2015/11/30 のログ
■セラ > カタログの出品予定の一覧を見終えて、ふむと頷く。
魔族の出品の予定はないらしい。まあ、レア度の高い商品は富裕層向けの市場で売られたり、出品せずに取り置きにして特別に売ったりするのも珍しくない事であるし。
あとでそういう市場を見に行くかと、脳内で予定をたてながら意識を舞台の方へと向けて、その内容に改めて耳を傾け。
「……処女じゃないのか」
調教未了を売りにするのなら、その有無は価値を左右するというのにと小さく呟く。
捕獲の際に、先走った者が味見でもしたかと思いつつ眺めていれば、予想通りに落札価格は低く。
続いて舞台に出されたのは、先の少女の護衛の騎士だったらしい若い女。
最初は「くっ、殺せ」とか言っていたのをしっかり躾て調教完了済みと売人は語り、その言葉の通り凛々しい風貌には媚びるような奴隷の表情。
全裸に首輪の奴隷姿で、売人の命じるままに股間を見せつけるように広げればそこはしっとりと濡れて堕ちている事を示し。それを確認した、観客たる買い手達の間に主人より先に陥落してるのかと笑いがさざめき。
さらに出てきた覆面の男たちが、調教の成果を見せるとばかりに女へと群がりそのすべての穴を乱暴に犯し始める。
そしてあがる嬌声を背景に、護衛に使うもよし、夜のお供に使うもよしと売り文句が並べられる。
見せつけられる淫猥な光景に理性のタガが外れたのか、次々に上がるコールの声。自身も、舞台の光景に興奮する物を感じながら商売がうまいなと、流れに乗って値をつけていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にダンテさんが現れました。
■ダンテ > 今日明日には何か動きがあるのだろうなぁ、と。
南部の情勢に関して、漠然とではあるが思いを馳せる。
そうして、ボサーっと歩いていたものだから、普段滅多に来ないような場所に足を踏み入れてしまった。
「おっと……。奴隷市場かぁ。」
周囲をきょろりと見回してから、小さく零す。
昔、義母に連れられて来た事があった筈である。とは言え、考えてみれば王都に上京してからやって来るのは初めてだ。
まぁ、奴隷を買うような金はないし、奴隷を売るような事もないから、当たり前と言えば当たり前だ。奴隷など買っても、養うような甲斐性は自分にはない。
適当に扱って使い捨てるような財力も、当然ながらないのだ。
ともあれ、まぁ折角来たのだから少し見てくらいみるかと、ぐるぐると奴隷市場の散策を始める。
と、そこでやたらと賑わっている一角が見えたものだから、当然のように興味が出てきてそちらへと足を運ぶ。
高値のつく奴隷のオークション会場、といったところか。
今は、覆面の男に全穴使われてヒィヒィよがっている女性が落札対象になっている様子。
「―――クスリかな。」
少年は立ち止まって、その様を見つめ。
少しの間そうして黙って見つめていたのだが、少しだけ眼を細めると小さくボソリとそんな呟きを漏らした。
それはちょうど、商品カタログを手にしてオークションに参加する清楚そうな金髪の美少女という、その場にはあまりそぐわなさそうな外見をした少女の隣であった。
■セラ > 「ん……? いや、堕とすのにクスリは使ったのかもしれないが。この場では使ってないと思うぞ」
それでは、調教が完了しているという証明にはならぬからなと傍らで聞こえた呟きに雑談に応じるように言葉を返し。
意外と若い声だったなと、そのまま舞台から目線を向ければ実際に若い少年の姿。
何でこんなところにと思うものの、今まさに舞台で演じられてるショーを見に来たとか、他の誰かの連れだとか可能性はいくらでもある。
まあ、いいかと疑問は脇に置き。
「素の状態であそこまでできるという、調教済みの証明を兼ねたショーだ。わざわざ、全穴犯しているのも、開発済みの証明だろう。
カタログを持ってないようだが、興味があるなら見るか?」
一応とばかりに、説明をし。見たところ、カタログを手にしてるようすもなければ、買い手で参加しているわけではなさそうだが興味があるのならと、訊ねる。
年頃の少年なら、こういう性的な事には興味があるだろうしと。
買うだけの解消があるかは、ともかく。
■ダンテ > 「……そうだな。少なくとも今は使ってない。……むしろ使ってないから、ああなんじゃないかな。」
傍らから聞こえた少女の言葉を聞けば、そちらを見ないままにそんな言葉を返して。
それ以上はそれについては自らは何も言わず、彼女の方へと視線をやって。
「いや、どーせ見たって買えないから。冷やかしだよ。ありがとうお姉さん。」
からっと笑いながら、言葉を返した。笑みは、少年らしい年相応の快活で、どこか腕白な笑みである。
ただ、顔つきが中性的なものだから、何ともアンバランスな印象の表情にはなってしまうのだけれども。
と、しかし、少年が彼女の顔を認識してから、数秒で、笑みが引っ込む。
ん?というどこか怪訝な貌になって。
しかしそれから、すぐに何か納得したような表情にまた変わると、うん、と小さく頷いて。
「―――お姉さんは、奴隷、買いに来たんだよな。あーゆーの、好みなのか?」
視線が、また今まさに値が釣り上がっている商品の女に向けられる。
世間話を振ってみた、というような形である。
■セラ > 「使ってないから、ああ?
