2016/12/07 のログ
ネネ > 通りに出ても、頼れる人は少ない
どこを目指そうか…と、浮かんだのは自分が働いてるお店の老夫婦で

大通りを横切ろうとしてたときに声がかかる
思わず脚を止めて声のしたほうへ向くと…

シルエットは人だけど
人のようでもじゃもじゃしてる…そんな種族の人なのかと思って

「もじゃもじゃさん、でも、この子のほうが寒そうだから」

と勝手に印象で呼び名を
胸に抱えてる上着で包んだ中の子猫を見せて

《鋳薔薇卿》 > 人影は身を乗り出すが、上着の中の詳細は分からず。まだ少し距離があったようだ。
視線を気にすることもなく堂々と歩いてくると、その異様な姿が灯の中に浮かび上がった。
それは、全身を蔓で覆われた1体のグリーンマン。両腕で抱え胸元に鎮座する物体は、花びらから茎から葉まで漆黒の薔薇であった。花瓶に入っており、風に逆らうように揺れ動いている。

「猫か……」

薔薇の花からどうしたことか、つぶやきが聞こえるだろう。少女の近くで立ち止まると、蔓だらけの腹部に右腕を突っ込んでごそごそと漁り、しばらく後に草蔓で編んだ籠を取り出す。

「これに入れるがよい、多少は持ちやすいだろう」

子猫が寝そべっても余裕がありそうな手提げ籠をずい、と少女の前に差し出して。籠の中は干し草が敷かれているようで、やや黄色がかった緑が見える。

ネネ > 「もじゃさん、いいの?」

近づいてきて、その姿は人ではなかった
自分も…人の姿だけど人じゃないしと似たものかなと納得
ただ気になるのはバラの花に視線がジッと向いて

籠を受け取り、その中に子猫を入れると干し草に包まれると体を丸くした。
上着に袖を通しながら

「そこの公園の木から降りれなくて鳴いてたの」

差し出された籠にいれた猫と一緒に受け取りながら
籠ごと胸の前に抱いて

《鋳薔薇卿》 > 何のことかとよくよく聞いてみれば、どうやら『もじゃさん』とは自分の事を指すようだ。
姿形から名付けたから、そう機嫌を悪くするものでもないが。

「なに、単なる気まぐれだ。
それと我は《鋳薔薇卿》と呼ばれている、もじゃではない。
元は別の存在だったがわけあってこの姿だ」

籠に入れられ、丸まってぬくぬくとする猫にちらりと首を向け、どうみても黒い薔薇から声が聞こえる。
グリーンマンの方からは言葉なんて聞こえてこないだろう。

「高い木に上ったはいいが、降りられなくなったのかね。実に若い、子猫らしいな。
それで、これからどうするのかね。飼い主を探すつもりか?」

ネネ > 「《鋳薔薇卿》?わかった、私はネネね?」

籠を貸してくれて、その中で子猫が暖かそうに丸々姿に
安心したように笑顔になる
この先をと聞かれて

「うん、でも私いるとこは宿だから…連れていけないかなって
 だから、お店のおじーさんのとこに行こうかと思って」

口はないのに声がきこえる
バラと蔦ばかりといろいろ見てるけど、わからない
宝物にしてる植物図鑑でも見たこもないから…不思議そうに見つめるばかりで

《鋳薔薇卿》 > 薔薇の花はしばらく、風もないのに揺れていたが、
喋るのに適した器官はどこにも見当たらないようだ。つくづく、奇妙な存在である。

「ふむ。なるほど、一応当てはあるのか。
酒場で依頼でも出してみるのもいいが、
……もう夜だ、日を改めたほうがいいであろうな」

茎を曲げ、籠と少女を一瞥するように花を傾けると。

「探し物の途中であったわ。ではな、ネネよ。また会おう」

そう言い残し、グリーンマンに抱えられて離れてゆく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から《鋳薔薇卿》さんが去りました。
ネネ > 不思議な植物の人からの声に、も返答を返し
用事の途中と離れる姿を見送りながら

「うん、今夜はね…お店に行ったらすぐ帰る」

籠に入れて抱えても寒いだろう、相手と別れると
そのまま夜なのに子猫をあずけにお店に戻る

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からネネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアラミルさんが現れました。
アラミル > 今夜は富裕地区を離れ、平民地区へ現れた、令嬢のような小ぎれいな格好をした少女
しかしその足取りはふらふらしたもので

(おなか、すいた…でも、ばふーと……)

先日から空腹…精気を食べていない彼女の思考はぐるぐると回っている
初めてできた目的と、自分自身の食欲の狭間でくるくるくるくる

(……たより、すぎる、のも…)

実を言うと今纏っている衣装をくれた人物に頼ればきっと何かしら解決策は浮かぶだろう
浮かばなくても、彼なら空腹は満たしてくれることは確実だ
しかし、優しさというものにあまり触れてこなかった彼女はそれに縋りすぎることを是としなかった
理由はわからないが…薄く流れている、淫魔の血のプライドだとでもいうのだろうか

