はしていないのだからきっと大丈夫だ、きっと。
風紀的にはダメ。
■エナーシア > 「そういう事なら、適当に送るが……」
説明に破綻はないが、やはりどうも何かを隠している感じがする。
だがシラトリの言うように、危険なものという感じはしない。
まあ人間何かしら人に言いたくない事もあるだろうが……。
あー、そうか逢瀬、逢引きの手合かもしれないな。
それなら何かを隠すような態度も腑に落ちるし危険な匂いがしないのも納得だ。
もう少し探りを入れてみるか?
「その前に何か、家や身元を証明する物はないかな?
心苦しい事だが、正直に言えば私は少々君の事を疑っている。
私としても安心したいんだ」
■シラトリ > 「申し訳ありません、そのようなものは持っていないのです。
私もこの街で貴族に使える身。
政争に巻き込まれた時には、何の迷惑もかけずに死ぬ所存故。
疑われるのであれば、どうぞ、この場で切り捨てるか、置いて帰ってもらっても……
一切恨み言などは。」
少しだけ首を振りながら、滔々と言葉を並べ、首を傾げる素振りを見せ。
「疑いながらも、……こうして頂けるのは、エナーシア様はお優しいのですね。
武器を持たぬと証明はしたい、と今は思います。
だって、疑われていてはお傍に寄ることも叶いません。」
言外に、傍に近づきたいことを匂わせながら、細めた瞳でじっと見つめて。
■エナーシア > ……うむ、分からん。
どうにも態度が白々しいというか、この場合は仰々しいか?
何をどの程度隠しているのか余計に掴めなくなった。
とはいえ、それだけの理由で切り捨てる程ドライになったつもりはない。
大体本当にただのメイドだったら単なる殺人だしな。
「分かった、それじゃあとりあえずボディチェックだけするとしよう」
シラトリもああ言っている事だし、とりあえず武器がない事が確認出来れば当面は安心だ。
しかしメイド相手に慎重になりすぎという気もしてくるな、これは。
■シラトリ > 「分かりました。いかようにもお調べくださいまし。
私はこうして両腕を挙げていればよろしいでしょうか。
それとも、全てを脱ぐべきでしょうか。」
微笑みながらそう囁いて、そっと両腕を持ち上げる。
触れば、武器は無く、僅かなお金と女性らしい肢体があることがわかるだろうか。
触られるたびに、ぅん、…だの、悩ましい声は漏らすだろうが。
■エナーシア > 「そういう事なら脱いでくれ」
無理やり脱がすのは問題だが本人が承諾したのなら話しは別だ。
着衣のままでもチェックは出来るが脱いでもらった方が精度は高い。
「脱ぎにくいのなら手伝いは必要か?一人で脱げるのならそれでいいんだが」
メイド服の構造などろくに知らないが、貴族のごてごてしたドレスという訳でもないし一人で脱げないという事はないと思う。
手伝いがあった方が手早く脱げるなら手伝った方がいいだろうが。
■シラトリ > あらまあ。
まさかの脱いでくれ、に目を少しだけ丸くして。
でも、そうおっしゃるならば、と素直に脱ぎましょう。一人で問題ない様子で、微笑みだけを返して。
するりするりと衣装をはだければ、薄手の透けるシャツと下着だけの姿になってしまうわけで。
「……武器も何もないのは、分かって頂けますか?」
きっと、原理主義者というものだろう、と彼女なりに納得をする。
恥ずかしそうなそぶりを見せながら、ちら、と視線を向けて。
物取りなら最初から取られているだろう、と判断はしているが。
■エナーシア > 脱がれた服を検分し、下着姿のシラトリに触れて何も隠していない事を確認した。
「確かに確認した。済まなかったね、どうにも慎重すぎるタチなもので」
違和感の全てが拭えた訳ではないが、当面の危険がある相手ではなさそうだ。
しかしこれは冷静に考えてみると、路上でメイドを脱がす私の方が不審者なのでは……?
いや、深く考えるのは止めておこう。
「お詫びという訳ではないが、何かあっても護衛はきっちり果たして見せよう。
まあ一人でないだけでも狙われにくくなるものだから、そもそも危険も少ないだろうがね」
ここにきてようやく少し態度を軟化させる。
我ながら世話のかかる性分だ。
■シラトリ > 「……これで疑いは晴れましたか?
