2016/11/30 のログ
■ティネ > 「わぁ」
声の方向を見上げる。
空を飛んでいる人なんて珍しい。あんまり見たことがない。
箒に乗った、桃色の髪の小さな(といっても、ティネに比べれば全然大きい)魔女。
まるで絵本から出てきたよう。お互い様かもしれない。
郵便受けの上に立って、ニコリ笑って挨拶する。
お話し相手ができてうれしいのだ。
「こんにちは。ボクはティネ。
どこから、って、うーん……あちこちから?」
首を傾げて答える。からかっている風でもない。
■アデリータ > 「礼儀は知っているようだねェ、感心感心。
アタシゃ、アデリータっていう魔女さ」
うんうん、と頷いて。
「ああ、そりゃ妖精は根無し草も多いんだったねェ……。
ここらで妖精を見るとは思わなかったよ。
どうして街にいるんだい、人攫いにでも捕まったのかねェ?」
箒は宙に固定してあるかのように微動だにしない。
またがっていた姿勢から、横すわりに姿勢を直して話を続ける。
■ティネ > 「へへー、偉いでしょ。
アデリータは妖精に詳しいの?」
感心して頷く様子に、小さな胸を張ってみせる。
「ううん、違うよ。さらわれたってわけじゃなくて、
なんというか、人間が好きだから、人里に来るの……ヘンかな?」
ちょっと不安げに眉をひそめる。
あまり人には話さないのだけど妖精といってもちょっとばかり出自が特殊なので、
そのあたり自信がないのだ。
■アデリータ > 「きちんと挨拶できるやつは、ちゃんと話のできるやつさね。
どれ、ご褒美をあげようかねェ」
エプロンドレスのポケットから飴を取り出して差し出した。
「アデレータ様をお舐めじゃあないよ?
妖精に限らず、呪術に魔術なんでもござれさね」
負けじと小さな(誇張)胸を張る。
うっかりとバランスを崩して落ちそうになるのはご愛嬌。
「いいや。妖精も家に憑いたり個人に憑いたりするやつもいるからねェ。
自然と共にあるだけが妖精じゃあないのさ。
……まぁ、アンタは色々と特別みたいだけれどねェ……」
ふーむ と唸りながら、ティネをまじまじと見つめる。
なんなら手を延ばして触ってみようとするだろう。
■ティネ > 「わー! ありがとう! アデリータ大好き!」
飴一つに顔を輝かせてはしゃぎ、頭ほどの大きさになるそれを両手で受け取って舐め始める。
かなりガードがゆるい。
「だよねえ。色々いるものねぇ。
ボク以外の妖精のことは、しょーじきあまり良く知らないけど……」
手を伸ばしても逃げはしないし、触られることを厭いもしない。
ティネの肌は柔らかくて温かい。
「ん、なぁに? 触りたいの?」
ちょっと恥ずかしそうだけど、されるがまま、ほとんど警戒はしていない様子。
手にとって乗せることだってできそうだ。
■アデリータ > 「……チョロい」
思わず口に出してしまうほどにチョロかった。
さっきまでそこにいた猫の方がよほど警戒している気がする。
「そう色々いるのさ。
トロールだって妖精だからねェ」
まぁ、アレはほぼ魔物だけど。
「触ってみれば、わかる事もあったりするかもしれないからねェ?
