2016/03/20 のログ
■ロレンス > 最近はこの王都を人のふりをして闊歩していたのでよく知っていることだったのだが、この手の兵士達は目ぼしい女に僅かな疑いでもあれば、こうして濡れ衣を着せて捕らえようとする。
勿論捕らえられれば何が起きるかは言わずもがな。
彼女のような勇敢な女もいるにはいたが、それでも彼らがのさばるのには理由があった。
あの大声に呼応した他の仲間達がぞろぞろとやってくる。
その数、全て合計して15人。
国から与えられたそこそこ上等な武具に身を包んでいる分、慎重に立ち回れば大怪我はしない。
あとは数の暴力で追い詰めるだけだ。
『やれるものならやってみろ!その瞬間、お前は魔族と認めたも同義だ。仮に逃げ切れたとしても王都に二度と入れると思うなよ? お前に関わった人物、組織、全てにその償いは払ってもらうぞ』と、彼女が視線を向けた隊長格が言い放つ。
ここに生活に必要な物を手に入れるためにやってくるものも多い、ライフラインを断つ脅しに彼女以外の存在にも危害が及ぶとえげつない脅しをかければ、残りの14人が包囲網を狭める。
取り囲む兵士、後ろで魔法を準備してバックアップに控える兵士と雑魚の割に…いや、雑魚だからこそ連携は取るらしい。
(「捕まっては…聞きたいことも聞き出せなくなるな」)
このままでは面白く無い。
フェードインするように暗闇から姿を表しつつ兵士達の人だかりへと近づいていった。
まるで兵士が見えていないかのように、さも当たり前に近づいていけば、異様な光景に後ろで控えていた兵士も呆気にとられて見送り、兵士の垣根を”失礼”と一言掛けながら抜けていけば、そのまま彼女の前へと立ち、その顔を見つめる。
「……勤勉な守衛の兵士諸君、すまないが彼女は私の遠い国からの招き人なのだ。そこの隊長殿と少し話をさせてもらえるかな?」
唐突にしゃしゃり出てきてこの発言なので、兵士達にはさんざんの言葉をかけられるが、彼らへと振り返れば、まぁまぁ と落ち着いてくれと言わんばかりに両の掌を下にむけて揺らし、なだめようとしていた。
■フィン > 「――」
視線は動かさずとも数くらいの把握は容易。
何処から沸いてくるのか――増えたなぁ、と単純な感想。
マントの下で、幾本かの矢を生成し、間髪を入れず打てるように身体を弛緩させる――
と。
「――……?」
雑音、耳障りな金属音、密やかな話声、怒号――周囲は大体把握できている、つもりだった。
その中に混ざる、異音。今まで無かったものが突然動き出したような唐突さで生まれた音はするりと人を掻きわけてくる。
喧しく、多少は聞き落としがあるにしても、全く聞こえない、気付けないというのには少し、驚く。
「ぁー……」
目の前で口上を述べる男に、面識はないはずだが。
どうやら相手は知っているか――適当に衛兵を追い立てる嘘八百でも並べているか。
どちらにせよ任せた方が良さそうだ、という判断。打つつもりだった矢を霧散させ、フードを目深にかぶりなおす。
■ロレンス > 彼女もこちらへ何も文句を言ってこないようなので、こちらの口車に乗ってくれるのだろう。
少しばかり安堵しつつも、不機嫌ヅラで近づいてきた隊長へ苦笑いをこさえてこちらからも近づいていく。
「春先とはいえ、まだ寒い中お疲れ様だ。先程の通り、彼女は私の客人でね、魔族ではないのだ」
説明の言葉と共に、握手を求める手を伸ばす。
隊長はよくわからぬままにその手を取るが、硬い感触が当たると少しだけ眼の色が変わった。
「これは我が客人が騒ぎを立ててしまったほんのお詫びだ。この近くだと石橋近くの酒場がオススメでね、安く騒がしいが酒も料理も上質だ。部下の方々を労ってもらえると助かる」
彼の手に握らせたのは純金の厚ぼったいコインだった。
それ1枚をゴルドに換算すれば、皮袋いっぱいで済むかどうかだろう。
その勝ちを確かめた隊長は機嫌よく、良い夜を過ごしてくれとだけ告げて兵士達を引き上げさせていく。
騒ぎが収束すれば野次馬も散っていく中、彼女へと振り返る。
「その昔、月が鮮血のような赤に染まると、不幸の前触れと人々は怖れたらしい。だが…同時に紅に染まった月の神秘に魅了される者も多かったそうだ」
唐突に妙なことをのたまいながら微笑むと、すっと掌を差し出す。
「美しいのに、周りの理解が少ないとなかなかに苦労すると見受ける。私はその肌も耳も神秘的で美しいと思う……さて、立ち話も目立つから何処かに入らないかな?」
微笑みのままに彼なりの褒め言葉を紡ぐと、彼女との一時を強請った。
肯定するならばその掌を握らせて欲しいと、手を差し出したのだろう。
■フィン > 「―――――」
良くもまぁ、口が回る。――声には出さないが。
アレだけまくし立て煙に撒いた後にそれなりの見返り――要するに賄賂か。手際は鮮やかという言葉に尽きた。
あっという間に一触即発の空気は霧散し、事態は収拾してしまう。
これでは口を挟む暇もない――。
「――何色だろうと月は月だろう。面倒を収めてもらったのは感謝するが。」
詩歌めいた言動も美辞麗句の類も大した意味はないだろう、と特に深くは考えない。
――そもそもが得体も知れない。音の一つも立てずに気配を断つなど並の人間でもない。
警戒するな、という方が、無理な話だ。
「…………ああ、なら――静かな場所がいい。」
だが、面倒になる前に助けてもらったのは事実だ。無碍にするのは気が咎める。
付き合えと言うならば多少はよいだろう、と――差し出された手を握り返す。
■ロレンス > 「その通り、月が月であることに変わりはない。その美しさもそうだ、しかし……何故か『人間』は、普遍ではないものを、それだけを理由に恐れる。難儀なものだ」
彼女の言葉に微笑みながら頷けば連ねた言葉。
要するに、表面の違いだけで騒ぐ人間って面倒だと、ただそれだけのことを言いたかったようだ。
何やら警戒しているような雰囲気を感じるものの、掌が重なれば一層に笑みを深める。
「承諾してくれてありがとう、ではお望み通りのところへご案内しよう」
自身の胸元に掌を当てて、軽く頭を下げてお礼を紡げば、行こうかと一言かけてから歩き出す。
大通りの喧騒から抜けると、城壁に近いところにある小さな酒場と宿屋が一つになった店へと彼女を案内していく。
ドアベルの音と共に中に入れば、静かな酒場には小さなテーブル席がいくつかと、簡素な調度品が見えるだろう。
年老いた店主が”いらっしゃい”と歓迎の挨拶で出迎えると、手近なテーブル席へとご案内していく。
彼女の席を後ろへ引いて、どうぞと座るように促したりと妙なほど紳士なのやら、フェミニストなのやらな事もしたりしてから、彼も向かいの席へ腰を下ろす。
「自己紹介が遅くなって申し訳ない、私はロレンス、月夜に血を求めて生きる者達の祖だ。君達が言う…魔族の一員というところだ」