それであれば、ありがとうございます。
でも、少々恥ずかしく思いましたわ。」
くすくすと笑いながら脱いだメイド服をはらりと羽織、隣に寄り添うように。
「………エナーシア様は、……もちろん、冗談ですけれど。
エナーシア様は信用できますの?」
微笑みながら、そっと腕を絡めてくる。
まだ半脱ぎの状態のまま、首を傾げて見つめ、悪戯に笑う。
■エナーシア > 「確かに、それを証明する手立ては何もないな。
だが今まで何もしなかったという事で納得してもらえないだろうか?」
いや服を脱がせたのは割りと大ごとな気もするが、特に危害は加えていないし許してもらいたいところだ。
しかし本当に、慎重になりすぎるというのも問題だな。
「……何だ、その、早く着た方がいいんじゃないか?」
何故ここにきて急に腕を絡めてくるのだ?
益々意図が読めない……。
■シラトリ > 「冗談ですわ。身体検査のお返しを一つ、したかっただけ。
メイドのちょっとした悪戯心とお思いくださいまし。」
腕を絡めて見上げて、くすくすと微笑む。
「…だって、着てしまったらお返しも何も無くなってしまいますもの。
ここから私が衣服を身に着け、もしもエナーシア様の服を脱がそうとしたら、私の方が暴漢になってしまいますわ?」
まあ、着ますけど、と素直にメイド服を着なおして。
■エナーシア > 「それは、悪かった。臆病なんだよ私は。
それから私の事はエナでいい」
まあこのぐらいの仕返しで気が済むのなら安いものだ。
そうやってやり取りしている間に警戒のレベルを大幅に引き下げ、比較的自然に接するようになってきた。
「ところで、どこに行くか目星はついているのか?」
余計な事が色々とあったがそもそもの目的はそれだ。
特に土地勘がなかった場合案内も必要になるだろうし。
■シラトリ > 「そんな。エナ様はとてもお強そうに見えますけれども。
でも、正しい強さをお持ちの方は正しく臆病なのやもしれません。
私など、何かあったら諦めるだけ、などと割り切っているものですから、
怖いものが無いのかもしれません。」
相手が少しずつこちらに穏やかな表情を向けるにあたって、こちらもほっと胸を撫で下す。
いつまでも疑われていても、何もできない。
「いえ、あまり。 ………そうですわね、この宿などは如何です?」
と、ゆびさすのは、明らかに胡散臭いボロ宿。
■エナーシア > 「おいおい……、それは流石にどうなんだ……」
自分の命をそんな簡単に割り切ってはいけないだろう?
だが違和感の正体が何となくだが分かったような気がした。
この根本的な価値観のズレのようなものが影響しているのかもしれない。
今までかなり失礼な事をしてしまったし、これ以上無用な詮索はしたくはない。
「うーん、まあ、あれでいいなら止めはしないが……。
懐具合にもよるが、もう少しマシなところが色々あるんじゃないか?」
本当にあれでいいのなら仕方がないが、見るからにアレなところに置いていくのもあまり気分がいいものではない。
資金的な問題もあるしこればっかりは当人の納得次第になるのだが。
■シラトリ > 「でもご安心を。今宵はエナ様に護って頂けるのですから。」
ころころと笑いながら、隣をしゃなりしゃなりと歩き、首を傾げ。
「ああ、それであれば、エナ様おススメの宿などありましたら………」
ここまで問いかけ、は、っと気が付いたような顔をして。
「もしかして、宿などを取られていらっしゃったりしますか?
そうであれば、…………そうであればー………?」
一緒にぃー、なんて言わずに、両手を合わせたままくい、と身体ごと傾けて見上げてみる。
そんなに小さくない彼女の渾身のおねだりポーズだ。
■エナーシア > 「え?えぇ……」
何故、こんな事になった?