ひょっとしなくても、この手の事に詳しい口か」
少年の言葉に、怪訝そうに舞台を見やり、首を傾げる。
クスリを使ってるから乱れるのでなく、クスリを使ってないからこそああも乱れるとはどういう事だと。少なくとも、媚薬の類の話ではないのだろうがと思考を巡らせて「ん?」と疑問の表情になり、改めて少年に目を向ける。
歳のわりにそういう見極めができて、話ができるほどにこの手の事に詳しいとは業界関係者なのかと。
「そうか。さすがに、奢るとかいうほど予算に余裕もないしな、見るだけで我慢するといい」
やはり、買い手では無かったかと納得の表情で頷き。
少年の表情の変化に、何かこちらに問題があったかと内心で首を傾げ。見た目には問題が無いはずだが、気配か何かで気になる事でもあったかとは思ったものの続く少年の言葉にたいした問題では無かったのだろうと理解し。
「好みといえば、好みだな。若く、健康で容姿も良い。騎士というのも、付加価値がある。奴隷としても、女としても好みではあるな。
プレイとしても、騎士だった女が奴隷として衆目にさらされながら全ての穴を犯され凌辱されるというのも……そそるものがある
少年こそ、買えるのなら買ってみたいのではないか?」
少年の問いに、舞台のショーを眺めながら隠すほどの事でもないと買い手としての目線と嗜好としての答えのふたつを返す。
舞台の光景にあてられてか、その表情はうっすらと艶を帯び。興奮を隠すように、ちろりと唇を舐め。
少年の方こそ、興味が無いわけではないのだろうと問い返す。
■ダンテ > 「塩梅を間違えると、人間なんて簡単に壊れちゃうって話だよ。……お姉さん、マヤクってわかる?
何にしても、あれじゃ早いとこ腕のいい治癒術士か、格の高い霊薬でも使わないとヤバいと思う。」
隣から返って来た言葉を受けて、視線を再度その女性に固定。
肌の色。瞳の濁り。呼吸。浮いた血管。動き。一瞥の間に入って来る情報が、少年にそんな判断を下させる。
詳しい口か、との言葉には、それをもって応えとした。
「ははっ、奴隷なんか奢られちゃってもな。責任持てないし。養う甲斐性がないからなぁ。」
相手の言葉に一瞬キョトンとするものの、すぐに笑って言葉を返し始める。
「なるほど、イイシュミシテルネ、ってやつだ。
まぁそうだなぁ。買って養えるなら、興味はあるけれども。―――もうちょっと丁寧にコワしてあげないと可哀そうかな。」
彼女の返事を聞けば、ほうほうと頷きながら返事を向ける。
実際彼女の言う通りの商品価値なのだろう。未だ値は上がる。
彼女からの問い返しについても、ゴロツキ冒険者の己がおいそれと買えるような額ではない、というのがやはり一番に発想される。
何とも小市民的である。
ただ、最後に続いた言葉だけは少し様子が異なって。
大きな眼を切れ長に細め、長い睫毛の陰を落としながら薄く口元に弧を描く微笑を以て紡がれた言葉。
言葉が終わると、ぺろりと、薄く紅を引いたような唇を同じく紅舌先で一舐め。
■セラ > 「麻薬か……。
そちらを使うのは、あまりいい手ではないと思うが」
わかると頷き。そういうのを使っての調教なら、納期に合わせるために急ぎでもしたのかと納得し。壊れかけの商品を買わされても困るなと、調教手段としては問題があるなと眉を顰める。
問えば、しっかりとした答えが返ってくるとは業界関係者としても売買よりも調教現場の方に関係が深そうだと目星をつけ。こんな若いうちからとは、爛れているなと感慨深げに少年を眺め。