仰々しい挨拶とともに自身の正体をあっさりと明かし、彼女の様子を微笑みながら見やる。
■フィン > 「ん――成程?」
言いたい事は分る。が――それほど興味がない。
そもそも故が無ければ関わる気もないのだから。
「礼を言うのは此方だと思うのだが。……むぅ。」
矢鱈と紳士的――先の衛兵と比べればその落差が際立つ。
付き合うだけで礼まで言われるとなれば――調子が狂いつつ。後ろをついていく。
フードの不審人物と紳士、という取り合わせは目立ちそうなものだが。相手の雰囲気がそうさせるのか、周囲の注目は驚くほどに向かない。
「ああ――ええ、と。」
店内に入れば。マントこそ外さないが。フードは流石に取って。
まるで姫か何かのような扱いに、更に戸惑う。今までされた事がない。
促されるままに席に着き、相手の出方を伺う――
「いえ、此方こそ遅くなった。フィンドリング。残念ながら魔族ではないけれど。
……で、えー……と。いきなりで申し訳ないが、なんで、私?」
そもそも害意があるのなら人間も魔族もそう変わらない。むしろ、数が多い分人間の方が面倒なことだし。
魔族、と言われたところで、納得の方が先に来る。
――それよりも態々面倒を収めてまで付き合わせた真意の方が気になる。
■ロレンス > 「美しい君とひと時を過ごせるのだ、礼ぐらい言わせてもらいたい」
楽しげに微笑みながら緩やかに頭を振れば、魔族のくせに堂々と歩くせいか、人目もただの風景としか二人を見ることはない。
そうして酒場へとたどり着けば、戸惑う様子にやはり楽しそうに微笑むばかりだ。
「フィンドリング、覚えたよ。あぁ…君から感じる気配は私達のものとは異なる、どちらかと言えば…そう、ミレーの娘達に近かった。森や山に縁がある種族なのかな?」
興味津々といった様子で出身を問いかけながら、彼女からの問いにクスッと笑う。
「美しい人に誘われた、それだけでは理由にならないかな? それと…君に興味が湧いたのと、君が許してくれるなら私の飢えを満たしてくれると思ったのでね。」
ずいっと少し身を乗り出すように体を前に傾ける。
話し込んでいる様子に、店主はいつものでいいかな?と一言掛けると、任せるとだけ返し、店主は奥へと戻っていく。
「その肌、耳、人間の世界に来ても君のような者は見たことがなかった。だから興味が湧いたのと…私は吸血鬼だが、誰の血でも渇きが満たされるものではないんだ。美を感じる者から出ないと、美味しく感じられなくてね」
彼女の見た目に惹かれたのが一つ、そしてもう一つは吸血鬼らしい理由を微笑みながらに紡ぐ。
許されるならば、そう言うのも、彼女から無理矢理吸い取ろうというつもりはない現れだろう。
■フィン > 「ああ……そちらよりも、この辺りだと、あの丘の戦場の辺りに居たのが遠縁、か。故郷はもう―――いや、まだ、か?あるのかは知らないが。」
別段隠し立てするような話でもない。
思い出せば多少は苦虫を噛み潰したようになるが。いい記憶、というのはないのだ。
「興味の方はともかく、飢え。……ああ。」
納得はいかない。だが嘘は無さそうだ。
飢えを満たす、と言われたところで何かできるわけでもないが――と、続く説明で納得する。
吸血鬼、というくらいなのだから血が欲しい、というのは当然。
「……申し訳ないけれど。そちらは遠慮させてもらいたい。」
はいそうですか、と承諾できるような話ではない。
途中、注文を取りに来た店主への応対は――任せてしまった方がいいだろう。
■ロレンス > 「……すまない、触れたくないものに触れてしまったようだ」
彼女の故郷についてを触れていくと、言葉や表情から良いものではないとすぐに察することが出来た。
困った様に眉をひそめて苦笑いを浮かべつつも、謝罪を紡ぐ。
「そうか…それなら仕方ない」
血は駄目だと返事が帰ると、残念そうに呟きながら意味深な言葉を紡ぐが。
「それならフィンドリングについて…苦しくない程度のことで教えてくれるかな? 特に君のような褐色の肌は初めてみる」
あっさりと血については彼女の断りを受け入れてしまう。
丁度そこへ店主が果物酒を運んでくると、テーブルの上へと差し出していく。
酒のつまみにとチーズと小さなトマトの盛り合わせも置いて行くと、店主は再びその場から去っていく。
■フィン > 「……いや、気にしないで。此方こそ御期待に沿えなくて。」
相手には関係のない話。それこそ謝罪される謂れもない。
それ以上にあっさりと引き下がったのには、驚いた。何人かの魔族は見たことがあるが――それとは根本的に違うらしい。
「そのくらいなら――といっても、話せるような事もそれほどないのだけど。
この肌の色にしても、そもそもが隔世遺伝か突然変異か、理由は知らないけれど。私以外に見たことがないことだし。」
褐色の肌に興味を惹かれているようだが――深い意味は、少なくとも知らない。
店主が料理を運んでくれば、一反は口を噤み。並べられていく料理を見る――本当に、こういう扱いを受けるのはどうにもむず痒い。
■ロレンス > 「…どうかしたかな?」
こちらがあっさりと引いた瞬間、相手から驚きが見えればさもありなんと行った様子で首を傾ける。
なにかまずいことを言っただろうかと思えば、思案顔で顎に手を当てて視線を落とし、考えるもののそれらしいものが浮かばない。
「なるほど…それは素晴らしい。君はこの世界にいるという神に愛されたのだな」
その珍しい肌を神からの贈り物と褒め称えると、どこか様子がおかしいのに気付く。
この待遇が不慣れとは思いもせず、先ほどのこともあって顔色が曇ってしまう。
「すまない…何か気を害することをいってしまっただろうか? あと…酒と料理も、苦手なものだったかな?」
ここでのオススメをお願いしたわけだが、彼女の要望も効くべきだっただろうかと反省した様子で苦笑いで紡ぐ。
■フィン > 「えー……無理矢理、力尽く――そういうものだと思ってただけ。」
不思議そうな顔をされれば、答えるが。少々不躾な言い方かもしれない。
そんなに考えるほどの事だろうか、と思ってしまう。
「愛されたにしては随分と酷かったけれども。白い中に黒が混ざれば。先刻の話じゃないけれど、起きるのは何処でも同じ。そういう話。
綺麗だ、と言ってもらっているけれど。見た目ほど、きれいでもない。」
実際、故郷での扱いは――奴隷、というのが一番近かった。
どういう生活をしてきたかを知れば、綺麗とも言えなくなるだろう、とぼんやりと思う。
「……ああ、いや。そういうのじゃなくて。――こういう扱いを受けるのは初めてなものだから。」
慌てて否定しつつ。単に教養が足りないだけの話。
長く迫害され、ほぼ独力で生きてきたわけで、こういう場所の作法はわかりかねた。
まず、どこから手を付けていいものか――?
