2016/10/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエリスさんが現れました。
■エリス > 時刻は夜半、アクセサリーを眺める客が訪れるにはやや遅い時間帯だろうか。オープンと書かれた側を店の外側に向けたまま、店内のカウンターの中には買い付けたばかりのヒスイの細工に没頭する女。
大きく綺麗な形を保った其れをそのままブローチに加工できれば素敵だろうか、と台座にする金属に使えそうなものを探し始め。
「うぅ、ん……」
せっかくいい石があるというのに、台座にするための金属の方が足りないという状況に不満げな声を漏らす。
■エリス > なんにせよ、先立つものがない以上細工をする物がない。
店内の掃除も在庫の整理も済ませてしまったし、すっかりやることがなくなってしまった事に気づき…細工用の片眼鏡を外して頬杖。
―――この場所に店を開いてまだ数日。遅めの時間帯まで店を開いていること自体にメリットが無い訳はないようで、本当にただ何気なく店を訪れた者と話すうちに良いことが起こる事も少なくない。厄介な事が起こったことはまだないようだが、それもひっくるめて今の生活を彼女は楽しんでいた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にカイオクスさんが現れました。
■カイオクス > 「夜分失礼します、灯りが点いている店がこちらだけだったもので……まだ商い、しておられますか?」
夜半、日付もそろそろ変わろうか、という時刻……入り口の扉が不意に開き、のしり、という擬音が聞こえてきそうなほどの巨漢が姿を見せた。
鉄錆色の髪を無造作に束ねて後ろに流し、簡素な外套を羽織った、見るからに蛮族然とした青年……しかしその口から出た言葉は、片言でも粗野でもない、ごくごく丁寧なもので。
■エリス > 女はといえば眼鏡をはずし頬杖を突いた体勢のまま、空いた片手で細工用のナイフを指の隙間でくるくると弄んでいた。
そんな折、不意に開いたドアと来客を知らせるドアに取り付けられた鈴の音に視線を向ければ、椅子に腰かけている己には随分と見上げ無ければその貌が見えない程の巨きな影。
「あら、いらっしゃいませ。……ええ、それは勿論。看板をオープンにしてるぐらいですからね。」
穏やかにして丁寧な口調を耳にすれば、見た目にも拘りのない女は彼の質問に柔らかく笑みを浮かべて言葉を返す。
そんな事よりも気になったのは、もし指輪を求められたら彼に嵌められるサイズは今の在庫には無さそうだな、という事だったり。
椅子に腰かけたまま言葉を返したが、彼が客だとするならば接客のために立ち上がりカウンターを出て彼の傍へ。
■カイオクス > 「有難うございます、実は……此方を引き取りしていただけないかと思いまして……。」
夜遅くに、しかも自分のような風体の人間が細工物の店に来たというのに、カウンターの向こうから聞こえてきた声は、青年が向けられなれている驚きでも、侮蔑でもない穏やかなもの。
そんな反応にほ、と胸をなでおろした青年は、その巨躯に似合わぬ腰の低さで礼を返し……懐から卵大の小さな包みを取り出すと、それをカウンターの上で解き。
青年がその外見に反して器用な手つきで粗末な布切れを何枚も解いていき、中から現れたのは、小さな黄金の塊で。