2017/04/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 城下町の門所」にフェルミ―=ヴラドさんが現れました。
■フェルミ―=ヴラド > 遥か北、魔族の国より旅立って数日、ついに王都マグメールの城下街が見えてきた。黒のローブに身を隠し、なるべく目立たないようにとしてきたが、いざ街へ侵入をしようとするといささか問題があるようで、
「…くっ…、あれは検閲か」
違法な輸入物、または追放された人物が入ってこないか確認をするために国が管理下においている城下街に至る門の検閲は、彼女にとってはどうしても避けなければならない。なぜなら、彼女はその顔あるいは全貌を確認されたら、国の騎士にとってはよく名の知れている魔族の国の将軍だから、即座に捕まえにくるか、殺しにかかるだろう。だが、彼女は任務あってその魔族の国の将軍職から離れ、今この王都に侵入せんとしているのである。
だが、ここの検閲所一帯には、フェルミ―も危険と判断するほど優秀な警備隊が揃っているようだ。勿論彼女の業火をもってすればここ一帯は焼き尽くしてしまえるのだが、そんな目立ったことをしたら全く街内外で隠れる所が無くなるだろう。どうしたものかと門前の離れた所で手を顎に構えて策を考えているだろうか。
■フェルミ―=ヴラド > 長らく考えた後、そこらの街壁の影で避暑しているだろう警戒の薄い単独行動の騎士がいる、彼の鎧を剥がして着てしまえば検閲はされる事なく同じ騎士としてパスは通るだろうと考えた。少し離れた街壁の壁に横たわって仮眠をとっている男に近づいて
「ふふ…悪く思うな?」
と言い、その男の脳天に吸血鬼ばりの強烈な一撃をくらわす。
『…ぐぁ!?』
情けない声を上げて男は気絶してしまったようだ。勿論ここも警備隊の巡回場所なのだから、急いで男の鎧を脱がし、自身が着る。サイズとしては少し合わない、男のむせ返ったきつい臭いもして不快だが、侵入の為には致し方ない。ややぎこちないが、見かけ騎士になり、顔を覗いても彼女の男っぽいキリっとした顔だからバレる事はないだろう。
「ああ、警備ご苦労様、ちょっと上がるよ」
そういって街門の騎士に一瞥し、抜けていく。しばらく街に入って、今度はその鎧を脱ぐ所を探さなければならないが、まだ昼間が為裏通りも人気が無いとは言えない。日射が照りつけるなか、早く脱いで涼みたい所だが、さては良い所がないかと、歩きながら左右を確認し、その場所を見つけようとするか
■フェルミ―=ヴラド > やがて裏通りを覗くと、明らかに人がいないような、所謂空き巣となりえるだろう地味な一軒家が見つかった。ここなら身を隠し、日々の生活も行うことができるだろうか。だがもしかすると誰も住んでいないように見えて夜に誰かが帰ってきたら問題だ。だが彼女はあまり細かい事、後先の事は考えても気にしない質である。まずは玄関だが、扉の接続箇所を熱して溶かし、取り外す。そして中に入れば埃と紙くずまみれである。扉は元通り柱に融接しておく。
なるほど、まさにゴミ屋敷、といったところか、近々に管理されていた形跡な無い。だが住むには任務の為に利用するとしても不便だ。まずはゴミの掃除位しよう。と思い、焼却の炎を調節し、その散らかったゴミだけを燃やしに燃やして、あとは炭になったら軽くはわくだけだった。なるほど私は能力は便利にできている、と自分で感心するか
リビングには古びたピアノ、そしてところどころ生地の剥がれているソファがある。まずは隣にあるアーマーセットらしきものに鎧をかけて、自身は汗もかいたことだしと風呂を覗けば、カビがお風呂中に蔓延していてこれは全く入る所ではないと。チリチリと小さな火をまぶし、少しずつカビを蹴散らしていく。やがて表面が剥がれたかのように雑だが綺麗になった浴室に、これまた中が錆びているのか出ない蛇口の水の代わりにこちらは機能する台所の蛇口から水を持ってきて、やがて一時間ほどかけて入浴ができた。
「さて、これからどうするかな…」
■フェルミ―=ヴラド > どうやら事はこの昼間に起こるようではない。体も清められたことだし、今しばらくは家の片付けをしつつ夜にこなす事を考えるか。
彼女の数奇なマグメールでの生活が始まろうとしている。これの続きはまた時が導いてくれるもので…
ご案内:「王都マグメール 城下町の門所」からフェルミ―=ヴラドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 夕暮れの市場」にエナーシアさんが現れました。
■エナーシア > 緊急事態だ。
服がない。
紛失したという意味ではなく、まともに着ていける服がないという事だ。
なぜ今まで気にしていなかったのだろう。