■ロレンス > 「確かに、君の血と体をいただくだけなら力を振るえば手に入ると思う」
しかし…と言葉を連ねれば、緩やかに頭を振った。
「それは力を持つ者がすることではない。力を持ったからこそ、力に誇りを以って振る舞い、弱く愚かな人間も導かねばならない…私はそう思う」
他の魔族とは異なり、力を無駄に振るわないと語れば、納得いただけたかなと思いつつ彼女の様子を見やる。
「……私も君に語った通り、赤い月のように普遍と異なる君が美しく感じるし、神秘的で魅了された。私は綺麗だと感じる、仮に誰もがそう言わなくとも、君にどんなことがあろうとも、美しいと言うよ」
奇しくも語った言葉は彼女の考えた言葉に引っかかるものだろう。
奴隷のように扱われた彼女を、その過去を知らずに綺麗と語る彼を彼女はどう思うだろうか。
「なるほど…そんなに固くならずに自然体でいてくれていい。私は…立場柄、仲間からも仰々しいと叱咤されてしまう」
どうやら振る舞いや言葉遣いが普通では無いことは自覚しているらしい、全く困ったものだと自分の難点を冗談めかして語ると、剣を象ったピンでスライスしたトマトとチーズを合わせるように刺し纏めると、取りやすいように取っ手の部分を彼女に向けて皿の上へ。
「果実酒が少し甘めだから…リセットしたい時にそれを口にするといい。酸味と塩気が程よく打ち消してくれる」
酒と料理の楽しみ方を簡単に説明すると、どうぞと彼女へ勧めていく。
■フィン > 「成程。そういうものなのか、な。魔族というには変わっていると思うけれど。」
そういう考え方なら、先ほどの事態の収拾の手際も、納得できる。
力を無為に振るわない、というのは到底真似の出来るものではないが。――少なくとも自分では無理だろう。
「――そう。ええと、ありがとう……」
この調子だと多分――何を言ったところで綺麗なのだ、と言うのだろう。
そこまで言い募られるのなど初めてで。少し、困ったような、恥じらうような。そんな複雑な表情を垣間見せる。
「ん……合間にこれを食べればいい、のね。成程……ええと、それじゃ……いただきます。」
手際よくとりやすく並べられていく料理と酒を見つつ。説明に頷く。
ここまでしてもらって、なんというか子供みたいだと思うが――そういえばこういう、子供らしいことも初めてかもしれない。
注がれた果実酒のグラスを手に取り――慣れぬ様子で口づける。
■ロレンス > 「よく言われる。この間も…同族にお前は間違っていると叱咤されたばかりだ」
軽く肩をすくめて困った様に笑いながら答えていく。
改めての賞賛に先程以上に表情の変化が見えれば、微笑みを深めつつその顔を見つめていた。
そして、料理と酒へと手を伸ばす様子を、こちらもグラスを傾けながら眺めている。
やはり不慣れな様子が見えると、何処と無く凛とした芯の強い雰囲気とは相反して見えれば楽しそうに微笑む。
(「あとは…この血の渇きが疼けば、全て満たされるのだが…これ以上望むのは贅沢か」)
彼とて魔族ではあるため、欲望がないというわけではなくただ抑えているだけというのが実情。
慣れぬ様子で料理と酒を楽しむ彼女を見やりながら、果実酒で喉を潤しても、直ぐに乾いてしまうような錯覚を覚えていく。
■フィン > 「ん……そこはどちらも正しい、だけの話。
力を持つのなら使うべき、というのも、持つからこそ闇雲に使うべきではない、というのも。」
少しずつ、舐めるように。甘い果実酒を飲み干して。飲んだ量に比例するように、饒舌になっていく。
見られているのは分かっているのだが――どうにも、目の前の相手のように自然に、とはいかない。
慣れない雰囲気に、どうしても何処かたどたどしさが残る仕草で。
「…………どうか、した?」
――不意に、手を止めて。料理に向いていた視線を上げる。
余裕釈然、といった様子にほんの少しの陰りが見えたから。気のせいかもしれないが、そんな気がする。
■ロレンス > 「そうか…なら、使うべき時をよく考えるとしよう。誇りを失わない程度に…」
彼女の言葉にうなづきながらも、どこか雰囲気が柔らかになった感じを覚える。
飲み干した果実酒はその甘味こそジュースのような飲みやすさだが、実際のアルコールの度数は少々高い。
この男自身が酒慣れしているせいか、度数はあまり気にしていなかった。
グラスが空になれば次の酒をオーダーし、風味の異なった果実酒が運ばれてくる。
これもジュースのようだが…実際のところ、度数は高いほうだろう。
「…あぁ、いや」
どうやら飢えが顔に出てしまったようだ。
誤魔化して隠してしまおうと考えるが、それはそれで彼女に気を使わせっぱなしになると思えば、困った様に苦笑いを浮かべる。
「先程…許されるなら血がほしいと求めただろう? 美しいと思える者以外から血を貰っても、口に合わなくて飲めず、更に血の飢えも満たせない。だから…最近あまり満たせていなくてね」
先程の紳士然とした振る舞いもあれば、力づくで血を求めることもないのだろう。
自身の飢えは抑え込みながら、我ながら困った体質だと冗談めかした言葉で苦笑いを浮かべて苦しみを誤魔化そうとする。
■フィン > 「あんまり考えすぎない……方がいい、多分。」
元々果物の類は好んで採る。
飲みやすさにかまけて、二杯目も、美味しそうに――教えられた通りに合間に料理も口に運び。
気が付けば頬には赤みが差し、若干視線が揺らぎ始める。
「ん……――あ。そういう……」
そうか、とアルコールの回った思考で納得する。
吸血鬼、と呼ばれる魔族にとって食事のようなもの。それが飲めない、というのも好き嫌い――という次元ではなさそうで。
つまりは予想以上に死活問題、なのではないだろうか。目の前の相手にとっては。
少しだけ、考えた様子で――
「……のむ?」
苦笑を浮かべる相手に小さく、首を傾げた。先刻は断ったけれど――
■ロレンス > 「あぁ、そのほうが良さそうだ」
と言いつつも、徐々に褐色の頬に赤みが増していくのがわかると酔いが回ってきたのかと理解し、楽しげに微笑む。
酔うと饒舌になっていくならその方が楽しいからと、ペースを早めさせることはないが、酒が尽きないようにオーダーしていく。