「そうか。まあ、飼うとなると色々と面倒を見る必要があるしな」
さすがに、そこまでの甲斐性は無いかと苦笑。貴族子弟や、豪商などの富裕層でもなければ少年の若さでそこまでの甲斐性が無いのも無理はないがと疑いもせず。
「ふふっ……。そこで、壊し方に注文をつけるあたり少年も業が深いな。
しかも、なかなかにいい表情をするじゃないか。その言い分だと、壊す方が趣味かな」
だいぶ上がった額面に、クスリの話を聞いたせいで割高だなとの感想を抱いて買い控える事を決定する。
麻薬で壊れかけの奴隷など、買ってもひと手間余分にかかるだけ面倒なだけだと。
少年の言葉と表情に、きっと丁寧に相手を壊すのだろうなと。どんな風に相手を壊すのだろうかと、少しばかりそこに自分を重ねて想像を巡らし、ゾクリと背筋を震わし。艶めく吐息とともに囁くように問いかける。
■ダンテ > 「まぁ、あれはあれでいいんだよ。キチンと適切な量を適切な与え方すれば、ね。
ただあれは……手間を惜しんだんだろうなぁ、多分。」
その悪魔の薬について、全否定はしなかった。さらりとそれまでと同じ調子で、言葉を返していく。
今三孔を犯される女に関しては、きっとそうなのだろうとアタリをつけた。
そこで、自分を眺めている彼女に視線を戻して。うん?と首を傾げる。
「人ひとり買えば、食費もかかる。その他生活費も。ともすりゃ医療費も。大枚叩いて買っても、すぐに死んだり病気になる、なんて使い方すんのは金が湯水のように湧いて来る連中か、莫迦だけってね。」
肩を竦めた。純粋に、金銭的な問題である。
今売りに出されている女騎士のように、上手くいけば自らの食い扶持くらい稼げそうな者もいるだろうし、客を取らせるなどの手段もないではないが、それを管理するのはそれはそれで一苦労である。
「……まぁいわゆるひとつの、カテーノジジジョーってやつでね。
ははっ、そりゃどうも。……俺は……まぁ、どうだろ。壊すのも愛でるのも別に好きかな。割と相手による。
少なくとも、あの元騎士のお姉さんなら、コワすかな。コワしてコワしてコワし尽くして、まっさらにしてから『創り直す』くらいが、きっとあのお姉さんが一番愉しめるヤリ方だろし。」
彼女の指摘を受けると少年の笑顔が一度、元のものに戻る。
はははと、少し苦笑いのような色を含むものではあったが。
ただ、壊す事について口にし出すと、また笑みは微笑へと変わって行く。
抑えきれない、というよりも、そもそもそんなツモリがないのだろう。
どちらの己も、ごく自然に肯定している。
視線は、犯される騎士へと向かっていた。
細めた眼は、その大きさと長い睫毛の落とす影のせいでどこか昏い印象を宿す。ただ、少し潤んだような網膜に光が映って、その中にゆらゆらと小さな光を湛えていて。
ふと、その瞳が、隣の彼女へ移った。流し視るような目線。
「―――そういうお姉さんは、コワされるのも好きなクチだろ?」
溌溂とした、腕白な声ではない。
彼女が向けた問いかけの声と同じ。
熱い吐息と共に漏れる囁きが、彼女に問の形で返った。
■セラ > 「適切な量と与え方、ね。
そこらへんが調教のノウハウなんだろうが……」
さすがに、そこまでは知らないが。この少年は、きっと知っているのだろうなと詳し気な様子に、実際の経験もありそうだと思い。この若さで、どれだけの経験を積んでいるのだろうかと、ひそかに戦慄。
「確かに、ひとひとりの面倒を見るのなら金はかかるが。転売前提で考えれば、差額だけで済むぞ?
