2017/02/02 のログ
ノーガルト > 「それもあるが…俺たちは三人で家族だ。だから、一人でも欠けるわけにはいかない。」

(そして、シンシアが一番その危険性がある。
だからこそ、過保護にもなってしまうのだ。

失いたくないという気持ち、わかってもらえないのは悲しい。
しかし、それをわからないほどシンシアは愚かではない。
そのことを信じているからこそ、こんな風に笑みを浮かべることもできるわけで。)

「ああ、そうだな……あれはまだ作り置きもあるし、持っていくとしよう。」

(できれば、あまり多用したいものではないのだが。
眠気が取れるため、よく愛用している丸薬ではあるが…この国では材料がなかなか手に入らない。
だからこそ、今では数に余裕はあるがそのうちなくなってしまうだろう。

早いもの勝ち、シンシアがハグをする相手はどんな男か。
あの狼ならまだ許せる、しかし他の男だとちょっと許せないかもしれない。
…ずいぶん心の狭い男だ、とノーガルトは自分自身にため息をついた。)

シンシア > 「そうね、わかってる」

自分をつなぎ止めておくものが増えていく感覚。
最近は悪くないようにも感じてしまってた、彼に見えないから
顔を正面に向けるまま小さく笑って

「…いたずらに人にあげちゃだめよ?」

自分には爆弾のような辛い珠。いたずらっ子のように笑う彼を思い出せば
道中に食べられないでいてほしいと思いながら

後ろでなんだか静か、怒ったかな?と気にして
抱きしめれくれる手を重ねて叩きながら
背もたれのように彼の体に自分の背中を押し付けて

「…おこった?ちゃんとノルきてくれたでしょ
 少し前から、私のハグ係でしょ?」

ノーガルト > (大事なものが増えると、それを逆手に取られる。
シンシアは、以前そういって大事なものを作ろうとはしなかった。

しかし、今ではその考えが失せているようにも見えた。
大事だからと、三人で暮らしていくさなかでの考えの変化。
ノーガルトにもあるものを、シンシアは感じてくれているだろうか。)

「さあ、どうするかな……?」

(あの激辛の丸薬、トウガラシやサンショウなんかを、細かく砕いてそのまま丸薬にしたもの。
噛みつぶせば、舌がマヒするほどの辛さを持っているあの丸薬。
人にあげないようにと念を押すシンシアをよそに、ノーガルトはそっぽを向いて悪い顔をしていた。)

「……怒ってはいない。」

(だが、そういう無節操なところはあまり好ましくはないかもしれない。
こんな街だ、ハグ係を買って出て、そのまま乱暴されてバフートへ。
そんなことになることもあるんだから、もう少し危機感を持つべきだとは思う。
だからこそ、ノーガルトは背もたれのようにもたれかかってくるシンシアを、少し強く抱きしめた。)

シンシア > 少し前までなら、しがらみと思って
誰とも一定の距離はあけてたつもりだけど…
最近では、真逆なほどに、執着さえしてしまう心が浅ましく感じての自己嫌悪

「…うわー…」

なんだか顔を背けて口もとが笑って見えた
これは、またする気だと感じて、次の被害者に同情してしまいそうになる

「…怒ってるみたいだよ?」

一言だけの言葉に強くなる腕の感じに手を重ねて
体に腕に包まれて、大きな体に取り込まれるように体は隠れていく

「ごめんね、意地悪いった」

仕事のために遠くへ行くという
理解してるけど、寂しい…と、感じたことを口に出せず沈んでた気持ち
早いもの勝ちじゃない、彼が来たから触れられたくなったと小さな声で白状して

ノーガルト > (シンシアの思うとおり、またするつもりであった。
どうせ寝ずの番をしなければならないときはあるのだから。その時に差し出すつもりだった。
そして、シンシアが味わったあの辛さを、また誰かが味わう。

今度は誰が被害者になるのか。
できれば辛いものが苦手というものがいい。
あのリアクションは、いつみても楽しいものだった。)

「………怒ってない。」

(実際には、すねているといったほうが正しいのかもしれない。
だが、それも結局はシンシアの意地悪で、そしてわがまま。
それをわかっているからこそ、ノーガルトもこんな顔をするのだ。

わかっている、離れたくないことくらい。
だからできるだけ、次の仕事に行く間くらいはずっと町中にいるつもりだった。
家族と一緒にいる時間を増やすために。)

「……シンシア、帰ろう。そろそろ、本格的に冷えてきたからな。」

シンシア > 「うん、じゃあ…仲直りに一緒にお風呂はいろ?」

抱きしめられてた腕と膝から降りて彼の正面にたって笑う
一緒に過ごそう、たくさんの時間を3人で…と

ニコニコと笑顔を浮かべながら手をつなごうと片手を差し出して

「寒いから、はい…片手のぬくもり、まもってね?」

新月の傾きも過ぎていく、夜も遅くなったのだろうと彼の言葉に
過ぎた時間を感じて

ノーガルト > 「…公共の場でいうことでもないだろう。」

(誰かに聞かれていたらどうするんだとばかりに、苦笑した。
自分の上から降りて、真正面で片手を差し出し、笑みを浮かべている女。
その笑いを、自分は守れるだろうか。

それが、ノーガルトの一番の悩みだった。
護ってやりたい、護りたい、護らなければならない。

そんな決意を、いったいどれだけしただろうか。

片手を握り、ノーガルトも立ち上がる。
身長差はあっても、この手だけは決して放さなかった。

今日も、一日が過ぎていくことになる。
三人一緒にいられる時間、その幸せをかみしめながら。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 高台の公園」からノーガルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 高台の公園」からシンシアさんが去りました。