2016/11/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 /酒場」にノアさんが現れました。
ノア > 平民地区歓楽街の大衆酒場。日付も変わり徐々に客が帰り始めた店内に、片肘付いて脚を組み座る一人の女。テーブルの上には空いたボトルが数本乱雑に置かれていて..

「 .........っ、どいつもこいつも何よ.. 門限でもある訳 ? ったく... 」

隣のテーブルで呑んでいた傭兵達まで帰ってしまえば、小さな舌打ちの後悪態吐いた。完全に、悪酔い。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 /酒場」にフォークさんが現れました。
ノア > 突如揉み消された手配と、捜索。人相まではバレていなかった、とは云えあまりに不自然な収束。自分の事なのに、自分だけ何も理解できていない不安と恐怖。

お陰で王都に戻る事が出来たのだけれど、一人落ち着いて眠れる程図太くもなく.. 結果、飲んだくれ。

( それにしたって.. 何が起きてるってゆーのよ、ったく..... )

そんな言葉を心の中で呟く度、ほんの少し酔いが覚める。冷静に考えれば考える程正体のわからない恐ろしさがあって.. また、ぐびィ っと酒を煽った。

フォーク > 辛い仕事の後は、酒に限る。
すでに日を跨いだが、まだ営業している酒場を男は知っている。
寄ってみれば、店の灯りはまだ煌々と灯っていた。

「ごめんよー」

ギイっと扉を開くと、知った顔がいた。
しかもびっくりするくらい出来上がっている。

「よう、この前ぶり!」

元気していたか、と手を挙げる。

ノア > 酒好きでよく飲み歩き酔っ払う事は多々あれど、今日ばかりは酔い方が暗い。どよーんと細めた不機嫌な猫目が、声の主をジトりと視界に捉え..

「 .........ん、フォー ク.. 」

手を挙げ返した、かと思えば すくっと立ち上がり.. よたり、よたり ── まるでアンデッドのように貴方へと歩み寄り、

「 .....フォーク、イイとこに きたじゃん ♡ 今サイコーに盛り上がってた とこー 」

ふは、と口元には笑みが浮かぶも.. 目が死んでいる。

フォーク > 「おうおう、大丈夫か?」

泥酔している女が席を立ち、寄り添ってきた。
足元がおぼつかない様子なので、女の細い腰に手を回そう。
酒の匂いは強いが、やはりいい匂いのする女だった。

「ちょいと盛り上がりすぎたんじゃねえかい?」

女の柔らかい髪をぽんぽんと撫でる。
そして女を席に戻し、自分も同席しよう。

「おーい、水くれ水。あとレモンとかライムとかあったら頼むよ」

とりあえず注文をする。
悪酔いには柑橘系の汁を混ぜた水がいい。

ノア > 「 .........っ、んー 」

腰を支えてもらうと其のまま、こつんと貴方の胸板に額を預けて。ぽんぽんと頭に感じる重みにほんの少し、表情が緩んだ。大きくてゴツい手は "気持ちいい" だけじゃなくて、こういう時.. ものすごく安心する ── なんて。そんな事を考えながら、共に席へと戻り..

貴方が水を頼んだ直後、其れが自分の為の注文とは気付かずに「 あたしワイン。」とかいう注文をしたけれど.. 気の効く店主のこと、きっと優しくスルーした筈で。

「 大丈、夫..... じゃない..

あたしのコトなのに、あたしが理解してなくて。なんか こう.. でっかい何かが何処かで勝手に動いてる、みたいな。其れが誰で、何の為かもわかんなくて。

.........すごい、こわい。」

酔ってもやっぱりよく喋る。愚痴の内容が曖昧なのは、自分でも理解出来ていないから。唇尖らせ不満げに喋り出すものの、最後の一言だけは消え入りそうな.. 弱々しい声。

フォーク > すぐに水と半分に切られたライムがやってきた。
一緒に果汁を絞る道具も付いてきている。店の気遣いという奴だ。

男は女の話を聞きながら、静かに水の入ったジョッキにライムの汁を垂らしていた。

「何か……何処かで……か」

実はまだ、男は女のことをよく知らない。
男が知っているのは、ただいい女だということだけだ。
身のこなしや装いから、おそらく陽のあたる場所にいる人物ではないだろうと推測はしている。
いわゆる裏稼業を生業にしている女が震えているのだ。
何か闇で蠢くものがあるのかもしれない。