まあ、そういう考え方をするのは商売にしている面々だろうが」
普通は、自分の所で買って飼う。
奴隷自身に、自信の食い扶持を稼がせるという手もあるが、そうなると食い扶持を稼いでる時間は奴隷として使えない。奴隷を買った使用目的に使える時間が減るだけである。
すぐに使い潰すような使い方は、まさに金の無駄であるしと少年の言葉に頷き。
「家庭の事情か。
どのような家庭の事情か、気にはなるが……。まあ、いい。
なるほど、壊れかけのを下手に治すよりは、壊し尽して創りなおすほうがいいと。確かに、その方が確実性は高そうだ」
どのような家庭の事情であれば、このように調教に深い見識を持って育つのだか――と、観察するように目を細めて少年を眺め。
本人に語る気が無いのであれば、突っ込むのも野暮かと興味を抱きつつも追及をやめ。
犯される騎士を眺めて、当人の性癖も見抜いて考慮した結果の判断かと、見る目もしっかり養ってるのかと、素質の目利きも効いて調教もできるとなると奴隷の調教を任せたらいい仕事をしてくれそうだと、そんな感想を抱き。
「あぁ……。否定はしない。
ああいう風に、壊すようにぐちゃぐちゃに犯されるのも……好きだな」
いい目をするじゃないかと、常用苦に濡れた瞳で少年の目を見つめ返し、否定することなく小さな頷きとともに言葉を返す。実際、壊す側に回るのもいいが、壊される側に回るのもいい。
舞台の光景にあてられ、少しばかりそこに自分を重ねて興奮しているのも事実だ。
そのまま少年へと顔を寄せ、熱っぽい声で、甘く吐息を吹きかけるように耳元に囁く。
「少年がわたしを壊すとしたら、どんな風に壊してくれるか興味があるな。
調教についても、随分と詳しそうだし。どれだけの知識と技術をひろうしてくれるか……とな」
■ダンテ > 「調教、って事にも限らないだろうけどな。調教なんてのは、愉しむ為の一手段なわけだし。
―――それにしても、厭なもん見ちまったな。」
少しだけ肩を竦めて答えた後、言及は再び元女騎士へと向く。
少年は別段善人でも何でもないし、奴隷市場や性奴隷なんてものに憤慨するような純真さも持ち合わせがない。
であるが、直接、薬物でただただ壊れ行く『だけ』の女を見て気分が悪くなる程度の神経は持ち合わせていたようで。
「そんなんだったら、素直に娼館行くって。それに、あのテの奴隷は転売する頃にはだいぶ価値下がっちゃうだろうし。」
んー、と少し目を細めながら顎に手を当てて。
将来的には奴隷を持つ事もあるのかも知れないが、今の己では通常のルートで購入は無理だ、というのがやはり結論であった。
「お気遣いどうも。
まぁ、それもある。あるけど、あのお姉さんは多分もともと、微妙に破滅願望があったんじゃないかな。いや、実はない人のが珍しかったりはするんだけど。
だから一回徹底的にコワしまくってゼロ未満にして、生殺与奪権を完全に握られた上で、マイナスとゼロの合間を行き来するような感じがまぁ、お好きなんじゃないかなー、と。」
元騎士を眺めながら、淡々と。
若い学生が近所の定食屋のメニューを寸評するように、変わらない調子で言葉を紡いでいく。ただ表情ばかりは、愉し気な微笑のままであって。
何とも本当に、アンバランスな少年であった。
「ああ、やっぱり。……でも、それだと骨が折れるんじゃないか?」
肯定が返って来る。
少年の目線が一度虚空を泳いでから、再び彼女を向く。
表情には苦笑が交じっていた。どこか、困ったような貌でもあるかも知れない。
彼女の顔が寄って来る。かかる吐息。鼓膜を震わす言葉。
ぞくぞくと、少年の情欲を昂らせる艶。
「俺が?……さぁて、どうだろ。それこそ骨が折れそうだよ。
お姉さんを本当の意味で満足させるくらいコワすには……さ。」
少年はやはり、少しだけ困ったような顔で小首を傾げて見せる。
ただその具体的な内容を想像しているからか、血色は先ほどよりも心持よくなっており、頬に薄く紅が差す。
ほぅ、と漏れた吐息もまた熱い。
そのままに、少年は続ける。
「だって、コワさせてあげる、と、コワされる、じゃ意味違うもんな?」