珍しいものは確かめたくなるってもんだろう?」
されるがままであるなら、これ幸いと色々と触る。
頬は突くし、羽にも触れるし、服も捲るし、くすぐったりもする。
ついでに胸も揉む。
「なるほどねェ」
なんて口にしているが、どこまで理解しているやら。
■ティネ > 小さいからと言って、何か欠けているわけでもない。
人間の少女をそっくり小さくしたようなつくり。
力加減を間違えればぽきりと折れてしまいそうな弱さと儚さ。
服を捲られたり胸を触られたりすれば、甲高い声を上げる。
下着らしきものはないようだ。
「ちょ、やらしいお子様だなぁ……。
何がなるほどねーなのさ!」
顔を赤くして、ぽかぽかと指を叩くが、無論痛くもなんともない。
■アデリータ > 「つくづく、人間のような作りじゃなぁ と思ってのぅ」
指を叩かれても痛くないのでやっぱり意に介さずもっと触る。
尻も見るし、人形にするように足を開いてマジマジと眺めて。
「これでも100年以上生きてる魔女様さね。
いや、厄介な呪いだねェこれは。
ひゃひゃひゃ……こんな見事な呪いは滅多に見れたもんじゃない」
■ティネ > 「やぁ……!」
脚を指で開かれれば、隠すものもない秘所が魔女の前に露わになる。
桃色の花びらの上には、浅い金色の草原が見える。
指で触れているティネの身体が、徐々に火照りだす。
抵抗しようと身を捩るが、相手にとって見れば微細な力だろう。
「呪い、わかるの……?」
アデリータの口にした言葉に、動くことも忘れて真顔になる。
とすれば、自ずと己の正体もわかるはずだ。
蛇に睨まれたように硬直する。
■アデリータ > 「おうおう、綺麗だねェ」
秘所を撫でるように指を動かす。
焦らすように触れるか触れないかを繰り返す。
抵抗も楽しんでいるようだ。
「アタシゃそっちが得意な魔女でねェ……。
若さを吸って今の姿になってるのさ」
ひゃひゃひゃ と笑う。
「言ったろう?
人間のような作り だと。
ちゃあんとわかっちゃいるんだよ」
そして秘所を舐めた。
■ティネ > 「はう……っ!」
焦らすように指で撫でられ、
終いにはぬらりと光る絨毯のような舌に舐められて、ぞくぞくと全身を震わせる。
抵抗は無駄だと悟ったのか、おとなしくなってしまう。
息はすっかり荒く、舐めた舌先には蜜の味を感じられるだろう。
「わるい魔女、なの……? ボクからも吸うの……?」
幼い見た目には似つかわしくない笑い方をするアデリータを呆然と見上げていたが
正体を指摘されて、恥辱と焦燥にうつむく。
「……うん、ボク、ほんとうは人間なの……」
人間のはずなのに、こんな小さな姿で童女の掌に収まっていいようにされている。
妖精であると自分をごまかせなくなって、ティネの胸は急に惨めな気持ちで満たされた。
■アデリータ > 「ひゃひゃひゃ……魔女は魔女さ。
白い魔女ってのもいるらしいけど、アタシゃ悪い事も良い事も気分でやる魔女さね」
舐めながら喋る。
蜜を味わう為に、丹念に丁寧に舐めあげていく。
「今は間に合ってるから吸わないねェ。
吸って欲しかったのかぃ?
それとも吸って欲しいのは別の場所かねぇ?」
からかいながら、胸を触っていく。
「余程の事をしたんだねェ……この呪いはアタシでもそうそう解けやしないよ。
子供に好き勝手される気分はどうだいティネお嬢ちゃん」
■ティネ > 「あうぅぅぅ……」
まるで飴玉にするようにしゃぶられて、味を確かめられる。
アデリータの温度と息遣いが、直に伝わってくる。
こんな扱いが耐え難く恥ずかしいし、気持ちいい。
少し胸の膨らみをつつけば、そのたびに口を開いて高い声で鳴く。
そういうふうに設えられた玩具のように。
「やめて……っ。離してよぉ……!」
いたいけな妖精だと見做されて弄ばれるのとでは、何かが全然違う。
質問には答えず、目尻に涙を浮かべ、じたばたと手足をめちゃくちゃに動かして暴れ始める。
指一本で押さえつけてしまえる非力な抵抗だが、うっかりすれば地面に落ちてしまうかもしれない。
■アデリータ > 「おやおや、暴れると落ちてしまうよォ?