「まずは、飲め」

果汁入りの水が入ったジョッキを女の前に置く。
そして男は太い腕を組み、鼻から細い息を出しながら、言った。

「わかった。俺が力になるよ」

ノア > ぐちぐちと喋ってる間にも、爽やかなライムの香りに すんと嗅覚刺激され。酒のたっぷり染み込んだ身体は駄々をこねることもなく、ワインではない其れを素直に受け入れた。

とにかく曖昧にも程がある言葉を、ただ思い付いたままに並べ一気に吐き出し。最後に弱音まで漏れてしまったのは不覚だったけれど、返ってきたのは.. 思いもよらない言葉で ───

「 .........確かにフォーク力持ちっぽいけど、何処の誰かもわかんない相手だよ ? 無理、頼れないってー 」

嬉しさか、安堵か、絞ったライムでも目に飛んだか.. 目頭が熱くなった。けれど ── 身体は知っていたって、詳しい事は互いに何も知らない二人。面倒事に巻き込みたくなくて、いつも通りの余裕ぶっこいた口調を意識した。

貸すと言ってくれた力も、腕力にすり替えたり.. 極力明るく、冗談めかして。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 /酒場」にノアさんが現れました。
フォーク > 女は知らないだろうが、フォーク・ルースという男は、外見に似合わず頭をはたらかせる所がある。
戦場では常に最悪の事態を考え、その最悪の状況を戦術として如何に活かすかを考えるのを至上の喜びとする男でもある。
その男が、言っているのだ。

「フォーク・ルースを、みくびるなよ?」

ふふ、と不敵に微笑む。

「どんなピンチでも、どんな最悪な状況でも助けられる奴を一人だけ知っている。そいつに頼むさ……」

そいつの名は『明日のフォーク・ルース』だ。
今の段階で、男が女にしてやれることは何一つない。
たった今聞かされた話なので策の立てることもできやしない。
だが明日の自分なら、女を何とかしてやれるだろうと信じている。明日のことは明日の自分に押し付けてしまえばいい。
明日の俺はなんとかできる奴だ、と男は思っていた。

「それになあ、ノアよ」

男はぐい、と前のめりになって女の顔を覗き込んだ。

「困っているいい女を助けるのに、理由なんかいらんだろ?」

な、と男は明るく笑ってみせた。

ノア > 今の自分のような偽りの明るさに対し、貴方にはいつ見ても変わらない底抜けの明るさと暖かさがあって。脆くなっている心が揺さぶられるのは、容易だった。

自分の名と共に不敵な笑みを浮かべる貴方が "頼れる男" の存在を口にすれば、其れが明日の貴方とは知らず ぷっと小さく吹き出して..

「 .....っ、みくびるなって言ったり.. 誰かに頼んだり。頼ってイイのか悪いのか、全然わかんないー 」

それが、久々の笑顔だった。おかしくて、楽しくて、肩を小刻みに震わせ笑っていたけれど ──

「 .........っ、... 」

不意に顔を覗き込まれ告げられた言葉と、笑顔。笑って誤魔化していた涙が溢れてしまいそうで、思わず下唇に力が入る。何とか堪えて笑顔返せたなら、ジョッキのライム水を勢いよく煽り。