彼女の予想は大体あたっている。
体質に合う血は限られ、そして相手から無理矢理奪わない。
そんなことをしていれば飢えやすくもなり、こうして酒で誤魔化しても誤魔化しきれないこともしばしばというところだ。
彼女の言葉に小さく頷いていると、不意に許可の言葉が溢れ、少々驚きに瞳が瞬いたものの、嬉しそうに笑みを深めていく。
「頂けるのなら、是非…ね」
そのチャンスは逃したくないと頷けば、立ち上がり、彼女の側へ。
後ろへと回ると、ゆっくりと体を抱き寄せるように腕を回していく。
首筋に顔を埋め、褐色の肌の感触と香りを楽しんでからまずは淡いキスをそこへ落とす。
「フィンドリングの血は…とても美味しそうだ」
期待に満ちた声で耳元をくすぐれば、隠れていた鋭い犬歯をゆっくりとその肌へ沈めていく。
牙からは微量の媚薬に近い成分が溢れ、鎮痛の効果と共に淡い快楽でなるべく苦しませぬように血管へと到達させてしまう。
ずず…っ と静かに啜りたてながら血を吸い上げると、その味が舌へと広がる。
あれだけ褒め称えるほど彼女を気に入ってた分、ビクリと驚きに体が跳ねるほど、その血は美味に感じる。
吸血という相手から奪う行為を、なるべく怖くしないようにと心掛けて入るが、久しぶりの飢えを満たす血の味は格別で、ぎゅっと抱きしめたまま静かにその血の味に酔いしれ続ける。
■フィン > 「ええと、――この、お礼……」
度数の高さと、慣れない状況とで――随分と酔いは回っている。
泥酔というほどではないのだが、酔いも手伝った決断なのは間違いない。
若干視線は揺らぎつつ、立ち上がるロレンスを追って――
「んー―……」
細い首筋を差し出せば、幾度かの口づけに小さく体を震わせ。
つぷっ、と何かが刺さる感覚に少し、身体を強張らせて―――
「――ぁ……ぅ、ぁ――」
続けて起こる、何かが抜けていく、強烈な虚脱感。
血を吸われている、と理解はできているのだが現実感がわかない。
抱えられた身体は痛みを感じている様子もなく、時折小さく、甘い声が漏れていく。
■ロレンス > お礼と聞けば、ありがとうと微笑みと言葉で応える。
血の味が舌の上いっぱいに広がっていき、コクコクとその血で喉を潤していく。
途端に体中に溢れる強力な活力は、彼女を美しいと思った分だけ強まるのだが…それが強すぎると感じるほどに濃厚だった。
そして久しぶりの血が、体を揺さぶるように鼓動させて美しく感じる彼女の全てを欲してしまう。
血を、唇を楽しみ、その上で体を貪るように重ねあわせて全て手中に収めたいと、魔族らしい強い欲望が理性を焼き焦がす。
甘い声が聞こえれば、体は無意識に欲を煽る成分を牙に滴らせ、彼女の性欲をも煽ろうと血を啜る。
「…本当にフィンドリングは美しい、血がとても美味しく感じる…そして、魔族らしく君を抱いてしまえと本能が囁く」
傷口へ舌を這わせていくも、傷跡となった穴はそれほど大きくはない。
滲み出る血を舐め取りながらも、いつの間にか舌にも催淫を促す成分が分泌され、舐めとる度に彼女の欲望を煽ろうとするだろう。
「……血だけでなく、やはり君も欲しい。もっと君を愛でたい…」
愛でたいだなんて甘いことを囁くが、実際は貪るというのが正しいほどに飢えていた。
囁きを繰り返し、彼女の答えを待つ。
■フィン > 「ふぁ――?vん、ぅぁ――は――っ……v」
虚脱感の中に感じる感覚に若干の疑問がよぎる。
だが、疑問が明確な形をとる前に、甘美な疼きを感じて。小さかった声は次第に辺りを憚らぬ嬌声へと取って代わる。
恍惚とした表情で血を吸われながら、腕の内で何度も身体を震わせ――酔いで纏まらぬ思考に、動物的な本能の火が灯されていく。
「……、ありがと、ぅ……うん――もっと……?」
美しい、と再びの賛辞に、今度は素直に答えながら。
小さな二つの口づけの跡はじくじくと血を流し続け――舐めとられるだけでもびくり、と震えて。
「ぁー―うん、きの――すむま、でー―……v」
もっと、と言われて――断れるだけの理性をもはや持ち合わせない。
腕の中で虚脱した身体をしなだれかからせ、小さく、頷く。
■ロレンス > 彼自身、自分からはなった媚薬の成分が濃くなっていることに気づかず、その発情も彼女が良いに誘われたものと思っていた。
甘い響きにさらなる興奮を覚えると、もう抑えようという気持ちは微塵にも残らない。
「なら…気の済むまで君を貪らせてらもらおう」
力を抜いて寄りかかる彼女を抱き寄せ続け、今度は椅子の上から横抱きに体を抱え上げる。
店主に二階の宿部屋を頼めば、女を酔わせて貪ろうとする悪い男であっても、何一つ言わず部屋を差し出すのは、やはりここが王都であることを改めて認識させられる。
二階の宿部屋へと彼女を連れ込めば、ベッドの上へとその体を横たえ、マントを解いていく。
「……随分と扇情的な格好だね?」
露出面積の多い狩人服が目に飛び込めば、思わず意地悪な言葉が溢れる。
褐色の彼女の首筋へ改めてキスを押し付けながらも、掌がその膨らみを包んで緩やかに揉み込もうとしていく。
■フィン > 「ぅん――……v」
くったりと脱力した身体は人形のようで、僅かな衣擦れにすら声を漏らすほど。
酔いというには少々過剰でも――気にするだけの理性がない。
抱え上げられて、甘えるように胸板に顔を埋めて――部屋へと連れていかれる。
「これ、うごきやす――ぃ――から、ぁ、ん――っvv」
身体を隠すマントの下は、ほぼ肌の露出した服装で。露出した太腿まで濡らしてしまっている。
いくつかの理由からの服装ではあるが――指摘されれば恥ずかしがりながら言い訳めいた言葉を紡ぐ。
首筋への口づけに自分から首を差し出し、服の上から触れる指に甘く啼きながら身を捩り――
■ロレンス > 出会った頃の緊張した尖った雰囲気は微塵にもなく、胸板に顔を埋める仕草に、ぞくりと欲望が煽られる。
改めてその体を眺めると、太腿まで伝う濡れた跡に気づく。
それの正体を確かめるように指先で内股を擦れば、申し訳程度にしか覆われていない股座へと指を伸ばす。