落ちたら骨が折れてしまうかもしれないねェ」
いい声で鳴いてるじゃないか と目を細めて笑う。
「そうなる前に、折ってしまおうかねェ?」
折れない程度に少しだけ力を込める。
そして何かを思いついた顔になる。
「ああ、そうだ。
ティネお嬢ちゃんにもう一個、飴をあげようかねェ……」
細長い飴を取り出して、秘所に添えた。
まだ添えただけ。
どのような反応を示すか楽しむように焦らしていく。
■ティネ > 「ひっ……! ごめんなさい、許して……」
ほんの少し力を入れられただけで、骨の軋む音が聞こえ、顔を引きつらせる。
自分の弱さを思い出して、恐怖と被征服感が胸に満ちる。
「あ……」
ほとに細長いものを当てられて、小さく震える。
さんざん弄ばれて、火照った身体を鎮めようと呼吸を繰り返す。
もっと触って欲しい。欲情を慰めて欲しい。
焦らされきって、しかし言葉には出せず。
恐怖と、期待の入り混じった眼差しでそれを注視し……
物欲しそうな顔で、アデリータを見上げてしまう。
■アデリータ > 「ひひひ、そんな目で見つめられるとゾクゾクするねェ……」
子供の顔に魔女らしい笑みを浮かべて悦に浸る。
「それじゃあ、飴をあげようねェ?
裂けてしまうかもしれないけれど、まぁその体ならきっと大丈夫さね。
何よりアタシの体じゃないからねェ」
ニィ と笑った後に飴を一息に押し込んだ。
■ティネ > 「んっ――あ、あふぅぅ!」
ぐちゅり。
小さな動物を虐待するような気軽さで
一気に棒状の飴が突き入れられ、奥まで硬いもので占領され――腹がぽこりと先端の形に浮かぶ。
ティネにとってそれは下手な男根よりも大きい。
裂けこそしなかったが、痛いし、息苦しい。
飴と肉の隙間から、蜜がこんこんと湧き出している。
「抜いて、抜いてよぉ……
いじめないでぇ、おねがい……」
涙をはらはらとこぼして、アデリータに懇願する。
■アデリータ > 「おやおや、少し大きすぎたかねェ?
それなら小さくしてやらないといけないねェ」
飴をグリグリと回しながら秘所から漏れ出る蜜と飴を舐め始めた。
「いじめるなんて心外さね……アタシゃ可愛がってるのさ。
かわいいかわいいティネお嬢ちゃんをね。
ほら、こんなに喜んでるじゃあないか」
加虐に酔いながら言葉を続ける。
「飴を舐め終えたら、おしまいさ。頑張るんだねェ」
■ティネ > 「あひ、ひぃ……っ、ゆる、してぇ」
突き刺さった飴が中で回り、全身を跳ねさせて悶える。
間近のアデリータの吐息が、ティネに浴びせかけられてむせこむ。
容赦が与えられないとわかっていても、すがるように小さく大きい魔女を見上げてしまう。
絶え間なく与えられる快楽に、苦しみ怯えるだけだった表情がだんだんととろけていく。
「はぁっ、はぅっ……」
手の上で弄ばれるうち、いつしかティネは
自ら胸を淡く揉み、卑猥に腰を振って、快楽を貪っていた。
飢えた小鳥のように開いた口から、だらしなく涎が垂れる。
■アデリータ > 「おやおや、どうしたんだいティネお嬢ちゃん。
すっかり気持ちよくなってるねェ」
ひゃひゃひゃ と笑う。
アデリータの舌やティネの蜜や体温で飴はすぐにでも小さくなっていってしまう。
「いやらしい子だねェ、ティネお嬢ちゃんは。
人間だった頃から こう だったのかねェ?
