2016/06/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエーシアさんが現れました。
エーシア > 夜:酒場のカウンター席。

カウンター席でグラスを片手に顎をテーブルに乗せ、だらける。
夜間巡回だのなんだのと、色々と面倒だったりする仕事が終わり、やっとこ数日振りの酒、という所。

仕事ではないので魔導鎧は着ておらず、片腕は無い。
それでも片手で器用に酒の肴を選り分け、口へ運んで。
片腕での生活も慣れたもので。

「はー」

若干酒気の帯びた息を吐き出し、カウンター席の隅っこを占拠し、ぼんやりと一人酒宴に興じている。
酒は好きな方で、それなりに酔っ払いもする。
日々の何とも言えないストレスを解消する彼女の方法だった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
エーシア > フォークでパスタを弄りくるくると巻き付け、テーブルに乗せたまま顎へと運びそのまま咀嚼する。
椅子の上に胡坐をかいて。
マスターからの行儀が悪い、と言う表情はスルーして。
そもそも大衆酒場のような所で行儀も何もあったものではあるまい。
後ろからは大声での喧噪がひっきりなしに続いている。
それに比べれば少し行儀が悪くぐらい誤差の範囲だ。

こういう時位は何も考えずにだらだらとするのがいいのだ。
次はフォークを咥えたまま歯でカチカチと鳴らして。
一人酒宴を満喫しているのであった。

セイン=ディバン > それなりに賑わう酒場。戸を開け、男がするり、と入る。
そのまま中を見て席をどうするかと思案すれば一人の女性の姿が目に止まり。

「オイオイ。上玉発見、ってか?」

そのまま回りの人間になど目もくれず。カウンターへとゆったりと近づき……。

「マスター。アスローン・モルトのロック。あと、隣のお嬢さんにも何かつけて差し上げて」

いきなりカウンター、女性の隣に座りそう注文。さらにこれもいきなり。
相手に一杯奢るよ、という風に注文して相手を見る。

「やぁやぁお嬢さん。一人? お邪魔じゃなかったら隣いいかな?」

もう座っているだろう、と言われればまったく悪びれないだろうし、無視されれば喋りまくるだけ。この男にとっては美人とのコンタクトは何よりも楽しいひと時なのだ。

エーシア > カチカチと鳴らしているとどかっ、と隣に座る音。
うん?とそっちを見る間に既に何故か注文をされていて、更に既に話しかけられている。
思わずその速度に咥えていたフォークをぽろりとテーブルへと落とした。
そしてマスターからは先ほどから飲んでいたものと同じものがことり、と置かれていて。

一人酒宴はどうやらご破算で、この様子だと無視してようが話しかけてきそうであるし。
別に彼女自身一人で飲みたいとか、そう言う訳でもないので。

「あぁ。ええまあいいですよ。しかし物好きですね」

片腕で髪を掻きながらそう男へ返す。
顔がどうとか、と言うよりは所謂片腕の無い「キズモノ」であるのでこういった所で話しかけてくる者はそうそう見当たらなかった故、そういう言葉が口から出た。

元々酒も入っているので警戒などはあまりしておらず、隣に異性が据わろうが胡坐を崩さないままだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にベルフェゴールさんが現れました。
セイン=ディバン > 相手を見れば、口からフォークが落ちていた。
おやおや、驚かせすぎたかな? と思うも。相手が言葉を返してくれたのに気を良くして笑顔を見せる。

「どうも、美しいお嬢さん。
 オレはセイン=ディバン。冒険者でシーフで、魔王様の部下やってる者だ」

同伴を許された礼を言い、最近もっぱら使い続けている自己紹介をする。
全て本当のことだが、こんな場所では冗談と受け取られてしまうだろうか?

「物好き……? 何がだい?
 カウンターで美しい女性が一人で呑んで食ってしてるんだ。
 男としてナンパするのは当たり前だろ?」

相手の最後の言葉に、本心から疑問だという様に口にする。
相手の姿については気づいていないわけでもない。だが、この男にとってはその隻腕だという事実は、目の前の女性の魅力を少しも翳らせていない。
この男にとって美人の定義とは、見た目と、魂。その二つであり。
傷や体格、種族に至るまでは瑣末なことでしかないのであった。

ベルフェゴール > 「アイリッシュコーヒー……。」

(一秒前に空間転送を用いた。そして、エーシアに声をかけるセイン・ディバンの隣の席で注文を投げる。店主は一瞬目を丸くするが、そういう事もたまにはあるのかプロフェッショナルなのか、注文を受け入れ。
ちょうど、隣の女性をナンパしたと自称するセインには死角となる位置であろう)