更に冷静になって見てみると、服だけでなく手持ちの下着類もかなりまずい気がする。
どうせ見られる事はないからと気を抜きすぎていた。
気づいてしまった以上そのままという訳にはいかない。
下着も含め早急に服の調達をする必要があるが、結局まともな服が手元にないという事が問題となる。
簡単な補修ならともかく自力で仕立てる能力などないので買いに行かなければならないのだが、これらを着て外に出るというのは抵抗がある。
こうなると鎧のまま出かけるというのが、体裁上一番マシだろうか……。
この鎧も安物という訳ではないのだが、相当高価な品物でもないと防御性能を確保するためにはごてごてと色々重ねなくてはならない。
その結果、軽装備とはいえ肌の露出は殆どなくなり体の線も殆ど隠れる事となる。
まあこれは仕事用だから仕方ないが、普段着ぐらいはもう少しまともにしなくては。
あまり堅物に思われるのも心外なので、そこは程々に加減が必要ではあるが。
とりあえず出かけるための準備だ。
身につける装甲の中で金属製なのは年季の入った胸当てぐらいで、関節を保護するプロテクターは革製だ。
すね当てや小手もあるのだが、別に本当に戦いに行く訳でもないし今日は置いていこう。
申し訳程度に短剣を腰に差せば、冒険者の仕事帰りぐらいには見えるか。
比較的薄着にしたとはいえ、肌の露出は殆どない。
仕事でもないのにこんな格好をしていたらただの痴女だ。
もっとも、手持ちの服がそんな調子だったのだがこれからは自分の服装にぐらいはもっと気を払わねばいけないな。
とりあえず準備は出来た。
市場へ行けば服ぐらいは見つかるだろう。
最低でもまともに着られる服を一着手に入れるべく、市場へと繰り出したのであった。
■エナーシア > 意気込んで出てきたものの、手頃な服を一着買い出すというのは私にとっては中々の難事であったようだ。
良さそうな服に限って妙に値段が高く、さすがにそこまで予算をかけられない。
困窮している訳ではないのだが、裕福でもない一介の冒険者に過ぎないのだ。
仕事に必要な消耗品も少なくはなく、日用品にそこまで高価な物を買う訳にはいかない。
何度か値段交渉も試みたのだが、私に交渉や商売の才能がない事を思い知らされるだけであった。
値段の面での妥協が難しいとなると、やはりデザインの面でもう少し妥協が必要か……。
まともな服を買うために繰り出してきたというのに、それだけの事にこうも手こずるとは。
思わずため息もこぼれる。
賑わう周囲とは裏腹に、私の足取りはどんよりと重くなっていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 夕暮れの市場」にクロイツさんが現れました。
■クロイツ > 本日もギルドの仕事を終えての帰り道による市場。
時間が時間だけに色々な姿の人々が集まる場所を器用に間をすり抜けて歩いて。
変わらない店もあればその日だけ出ているような店、そういったものを眺めて歩いて。
そうしていれば前方に冒険者のギルドで時折に顔を合すことのある人か影を見つける。
周囲の様子とは裏腹に足取りが重く見える気がするのを気のせいかと考えて。
「や、こんな場所で会うなんて奇遇だね。仕事を終わらせての買い物?」
目についたからには声を掛けないのも悪いと考えて軽い様子で声を掛けていく。
■エナーシア > 「うん?ああ、ちょっと服をな……」
気分が沈んできたところで不意に声をかけられ、問いかけには曖昧に肯定する。
そういう風に装っているのは自分でした事とはいえ、やはり嘘をつくというのは少々罪悪感があり歯切れも悪い。
しかしこの男、見覚えはあるはずだが名はなんといったか……。
嫌いというわけではないが何となく距離を置いていたという印象は覚えているのだが……。
とりあえず、無駄に対立するような真似はしたくはない。
こういう時の挨拶は、……そうだ口づけだったな。
うん、口づけは知り合いに対する一般的な挨拶だ。
どこもおかしい事はない。
早速この男、名前はよく思い出せないがとにかく彼にキスするべく首に手を回し唇と唇を近づけた。
■クロイツ > 「服を?それだとこの辺のは少し高くない?」
ギルドで顔を合せたときに一度名乗り合っただけで後は挨拶をする程度の仲。
そのために問いかけに普通に答えが返ってくれば思わずにそんな事を返して。
名前は確か……と少し考えれば思い出して一人納得するように頷く。
自分のような初級ではなく中堅の先輩で揶揄うような意見の対立が数回あったなと。
自分としては仲良くしたいがそのせいもあって避けられているのかなと感じていて。
また避けられるかなと思ていると女との距離は近くなっていき首に腕が回される。