「 今晩フォークの隣空いてる ? 先客居ないなら泊めて、おっきな抱き枕にしたい。」

笑っていたくて 泣きたくなくて、子供みたいな我儘を言ってみる。「 えっちなコトしないけどいい ? 」なんて、余計な一言も付け足して。

フォーク > ようやく女の笑顔が拝めた。
この女は、笑顔が一番美しい。

「頼れる男さ……俺よりも遥かにいい男で、強く、賢いんだ。きっとあいつなら何とかしてくれる」

明日の俺は今の俺よりもイケてるんだぜ、と言っているのだ。

「それにな。俺はチェスが好きなんだが……あれの最強の布陣はゲーム開始時の布陣なんだ。
 そこから少しずつ駒を動かすと粗が出て、隙が生まれる。何が言いたいかというとだな……。
 もし本当に何かが動いているなら、次第にその正体も隙も見つかるってことさ」

女に「何かが何処かで動いている」と感じさせた時点で、それは一つの隙が生まれたということだ。
事態が動く度に、隙はどんどん大きくなっていくことだろう。
そこから戦況をひっくり返す奇策が生まれるはずだ。

「構いませんぜ、お嬢さん」

女の提案を受け入れる。
勝ち気な女だが、たまには素直に男に甘えたい夜もあるのだろう。
それに男だって一人寝は、寂しい。

ノア > 「 ふーん、そんなにイイ男なの.. 悩みも忘れて惚れちゃうかもー 」

無論、この件に関しては当分悩まされるのだろうけど.. とにかく今は貴方と笑っていたくて、"謎の頼れるイケメン" に惚れる宣言......... 本人の、目の前で。

そして意外だったのが、

「 へぇ.. フォークって、脳筋猛獣だと思ってた..... ん、なんか納得.. うん。」

チェスに例えた貴方と、其の説得力。ぽつりと悪気のない問題発言を溢しながらも真剣に、何度か頷きつつ聞き入った。そして、子供みたいな我儘が通れば..

「 じゃあ寝る前にちゃんとトイレ済ませといて♡ 蛇みたいに絡み付いて、朝まで離してやんないからねー 」

ぺらぺらと偉そうに喋るも、嬉しくて仕方ないのが表情から垣間見えてしまうだろうか.. せっかく酒場に来た貴方が飲みたいと言うのなら、ライム水で酔いを覚ましながらお喋りを楽しむつもり。

フォーク > 「むふふ、そうかね」

頼れるあいつを褒められると、男はぐんにゃりと相好を崩す。

「強いだけでは、戦場では生きられんよ。それにな……強いだけなら俺よりも強い奴はゴマンと居るさ」

男よりも強い相手なら、この街にはゴロゴロいるだろう。
この街にいる腕に自信ありと嘯く連中を集めて、実際に順位をつけたら、男は下位になるだろう。
なにしろ魔法も使えないし、優秀な武器も持ち合わせていないのだ。
しかし戦場で誰が最後まで生き延びるか……の順位ならトップ3に入る自信がある。
命の持ち帰りこそ、最大の戦功だと知っているからだ。

「ま、せっかくだ。一杯だけ飲んでから帰るか」

男はエールを一杯だけ注文する。
そしてきちんとトイレを済ませて、女を家に連れて帰る。
ベッドの中で、よもやま話などをするのだろう。

ノア > 「 .....って、何にやけてんの。」

さっきまでのカッコイイ笑顔は何処へやら.. ふにゃ、とだらしなくなった貴方に疑問符浮かべ突っ込みつつ。

男の強さについての話題には、納得いかない風な表情で聞いた。と、いうのも.. 同じく人間で魔法も使えない、気功の心得もなければ、そもそも戦闘は不得手。そんな自分にとって、単純に貴方が "超強そー" に見えていたから。

今度対人格闘術教えてー とか、新しいローブが欲しいの、とか。他愛もない会話を楽しみながら、貴方の一杯に付き合って..

───── ─── ─

貴方の家へ共に帰ったなら、容赦なく腕と脚を回して抱き枕に。そうして夜通しいろんな話をしたかったのだけれど.. 貴方の存在に安堵し、すぅー っと子供顔負けのスピードで寝つき..

其れでもぴったりと逞しい腕に絡み付いてはいて。貴方の体温を肌に感じながら、数日ぶりにゆっくりと眠りにつくのだろう ──

ご案内:「王都マグメール 平民地区 /酒場」からフォークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 /酒場」からノアさんが去りました。