2017/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にヴィルフリードさんが現れました。
ヴィルフリード > 酒場の喧騒が好きだった。 乾杯の音、談笑、元気よく注文を厨房に投げる店員の声。
それに耳を傾けながら、騎士はゆっくりとカウンターで酒を飲んでいた。
手元には広げた羊皮紙の地図と、ウィスキーの瓶。 グラスにはストレートで。

「うん? ああ、今度また街道の警備を回されてね
 ついでにオーク討伐って事になりそうなので、ちょっと周辺地形を予習してるんだ」

顔見知りの店員に返す声は穏やかで。
しかし、その見た目は酷く酒場では浮いていた。
夜の室内であるのにマントを羽織り、フードを深く被って顔を隠している。
手袋をはめた大きな手が小さなグラスを抓み、そのフードの奥に差し入れれば、一口で酒は無くなる。

ヴィルフリード > 見るからに怪しいその風体を初めて見た冒険者が、店員にその男の素性を尋ねる。
すると、あっさりと店員は返す。 王立騎士団の騎士さんですよ、と。
よく見れば確かに、酒をグラスに注ぐ男の胸元、マントの留め具には騎士団の紋章。

男は、深く被ったフードの奥で聞き耳を立てる。
そして、噂をする冒険者の方を見れば、小さく手を振って見せるのだ。
ランプの明かりではフードの奥の陰は払えず、相変わらず顔は見えないが、怪しい者じゃないよ、と言う様に。

ヴィルフリード > 聴かれているとは思わなかった冒険者が、騎士のそんな気安い仕草に驚いてさらに警戒心を高める。
それを見れば、困ったようにフードを被った頭を掻く騎士。
それを見てカウンターでグラスを拭いていた老年のマスターが笑う。

「そう笑わないでくれよ、マスター 私も一応気を使っているんだ
 じゃなければ、こんな風に非番なのに重苦しい鎧を着て、殊更に身分を主張していない」

苦笑交じりに、黒金の鎧の胸を叩いて見せる。
肩を竦めるマスターに、こっちも嘆くように肩を竦めて見せる。
それを眺めていた冒険者も、まあ、暴れるような輩ではないのだろうと警戒心を半分の腰ながら食事に戻った。

ヴィルフリード > 「好きでフードを被って、魔術師なのか騎士なのか分からないような風体をしてる訳じゃあないんだがなあ…
 …マスター、ウサギの焙り肉、腿の所が良いな あるかい?
 ある? ああ、じゃあ、塩を強めに うん、ありがとう」

慣れた様子で注文を投げれば、注いだ酒を一口。
置いたショットグラスを駒の代わりに地図の上を滑らせ、

「森の中では戦いたくないな…騎馬の利点は損ないたくない
 手勢は30、冒険者の斥候を3人ほど雇って、森の外までおびき出してもらうか?
 …金がかかるな、悩ましい…」

ううむ、と唸って頭を掻く。

ヴィルフリード > 「かといって、馬上平地は得意でも、森の中を駆け巡れるような騎士も居ない
 …私が単独で行くか…? ああ、いや、ダメだ、また副官に怒られる…」

深い溜息と共に頬杖をつき、グラスを摘まんで一口飲んだ。
軽くあおるようにしても、不思議とフードの奥の陰は動かず、顔は顎の先すら見えない。
息を吐き、地図を人差し指でこつこつ叩く。 頭の中は、騎士団の経費の運用だ。

「…経理方が欲しい…小隊程度じゃあ願うべくもないが、勘定が巧い奴が一人いるだけで違うだろうになあ」

ヴィルフリード > 「かと言って、安い冒険者は信用が置けないものも多いし…
 ギルドに通すと紹介料やらなんやらでまた費用が上乗せされるんだよなあ
 いや、命を預けるのだから信用が置ける事は何よりもなのだけれど…」

金、金、金だな、と情けない声で愚痴る。 余り部下には聞かせられない。
そこに、焙り肉の良い香り。 地図の上に遠慮なく置かれた皿を見れば、顔を上げて。

「マスター、貴方も元冒険者だろう? 誰か腕の良い冒険者をー…
 あ、そう、ギルドに恩立てしてると ちゃんとギルドを通して正規の金を払えと
 ですよねー、ごもっとも … …はぁ、いただきます」

骨付き肉を抓み、フードの奥に差し入れる。 塩と香草で焼き上げた兎の肉は香ばしい香り。
騎馬を突き立てれば、パリッとした皮に穴が開き、噛み締めれば肉汁があふれる。
熱い肉をはふはふと口の中で転がしてから、グイッと酒を飲み、息を吐く。

「ああ、美味い…」

しみじみ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > よう『首輪付き』、柄にもなく難しい――顔は相変わらず見えんな。