「…………。」

(そして、暫くしてアイリッシュコーヒーが運ばれて来れば、ズズズと啜りつつ。眠そうな表情のまま、当たり前を解くセインの背中を凝視する。)

エーシア > 美しいやらなんやら、言われ慣れていない様子で言われる度に眉が難しそうに曲がる。
どういう表情をしていいのか迷っている、とも取れるような。

そして自己紹介を聞き少しだけ目を細め眉を顰めた。

「魔王軍、ですか」

一応彼女とて王国軍の兵士である。
事、次第によっては……、と考えた所でふう、と息を吐いた。
酒の席である。
聞き間違えかも知れないし、そもそもそう言ったのだとしても、だ。

「その、ええと何ていうか美しいっていうのやめてくれません?……その、慣れてないんで」

言われ慣れてないようでむずむずと。
酒も入っているせいでやや顔が紅潮していくのも感じて。

「物好きっていうのは片腕のコトですよ」

とりあえずわかっていない様子であったセインへとそう告げた。
とかく、彼女にとっては隻腕で得をした事と言うのが余りない故であった。

「ま、気にしてないなら。それはそれでいいですけど」

くい、と酒を喉へと流し込んだ。

セイン=ディバン > 相手の表情が変わるのを観察しながら、くつくつと笑う。
その反応を楽しんでいるようですらあり、意地の悪い笑い方だ。

「そ。『怠惰』の魔王軍。らしいよ?」

実際、魔王の部下となってからそれらしい活動はしていないのである。
正直、名前だけの所属のような状態であるから、その内に魔王軍らしいことをしなくてはいけないかもしれない。

「それこそもったいないねぇ。キミみたいな美人さんにそういう言葉をかける男がいない?
 おいおい、この酒場の男どもは見る目が無いなぁ!!」

大げさに声を上げ、モルトをグイィッ、と呑む。喉の焼ける感覚。
相手の頬が赤く染まるのを見て、また笑顔。

「ん? だからさ。その腕がどうしたのさ。
 キミがそういう身体だった。オレはそれを知った上でキミを美人と思ってナンパした。
 何か問題?」

酒を飲む様子を見ながらそうハッキリと言う。
と、同時に。なにか背中から凄まじい寒気のような。
もっと言えば、男の保有する【生存本能】のスキルがけたたましくサイレンを鳴らしているような気もするのだが。
男は気のせい気のせい、と考えナンパを続行する。

ベルフェゴール > 「……………。」

(何やら少女の肩口辺りから機械的な手が空間を割って伸び、そこに羽ペンを持っている。そして何やら紙に書き記せばそこに書かれた文字を、セインには死角。エーシアには見えるように翳してみせる)

【いかにも、ボクが怠惰の魔王です(ピースサイン絵)】

(と書かれた文字と、その緑のローブの少女を指し示す矢印の描かれたメモ。それはエーシアが文字を確認すればスッと隠されるだろう。)

エーシア > 「怠惰の、ですか」

ふむ、と少しだけ考えるが気にしない事にする。
酒の席なので仕事とかはすっぱり分けたいのである。
公私は分ける、と言うと格好もつくが彼女の場合純然たる「面倒くさい」という感情が正答であった。

「まぁ、掛けて来る人はいますけども」

目の前の貴方とかね、というニュアンスとそれこそまあ、色々とある。
などと考えて次に続く男の言葉にはあ、と息を吐く。
降参だ。
そこまで言うのなら此方が気にしていてもバカなだけだ。

「わかりました。わかりましたから。その美人っていうのホント困りますんで」

と、返した所で肩口に僅かな気配。
男からは見えない計算された角度で。
さらさらと文字が描かれれば確認した次の瞬間にはすっと消えて。

「……」

ちら、と矢印の方向を見ればなるほど、確かにその絵と合致した少女?がおり。
上司に監視される部下、という構図であった。

「―――ちなみにその怠惰の魔王様、はどのようなお姿で?」

それとなく、話題に乗りつつ本物か聞いて見よう、そんな心つもり。

セイン=ディバン > 「うんそう。怠惰の。らしい」

他の魔王の派閥とかも、会ったことが無いから知らない。
というか、どれだけ派閥があるのかすら知らない。
ないない尽くしの魔王軍所属の人間であった。

「あらそうなんだ。まぁそらそうだよね」

キミ美人だもん。モテそうだもん。などと愉快そうに言いながらモルトを飲み干し、お代わりを注文。
ため息に気づいて相手を見れば、どうやら本当に困っているようで。

「あいあい。わーったよ。じゃあ、名前とか教えて? カワイイお嬢さん」

が、男は美人という代わりに今度はカワイイ、などと言い始める。
どうやら相手の反応が相当気に入ったらしい。
と、そこで何か、相手の視線が微妙にずれた気がするが。
気にせず質問に答えようとする。