アタシにゃ関係ないけれどねェ……」
飴と蜜を口に含んでティネの開いた口に垂らす。
もうじき飴がなくなるだろう。
■ティネ > 「あ……」
とろり。
飴と、淫液と、アデリータの唾液の混じったものが垂らされる。
その甘さと温かさが、ティネの傷をごまかす。
じんわりとした恍惚が広がっていく。
おいし、と思わず声が溢れた。
「だって、アデリータが、むりやりっ……」
果てる機会を逸したまま、自らを苦しめていた棒状の飴がなくなっていくのを
どこか名残惜しげに見ていた。
再び、アデリータの表情を盗み見る。
■アデリータ > 「ひひひ……そうだねェ。
アタシが無理矢理にやったねェ」
無理矢理に犯した事を肯定する。
肯定はするが。
「物足りないなら、追加の飴はあるんだけれどねェ?」
これみよがしに先ほどと同じ飴を見せ付ける。
「アタシャ用事を思い出してしまってねェ……おねだりするなら飴はあげるよ。
“どう使おうがアンタの自由さ”」
■ティネ > 「……ぅ」
わざとらしく飴を見せつけられて、唾を飲み込み、逡巡する。
所在なげに、魔女と飴を見比べる。
「……あ、アデリータに、されるのじゃなきゃ、……やだ……」
うつむいて、恥ずかしそうに口にする。
本当のところは、“飴”がほしいわけではないのだ。
それは、自分の性向を認めてしまうことでもあったけど。
――手の上で相手の視線に晒されながら、なぶって、いじめてほしい、という。
■アデリータ > 「ひひひ、よく言えました。
いい子にはご褒美をあげなきゃいけないねェ」
笑みを浮かべ、堕ちた獲物を見つめる。
そして再び飴を秘所に導くだろう。
今度こそ果てるまで。
いや、果てても再び陽が昇るまで 魔女は妖精を嬲り続ける。
それこそ 妖精が望むままに。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアデリータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にシンシアさんが現れました。
■シンシア > 静かな月夜ぼんやり、ゆっくり歩いていく
月の明かりでなんとなく周囲の様子はわかるくらいの明るさ
どこいくかも決めてないけど、なんとなく1人でいると気が沈みそうだったから
人通りも少ない街の大通り、所々まだ賑わう酒場やらから人の声は聞こえてくる
少し迷うけど、今はいいか…とその前も素通り
この先には公園もあるし、ととりあえず…今は公園でも目指そうかと
息をひとつついて笑う
■シンシア > ポケットに手を入れて、ヒールの足音だけが響くくらい
通りには誰もいなくなってた
まっすぐ進んで小さな公園へと到着、当然、誰もいない場所
遊具があるわけでもなく
落ち葉が所々に固まってるのと、いくつかベンチがあるくらい
公園の中にはいって明かりの届くとこにあるベンチに腰を下ろし
深く息を吸い込んで…吐く
地面しか見えないくらいに首を曲げてうなだれる
「疲れたなー…」
ぼそっとつぶやき落としたのは、小さな愚痴
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にノーガルトさんが現れました。
■ノーガルト > (人気のない場所を好んで歩くのは、出来るだけダインたちと会話をしているのを見られたくないから。
ノーガルトも理解している、剣と会話が出来るなど正気の沙汰ではないことくらい。
だが、それが実際に出来るのだから、仕方がない。)
「………ダイン、後何分だ…?」
『あと10分だ。…集中が切れ始めているぞ、一度深呼吸をしろ。』
(日課にしているのは、ダインの力に飲まれないようにするための精神修行。
ずっと同じ構えをしつつ、集中を切らさないように一転を見つめたまま。
肩で大きく息をしながら、格闘術に近い構えを、かれこれ2時間は続けている。
集中が切れれば、深呼吸を繰り返し。
その息遣いが、誰もいない公園の雑木林の中だとよく響く。
勿論、シンシアにもその声は聞こえるだろう。)
■シンシア > 獣でもいるのかな…暗がりに聞こえた
人の声と、荒く息をつく呼吸音
姿も見えなければ、
コチラに危害を加える気もないのか