そこに滴るであろう蜜の具合を確かめんと、指の腹でクレパスの上の布地を押し込もうとする。
「動きやすい…それだけならもっと他にも適切な格好はあると思うけど…? 体を隠す程だったのに、フィンドリングは厭らしい露出狂だったとはね」
ピッタリとしたスーツのような格好なども拵えようと思えば出来るというのに、こんな男を誘うような格好は性的な糸を感じさせられていく。
意地悪な言葉で羞恥を煽りながら、股座とは別に服の上から房の先端を探る。
それを見つければ、欲望に膨れていないか探りながらも捕まえて、グリグリと指の間で押しつぶすように擦り合わせて可愛がっていく。
■フィン > 「ちが、ぅの――わた、しそんなの、じゃ――ぁー―は、ぁっ――!v」
太腿を這う指に意識を取られながら――小さく頭を振り、否定の言葉を紡ぎかけて。
にちゃり、と水音を立てて沈み込む感覚に、トーンの高い喘ぎを漏らしてしまう。
僅かな布地は濡れきって意味を成さず、押し込まれれば溢れた蜜がとろりと零れだして。
「――ぁ――ぅ、んっ――vv」
双丘の頂は服越しでも容易に見つかるほど、硬く尖らせてしまって。
探り当てられ、擦り上げられれば、身をよじって逃れようとして――腰を擦りつけてしまう。
上から下から、幼少期のトラウマ――何度も何度も犯され続けたのとは違う、ふわふわとした多幸感を与えられて、顔は緩み――
■ロレンス > 「咎めてはいないよ、見られたいと思うなら…もっと見られるといい、理由付けしながら隠すんじゃなく、一糸まとわぬ格好でね」
意地悪を囁やけば、今度はそれを受け止めながら優しい響きを奏でる。
それでいて、羞恥を煽ることは忘れず、改めて甘く意地悪を重ねると指にこびり着いた蜜を見せつけるように、彼女の眼前へ指を運ぶ。
人差し指と親指の腹を重ねて離せば、にちゃぁ…と愛蜜の糸が垂れ下がり、濡らしている事実を見せつけながらも、その香りが広がっていく気がした。
「気持ちよさそうだね…ならもっとしてあげよう」
嫌がる様子もなく、嬉しそうに快楽に沈む様を楽しみながら、胸元の布地をずらそうとする。
服を脱がせぬまま、ズラして乳房を露出させていくと視線はその先端に集中していく。
そうなるのも、興味が強く湧いたからだ。
褐色の肌をした彼女の先端は普通の娘と違う色合いになるのだろうか? と気になった。
くすんだサーモンピンクの色合いが普通は多いが、彼女の場合はどうだろうか?
興味津々にそこへ視線を落としつつも、それを確かめれば唇でずずっと水音響かせながらしゃぶりつく。
吸い上げ、舌で転がし、甘噛みをしてとランダムに繰り返し、左右交互に可愛がって熱を更にふくらませていく。
■フィン > 「ふぅ――vぅ、ちが――ぅ……?vみて、もら――ぅ……?v」
とろりと欲情に濁った瞳が目の前に出された指を追い、厭らしく、はしたなく濡れて、発情しているのを改めて自覚させられて。
発情と羞恥に頬を染め、視線が泳いだところに――優しい声音が耳朶を打つ。否定の言葉はしりすぼみに消えていき――霞掛かった思考にするすると入り込んでいく。
「……vうん、もっと――v」
素直に答える様子は、平時の凛とした様子は微塵も感じさせない。
脱力した身体を少しだけ、胸を突き出すように動かして。
捲り上げられた布地から弾けるように、双丘が転び出る。綺麗なピンク色の先端はつんと尖り、触れられれば――
「ふぁっvぁ――はぁ、ん、ぅ、ひゃ――っvv」
直に感じる刺激に胸を弾ませ、股布に覆われた秘裂がとろり、と新たな蜜を零す。
奏でられるように、刺激に合わせて声を上げ、腰はかくかくと震え始めて――
■ロレンス > 「あぁ、フィンドリングの裸を見てもらえばいい。褐色の肌も、尖った耳も、その顔立ちのように美しい。誰が見ても興奮して、君が一人で裸を晒していたら…きっと皆が興奮して押し寄せて、グチャグチャに犯してしまいそうだな」
妄想を煽るようにゆっくりと優しく耳元に奏でていく。
あれだけ隠していたのも、コンプレックスであり嫌な思い出があってこそだろうが、その裏には認められたいという欲望があるのではないかと思っていた。
承認欲求を煽るように可愛がりながらも、綺麗なピンク色の尖りをしゃぶり、捏ね繰り回す。
「君も…結構溜まってたみたいだね。油断して体を晒してくれたのは嬉しい限りだ…もっとフィンドリングの欲望を知りたい。その体を晒させて興奮したところを貪りたいところだが…君はそれ以上を求めるかな?」
発情した猫を思わせるような腰の震え、唇へ胸元を押し付けるのもそうだが、先程も腰を擦り付ける辺り、よほど盛っているように見える。
侮蔑することなく、甘く囁いて欲望を受け止めながらも彼女の欲望を問いかけていく。
ただ貪るだけでは勿体無い…彼女が興奮しきったところで噛みしめたいと思えば、そんな問いをかけていく。
■フィン > 「ぅ――んvもっと――ぉ、みて、もら――ぅ――v」
こく、こくと頷きながら――言葉に導かれるように、想像してしまう。
見られて、見られて――――もっと、認めてもらって――
「――ぅ、でも、すみんなにされるの、はいや……」
びくり、と小さく体が震える。羞恥でも快感でもなく、若干の恐怖。
力の入らない腕できゅっ、とおびえたようにロレンスに抱き着いて。
相手に気を許していなければ、恐怖に叫んでいたかもしれない。けれど、多幸感はトラウマも随分と軽減している。
「ん……v」
恥ずかしいと思っても刺激を求めてしまって身体は抑えが利かなくて。
ほとんど胸だけで今にもイきそうで、もっと、もっとという渦を巻くような欲が渦を巻いている。
平時なら絶対に頷かないような提案にも――こくん、と頷いてみせる。
■ロレンス > 酒と媚薬の効果で導かれているだけなのか、それとも隠れた願望としてあったものなのか。
彼女が頷き、求めていく中…一つだけ否定したのは乱暴されること。
怯えたようにすがりついてくれば、ぎゅうっと力強く抱きしめて、ここにいると自身の存在を伝えるように包み込む。
「分かった…では皆には見てもらうだけだ。私だけが、君を抱くよ。誰にも触らせない」
