2023/07/10 のログ
■エリシエール > 「ふふふ……冗談ですよ?」
もちろん教えない。……否、昨今の学院のカリキュラムではそれも定かではない。
自身が学院に通っていた頃は社交界に関する作法は王城内で手ほどきを受ける事が大半であった。
生真面目に返す少年には、ちょっとだけ歯を見せてお茶目に微笑むちょっと人の悪い王女。
更に強く抱き寄せる少年には、ふんわりとした柔らかくほのかに甘い香りを漂わせながら、
ん…… と小さく鼻にかかった声で心地よさを表すかのように穏やかな表情でうっとり。
年の割に大胆にも見える仕草には、微笑ましさの一方で微かにイケない欲動さえ燻らせる。
「調子……ですか?……このように大胆に私を抱かれていながら……。
面白い御方でございます、エルビー殿下」
抱かれながらも少年にそっと片手で肩から胸元にかけて白い手を這わせれば、
相変わらず穏やかではあるがどこか悪戯っ子めいた笑みで挑発的に返す。
既に出過ぎた行動と言って差し支えないのに、これ以上調子に乗る となれば、果たしてどこまで?
……王女のいけない好奇心が、彼がどこまで情熱的なのか品定めを始める。
「ん……よく冷えております。異なる空間から物質を取り込む際は、少なからず魔力の干渉を
受けるものですが……。……なるほどなるほど。
……味も損なわれず、たいへん美味でございます」
ごく、ごくりと酒が進む。
ひとたび口に含めば、自身も魔法には縁の深い身ゆえ、その高等な技術には感服した様子。
舌、そして喉を伝う上品な味わいが、社交界で口にするそれとは全く異なる味わいを与える。
良好な天気の下、少年と肩の力を抜いて味わう酒の味がここまで甘美な心地に浸らせるとは。
「……はふ……っ。……失礼、つい……勢いが増してしまったものでして。
気が早いですが……ご馳走様でした、エルビー殿下」
■エルビー・カルネテル > 「まったく、心臓に悪い冗談だ。」
余は学院のことはそれほど詳しくないので、そんな授業がると聴けば信じちゃう。
なんならスケジュール次第では受けようかと思っちゃうだろう。
エリシエール様に揶揄われたわけだが、純白の歯を見せて笑う様子にまあいいかなんて思ってしまった。
より密着することで互いの肌の感触が伝わり、匂いも漂ってくる。
余は自分の身体が汗ばんでないか心配していたが、耳に届く甘い声で肌が粟立つ。
唾を飲み込み、余の指は更に熱くなった。
「エリシエール様が余の傍にいるのだ。
余も男である以上反応してしまうというもの。」
指が余の身体の上を這い回り、ゾクゾクと体中を震わせる。
余をからかって楽しんでいる姿は酷く蠱惑的だ。
それになんだか余を煽っているようにも見える。
「エリシエール様は魔法に長けているようだな。
余が渡した酒を見てそのように分析するとは。
そこは余の魔法もだが、屋敷で管理をしてる使用人たちの頑張りでな。」
余はエリシエール様相手に、嬉々として自らの魔法と使用人のことを自慢した。
王族相手に使用人の自慢など馬鹿みたいかも知れんが、余の自慢の者達である。
どうやらお口にもあったようだし、帰ったら褒めてやろう。
そして、エリシエール様がグラスを開けるタイミングで余も飲み干していた。
空になったグラスは余が魔法で屋敷に戻しておく。
「喜んで貰えたようで余も嬉しいぞ。
所で、エリシエール様が良ければ場所を変えてはどうだ?
余が更なるご褒美を授けようと思うのだが。」
密着させたまま、耳元で囁く。
これで意味としては伝わると思うのだがいかがだろうか。
■エリシエール > 真正面から受け止めた少年には、くすくすと面白おかしく愉快に微笑む。
身分別に学級が存在する以上、多少なり上流階級に対するマナーや礼儀作法は程度を問わず学ばせるのだろうが。
だが、目の前の少年には今更要らぬだろう。教養と礼節を弁え、そして王族に相応しい堂々たる佇まい。
うら若いが、もう少し歳を重ね青年と呼ぶべき頃には無数の子女が目を奪われることに違いない。
「……存じておりますよ?エルビー殿下……。
私も女……殿方の機微に、察しがつかぬ程鈍くはありませんから……ふふふ」
薄い桃色のリップに彩られた柔らかな唇を閉じたまま作られる笑顔はどことなく妖美。
青いつり目気味の双眸は穏やかさの裏で、どこか少年を品定めし瞳の奥底で何を考えてるのか分からない不穏さ。
害意とは異なる、少年に向けられた口にするのも憚られる”イケない”感情。
恐らくは少年が己に向けるそれと似通っているのではないかと内心では期待を膨らませて見つめ合う。
「幸いにして、父母の才を余す事なく授かって生を得る事が出来ました。
無論、授かりものの才に甘える事なく研鑽を積み重ねてきたつもりですが……。
エルビー殿下の御歳でこれほどの技量……容易に、私など追い越してしまわれることでしょう。
……もちろん、殿下にお仕えする方々の働きぶりにもエリシエールは大変満足していたと、
しかとお伝えいただきたく」
シャンパンの味わいには大満足だった。
酒だけではなく少年の力量や家臣の働きぶりからくる人望も窺い知れた王女は、
彼の器の大きさが単なる年齢で測れるようなものでない事を内心で感づきつつ。
空となったグラスを返し、空間転移を経て屋敷へ戻されれば空いた片方の手をも少年に伸ばし、
満足ぶりを身体で示す。
「……エルビー殿下……ふふふ。……淑女を酔わせてから、そのようなお誘いをなさるなど……。
くすくす……卿も、”いけない”御方でございますね?」
にこやかに、耳元でささやかれた言葉には興味ありげに返すも、どこか悪戯じみた様子で、
いけない御方 と表現する王女は、その褒美の内容に見当がつく。
もちろん、色情魔を極めた王女にとっては拒む理由などない。
酒に酔い潰れた訳でもないが、うっとりとした表情で少年に両腕を絡みつかせれば
「……卿の”ご褒美”……是非とも、頂戴いたしましょうか??