かんっ、と。
肩に担ぐようにずっと片手で持っていたショートソードで、軽く己の肩を叩きながらそう告げた。
■セラ > 「望んで調教する、される――というのならそうだろうが。
望まずしてされた場合は、どうだろうな。快楽に溺れるのは、逃避のひとつとも取れるし。
まあ、なんにせよ趣味が悪いのには同意するが」
互いの合意があっての調教は、趣味嗜好のうちだろうが。平和な日常の中から浚われ、奴隷として調教されるような場合は愉しんでいるは、する側だけだろう。
少なくとも、最初の内は。
それでもまあ、業の深さのわりにはまともな所もあるのだなと少年に言葉に同意し。
「一夜の快楽を求めるなら、確かに娼館に行くのが一番だ。相手もプロの技を披露してくれる。
しかし、なかなかに将来性を感じさせる少年だな。わたしの名はセラだ。少年の名は?」
奴隷売買についても一言があるらしい。こうなると、それなり以上の興味が湧いて名を問う。
今後、調教師として名をはせたなら繋ぎを取るのもいいし、自分の手元に置いて仕事を任せてみるのも面白いかもしれない。
なんにせよ、縁を結んでおいて損は無い相手と高めに相手を評価し。
「ああ、それはわかるな。
というか、それをSとMという言葉に置き換えて語るならどちらか一方だけという極端に偏った者はまずいないしな」
理解できるとばかりに、腕を組んでうむうむと頷きを返す。
そういう言葉を、まともというには難のある雰囲気で語る少年はどちらの比率が高そうかと言えば、Sの比率が高そうな気がするが。
そうやって、言葉を交わす内に女騎士に新たに値をつける声はまばらになり、落札も近い雰囲気となる。
「んぅ? ああ、なるほど。
主導権を握ったままでの受けか、主導権を握られた上での受けか……か。
だが、無理とは言わないのだな」
どのような想像をしたのやらと、薄く愉し気な笑みを浮かべながらからかう様に身を寄せ、柔らかな肌とその温もりを押しつけ。
骨が折れるだけですませるとは、自信はあるのだろうと囁きかける。
■ダンテ > 「一緒だよ。そもそも、生まれてくる、って事自体が、自分の意志とは関係ない事なんだから。
それでも、みんなめいめい自分のやりたい事とか、やり甲斐とか、愉しみとか見出していくわけだろ。それだって、自分で選んでるようでいて、結局は環境だとか、生まれだとかである程度定まって来る。全然関係ないように見えて、全部繋がってる。
だから、まぁ、一緒だよ。……ついでにいやぁ、だからこそ、攻める方はきちんと相手のいいようにしてやんないと、と、まぁ俺個人に関してはそう思う訳だ。」
やはり淡々と、変わらない調子で言葉を紡いでいく少年。
少なくとも、尋常な人間の人生を送って、この歳で出て来る発言ではないだろう。
ただやはり、舞台上の元騎士を見る時は少し複雑そうな顔をしていた。
「あれはあれで、すっげぇ高いおねーさんもいるけどね。
ははっ、こりゃありがとう。俺はダンテ。よろしく、セラお姉さん。」
職業柄、少年も娼館には行ったり連れて行かれたりするものだが。
値段を聞いて目を剥く事もあるのだ。
と、そこで彼女から名乗りを受けると、己も頷いて名乗りを返す。
「視点の置きどころでしかないからな。SもMも。観測する地点が違えば、全然意味が変わって来る。
あのお姉さんを犯してる覆面の連中も……視方によっちゃあ、健気にあの姉さんの為に腰振って奉仕してるようにも見える。
わかんないもんだよ。俺は攻めるヒトだけど、攻めてて思うし。これって奉仕活動だよなー、って。」
周囲が、会話の内容に気付いて若干引き始めている。
そりゅあそうだ。どう見ても、少なくとも外見は十代のカップルがこんな話に花咲かせていれば、引きもされる。
「だって、コワさせてあげてる、なんて精神的余裕があったらさ、味わえないでしょ?本当の喪失感も。絶望感も。無力感も。敗北感も。虚無感も。……自ら望んでいる時点で、究極的には絶対味わえないものなのかも知れないけど。それでも、結局自分が「させてあげてる」うちは、調教ゴッコだし、レイプゴッコだからさ。