約束だと囁きながら金糸を優しく撫で梳かし、不安を落ち着かせようと約束を交わす。
思っていたより硝子の様に繊細な印象を感じさせられれば、愛情を以って応えたくなり、撫でる手つきは更に優しくなる。
「いい子だね…」
ぐにっと最後に尖りを甘噛みしてから開放すると、ゆっくりと褒め言葉を囁いた。
腹部と股座を隠す前掛けの様な布地も、タイトなラインで食い込む紐状の部分も全て脱がせてしまい、一糸まとわぬ裸へと剥いてしまうと、その裸体を隠すマントを着せていく。
「さぁ…行こうか?」
横抱きに包み、立ち上がると窓から外へと飛び出していく。
吸血鬼らしく自身のマントを蝙蝠の翼のように変化させて羽ばたくと、人がまばらになった大通りの裏へ降り立った。
彼女を地面に下ろすと、フードは被らせず、その手を引いて大通りへと導いていく。
端正な顔立ちに、すれ違う男達は一瞬見惚れたようにその姿を目で追い掛ける者が多い。
好奇の視線というよりは、好意の視線というところか。
「皆、君の美しさに惹かれているみたいだね?」
視線の理由を囁やけば、その体を抱き寄せていく。
密着させて隠れた掌を、こっそりとマントの中へ忍ばせれば洪水となった股座へ触れた。
先程よりも更に蜜は滴っただろうか? と確かめるのだが、中指と人差し指を束ね、掌をスリットの上、恥丘へと押し当てながら指を押しこむ。
じゅぶっ、ぐちゅっと遠慮なく水音を響かせて掻き出せば、これぐらいの年頃なら茂みがありそうな恥丘をぐりぐりと掌で撫でていき、快楽で羞恥の楽しみを煽り立てる。
■フィン > 「ふぅ――ぅ、ん、やくそく……」
力強く抱きしめられ、約束までしてもらって――ようやく縋りつくのをやめて。
優しく撫でられる中で、まるで幼子のようにこく、こくと何度も頷いて――
「ひゃふ、ぅ――……vvうん、行く……vv」
褒められれば嬉しそうに目を細め――脱がす動きに、自分から身体を動かして、一糸纏わず――すべてを曝け出していく。
生えていて然るべき恥毛は一本もなく、生まれたままの、姿。
マントのお陰でパッと見では裸身を隠し――抱えられて、通りへと連れ出される。
地へと震える脚で降り立てば――支えられていなければ、貧血と発情と――羞恥とで、今にも倒れてしまいそうで。
抱き寄せられ、ロレンスに縋りつくように身を寄せて。
「みんな、みて――る……みられて、る――ぅ、ぁ、あぁ――っvv」
そこかしこから視線を感じる。長い耳は周囲のささやき声も拾ってしまう。
縋りつき、かろうじて歩を進めながら、顔を赤く染めて、ぞく、ぞくと羞恥をそそられていき。歩いた後にはぽたぽたと、蜜が滴り落ちて跡を付けていく。
マントの隙間から差し込まれた手に腰を押し付け、往来の真ん中で甘い声をあげながら身悶えまで――
■ロレンス > 約束と抱擁に怯えていた動きは収まり、子供のように頷く様子に愛らしさを覚える。
可愛らしくもありながら、彼女の卑猥な一面に興奮しつつ服を脱がせる。
綺麗な全裸を拝み、それを一旦はマントで隠したが、人の往来の中から響く声は興奮の音が多い。
『すげぇ美人だな』だの、『トロトロの顔してエロいな』だのと顔立ちを素直に褒める声と、厭らしく蕩ける様に興奮する響きの両方が彼女に届くだろう。
「あぁ…皆見てる。だがこれからが本番だ」
まだ序の口、言葉通りここからが本番とマントの留め金を弾いてしまう。
ストンとそれが滑り落ちれば、もう彼女の体を隠してくれるものはない。
ざわざわと、通り過ぎる男たちの声は大きくなるものの、エロい体付きを褒め、興奮する声と共にストレートに犯したいと呟く者もいる。
どの時も共通して褐色肌と耳を嫌悪することはない。
ただ、彼女の厭らしい雰囲気と美しさに魅了されて興奮の眼差しで遠慮無く見つめている。
「ほら、腰を落として、肩幅ぐらいに足を開いて膝を曲げて……皆に見てもらうといい」
背後から腕を回すように抱きしめなおすと、腰を沈めさせてポーズを要求する。
手で導いて取らせるのはガニ股に開きながら、股座を惜しげも無く晒す卑猥すぎるポーズ。
男たちの興奮の声は強まり、ひそひそとした声はすべて聞こえるだろう。
その合間も指で遠慮無く膣内をかき回し、淫蜜を地面へと滴らせていく。
■フィン > 「はぁー―ぁー―ぁ、ふー―vv」
賞賛も興奮も、聡い耳は等しく捉えて。一つ一つに嬉しそうに、深まる羞恥と多幸感とに溺れていく。
支えられていなければ今にも腰砕けに座り込んでしまいそうなほどで、荒い息が興奮を如実に伝えて。
「ん、――本番、ぅ――ぁー、は――vv」
縋りつく身体から、するり、とマントが落ちていく。
肌寒い外気が火照った身体に心地よく――それ以上に。素肌を直接舐める視線を感じて気持ちいい。
這いまわる視線は瞬く間に数を増やし、視線を集めながら、次はどうするのか――とロレンスを肩越しに見上げる。
「ぅ、んー―vこう――もっといっぱい、いやらしいところ、みてくださ――ぃ……vv」
支えられているという安心感も後押しして。言われるままに腰を落とし――
脚を広げ、ぐちゅぐちゅといやらしく水音を立ててかき回される膣口を突き出すように。
そんな恰好をすれば視線が当然のように腰に集中して――
びちゃっ、と蜜が地へと滴り、飛び散っていく。がくがくと痙攣する腰は、見られているだけでイッてしまったのを隠せない――
■ロレンス > 「嬉しそうだね…? 聞いてのとおりだ、君の肌も耳も珍しいと喜んでいるだろう?」
どちらの声にも混じったのだが『変わった肌の色だ』だの『耳が変わった形してるな』だのと、彼女の体にある普遍と異なる要素を紡ぐが、最後は『変わってて一層興奮する』というものもいれば、『そこがなんかエロい』と、それ自体を興奮要素として受け入れる声がほとんどだ。
マントが落ちても物怖じせず、視線を集める彼女に急かさせる視線。
全裸を晒す痴女の様をどう思うか耳を澄ますように告げれば、淫乱、変態、と好意を罵る声があっても、それを興奮しながら紡ぐ男ばかりだ。
いつしか人だかりの壁が出来上がると、蜜を滴らせながらアクメを決める様に、もっともっと見たいと視線が更に褐色の肌を叩いた。