「え、なんでそんなこと? まぁ、別にいいけど。
 えっとね、ちっちゃな可愛らしい女の子。見た目で言えば10歳くらい?
 宝石みたいにキラキラ輝く緑の髪。お目目もそんな感じ。
 緑のローブを着てるね。いっつも。あ、パジャマのときは違ったか」

思いつく限りに特徴をベラベラと話す。実際、あの魔王様だったら人間に集団で襲われても大丈夫だろうという思いもあってのことだ。

そうしている内に、脳内の警報は最大レベルに。
なぜか酒を飲んでいるのに冷や汗まで出る始末。酔いが足りないのか、と届いた二杯目の酒を一気に呷る。

ベルフェゴール > 「……けふっ………。」

(半分くらい一気に飲み干したアイリッシュコーヒー。軽くため息と共に息が漏れる。)

「…………。」

(セインが気が付かないのをいいことに、ヒラヒラとエーシアにローブに隠れた両手を振って「はい、私です。」というアピール。顔は相変わらずぼんやりのままだけど)

エーシア > 「モテた事は……ないですけど」

次はカワイイになっており、これはどうあがいても何らかしかつくな、と観念し其処に言及するのは諦めたようで。
それでもやはりむずむずとした表情にはなってしまうのだが。

くい、と酒を飲んで。
割と酒も廻ってほろ酔いを過ぎそうではあった。

「エーシア、ですよナンパなお兄さん」

なので特にもったいぶる事無く、それだけ答えれば。
魔王の外見を聞き、そしてパスタを食べるついでにセインからは見えない角度でちら、と見れば。
とてもお茶目な可愛らしい仕草で自己主張をされていらっしゃる魔王。
容姿もまた一致しており。
―――とはいえ、彼女が彼らがどういう関係なのか、知る訳も無く。
そしてセインが冷や汗をかいているのも、残念ながらまだ気付かない。

セイン=ディバン > 「そうなん? いや、もったいないなぁもったいない」

オレがもっと早くキミと出会えていれば、一気にアプローチするのにな。
などと軽薄な言葉。最近女性に声をかければ追い掛け回されたり敵対行動ばかり取られていたので、よほどこういう会話が楽しいらしい。

「エーシアちゃん、ね。いやぁお名前も可愛らしいねぇ」

一言口を開けば、カワイイだの美人だのと。露骨に口説く事を隠そうともしない。
むしろ、下心がありますよ、と吹聴しているような言葉の羅列であった。と、そこで……。

「………………ん?」

何か。後ろから声が聞こえたような。
しかも割りと聞きなれてる感じの声。
というか、最近聞いたような声であり。
なぜか、セインの全身が緊張により金縛りにあったように。
見るものが見れば、ギシリッ、と音を立てて固まったのではないかと思うような硬直っぷりを晒した。

ベルフェゴール > 「……んに……久々にお酒呑んだなぁ。コーヒーのならいいかと思ったけど。やっぱり、眠くなるや。」

(視線は既に残ったコーヒーカクテルへと、のこりをズズッと飲み干して。もう一度息を吐く)

「ねぇ、ばっくん。とっても眠くなってきたからさ。
エーシア……しゃっちゃんのどの辺が可愛いのか、もうちょっと具体的に説明してくれないかな。少しは目が覚めそうな気がするんだよ……ふぁ……ね。」

(お酒はやはり眠気が酷いことになるので、やめておけばよかったと。ギシリと固まるセインに初めて声をかける。エーシアには勝手なあだ名を付けつつ。)

エーシア > 「それはどうも」

やはり名前でもそうやって褒めちぎられる。
下心は察しているし、まぁ別にそういった行為が嫌いな訳でも無い。
何せ、溜まりやすいのだ。
魔導鎧のせいで。
それにストレス解消の手段としては酒と並んで中々悪くない手段だ。
交渉次第だし、そもそも余り高くはふっかけられないが、小遣い程度なら稼げるしと。

そしてどうやら後ろの上司の様子に気づいた様子で。
完全に固まっているセインを見つつ、魔王の方もちらと見る。

「んん……?」

まあ、こちらのあだ名に関しては、スルーしておくとしよう。
それより魔王の口から出る言葉は、どうにも「上司と部下」というソレではなくて。
それこそどちらかと言えば―――。