―――ん。いや、まぁ、やってみなけりゃわかんない、くらいに日和っとくよ。」
頷きながら言葉を返していく。それはかつて、少年の義母が抱いた壮大な矛盾だった。
そして、それが故に己が育てられた。あるいは、造り上げられた。
と、そこで肌をおしつけられると、む、と小さく声を漏らしてから彼女に向き直り。
そのまま最後は、どこかヘタレた言葉を返した。何というか、ここで言い切れば随分と男らしくて格好いいのやも知れないのだが。
だって、目の前の彼女を本当の意味で調教するには、多分、その前に『死闘』という奴を潜らねばならなさそうなのである。
もう二度と御免のやつである。
■セラ > 「生まれと育ちは選べぬと言うからな。
そして、生まれと育ちが当人のできる事とできない事を決定づける。教育やら何やらで、な。そういう意味では確かに、繋がってはいるが……
何と言うか、歳のわりにえらく悟った物言いだな。もう少し、こう……夢のある台詞を吐く年頃だと思うのだが。
しかし、攻める方は受ける方のいいようにしてやるとなると、ある意味では攻めは奉仕者というわけだ」
まっとうな人間の少年ならしそうにない物言いに、どんな幼少期を過ごしたのかと虐待の疑いすら持って、思わず少年の顔を見つめ。
そこに浮かぶ表情に、どんな思いを抱いているのかとその内面を推し量り。まともな家庭環境では無かったのだろう事だけは確信を抱く。
「なに、そこで払う額面の高低が受けるサービスの高低だと思えば。
金に余裕があるなら、高めの相手を選んだ方が満足できるぞ」
よろしくとの言葉に、うむと頷いてから。はて、聞き覚えがあるようなないようなと首を捻り。
まあ、すぐに思い出せないなら重要度は低いかと浮いた疑問を流し。
「……ほほう。
そう表現されると、あの光景も意味が違って見えるな。凌辱されてるのではなく、貪ってるとも見えてくる」
経験を交えた意見に深いなと、改めて舞台の光景を眺め。認識が変われば、抱く感想も変わるとしみじみとした様子で眺める。
周囲が引き始めた様子には、このような場に来ている癖に良識的な事だなと、いまさら取り繕うともせず。
「主導権を握ってるうちは、味わえないものがあるか。
いや、確かに。敗北の味わいは、八百長でなく実際に負けないと味わえないのと一緒だな。主導権をすべて奪われたうえでなければ、しょせんはごっこか。
そこで、ひよらなければ男らしいと賞賛したのに」
残念と、向き直った少年から身を離し。
「まあ、ごっこ遊びでよければいつでも相手をしよう。ダンテの調教の腕にも興味があるしな。
少なくとも、この躰に欲情しないというわけではないのだろう?」
下からその顔を覗き込むように、上目遣いでの媚びるような誘う表情を浮かべて見せ。胸の膨らみを見せつけるように、組んだ腕で胸の双丘を寄せてあげて強調して見せる。
そうしてるうちに、女騎士も落札された様子で汚れを落とすために舞台を下ろされ。
「む、落札されたか。この後は、興味を引く商品はあまりなかったな。わたしは、去ろうかと思うがダンテはどうする?」
この後も似たようなショーは見れるであろうし、このまま残るのであれば参考にカタログを置いていくがと訊ね。
■ダンテ > 「人間に生まれるか、魔族に生まれるか、とかな。
はははっ、いや、夢はないでもないぜ?具体的にはないけど。
そういう事だよな。けど、そうやって攻めた相手の事は、受けた方だって忘れねぇし、攻め側はより深く受ける方に自分を刻み込める。それは、攻めにとっちゃあ悦びだろ?」
少年らしい笑みと、嫣然とした微笑。
その間をとるような奇妙な表情で、少年は彼女に告げた。それは少年が見せた表情の中で最もアンバランスで不安定さを持った表情かも知れない。
実際、虐待と言ってしまえばそれまでな幼少期を過ごしちゃいるのだ。
「まぁ、それもそうなんだけどさぁ。けど、安くてもいい人ってのはいるもんでさ。
まぁ後、結局蓋開けてみると最後は俺が相手を啼かせてる感じになるから、あんま変わんないっていうか。」