申し上げておきますが……。……卿の想像よりも遥かに”欲しがり”な私を……
どうか、満足させていただきたく……♡」
王女の色気づいた返答は、少年を安心させるものとなるか却ってプレッシャーを与えるのか。
お互いにその気があると分かった時点で退く選択肢はない。
快く頷けば、場を改めると口にした少年にエスコートされるがまま、”褒美”を堪能しようと身を任せた。
■エルビー・カルネテル > 「そうであろう。
余よりもその辺りの事は聡明だとは思っていたぞ。」
エリシエール様は最初からなんとなくだが、余を焚きつけていたような気がする。
それも余を気持ちよく持ち上げながら。
この辺りが淑女の手腕なのだろう。
余はわかっていてもその気になってしまう。
つまり、余の頭の中はエリシエール様でいっぱいなのだ。
「いやいや、それを言うなら余こそ生まれ付いた時からの魔力を使っているだけだからな。
エリシエール様の目の良さには驚かれたぞ。
余の使用人達には必ず伝えて置く。」
エリシエール様の前なので精一杯いい格好を見せようとしてる余だが、
屋敷に戻ればおおはしゃぎで使用人を褒めるだろう。
エリシエール様が満足してくれたという事実は余をすこぶる興奮させる。
手が伸びてくると、余の方から誘っているにも関わらず狼狽えてしまう。
「そうだな。
余もこの国の王族らしいところがちゃんとあるようだ。」
いけないお方と言われ、身体が震えていた。
エリシエール様の表情に視線を奪われていると、両腕の感触が。
この頃には、余は鼻の下を伸ばしてデレデレだ。
「分かったぞ。
そういうのなら満足させるまで頑張ろうじゃないか。」
余は王女の言葉をプレッシャーに感じ、一瞬表情が硬くなった。
それでも王女を連れてこの場を後にする余の顔には晴れやかさが出ていただろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエルビー・カルネテルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエリシエールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にケストレルさんが現れました。
■ケストレル > 「ぷっはぁ~っ! 美味い!やっぱ夏はこれに限る!」
平民地区の片隅、そこそこ賑わう冒険者ギルドに併設された酒場にてケストレルは今日一日の疲れを癒さんとしていた
厳しい日差しが燦燦と注ぐ中、行商が落としたという荷物を探すという依頼を遂行しに行った結果、
コボルトの集団と鉢合わせし、どうにかこうにか逃げ切った末に依頼の荷物を発見
あとは届けるだけ、と再びコボルトに鉢合わせない様祈りながら帰還し無事に依頼達成
荷物を状態の良いままで届けられたという事で当初の報酬よりも色が付き、こうして夕暮れから遠慮なくジョッキを傾けている
「しかしコボルトに出くわした時は流石に肝が冷えたぜ~。
荷物探しなら一人で行けるだろって軽い気持ちで受けてたからなあ」
近隣のテーブルで同じように酒を飲む他の冒険者たちとゲラゲラ笑いながら飲む酒の美味いこと美味いこと
これが冒険者の醍醐味の一つでもあるな、と本気で思うケストレルだった
■ケストレル > 「はぁ~いい気分だ!
これで可愛い子でも侍らせられりゃ言う事無いんだけどな」
良い感じに酔いが回り、テーブルにジョッキを置きながら辺りを見回してぼやく
『ケストまーた言ってやがる』『そう言ってナンパ成功した試しがねえじゃねえか』返って来るのは気心知れた冒険者仲間たちの軽口、揃いも揃って女っ気の無いムサ苦しい連中だ
お前らだって似た様なもんじゃねーか、と笑いながら言い返し次の酒を頼んでからついでに何か食おうかと思案する
他のテーブルに運ばれていく料理を見ながら、さて何を食おうかと今の気分を探り始めて
「んー、肉か魚か。 たまにゃガツンと来るようなのも良いな」
探ってく内に空腹もいよいよ本格的に腹の虫が鳴き出すレベル
あー、とか うー、とか呻きながらも注文する料理を何にするかと悩み始めて
■ケストレル > 「…… よぉっしゃ、決めた!
とりあえず肉と魚、大皿で頼む!」
うんうん唸りながら絞り出したのはコースメニュー
近くの給仕に大声で注文すると、他愛無い話をしていた冒険者たちへとニヤリと笑みを向け
「さすがに一人じゃ食いきれねえ、今夜の飯は俺の奢りだ!
その代わり、今度奢れよな!?」
バン、と机を叩いて啖呵を切る
するとその直後冒険者たちから歓声が上がり、ガタガタとイスやテーブルを動かしてケストレルの周囲に宴会卓を作り上げた
その様子を満足気に眺めた後、新たに運ばれて来た酒を片手に、景気よく乾杯の音頭を取ると
煩いくらいに賑やかに、夜更けまで酒宴を繰り広げたのだった
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からケストレルさんが去りました。