確かに困っている人を一晩泊めるぐらいの事は出来るが、会って間もない人間をいきなり招くのも色々と躊躇するところはある。
見られて困る物は、まあ少ししかないしいくらでも誤魔化しようはあるか。
ここまでの流れが全てシラトリの誘導で、何者かが私の居所を探っている可能性は……。
いくらなんでも気にしすぎか。
一介の冒険者に対してそこまでする必要性を感じない。
大体宣伝している訳ではないが特別居場所を隠している訳でもないのにこんな回りくどい方法で探ってくる意味がない。
「あまり広くはないが、それでもいいのなら……」
色々と失礼な事をしてしまった補填の意味も込めて、ここは泊めてあげるべきだな。
■シラトリ > 「ありがとうございます。 ああ、本当に良かった。
エナ様がお優しくて、とても、とても。」
微笑む。ボロ宿を指さしたのも、それをたしなめられたことも。
その次におすすめをお願いしたのも、宿(もしくは持ち家があるならそちら)への宿泊をねだったのも。
計画通り。と悪い表情を頭を下げながら浮かべる女。
いや、別に悪いことをするっていうより、女の人の家に招かれるってとってもドキドキしますよね。
あわよくばお風呂とか一緒してうふふふうふふ。
特に悪人というわけでもない煩悩の塊。
あ、でもきっとガードが固ければそのガードを緩めるのに全力を尽くす方です。
ほーらシラトリはまっしろですよー黒いところなんてないですよー、と。
「もちろんです、エナ様に、これで本当に一晩守って頂けるのですから、脱いだ甲斐があったというもの。
これもめぐり合わせでございます、と私の方が口にしたら横柄ですわね。」
■エナーシア > 「狭い宿だ。そんな喜ばれても申し訳ない。それに荷物も多くて不自由させる事になるかもしれない」
まあ子供でないんだしいきなりはしゃいでビンを壊すような真似はしないだろうが、二人で寝るとなると大分手狭だな……。
女二人ぐらい、詰めれば何とかベッドに収まるだろうがそれで怒らなければいいのだが。
「見れば分かるんだが事情があって床で寝る、という訳にはいかないので二人でベッドに押し込まれる事になるが、それでも大丈夫か?」
一応自分の宿へと向かいながら改めて承諾を得る。
ここで嫌と言われたら本当にどうしようか……。
頑張って適当な宿を見つけるしかないか。
■シラトリ > 「私は床でも大丈夫ですけれども、一緒のベッドと言うことであれば、もちろん。
寝相は悪くはありませんが、抱き着く癖がありますので、そちらはお許しを…?」
相手からの申し出に、僅かに微笑みながら首を傾げる。
同衾である。まさかの申し出にるんるん気分になるメイド。
手を出すか出さないか、そこが大事じゃない。
女性と共に寝ることに意味があるんだ。
「それに、エナ様と共にいると安心致しますし、……こちらとしても願ったり叶ったり。」
■エナーシア > 「別に抱きつくぐらい構わないが……。
シラトリがいいなら、良いんだ」
承諾されたし大丈夫だろう。
多少不自由があっても一晩だけだしな。
しかしなんというか、妙に嬉しそうだな。
それ程大した事はしてないと思うんだが何が琴線に触れたのやら。
機嫌が悪いよりは遥かにいいから、まあいいか。
そうこうしている内に到着。
結構距離があったはずだが、話しながらだと体感で大分短く感じるのが不思議だ。
「着いたぞ。とりあえず上がってくれ。
見ての通り手狭で風呂も何もないんで、必要なら体を拭こうか」
宿につき部屋へと招き入れる。
ベッドに洋服ダンスと椅子テーブルと特筆する部分のないシンプルな家具配置。
問題は、そこらじゅうにぶら下がっている薬草と床に置かれたビンだ。
これのせいで床で寝るのは難しいし、匂いもたまに体が合わない者もいる。
「まあ、本当見ての通りなんで、床で寝るのはちょっとな」
■シラトリ > 「いえ、大丈夫ですわ? それよりも私の方がお身体を拭きましょうか。
なんだかんだ言ってもメイドですから、このような奉仕には慣れておりますので。」
……と。相手の言葉にするりと返しながらも、部屋の状況に目を見開く。
はて、この人は一体何を職にしているのかしらん、と流石のメイドも読み切れず。
「……エナ様、こちらは一体どのような目的で置かれているのです?