何となく察し、少しばかり目を細めてセインを見つめて。

セイン=ディバン > 「でも、エーシアちゃんはモテそうだけどさ。
 なんか、お安くは無さそうだね」

むしろ、男を選びそうだな、などと思うのと。
振る舞いや言葉遣いから、ある程度以上の実力、凄みのような物を感じ取った。

そうして。目の前の女性が疑問の声をあげる中。
ぎぎぎぎぎぎ、っと。油の切れた機械細工のような緩慢な動きで。
男は首だけで後ろを振り返った。

「…………コレハコレハ。こんな所で会うとは偶然ですなマイロード。
 え、エーシアさんの可愛いところですか?
 ハハハ、えっと、空の様に深く蒼い瞳と、銅のような髪の色。
 一見気づきにくいですが、隠れた美の素養、とでも言いましょうか」

一言喋るたびに乾いた笑いをアハハハハ、と洩らしながら言葉をひねり出す。
全身は汗が溢れ、目は右往左往。先ほどまでの饒舌っぷりはどこへやら。
死の危険を前に、震えるだけの子犬のような男の姿がそこにはあった。

ベルフェゴール > 「そっか~、じゃあ頑張ってしゃっちゃんの事はオトしてね。」

(もそもそ、手を突っ込んだのは、ポケット……ではなくて、空間転送魔術の空間の裂けめ、そこから出てきたのはゴルド貨幣で、かなり多めにカウンターに置かれる。)


「これで、そちらの女性の分……【だけ】……まかなっといて?
こっちの子は自分で払わせてね?」

(少女が店主に声をかけて【こっちの子】と言ったのはセインの方。
セインには奢る気はないらしい。迷惑料でエーシアには奢るという意味だ。)

「ばっくん。笑い方が若干キモいよ。気を付けて。
じゃ、僕は眠りに変えるから。
【愛しのエーシアちゃん】に嫌われないように、頑張ってね。」

(セインの肩をポンと叩いてから、耳打ち。
【ちゃんとナンパは最後までやってくるんだよ?】
そうセインに耳打ちすると。空間の裂けめに、沈むように消えていく。)

エーシア > 「安いモンですよ私は……選びませんし」

そもそも選べない、と言うのが正答である。
発情すれば男がどうかだの関係なく、ただスることにしか集中できない事すらあって。

そしてセインは完全に先ほどまでの様子を一変させ、もはや見てるのも若干可哀想な位の事になっており。
褒め方が何ともこう、美術品か、と言わんばかりな褒め方で図らずもくすり、と笑いが漏れてしまう。

一方の魔王様は、と言えば、これまた何とも淡々とした、というか何というか。
その様子にやはりこう、人とはちがうものなのかな、などと思いつつ。
さらりと奢られてしまったようで。

「あ、ええと何だかすいません、ありがとうございます」

一応それに関してはお礼を言う。
そして魔術か何かか、空間へと消えて行くのを見送って。

「……」

さて、セインに何かしら耳打ちしてたようだがどうするのだろうか、などと考えて、とりあえずまだ注がれているお酒を一口、飲み干した。

セイン=ディバン > 「そうかなぁ? そんな風には見えないけど」

相手の事情を知らないので、そう疑りながら言う。
さてさて、ここからどうやってベッドまで持っていった物かなぁ。という思案。

そうして、魔王様による恐怖の尋問が終わるも引きつった笑みは消えず。
むしろ顔は青ざめていく一方。その中で小声で囁かれれば。

「アッ、ハイッ。お疲れ様でした!!
 ……って、キモいは酷くない!? って、ちょ、あぁ~ぁ……」

帰るという相手に立ち上がり、キビキビした一礼。
そのまま何か言おうとするも、囁かれた内容に言葉を上手く継げず、なんとも情けない消え入りそうな声の後。
ガクリッ、と力なく身体を折り、椅子へと戻り。

「……い、生きた心地がしなかった……」

そう呟くのが精一杯だった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からベルフェゴールさんが去りました。
エーシア > 「ええ、まあ色々と」

言葉を濁す。
一応、キズモノだどうだ言っても彼女も女であり、魔導鎧で発情をもたらされているなどは特に伝えたい事では無いのである。

彼女にとっては数分、彼にとっては永遠にも感じられる長さだったろう、そんな事を思いながら。

「まあなんというか。御疲れ様です」

呟いた通り、生きた心地はしなかったろうな、そんな感情を抱きつつ。
自業自得ではあろう、という奴なのだろうけれど。

セイン=ディバン > 「色々、ね」

その言葉を飲み込み、詮索することはしない。
女性の聞かれたくないことを聞くような趣味は無いし、それが相手にとっても自分にとっても必要なこととも思えなかったからで。