え?と何か言おうとする前に唇を奪われてしまえば反射的に抱きとめるように腰に腕を回して唇を割り舌を押し入れようとしてしまって。
■エナーシア > 口づけると抵抗なく受け入れられ、軽く舌を絡めた後顔を離した。
まあ至って普通の挨拶だ。
何も問題ない。
「確かに思ったより高いな……。
ここなら何かしら見つかると思ったんだが、どうも私は日用品の買い出しが下手なようだ……」
相変わらず名前を思い出せないが、自然に会話は続いている。
案外なんとかなるものだ。
今まで何となく避けていたが、こうして面と向かって話していると別に嫌なところもないし、せっかくだから彼に買い物を手伝って貰うか。
別に変な物を買う訳でもないし、同業者の間で無駄な対立などしても仕方ない。
これを機に少し関係を改善できれば言うことなしだ。
「とりあえず服を揃えたいだけなのだが、君はこの辺りには詳しいのかな?どこか手頃なところがあれば案内してくれると助かるのだが」
■クロイツ > 特に抵抗もなく軽く舌を絡めては離れ。
結構大胆な挨拶だなと思うが口にはせずに笑みを浮かべて。
「こちの方は結構いい服が多いからね。その分値段も張っちゃうんだよ。
こっちでも十分見つかると思うけど…エナーシアはとりあえず目についた店に入ってない?」
名前を思い出せば遠慮なく名前を口にして話を続けて。
嫌われているのかと思っていたが話していればそんな様子はなく。
敵対しないのであれば仲良くしていきたいという信条があるので楽し気に笑みを浮かべて。
「この辺りはよく使うから詳しいよ。どんな服を買いたいかによるんだけど案内はできるかな。手頃だと…うん、こっちだよ」
彼女の言葉に少し考え、手頃でちょうどいい店を思い浮かべて、こっちだよと案内を始める。
■エナーシア > 「詳しいようならお願いしたい。いや本当に助かるよ」
まずい。
普通に名前を呼ばれていた。
さりげなく名前を聞き出そうと思っていたのだが、向こうはしっかり覚えているというのにこれはちょっと聞きづらい。
いや一応少しは思い出してきているのだ。
確か、クロスだか、クロロだか、とにかくクロなんとかだ。
クロ、クロ……、クログロは、絶対違うな。
黒犬……?惜しい気がするが違う……。
もう少しで思い出せそうな気がするのだが、とりあえず会話で場を持たせねば……。
「そ、そうだな。みすぼらしいのは困るが、そう高価なものでなくていい。
普段着用の、どちらかといえば地味めでいいのだが」
彼の案内についていきながら、なんとか記憶を掘り返し名前を思い出そうとする。
動揺が気取られていなければいいのだが、さっきは少し声が上ずってしまっていたな……。
■クロイツ > 「構わないよ。同じギルドの仲間なんだしね。
こういう時は助け合わないとさ」
まさか名前を忘れられているなど思わずに楽しげに笑ったまま願いにうなずき。
ここからだとどこの店が近いかなと考えて足を進める。
嫌われていないでよかったと思いながら会話に嬉し気に答えて
「みすぼらしくなくて高価でもないか。意地めだね。
それならいい店があるよ、こっちだよ」
近道もあるしと並ぶように歩幅を合わせれば彼女の腰を叩き。
そして見上げて「クロイツだよ」と名前を告げる。
途中で感じた同様と声のうわずに忘れたなと思い当たって。
■エナーシア > ……忘れていた私に落ち度があるのだが、何というか親切さも時に人を傷つける。
しかし、おかげで無用な悩みから解放されたと思おう……。
とにかく彼、クロイツの案内に続き歩みを進める。
「あー……、頼んでおいてなんなのだが、女の買い物に付き合うのは嫌ではないのか?」
我ながらいまいちな話題転換。
思ったより動揺していたようで、全く気の利いた話題選びが出来ていない。
そもそも女の買い物といっても普段着で、そう大したものでもないというのに、本当に私は何を聞いているのだ……。
■クロイツ > もしかして言わなかった方がよかったかなと彼女の様子を眺め。
大きなお世話だったか実は言わなかっただけかなと考える。
「ん、大丈夫だよ。時々買って帰ったりするからね。
むしろ慣れてる方かな。それに一人じゃないからむしろ行きやすいよ」
問われたことに何でもないという事のように軽い口調で返し。
緊張しないというように笑みを浮かべたままに見つめて。
こういう会話はあまりすることがないので聞かれたことにも楽し気に答えて。
そうして歩いていけば道を抜けた先に一軒の店が見てきて。
「ここだよ、ここなら気に入るのがあるんじゃないかな?」
■エナーシア > 何というか、クロイツはかなり良い奴だ。
名前の事もだが今まで何となく避けていた事がますます申し訳なく感じる。
「いや本当に助かったよ。ところで図々しいようだが、一緒に服を選んでくれるかな?