「どうせだ、直接聞いてまわろうか…?」
変わらぬ羞恥劇だが、ここからさらに強まる。
直接といえば、彼女の手を引いて一番近い観客の男へ近づいたのだ。
勿論、傍らには褐色肌の裸体を晒す彼女がいる。
顔から胸元、ビショビショの股座と舐めるように視線が往復する中、ぼそりと彼女へ小さく呟く
「ほら、卑猥に自分の体を見てどう思うか…聞いてみるといい、気になる肌の色も、耳も全部問いかけて…洗いざらい問いかけるんだ」
口元を動かしただけにしか見えないが、彼女にはしっかりと音が届くだろう。
その合間も近寄られた彼女に、見ているだけという誓約は守りつつ、その内視線は股座に集中する。
露出プレイに濡らす美女ともなれば、そこの卑猥さに惹かれるのも仕方ないことだろう。
■フィン > 「ふぁ、ぅ――はずかしー―くて、うん、みんな、よろこんで――る――v」
変態だ淫乱だと――羞恥を煽る言葉が幾重にも折り重なる。
そのすべてが脳髄を揺さぶるような軽くイき続けて止まらなくなっていく――
「ぅ、んー―v」
指示されるままに、嬉しそうに近くの男に近づく――数多の羨望の視線と、間近で見る男の視線が肌を這う。
ロレンスの指が無ければ自分の指を股間に沈めて、ぐちゅぐちゅと音を立てさせ――
「ぁー―vいやら、しい、ですか――?vきれいですー?vこんな、肌色で…耳、ですけどー―vv
見られ、てー―はずかしー―ぃのに、こんなに――vv」
小さな声は自分にしか聞こえず――自慰をしながら、自らの意思のように言葉を紡いで、問いかけてしまう。
恥ずかしい、と言いながら――沈めた指で秘裂を広げて見せれば、とろり、と新たな蜜が滴り落ちていく。
■ロレンス > 恥を晒して興奮と淡い絶頂を繰り返す様子は、この間近から見ればとてつもなく卑猥でたまらない。
促すままに観客の側へと近づけば、指を強請る仕草に呼応して、遠慮無くピストンを繰り返す。
ぶちゅっ!ぶちゅっ!と、敢えて音を派手に立てるように動かし、ぐばっと膣口を広げて、ドロドロの蜜を吐き出す唇の奥も全て晒す。
問いかける彼女の声には、観客はこう応える。
『凄く厭らしい…変わった肌の色と耳してるけど、似合っててもっと興奮する』と、それすらも興奮材料だと返事をするだろう。
そして…彼もそろそろ欲望を吐き出したい。
こちらも男達の視線を気にすることなく、スラックス状のパンツから陰茎を晒した。
細く背の高い見た目とは裏腹に、雁首の返しが大きく、先端も赤黒くて大きく、茎も太さも一般の男より段違いに大きいだろう。
尻肉へ押し当てるようにして存在を伝えると、耳元に命令を下す。
「それ、しゃぶってご奉仕してもらえるかな?」
口淫を彼女に命じると、その体を膝立ちへと体位を変えさせていく。
地面に直接膝をつくと痛みが走るので、魔法で柔らかな蔦を生やして束ねて、蔓の絨毯を拵えた。
命令通りに始める頃には、こちらも更に蔦を増やしてスリットを蔦で捕まえて広げていき、内部までも晒し者のしていく。
更に蔦を幾重にも絡めてねじったものを、菊座へと押し当てると、表面に纏った油で ずにゅりと進入すれば、後はグブッ! ゴプッ!と卑猥に濁った音を立ててかき回す。
蔦自体には彼に繋がる触感の神経も通っており、後ろの穴の様子、入れると気にじゃまになる排泄物が詰まっていないか、愛撫とともに確かめる。
■フィン > 「ふぁ――vぁ、はっ……vありがとう――ございます……v」
返答に甘い声で感謝の意を述べる――そのおかしさに気づくこともなく。
肌の色も、耳もー―何も、問題はなかったのだ。いやらしくて、褒めてもらえるもの――。
恥ずかしいのに見られているのが気持ちよくて、褒めてもらえる――もっと曝け出さないと――まだ、もっと――。
「ふぁ――?v――ぅんー―v」
そんな思考を見透かしたかのように、押し当てられたものに声を上げる。
続けて囁かれた命令に小さく頷くと、ゆっくりと膝立ちに。当然のように脚を広げ、、腰を、隠すべき場所を視線に晒すようにして。
「ふぁ――ぁvしつれいしま、す――ぅ、ぁむ――vん、んふぅっ――vv」
腰に両腕で抱き着き、愛おしそうに頬ずりをしてから――大きく口を広げて、ゆっくりと飲み込んでいく。
舌を絡め、頬張ったまま吸い付き、喉の奥まで塞ぐように根元まで飲み込んで。――トラウマと共に仕込まれた技術を生かして。
零れるほどに濡れた蜜と油とで、難なく触手を飲み込んだ尻穴をひくつかせ、広げられた膣はぽた、ぽた、と零れ落ちる蜜まで見えてしまうように広げられてしまう。尻穴を抉られ、膣を視線に犯されて――咥えたまま、くぐもった嬌声が響く。
こんな状況を想定しているわけもなく、後ろは準備が必要な様子――。
■ロレンス > 御礼の言葉にどういたしましてと、男も盛りきった彼女の震える声に少しばかり緊張しながら応える。
歪んだ答え、興奮を繰り返す彼女へ奉仕を命じると、思いの外になれた動きで喉の奥まで包まれると、目を丸くしながらもその髪を優しく撫でる。
濃厚な性の香りが漂う先走りの汁を滴らせる陰茎は、淫魔ほどの力はないが、その匂いに一種の興奮の誘発作用が混じっている。
いい香りで気分が良くなる…ぐらいなものだが、盛りきった欲望の火に少しでも燃料が入れば、なかなかに燃え上がるかもしれない。
「フィンドリング…ふと思ったんだけど、これだけ裸を皆に褒められて、あんな服を着る必要があると思うかな?」
激しい奉仕をする彼女へそんな問い掛けを投げかける。
子宮口すら見えそうなほど膣口を広げて、中に篭った熱い空気を晒せば、うっすらと蒸気も見えそうな気がした。
蜜を湧き水のように溢れさせる卑猥な部分に男達の視線は殺到し、口々に興奮した声が溢れる。
卑猥だ、エロい、もっと見たい、だのとストレートに…そして、我慢しきれなくなってその場でしごき出すものもいれば、金具の外れる音でわかるだろう。
後孔につまった排泄物を蔦が感知すると、意地悪なほほ笑みを浮かべながら彼はそこから更に細い蔦を伸ばした。
蜘蛛の糸のように幾重にも重ねて伸ばし、それを絡めとると、ゆっくりと外へ向けて引っ張り始める。