地獄のような時間を乗り越え、相手からのねぎらいの言葉に乾いた笑みを返す。

「はは。アリガト。
 んとね、あれがオレの主人のベルフェゴール様。
 おれはベルっちとかベルやんとかベルベルとか呼んでる」

残っていた酒を飲みながら、そんなことを言う。
どうにも、まさかの主人の乱入のおかげでペースが乱されまくりであった。

エーシア > 「そ、色々です」

そう言ってまた一口、酒を口にしながら。
それ以上聞いてこない辺り、線引きはしっかりできているんだろうな、などと考えながら。

「主人、まあ主人でしょうね」

会話やら何やらを見る限りそれ以上は感じ取れたような気もするけれど、それも言わぬが華、と言う奴だろうし。
彼女にはそれほど関係の無い、事である。
あだ名については……まあ惚気みたいなものであるだろうしスルーしておこうという心遣いであった。

セイン=ディバン > 「ふむ……ちなみに、ここでオレがキミとシたいって言ったらさ。
 ……どうする?」

互いにグラスを思い思いのリズムで傾ける中。
率直にそんなことを聞いてみた。回りくどいのは性に合わないという思い。

「そう、主人です。……それだけでもないんだけどね」

色々と複雑な自分と主人の関係。それは口にはしないでおく。
吹聴するようなことでもないし、口にするのはどこか気恥ずかしいという思いもあって。

エーシア > 「また直球ですね」

とはいえ、その誘いも分かっていたかのようで、最初に男が座った時のような驚きも無い。
まあこんな酒場で綺麗だどうだ言う以上はそう言う事も織り込み済み、と言う奴で。

「―――いいですよ」

微笑む、それは酒気を帯びて紅潮し、十分に女の顔で。
……若干上司の登場による憐みという面も無い事は無いが。
それをいちいち顔には出さない。

「私も別にスる事自体、嫌いじゃないですし」

単に勝手に鎧が原因で欲情して見境が無くなるのだけは勘弁願いたい、それだけの話。

セイン=ディバン > 「直球、キライかい?」

驚かない相手の様子を見ながら尋ねてみる。
自身でも、あまりにも直接的過ぎてちょっとなんだかなぁ、という苦笑も漏れてしまうが。

「お、マジ!? いや、言ってみるもんだね」

すんなりオッケーされれば、逆にこちらが驚いてしまい。
その上気する表情に、どうしようもない色気を感じてしまい。
男もテンションが上がってしまう。

「ハハッ、そりゃいいや。じゃあどこか二人きりになれるところ行こうか」

そうと決まれば話は早い、とばかりに。上司の言いつけどうり自分の酒代をしっかりと払う。

エーシア > 「宿でしたら一応此処もありますね」

この酒場も他の所と同じく、1階が酒場、2階が宿屋、となっている。
彼女自身の部屋もあるにはあるが、流石に行きずりの男を連れ込むのもどうかというのがあるし。
そもそも女子寮みたいなものである。
連れ込むのに覚悟はいるし、壁も薄いので何をしているかなど一発でわかる訳で。

「ま、誘ったのは……」

少しだけ考えて。
逡巡し。

「……ばっくんですしお任せします」

そう、悪戯めいたように言えば少しばかりセインへと身体を摺り寄せる。

そういえば名前をまだ、聞いていないのである。

セイン=ディバン > 「あ、そっか。そういやそうだねぇ」

最近は富裕地区の自宅で呑む事も多く、すっかりそんなことを忘れていた。
せっかくの施設、利用しない手は無いな、と思い、相手に手を伸ばす。

「じゃあ、まぁ」

相手の言葉、そして間。
次いでの言葉と近づく距離に少しずつ興奮は高まっていく。

「あらためて。セイン=ディバン。ばっくんはやめてほしいな。
 あのヒトを思い出しちゃうし」

困ったような笑顔を浮かべ、相手の手を引き二階へと向かう。
無論、宿代は男持ち、であった。

エーシア > 「セインさん、ですね」

名前を咀嚼し飲みこむ様に呟く。
折角一夜を共にするのだし、と胸にうずまる様に距離を更に近づける。
スるときは楽しまねば損なのだ。

「じゃ、今晩はよろしくお願いしますね」

身長差があるので少しだけ背伸びすれば、耳元で囁く様にそう零した。

セイン=ディバン > 「お、おぉっとぉ?」

するり、と近くなる距離と、確かに感じる体温。
期待していたとはいえ、流石に心臓もドキリ、と跳ねる。

「こちらこそ。ご期待に添えるといいんだけど」

相手の耳元での囁きに、ぞくり、と背筋が震える。
久しぶりの女性との交わりに、どこか緊張は隠し切れず……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエーシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。