2017/04/07 のログ
エズラ > それからしばらく、食事を続ける。揚げた魚の他に、ポテトも口に運びつつ、ジョッキを空にする。

「おい、もう一杯頼むぜ――」

忙しく走り回るウェイトレスを呼び止めて追加注文。男が満腹になり店を後にするのは、もうしばらく後のこと――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にカインさんが現れました。
カイン > 平民地区の中でも夜こそが最隆盛の場所がある。それこそが、飲み屋や如何わしい店の軒を並べる繁華街。
その中でも特段何と特徴がある訳でもない酒場の一つ、食事処と宿が併設された店の中でも目立たない
カウンター席の隅に腰掛けた黒尽くめの格好をした男の姿があった。

「さーて、夜通し歩いた自分へのご褒美ってやつだな。いやよく頑張った俺。
 たどり着いたのは朝方だったんだからどれだけ歩いたか知れねえな」

周囲の喧騒も意に介した様子はなくジョッキに波々と注がれたエールと
ツマミとして出されたばかりのチーズの盛り合わせを前に上機嫌に目を輝かせながらも軽く手を揉んで、
ジョッキを手に取れば一気に飲み干す。と、勢いそのままダンッ!と鈍い音を響かせながらカウンターにジョッキを
叩きつけ、上機嫌にチーズに手を伸ばしかければ騒々しい店内が一瞬シンと静まり返り、すぐにざわめきを取り戻す。
勿論そのざわめきの中の結構な割合に、男への文句や流言が含まれているのは想像に難くないのだが。
若干の居心地の悪さを感じつつも店主に酒をもう一杯追加で頼みながらチーズを改めて齧れば、人心地ついた様子で息を吐き出す。

カイン > 「――あー、店主。こいつで適当に酒を。酒が飲めないやつにまで奢らんでいいぞ」

暫くは気にしない風を装っていたものの、居心地の悪さに負けた様で酒の追加を差し出したマスターに、
多少の金子を差し渡せばしてやったりといった体で頷いてみせるマスターを若干苦々しげに見やりつつも
すぐさまタダ酒に沸き立つ振り返らずとも判る後ろの様子に肩を竦めながら改めて追加の酒を煽れば、
今度は酒を叩きつけることなくカウンターに置いてチーズを齧り。

「なんというか此処の所間が悪くていかんな、今日も到着と同時に乗合馬車が後ろから追い越していったしな」

街道を夜通し歩いてきた所を追い越された苦い思い出を思い返しながらも喧騒に身を委ね、
中途半端にまずくもないが美味くもない酒の風味を楽しんで目を閉じ。

「久しぶりだがこういう喧騒だけは変わらんなあ、店やら何やらは大分変わってるくせに」