塊が途中で千切れないようにしながら、ずずっ、ずずっ、と腸内を滑らせ、彼女の意思とは関係なく排泄を促して羞恥を煽る材料へと変えていく。
■フィン > 「ふぅ――?vん、んぅ――……vv」
くぐもった嬌声は途絶えることなく、蕩けた瞳が上目遣いに見上げる。
じゅるじゅると音を立てて肉棒を吸い、吐き出される先走りを音を立てて啜りあげる。
問いには――咥えたままで分かりづらいが、僅かに首を左右に振る気配。羞恥と快感にあてられた思考は服を着るという認識を持たない。
それどころか、金具を外し、肉をしごきたてる音が聞こえ始めれば――ぶっかけられるのを望むかのように、尻を振りたくり。
「?――……ん、ふっ!?vv――ぅ、う――!v」
不意に、後ろで――まるで根を張られるかのような感触。
疑問は、そのままずるり、と抜けていく、その感覚で嬌声へと置き換わる。
性交と同じか、それ以上に見られたくない行為――それを自分の意思と関係なくさせられる。
顔から火が噴きそうなほど恥ずかしく――想像してしまっただけで、びちゃびちゃと潮を吹き散らしてしまうほど、興奮して――
■ロレンス > こちらを見つめる欲望にふやけた瞳を見つめ返し、優しく撫で続ける。
じゃれつく可愛らしい娘をあやしているようなのに、口元は激しい音を響かせて陰茎をしゃぶっているのだからミスマッチする光景となっていた。
だが、その歪さがされる側も見る側も興奮を煽ってトクトクと精の混じったカウパー液を滲ませて、さらに性の虜へと引きずり込もうとする。
「そうだろう? 必要ないなら…処分してしまおうか。あぁ、それと…そのまま飲んでくれ…っ」
さんざん舌に捏ね回された男根の快楽は限界に達し、ぐっと彼女の頭を抱え込む。
脈動の幅一気に狭まると、ドクッ!と爆ぜる勢いで白濁が溢れかえる。
熱く濃厚な白には自分に従わせる為の誘発効果も混じり、精の誘発も強まる。
同時に扱いていた男達も絶頂に達し、熱液を放つとその飛沫が揺れる褐色の尻にかかってしまう。
触れさせるなと強請っていたが、これはどうなるのだろうかと様子を見るしか無いが少々心配でもある。
飲み下す媚薬のような精液を注ぐと、その唇から陰茎を引き抜いていく。
手品のように宿で脱いだ服を出現させるとマントも重ねていく。
そして、魔法陣を地面に描くとその上へ服を載せてしまう。
「これを落としたら…魔法陣からは炎が上がって服を燃やし尽くす。君が望むなら…君の手で燃やしてもらおうか、何故服を着ず、燃やすのか…皆に良く聞かせてもらいながらね」
燃やすだけでも衝撃があるだろうに、恥を晒して生きる理由を白状させようと、意地悪な命令を重ねた。
その手に渡したのは小さな魔石の欠片、それの魔力がスイッチとなって魔法陣が動けば青い炎が燃え盛り、服を灰へと変えてしまうだろう。
その合間も潮を吹かせるほど興奮させていた排泄物の引きずり出しは続いていく。
蔦越しに排泄物に自身の老廃物を注ぎこみ、塊をふくらませていき、腸をいっぱいに押し広げるほど太さを増幅させて、後すこしで窄まりの傍まで近づくだろう。
■フィン > 「ぅ――ふぅ――、――!?v」
優しく撫でる動きが急に頭を押さえつけて。根元まで咥えたまま――ごぶっ、と喉奥まで粘ついたものが吐き出される音が聞こえる。
窒息しそうになりながら、吐き出される液体を細い喉がせわしなく嚥下していけば――飲み干すたび、びく、びくと大げさなほどに身体を震わせて。
肌を汚す多数の白濁にも喜悦の様子はあってもおびえた様子はなく。もうトラウマを思い出すだけの思考も働いてないことを示唆して。
「ぁー―ふvはぁー―ぁ……vv」
最後の一滴まで飲み干して――ようやく息が吸える。わずかに咽つつも、苦しい、といった感情は見えず。
ぼんやりとした視線にぼんやりと光る魔法陣の中心に置かれた服が映る。
膝立ちのまま、差し出されたものを両手で受け取り、しばらく見つめて――
「ん――v変態で、淫乱で、露出狂だから、ぁ――vあはっ……服、きちゃいけないんです――…いやらしいところ全部見られてないとダメ――なんです……vv」
耳朶を打った命令に、蕩けた顔で―ー精液にまみれた尻を、抉る蔦に引きずられるようにくねらせながら、宣言してしまう。
抜けかけた蔦を、尻穴はぎりぎりのところまで伸びきって、銜え込んで離さない。
しっかりと宣言を終えれば、両手で持った石を、魔法陣の中へと落として――
■ロレンス > 飲み下す度に震える姿はとても扇情的に映り、あれだけ大量に精液を吐き出したというのに陰茎の固さは衰えなかった。
白濁が尻にかかっても怯えるどころが喜ぶ辺り、これは平気なのだなと理解すれば安堵しつつも、囲う男達の熱も更に上がっていくのが分かる。
「そうだね…淫乱で変態の露出狂だから。自覚はあったんだ…? 厭らしいところだけじゃない、褐色の肌も尖った耳も全て、フィンドリングの体は皆に見られるべくして生まれたんだよ」
欲望と共に晒す理由を一つ添えていくと、魔法陣からは炎が上がった。
青い炎はあっという間に服とマントを灰に変えてしまえば、彼女がまとうものはもう何もない。
そして、魔法陣と同じ紋様が彼女の下腹部にも一瞬浮かぶ。変態の淫乱で露出狂であることを自覚し、褐色の肌と尖った耳を晒す事に、そうあるべきだと使命のようなものを感じさせる暗示だ。
例えこの宴が終わってもそれは彼女に根付くだろう、彼女の理性と暗示、どちらが勝るかは彼女次第だが。
「さて…そろそろここも出したいんじゃないのかな?」
蔦が入り込んだ窄まりを指先で撫でる。
ギリギリのところで括約筋を閉めて耐えているので、引きずり出されないようだが、促されるまま放り出したいところだろうと見える。
確かめるように問いかけると、更に下へ下へと引張、排泄物で腸内をかき乱していた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロレンスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からフィンさんが去りました。