はは、と頬を掻きながら嘯いて。
己の名については、まぁ知っている者は知っているのだろうという名だ。
どちらかと言えば、彼の『色欲』たる義母のオプション的な覚えられ方も多かろうし、彼女の名が出ねば知っていても思い当たらぬ者も多かろう。
「まぁ、あのお姉さんに関しては、何にしたってそうそうに治療だよ。
けっこうな額ついてるみたいだし、まさか簡単に使い物にならなくなるのを放置はしないだろうけど。」
とは言え、そう易々と根治もすまい。
結局は落札する者の扱い次第。やはりどこか複雑そうな貌で彼女を見つめていた。
周囲の事は、少年もまた大して気にはしておらず。
「セラだと、味わうの難しそうだからさ。
―――うん。まぁ、はい。よく言われるよ。」
彼女からの指摘。苦笑をせざるを得ない。
こう、方々から頻繁に頂く類のお言葉である。
とは言え、『怖いもの』は知りすぎるくらい知っている為、迂闊な発言もできないのである。いや、ただヘタレなだけでもあるのだが。
ただ、もし。
もし彼女が、ごっこの上を望んでくれば。
己は応えるかもしれない。
そんな予感もまた、どこかにあった。
それは、確実に命がけであろうと言うのに。
少年の中の『雄』が、燻っている。
「プレイの一環、って?まぁ、俺もそういうのは好きだけど。
―――いやうん、しないわけではない、どころか、すげぇ欲情するけど。ぶっちゃけ、このままお持ち帰りたいのをさっきから色々堪えてる。」
彼女の表情を受けると、はは、とこれはあえてだろう、色とは程遠そうな少年の笑みで肩を竦めて。
それでも、見せつけられる胸部の膨らみには鼓動が高なる。
元より、性欲は強すぎる程度に強い少年。今とて、こんな場所に来ていて、持て余し気味なのである。
結局、見ていいなら、とばかりに彼女の胸部をとりあえずガン見する事として。
「ん?ああ、俺もとりあえずはいいかな。もともと、ふらっと迷い込んだついでに見てただけだし。
これ以上いると、空気にアテられそうだしさ。娼館でも行くか……うーん、でもなぁ。」
去るという彼女。己もそれに随伴してこの場は去る事にして。
今後については、しかし少し悩んでしまって。
傍らのこの強烈な美少女に欲情した後に、普通の娼婦ではかえって欲求不満がたまりそうである故に。
■セラ > 「魔族に生まれる事はできずとも、魔族になる事はできるさ。
なに、夢があるのなら叶えるべく行動していれば、難しくとも叶う事はあるだろう。絶対とは言わぬが。
少なくとも、行動していなければ叶わないのは絶対だな。
そうだな。受けの側に自分を刻み込む事、自分の色に染める事。それは、攻めの悦びだ」
少年の表情に、幼少期の不憫さを思わなくもないが。下手に地雷を踏むよりは、うかつに踏み込まないのが無難と、その顔を見つめはしたものの、ただ言葉だけに反応し。
「……あぁ、うむ。
そこまでいくと、いっそ買うのではなく、売ればいいのではと思わなくもないが」
快楽のプロを相手にして、そういう台詞をまだ年若い少年が吐くとは末恐ろしいと、若干引いた表情をさすがに浮かべ。
この性豪っぷりと名前、何かが引っかかるとしきりに首を捻る。こう、思い出せそうで出せないもどかしさ。
「なに、少なくとも元を取る程度には治療をするだろうさ。
人間、高い買い物には高い価値を見出す傾向にあるからな」
元騎士の行く末は、縁があった相手でもなし。他人事以上の関心を見いだせないが、この少年にとっては何か違うのだろう。
「まあ、味わおうと思えばやりようはあるが。
記憶を飛ばしたり、封印なりなんなりとな。その後の事を考えると、積極的にはやろうとは思わぬが。
なに、よく言えば慎重ともいえるさ。欠点とまでは言わぬよ」
初見の相手に、そこまで深くは求める物で無しと気にしなくていいとばかりに笑っていい。
「ここで、しないと言われたらちょっと自信を無くすところだったが。
お持ち帰りされてもかわまぬが……。
ま、今宵はやめておこう。とはいえ、欲情させて放置も忍びない。その気があるのなら、連絡をくれるといい」