(ウィスキーのボトルに、グラスを一つひっさげて。
なんとなくなれなれしく声を掛け、近づいてくる冒険者風の男が一人。
かつて何度か仕事に協力した事もあり、何時の時だったか、「あぁ、なるほど」と何となく察した様で。
それ以降、現在の状況に対して冗談と皮肉混ざりに『首輪付き』なんて呼んでいる様子。
まぁ、口の端を上げる笑みから、これと言って悪意はないらしい。冒険者がじゃれて言い合うようなモノである)

地図ねぇ、魔物退治か何かか。
二足のわらじ状態は大変だぁね。

(覗き込みつつ隣の席へと腰を降ろせば、相手のグラスの減った分を埋めるように、なみなみと琥珀色の液体を継ぎ足した。
なお、肉体関係はない、肉体関係はない、大事な事なので二回)

ヴィルフリード > うん? …ああ、『傷物』、そっちも相変わらず軽薄な様子で。

(視線をやる。 そして、頬に傷のある青年に笑って返す軽口は、ともすれば喧嘩を売っているように聞こえるが、
 アシュトンに酒を注ぎ返してから、軽く掲げる仕草。 呑む口元は陰で見えない。)

ご明察だ、ちょっと貴族に恩を売るために、オーク退治だよ。
何を言う、私は心身共に王に捧げている、二足の草鞋なんてとてもとても。

(二人の出会いは、騎士が冒険者の手を借りに冒険者ギルドに登録しに来た時から、なのだけど。
 わざとらしく丁寧な発音でそんな事を言ってから、肩を揺らして笑う。)

暫くぶりじゃあないか、アシュトン。 景気はどうだね?

アシュトン > 軽薄とは心外だなぁ。真面目な時は真面目だぜ? もっとも、暇なときはなるべく気楽に行きたいんでな。
飯食いながら真剣に地図とにらめっこなんて俺にはとてもとても。

(くくっと喉を鳴らせば、注ぎ返されたグラスを手に取り。
似たような仕草で軽く掲げれば、一口で半分程を胃に流しこみ、アルコールの混ざった息を吐き出した)

ま、貴族に恩を売っておくに越したことはないからな。後は商人。
オークか、数次第だなぁ。洞窟にでも潜んでるなら、いっそ毒煙なり水を流し込むなりが楽だが。
へいへい、真面目な事で何よりですよ。

(ぼんやりと皿に隠れた地図を眺めながら、ぼやく。
詳しい内容は分からないが、どうも森の中が焦点な様だ)

ぼちぼちだな。今はちょっと休暇中。小さい仕事は受けてるがね。

ヴィルフリード > はは、つまり、真面目じゃない今は… だろう?
ワーカーホリックと笑ってくれ、職業病と言う奴だ。

(肩を竦めてアシュトンの笑みに返す。 まだ湯気が立っている兎肉を勧めた。
 騎士と冒険者、気位ばかりが高い騎士が多い中、あまり見かけない組み合わせだろう。
 しかし、気にした様子も無く、気楽に頬杖をついてアシュトンに身体を向ける。)

ああ、商人は良いな、色々と融通が利くようになる。
…いや、人助けと言うのは無償で行うべきことなのだよ、アシュトン。
ところで街道でオークに困ってる商人の知り合いはいないかね。

(真面目くさった講釈の後に、そんな事を尋ねれば、二人一緒に吹きだした。
 年も近いこの相手は、気軽に話せる数少ない友人とも言えた。)

毒で燻すのは私も考えたが、一応貴族領なのでね、余り後に残る事は出来ないのだよ。
水を流し込もうにも、川が遠くてね。 水路を通してる間にオークたちは逃げてしまう。

(簡単に話すのは、森の奥の洞穴からオークの群れを誘い出す策について。)

休暇か、羨ましい事だよ。 どうだアシュトン、そろそろ暇を持て余している頃じゃあないか?

アシュトン > ま、そう言う事だ。オンオフの切り替えは大事だからね。
はっはっはっはっはっは。
休むのも仕事の内って言うからな、適度にしておくがいいさ――余計なお世話だろうがね。

(片目を薄く閉じれば、口端を緩く上げた後。
なんかものすごくわざとらしいわらいごえを上げた、だって笑ってれって言うから。
酒をチビチビとナメながら、兎肉が差し出されると、端っこから遠慮なくと頂き、咀嚼する)

商人は金払いについては渋るが、中々手に入らないモノを優先でまわしてもらえたりするからな。
……それは騎士っぽい考え方だな。宮仕えは国から金が出るが、冒険者はそうもいかん。タダで働いて、噂を聞いて俺も俺もと寄って来られちゃ洒落にならんからな。
くくっ、後で紹介してやるよ。素知らぬ顔で『話に聞いたのだが』とか言って近づけばいいさ。