一応客観的な意見というものも聞いておきたいし」
案内された店に入りながら、クロイツの唇に軽く口づける。
一般的な、軽い挨拶だからな、これは。
何もおかしくはない。
■クロイツ > 親切にはそれなりな下心も最初はあったりしたのだが。
最初のキスとこうして嫌われていなかった?ような様子にすっかりとそんなことも半ば忘れて楽しそうにして。
「これぐらいならお安い御用だよ。
ん、俺でいいなら手伝うけど……あとでセンスが悪いっていうのは無しだよ?
あ、それは判るよ。他人の意見も聞きたいよね」
案内した店に入れば再びキスをされて。
そのことに頬を緩ませて笑えばこっちだよと本当に慣れた様子で彼女の気に入りそうな服の並ぶ一角へと案内を始めて。
■エナーシア > 「ははっ、私よりセンスが悪いということはそうそうないと思うよ。
今までこういった事に無頓着すぎたのを反省している最中だからね」
柔和で親切な対応には本当頭が下がる思いだ。
買い物が終わったら改めてお礼が必要だな。
だがそう思った矢先、年甲斐もなく思わず赤面してしまった。
「……あー、いや、これは」
案内された先は、なんというか露出の少ない、完全に体の線が隠れるような服ばかりだった。
確かに鎧姿はこんなものかもしれないが、これを普段着に勧めるというのは、さすがに……。
せめてもっと体に密着して、ヘソぐらいは出ている服ぐらいを想像していたのだが……。
■クロイツ > 「んー…どうなんだろ。俺が着る訳じゃないからどうしても悪くなっちゃうかもだよ?
それなら今からおしゃれに目覚めるのも悪くはないんじゃないかな?」
こうして誰かと買い物など普段と違う経験が出来ることに感謝をして。
ありがとう、と軽く頭を下げる。
そして言っていた地味目の服が並ぶ場所に来たのだが……。
「さすがに地味すぎたかな?でも目立たないならこのぐらいなんだけど…。
それともあっちにする?」
案内したのは露出の少ない地味目の服が並ぶ一角。
彼女を見ればどうにも気が乗っていない姿に隣を指し。
そこに並ぶ露出が多く体の線がよく出る服が並ぶ場所を進めてみる。
■エナーシア > どう言ったものかと言葉に詰まっている間に、クロイツはさっさとコーナーを移動していた。
照れる様子も悪びれる様子もない辺り、これが天然というやつなのだろうか……。
しかしこれを指して地味すぎるとは、こう見えて意外と遊んでいるのか?
益体のない思考に囚われ言葉に詰まっている間に示されたのは、概ね想像通りの品だった。
「あ、ああ。そうだな。この辺りなら良さそうだ……」
目のやり場に困る服から視線をそらし、目当ての服の物色を始める。
体に密着し丈が短いといった程度の服で、私からするとまだ派手すぎるという印象だが、あまり硬すぎるのも問題があるしとりあえずはここから選べばいいだろう。
しかし、クロイツに色々と意見を貰おうとしたがこの調子だと何を着せられるか分かったものではない……。
やはりちゃんと自分で選ばねばならないということか。
いくつか手にとって見比べながら、そんな事を思う。
■クロイツ > 案内した店もある意味は通いなれた店であり。
店員ともそれなりな顔見知りという事もあって彼女を伴いすいすいと歩く。
実のところかなり遊んではいるのだがそういう風には普段は見せないようにしているだけでもあり。
次に示した方には良い反応がありあれ?っと首を傾げ。
「そっか、こういうのがよかったんだね」
なるほどと納得をしながら早速選び出した彼女を楽しげに眺める。
どんな服を選ぶのか楽しみではあるのだが…少しだけ進めてみようともっと派手なコーナーから一つ手に取り。
「こういうのはどうかな?」
と見比べている彼女の前にさりげなく…少しでも動けば仲が見えてしまうようなミニスカートを進めてみたりする。