ガン見する視線に、にやりと笑い。ほれほれと、揺すって見せれば柔らかに撓んで揺れる乳肉の量感。
そうやって、誘惑する仕草を見せながら拠点のひとつである屋敷の所在を教え。
「そうか、では一緒に去るか。
娼館行きを迷うなら、一夜の宿を貸すのもやぶさかでないぞ。ついでに、一夜の相手もな」
元騎士のショーにあてられて、少々昂ぶっているのも事実だし、ダンテの背景に興味があるのも事実。
そうやって、誘いをかけてついてくるなら好きにするがいいと、そのまま歩き出し。とりあえずは、この場を去った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からセラさんが去りました。
■ダンテ > 「それはそれなんだよ。やっぱりさ。
いやー……何せ具体性がない夢なもんだからさ。それなりにやっちゃあいるけどな。
肝に銘じて、行動してく事にするよ。
だよなー。まぁつまり、それがちぃともできないとなると、これは悦び半減って事でもあるんだけど。」
ひょい、と肩を竦めながら彼女に言葉を返す。
別段自身から、自分の人生べらべらしゃべりだすような事もない。
「あ?あー……まぁ、たまぁに売ってもいるけど。あれはほら、面倒くさいんだよな色々と。それに、何のかんのと攻め役として男娼買うヒトってあんまいなかったりするし。」
いないでもないけれど、と。
サラッとそんな言葉を返してしまうあたり、もしかしたら余計引かせてしまうかも知れないのだけれども。
「だったらいいけどね。……まぁ、結局は赤の他人だしな。」
元騎士の為に自分が金を出すでもなし。身体を張るでもなし。
そんな事をしても、そもそもどうなるでも、なし。
少年にとってその奴隷は、ただ自分の視界と認識の中に入って来ただけの相手だ。
物理的に手が届き、目が合う場所にいてしまっただけ。
「半ば自殺ってか、自傷行為みたいなもんだよな。
記憶はともかく、封印はイマイチって言ってたかな。結局『本気じゃなかったから』って言い訳ができてしまうと、ちょっと違うとか何とか。
そう言ってもらえると助かるけどね。」
少し思い出すように目線を虚空へ。そのまま誰かの言葉を思い出しつつ、言葉を続けた。
最後、己の性分についての言葉は、どうも、と苦笑で。
「そういないでしょ、そんな奴。おっぱい恐怖症とか、そういうのじゃないか?
ぐぬ……確かに、それで放置はなかなかに酷いぜないすおっぱい。」
揺れる乳。視線は隠してもいないので、彼女にはばっちりわかるだろう。という事で、その上で彼女が見せつけて来る訳だからもう、超見る。
まぁ、見れば見るだけたまんなくなっていく訳であるが。
と、そこで彼女から連絡先を聞くと、ん、と頷いて。
「おー。えーっと、さっき聞いた住所だとあっち方面かな?
って、ぬ。……それはすっげぇ心惹かれるところではあるけど……こ、今夜はよしとく。一回クールダウン。」
彼女と共に。誘われれば嬉しそうに頷いて連れ立って歩き出す。
そこで向けられた申し出には、もうそれはもう血でも吐きそうな顔で悩む素振りを見せて。しかし最後は、断腸の想い、という様子で断って。
何にせよ、多分この女性とはまた縁もあろう。
先ほど教えられた住所を脳裏に浮かべ直しながら、ともあれ今日はひとまず、その途上まで轡を並べるのであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からダンテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 歓楽街」にマルティナさんが現れました。
■マルティナ > 冒険者として活動を初めて暫く経つが、今までにこなした仕事を思い返してみると。
(勇み足で失敗したり余計な邪魔が入ったりで、殆ど何も出来ていませんでした…!)
冒険者ギルドも門前払いされて以降立ち寄っていない。
せめて何か実績を得てからでもないと、こんな格好ではまたろくに相手もされないだろう。
なので逸る気持ちを抑えて今日は情報収集と決めた。