ただ、気づいてもないのか
獣ならば食い殺してでもくれればいいものを
気づいてないのならば自ら出向こうかと
ベンチから立ち上がり
ふらりとその方向へと脚を進めてみる
枯葉も多い公園の中となれば、乾いた足音も立ててしまうだろうけど
■ノーガルト > 『……よし、もういいぞ、ノル。』
「…はぁ………、やっと終わりか。」
(やれやれ、と肩を廻しながらため息をついた。
慣れはしたものの、やはり長時間集中しっぱなしだと、動くよりも疲れてしまう。
気疲れ、と言うやつだろう。
構えを解き、大きく空に向けて息をついて、懐から煙草のケースを取り出した。)
「なあ、今でどのくらいお前を使いこなせている?」
『4割程度、だな。最低でも、レベル5は使えるようになってもらわんとな。』
(そんな、いつもの会話を続けた。
誰もいないからと、気兼ねなく話せる相棒との雑談を愉しんでいると、枯葉の踏み締める音がする。
誰か着たか、とノーガルトはダインに、軽く目配せした。
今は少し黙っておいてくれ、と。)
■シンシア > ふらっとした足取りは、例えるなら脚のあるゴーストのような不和な音
しっかりしたテンポのとれる足音でなく
カサ……カサっ…と、揺らめくような音を隠すことなく
雑木林の中を進んでいく
暗がりの中に獣ではなく、人影が見えた気がして
「誰かいるの?」
尋ねるように語尾をあげて、人かどうかもわからない影に声をかける
■ノーガルト > (声の主からして、女のようだ。
ノーガルトは構わずタバコに火をつけた。
その明かりが、ぼんやりとノーガルトの顔を照らす。)
「ああ、いるぞ。…生きている人間だし、怪しいものでも犯罪者でもない。ノーガルトという人間だ。」
(自分のことはしっかりと、晒しておく。
無用なトラブルは避けたいし、暗がりで誰もいないといっても、やはりここは街の中。
腐敗が進んでいるからとはいえ、憲兵に見つかって明日には牢屋の中、というのは避けたい。
だが、この声はどこかで聴いたことがあるようなきがする。
街の中ではなく、もう少し開けた場所で…。)
■シンシア > 「ああ…なんだ、ノーガルドだったんだ」
あちらは覚えてないようだけど
聞き覚えのある声に息をつく、安堵の息と落胆の息
どちらともとれるものをおとして
タバコを吸ってるのか蛍のような明かりが見えて
その火へと近づいて
「こんなとこでなにしてたの?」
みるからに怪しまれる、公園の中といえど雑木林
あえてこんな場所に居る相手周囲を軽く見渡しても木々と枯葉くらいしかないのにと
■ノーガルト > 「……ん?」
(憶えていないわけがない。
そもそも、記憶力は其処まで悪くない。
煙草を咥えながら、やってきた人影を見ると、その人物が鮮明に思い出された。)
「シンシアか……?」
(近づいてきたその人影を見れば、暗がりの中でもよく解る。
近づいてきたその女を見れば、軽い笑みを浮かべて、煙草を口に咥えた。)
「ん、何……。日課だ。」
(短く、そう答える。
もともと、あまり口数が多くない男ゆえに、わかりやすく簡潔に、伝えることを心がけていた。
そのシンシアの顔、よくは見えないが…声を聴くと、少し解ることがある。
2度目の会合だが、それでも。)
「……どうした、以前よりも元気がないように見えるが?」
■シンシア > 「覚えてたんだ…よかった」
名前を呼ばれて、息をつくように小さく笑って
「日課、そう…じゃあ、邪魔しちゃったね
てっきり獣かなにかいるのかと思って」
獣なら用もあったけど、見知った相手ならそうともいかず
不自然な作り笑いを返しながら
「そお?そんなこと、ないはずだけどな
あ、日課だったね。邪魔しちゃうのもあれだし
…帰るね…っ、きゃ」
そのまま後ずさるように、後ろへと引き返そうとして
雑木林の中、枯葉でわからなかった木の根に踵が触れて、脚を滑らせるようになって
■ノーガルト > 「記憶力は悪くはないほうなんで…な。」
(どこか、違和感の在るシンシアの反応だった。
一度しか会っていないけれども、彼女はあんな不自然な笑い方はしなかった。
もっと自然に、少し大袈裟かもしれないけれど、惹かれてしまうような。
そんな笑みを浮かべる女性だったはずなのに、その笑みにはぎこちなさ以上に。