この植物は………ハーブか何かで?」
脱ぐよりも脱がすよりも先に気になる。
このメイドがそちらを優先するのは、よほどのものでなければありえない。
流石にそこら中に何かがぶら下がっていれば、ぎょっとしてしまうのだろう。
■エナーシア > 「ただの副業だ。使える薬草を集めて加工しておくとちょっとした小遣い稼ぎになる。
そこのビンはアルコール漬けだから気をつけてくれ。もし割ると色々と大変な事になる」
主に匂いと拡散した酒精でな。
それにうっかり何かに引火でもしたら目も当てられない。
「一応そこらに出てるのは毒性はないが、匂いだけで悪酔いする奴もたまにいるがシラトリは大丈夫そうか?」
何せ単純に匂いがきつい。
それにかぎなれない独特の匂いも少なくないだろう。
駄目そうなら簡易マスクでもつけてもらうしかない。
■シラトリ > 「………………」
大丈夫、と言いかけて少し考える。
これを利用できないだろうか。高速回転するメイドの桃色頭脳。
コンマ数秒で考えをまとめて。
「……少し酔ってしまったようですわ。
エナーシア様、横になってもよろしいでしょうか。」
ふらり、とよろめきながら相手にもたれかかって、うぅん、と唸る。
匂い? その程度で煩悩は負けません。
■エナーシア > 「そ、そうか。匂いに慣れれば治まる事もあるから、暫く休んでてくれ。
駄目そうならマスクもあるから遠慮なく言ってくれよ」
もたれかかるシラトリを支えながら、マスクの保管場所を思い出す。
暫く使ってないから多分衣装棚の奥に追いやられてるな……。
とりあえず支えながらシラトリをベッドに座らせると鎧を外して収納しておく。
「大丈夫そうか?浴場に行くか、体を拭こうと思ったのだが動けそうか?」
浴場にいかないのであれば水の準備をしてさっさと服を脱いでしまいたい。
浴場に行くのなら、とりあえず鎧を外したままで我慢しておこう。
■シラトリ > 「………もちろん、動けますわ。
浴場は………宿の浴場ですの?」
首を少し持ち上げながら上体を何とか起こす素振りを見せて。
「……エナ様が宜しければ、ここで私がお拭き致しますけれど。
浴場が近くにあるのなら、そちらでも。
宿の外にあるなら、………今宵は、エナ様の身体は私が綺麗に致しますわ?
隅々まで。」
■エナーシア > 「残念ながら備え付けの湯はないので近場の浴場に行く事になるな。
なにぶん安い物件なんでね」
しかしそうなると今日は体を拭くだけになるか。
「分かった必要な物を持ってくるから待っててくれ。
だが、あんまり無理はするなよ?」
そう言い残して準備にとりかかる。
具合の悪い客に仕事をさせるのはいくらなんでも申し訳がない。
しかしメイドというからにはこういう事にも慣れているのか。
それなら大した負担でもない、のか?
とりあえず水を汲んで手ぬぐいを用意してから部屋に戻ってくる。
「待たせたね。気分はもう平気かな?」
■シラトリ > 「ええ、もちろん………。」
優しい相手に感謝をしながら、ベッドに腰掛けて待たせてもらう。
水と手拭いを準備してもらえれば、白い髪を揺らして立ち上がり、どうぞ、とベッドの端に寄って。
「では、エナ様、失礼致します。
気分の方はご安心下さい。 むしろ、何かをしていた方が心が落ち着きますわ?」
言いながら、手を伸ばし。服を脱がすのを手伝おうとする。
「それに、ここでようやくお返しもできますし?」
悪戯なことを言って、ウィンク。
■エナーシア > 「ま、待ってくれ、このぐらい一人で脱げるから」
貴族の令嬢でもないのに着替えを手伝われてはむずがゆい。
ああ、さてはそれがお返しという事か……。
まあ部屋で脱ぐ分には全く問題はないので構わないのだが。
脱がされるままに任せていくとすぐに下着が露わになる。
ちゃんとした下着に新調しておいてよかった。
非常に面積の狭いローライズショーツと、同じく最小限の面積のトップレスブラ。
しっかり体にフィットしていてつけ心地も悪くないお気に入りだ。
■シラトリ > 「………そちらも?」
言いながら手を伸ばしてみましょう。
怒られたらてへ、と笑ってごまかそうとしてみるわけで。
可愛らしい……というより実用的なその下着に、
恥ずかしがらせたらどうなるのだろう、という興味が沸く。
■エナーシア > 「脱がしてくれるか?それならお願いしようか」
女同士で部屋の中二人きり、裸を見られて困る事はない。
無駄毛もちゃんと剃っておいてよかった。
身だしなみにルーズなままだったら恥ずかしいが、ちゃんとしていれば何も恥ずかしくはない。
しかし最初は気恥ずかしかったが、他人に脱がしてもらうというのは楽でいいな。