(とりあえ、ず…おなか、すい、た…)

ふらふらと病人のように…酒場などが活気づくこの時間帯の平民地区の大通りを彷徨っている

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にストークさんが現れました。
ストーク > 平民地区にやってきた変わった衣装の男。
男は富裕地区に居を構える宝石商だが、大の遊び好きでもあった。
今日はこの辺りで飲んでいたのか、顔を赤らめながら歩いていけば、銀髪の少女が目に入った。
彼は今にも倒れそうになりながら歩いている彼女を訝しく思い、つつ…と近づいていくか。
その身なりと行動や雰囲気がどうにもちぐはぐであり、どうしても捨て置けなかったのだろう。

「そこのお嬢さん。どうかしましたか?」

腰をかがめて相手の目線まで落とせば、どうかしたのかと問うていくだろう。

アラミル > くらくらと視界が揺らぐ彼女は声をかけるまで酔った宝石商の男には気づかず
声をかけられればうつろな半目で男を見て

「ぁ、…ごは、ん…、ばふー、と……いか、な…きゃ……あ、ぅ…」

男にとっては意味不明であろうことを呟きながらしなだれかかってしまい
男の体躯であれば軽い彼女が倒れてきたとしても余裕で受け止められるだろうが
どくん、とごはんを求める衝動が彼女の中でひそかに強くなっていく…

ストーク > 「食事…ですか?」

男は自分の身が酔いから醒めていくのを感じていた。
撓垂れかかる身は軽く、受け止めることには難はなかったが、今度こそ身なりと言動が一致しないことを確信したのである。

この娘は何かある。
自分の肉体を引き裂かれるのではないかという恐怖が背筋に走り、脂汗を垂らしながら女の肩を抱いて自らより引き離していく。

「お食事ならこの辺りのお店を紹介しましょう。
 とても美味しいものが揃っていますよ。」

男は笑みを絶やさぬまま、少女に人間の食事を紹介しようとする…。

アラミル > 「ちがう…おみせ、じゃ…だめな、の…。あ、あ…でも…たべちゃった、ら…ばふー、と…」

男が感じた気配は身を引き離そうともさらに強くなっていく
海千山千の相手をしてきた商人の男なら危機感は一入に募っていくだろうか

「あぅ……でも、だめ……だめ……」

大通り故人目もある。しかし少女は我慢できず…
殺気ともいうべきものが膨れ上がる。その後、ぼふ、と何かの爆発のように少女から薄桃色の煙があがる
それは吸い込めば即座に麻痺と媚薬の効果を発揮するものだが…いつものように制御はできておらず爆発が上方向に伸びてしまい…
殺気に反応して飛びのけば、人間の身体能力でも十分に範囲外に出られるだろう

ストーク > これは本格的にまずいことをしてしまったか。
仮面のように貼りついた営業スマイルを崩さず、それでいて手のひらは汗にまみれていく。

「そう…ですか。それは困りましたね…。」

ばふー、と…とは何なのか。
考えている余裕はなかった。
殺気らしきものと薄桃色の煙を感じ取れば、武術の心得のある男は少女を突き飛ばすようにして飛び退いていく。

「な…いったい…。」

驚きのあまり声も出ないのか、距離を取りながら様子を窺っていく。

アラミル > 「あ…ぁ……考え事、してたせいで…う、ぅ……」

突き飛ばせばころん、と簡単に少女は道に転がり
薄桃色の煙はしばし漂っていたがすぐに夜空に消えていき…
追撃はなく、少女はただ息を荒くして転がって


「どうし、て…うぅ……ごは、ん……ごはん…」

力が抜けているのか…豪奢なドレスを土で汚しながら立ち上がろうとするも力が入らず結局倒れてしまって
先程男が感じた身を裂かれるような殺気は霧散し、ただの少女といった風体

ストーク > 何が起きたのか、男にはまったく分からなかった。
先日雇った護衛がこの場にいればと唇を噛みながら、腰をある程度落として身構え、いかなる事態にもとりあえずは対処出来るように。

「望みの食事を提供したいところですが、あいにくと、その中に私自身は入っていないのです。」

煙と共に殺気も霧散した様子ではあるが、命まで狙われた(と彼は状況から考えた)とあっては警戒を解くわけにもいかない。
何も知らぬ人間が見れば男が少女を突き飛ばした形。
何かあったのかと野次馬が集まってくる。
これ以上留まればさらに面倒なことになりそうだ。

「ここは逃げた方が良さそうですね…。」

男は騒ぎが大きくならぬうちに踵を返して走り出してしまった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からストークさんが去りました。
アラミル > 「あ、ぅ………」

走り去る男を追うこともできず、彼女は今日もまたご飯を食べ損ねてしまった
集まってきた野次馬が、力が抜けたただの少女に…そのあと何をしたかは、あまり想像に難くないだろう…
結果的に少量だけ、おなかは膨れたようで

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアラミルさんが去りました。