(にいっと、顔がものすごく悪巧みっぽい表情になった。なんとも酷いマッチポンプである)

ま、貴族騎士は体面が大事だからな。
転移スクロールを使って水を、なんて手もあるが費用がねぇ。

(余り奇策は向いていない状況らしい。
そも、大部隊を使えるのならこんな場所で悩む必要もなし。費用も余り期待できない感じである
(酒のツマミに煙草を懐から取り出し口に咥えるのだが、何かに気づいたかのように指で挟んだまま動きを止め。
唇から離すと、紙巻を左右に軽く振ってから元の場所へと戻した))

ジワジワ金が減るのを見ているのは、中々楽しいぞ?
ふむ、期間と賃金次第だな。直接契約にしてやるから、組合の手間賃は省けるだろ。

(表情自体は柔らかいままであるが、黒い双眸の内側に微かと真剣みが宿る。
所謂『お仕事』の話だ)

ヴィルフリード > ざぁとらしい

(無駄にくっきりした笑い声をあげるアシュトンに呆れたような声を返す。
 しかし、適度に、と言う言葉に、ああ、と素直な声を短く返した、)

逆に、本当に価値があると思って貰えれば、糸目をつけずに費用を出してくれるからな。
その辺りは、信用と実力の見せ所だ。 金銭以上の対価を見せられるよう、働くさ。
…ああ、成程な、それは確かに私達騎士とは違う所だ。 あまり無理は言えんなあ…。

…成程、それは良い。 お主も悪よのう、と言うのだったかな、東では?

(フードの陰の奥で笑う気配。
 そして、スクロールで水を呼ぶと聞けば、そんなスクロールを買う金は無い、とお手上げして見せた。)

うちの隊は良くも悪くも自分の身体を鍛え上げていてね、
自分の身体以外の力は酷く不得手なんだ。

金が減るのを太平楽に眺めている趣味はなさそうだけれどな、アシュトン?
…3日、5000ゴルド。 任務中の食料は騎士団の備蓄から出そう。

(まずは、安くないが、高くもない値段を提示する。)

アシュトン > 商人だからな。被り続ける損害より、払った方が安くつくならな。
なもんで、俺達みたいなのはちゃんと金をもらって、契約内容通りにお仕事をするってのが基本だね。
命に係わりでもしない限り、しっかりとこなすさ。

いいえ御代官様程では――御代官って何だよ。

(何処かで聞きかじった言葉を返せば、自分のセリフなのに意味が分からなくて頭を横に傾けてしまった)

ま、適材適所だな。
鎧着こんだ騎士を下馬させて森に突っ込ませるとか自殺行為も甚だしいし。普通の兵士の方がまだマシだわ。

多喰らいを一人今養ってるから、金は幾らあっても困ることないな。
三日で5000か……食事は其方から、諸経費は――俺持ちだろうか。
仕事内容次第で多少交渉はさせてもらうが、ひとまずはそれでいいぜ。

(大体、25日分。訳1か月分の生活費、といった所か。
拘束期間も含めれば国の騎士団から受ける仕事でと考えれば、まぁこんな感じか。
どこぞの村がオーク被害にあってる、なんて仕事内容よりか実入りがいいのは確かである。
互いのグラスにウィスキーを注ぎ直すと、乾杯を勧める様に差し出した)

ヴィルフリード > 費用対効果とは言うが、私にはそう簡単にけいさんは出来んなぁ。
今までの損害を回収したくなって、より金をかけてしまいそうだ。
私は商人に向いていないんだろうなあ…。

…私に聞かれても分からんが。

(なんだそのお代官様って、とこちらも首を傾げて返した。
 それから、騎馬兵の長短所をよく理解している相手に頷いて、)

ほう、とうとう所帯でも持ったか? 色男も年貢の納め時…と言う訳でもなさそうだが。
羨ましい事だけど…ああ、ギルドを通すともっと払う事になるから、これで受けてくれるなら御の字だ。
一人ではキツイだろうから、増員はかけて良い。 ただ、騎士団が出せるのはその経費の半額までだ。

(とりあえずの交渉があっさりと済めば、内心ほっとする。
 アシュトンとは何度か仕事を共にして、腕が立つことは知っていた。
 彼が費用に見合っていると思ってくれる限りは、良い働きを期待できる。

 差し出すグラスに軽くグラスを当てて鳴らし。)

その一杯くらいなら奢るよ。
で、さっき話にあった、養ってる大喰らいと言うのはー…

(好奇心を隠さず、そんな話を酒の肴にするのだった。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からヴィルフリードさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアシュトンさんが去りました。