どこか、不自然なものを感じていた。
そして何より…彼女はあんなに、よそよそしくない。)
「…日課は終わったよ、2時間集中しっぱなしだったがな。」
(気遣っているのではなく、まるで逃げようとしているような態度も、気になる。
ノーガルトは一歩、彼女に踏み出して――――)
「………っ!」
(とっさに、手を伸ばした。
足を滑らせて、後ろから倒れそうになったシンシアの手をつかみ、無意識に。
自分の胸の中へと、引き込んでしまいそうに。)
■シンシア > このタイミングでなければ
明るく元気に久しぶりに顔を合わせて話も弾むかもしれなかったけど
いろいろ抱えすぎたあとに頭が上手く回らない
1人で処理しょうとしてるから、吐き出せない息苦しさ
今、自分を知ってる人に会いたくなかった
会えば、いつもと違う様子がバレてしまうから
乾いた葉っぱに足元が滑り、地面に転ぶと思ってたのに
細い手首を掴まれると、その勢いに引き寄せられる
転ぶことは免れたけど目を開ければ、その腕の中に居て
「あ……、ごめんなさい」
相手の体に手をつき離そうとしたけど…
手をついて、掴んでしまったのは無意識なことで
■ノーガルト > 「…………。」
(いつもなら、すぐに離してしまうのだけれども。
今、この女を離してしまうと、いけない気がした。
極端というほどではないが、人とかかわることなどほとんどなかった。
親しい友人もいない、天涯孤独の身であることが、普通だと思っているのに。
この女を、今離してしまうと、消えてしまいそうな。)
「………何か、あったんだな…。」
(察してしまうほどに、感覚は鈍くはない。
知っている女、一度だけだが会っている女の、異質な雰囲気に。
ノーガルトは、心のどこかに引っかかっていたものを、どうしても吐き出したくなる。)
「…一度しか会っていないし、話せない事もあるのは分かってる。…だから、話せる範囲でいい。」
(話してくれ、と。
この誰もいない場所ならば、聞いているのは自分しかしないから、と。
体を包み込むように、ノーガルトはシンシアを抱き寄せた。)
■シンシア > 「…うん」
背の高い人、自分との体格差も大きくあるけど
華奢な体は、すっぽりと体を隠すように腕の中に収まる
「うん、少しね…
考え事が許容から溢れた感じ?」
具体的に何かが…出てこない、何から話せばいいか、どこを話せばいいかも
わからなくて、言わないのではなく、言えなくなる
「ちょっと上手くまとまんない、ただわかるのは、自分は弱くて
その弱さにも嫌気がする、力としても心としても、足りないものばっかり」
やっと出てきた言葉は、抽象的で人に伝えるための言葉にはなってない
上着を掴む手にぎゅっと力がこもって
■ノーガルト > (やはり、何かを心の中で溜め込んでいたのか。
その言葉が、具体的に出てこないほどに、頭の中で回ってしまっている。
口に出すことが出来ないほどの、許容を越えた考え事。
ノーガルトは、抽象的で伝わらないようなそんな言葉を、ただ静かに聴いていた。)
「……シンシア、一つずつでいい。全部一片に話してしまおうとはしないでいい。」
(足りないものばかりで嫌気が差す。
泣きそうになっているものを必死に堪えようとしているのか、気がつけば上着がつかまれていた。
そっと、ブロンドの髪を撫でてやりながら。)
「…なぜ、自分が弱いと思うんだ…?」
(俺は、弱いとは思わない。そんな慰めは飲み込んだ。
一度しか会っていない自分が、一体何がわかるのかと自問自答したためだ。
だから、ただ単純に何故自分が弱いと思うのか、それを尋ねた。)
■シンシア > 目線は自分の掴んでる手を見つめたまま
抱きしめられてるから、背中に回ってる腕の感触が伝わり
そんなことにさえ、守ってもらえてるような錯覚
「ココにはいろんな人がいるでしょ、私なんて及ばないなと思うことも多いし
体格の違い、力の違い、努力しても並ぶこともなかったりね…」
言葉が出るには、間が空いて言いかけては止めてしまったり
「他にもいろいろね
…だから時々、急に消えたくなる衝動に駆られることもある」
受け止めきれなくて、答えもでなくて逃げたくなる
心が強ければ、そんなこともないのだろうと…