貴族がメイドを侍らすのも分かる気がしてきたぞ。
■シラトリ > あら。
「あら。」
素直なお願いに、眼をぱちくりとさせながら。
それでも手慣れた様子で下着も取って、その滑らかな肌を眺めてご満悦。
「…………それでは、失礼致します。」
絞った、少し冷たい布で身体を優しく拭き始める。
ふふん、ふーん、と楽し気だ。
■エナーシア > 基本的にこういった事は全て一人でやっていたから誰かにやってもらうのは新鮮だ。
それに悪くない。
手際の良さはメイドならではというところだろうか。
素人にやってもらった事がないのでそこは判然としないが、とにかく気分がいいものだ。
「いい気分だ……。
こうしていると、贅沢をしたがる者の気持ちも少し分かってしまうな……」
サウナや風呂も気持ちがいいが、それとはまた別種の快楽があるなこれは。
「ああ、済んだらシラトリも脱いでくれ。
メイドほどうまく出来ないだろうが私が拭いてやろう」
随分楽しげだ。
気分が悪かったのもすっかり治ったようでよかった。
あとはお互い体を清めてすっきり眠れそうだな。
■シラトリ > なんだろう、こう素直に拭かれると悪意の向けどころを失うというか。
素直にメイドらしく、隅々まで拭き終わると。
「ぇ、ああ、その、私は良いのですけれど………ぅ、ぇえ、わかりました。
では、お願いいたしますね?」
肌をお互いに曝しながら、なかなか艶っ気が出せない。
メイドとしては不覚の状況であるのだけれども、………最初に疑惑の目で見つめられていたことを考えれば、進展、進展。
すっきりと眠る間に、ちょこっと手を伸ばしていたずらをするくらいで良いでしょう。
起きて怒られる? それは……まあ、寝相ってことで。
■エナーシア > あれだけ警戒していたというのに、今にして思えばただのメイド相手に滑稽な事だ。
お互いの汚れを拭い終わると裸のままベッドに入る。
「抱きつくのはいいが、絞め落としたり蹴ったりはしないでくれよ?」
そう大きいベッドではないので二人も寝ると殆ど抱き合うような形になってしまうが、まあ女同士だし別にいいだろう。
多少寝相が悪くても、被害さえ出さなければ多目に見る。
こうして奇妙な夜は更けていくのであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からシラトリさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からエナーシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にゼノビアさんが現れました。
■ゼノビア > <<家庭教師始めました。剣術や武器を使った技術以外御教示致します。対価要相談>>
普段働いている安酒場、その仕事募集の掲示板に達筆な文字でさらりと貼り付けた生徒募集の紙。
それを満足げに眺め何度か頷いた後に今日は平民地区の通りを普段より軽快な足取りで歩く。
雇い主に貰った紹介状は正直言えば役に立たなかったのだが、紹介先に主人がそれなら実績を積んだらどうだ?と家庭教師の仕事を進めてくれたのだ。
こう見えても産まれながらにして数々の技術(スキル)を叩き込まれ刻み込まれたブロンズの位の執事、無論教養も礼儀作法も勉学もお手の物である。
魔法、は残念ながら魔力が不足している為理論しか教える事は出来ないが、ある程度「見る」事は出来る。
剣や武器を使った技術はダメ、拳闘は可能だがそれを教えるのを好むものは居なさそう、と言う事で先ほど貼り付けた張り紙には剣術や~と書いておいたのだ。
――今夜は何時ぞやよりも肌寒い夜。
薄着で居るのが間違いな涼しさではあるが、今宵は機嫌よし、なのでその辺は鳥肌が立つくらいで難とでもなろう。
それにしても先程から頬の弛みが止まらない。
きっと暫くして帰れば応募が殺到しているはずだ。
それに、主人が手紙を届けるついでに富裕地区のその酒場の主人にも貼ってもらえるように交渉してくれるそうだ。
完璧である。
■ゼノビア > 少しばかりはしゃぎ過ぎた様だ。
気がつけば見知らぬ路地に入り込んでいる……。
迷子になる、程方向音痴では無いと信じたいが万が一も有るし……と、くると踵を返し、元の道を歩いて戻る。
行く先は仕事先、早速張り出した張り紙の効果があったかどうかを見に行く心算である。
――だが、あるわけがない。
張り出して1時間程度しか経っていないのだ。
それでも見に行ってしまうのは……年齢相応の行動なのだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からゼノビアさんが去りました。