2023/07/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエンさんが現れました。
エン > 平民地区、冒険者ギルド。
依頼の受付・斡旋・受諾を担う窓口に、併設された飯処・酒場に、新人・ベテランを問わす己を練磨する練武場に、人は集まり施設全体がまるで一つの市場のようにも活気に満ちている。殊、冷たい石造りの壁にぐるりと取り囲まれた練武場ときたら吹き抜けから降り注ぐ暑い日差しの下で汗を流す者たちのおかげで大変な熱気だ。
ある者は黙々と素振り、ある者たちはベテランに扱き抜かれ、ある者は新人達をこれでもかと扱き抜き、
各々が目標のために熱意を秘めた顔或いはいっそ殺せと絶望の表情を浮かべながら鍛錬に勤しんでいる。

其処な一角の隅の隅に椅子を持ち込み腰掛けて、
団扇でぱたぱたと怠そうに仰ぎ怠そうに見ている男が居る。

「まったく。隠居人をこんなとこ引っ張り出すんじゃないよ、もう……」

新人達が経験豊かな冒険者に指導を付けて貰う。
良くあることだが最近はその新人が多くベテランが不足しがちなところ……
飯食いに来たら古い知人に目を付けられて押し付けられたのだから、
只でさえ暑いっていうのに暑苦しいところに放り込まれて不満たらたら。

「にしても……目覚まさないな……」

件の新人達は白目剥いて倒れている。

エン >  
「やりすぎ? 走り込みさせただけじゃんか」

練武場100周。速度が落ちたら右手にはハエ叩き、こいつで引っ叩く。
引っ叩きすぎて気絶してしまったので仕方ないから休憩中だ、
やりすぎだよ! 等と周りに言われて心外だと眉を潜めて肩を竦める。

「引退してもう十年も経つんだよ、俺。
 その俺が走れるのに若い子が音を上げてどうすんの」

ぱたぱたぱたと暑そうに左手の団扇が揺れる。
久方ぶりに走って暑い。腰も痛い。

エン > 「いやでもほんとに起きないな……」

100周は実際の所走り切れなくとも体力を見るにあたってとりあえず走らせてみよう、
という算段もあったのだがまさか体力どころか意識が切れるというのは正直想定外。
走らせる速度悪かった? 叩き加減間違えた?
等と思い浮かべては首を撚るものだが思い当たる節はない。
走る速度は常人が全力疾走ぐらいで叩き加減も竹刀を頭にぶち込まれる程度の衝撃だ。

……冒険者ならこれぐらいならいけるだろう、と思った、の、だが……。

「やりすぎかなぁ……」

飯処のほうに顔を出して水でも貰ってくるべきか。
やりすぎだってば! とまた周りから入る突っ込みに頻り首を捻る。

エン > どうにも納得しかねる事柄ながら炎天下の中いつまでも気絶させて放り出しているわけにもいくまい。
仕方ないな、何てぼやきながら椅子から立ち上がれば、
赤いサングラスを出口へと向けるが目線は外れ周囲を探るようにも耳を傾けることほんの少し。

「ああ。あっちか。ぐるぐる回ってたから位置が……よし。
 新人指導はまた今度だ」

位置を確認してからゆったりと足を踏み出す。
水を貰いに。
その日は結局彼らの面倒を別の意味で見るのに使って……
知人には加減しろ馬鹿たれとめっちゃくちゃ怒られたとか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロスクさんが現れました。
ロスク > 「あっつ~~……」

手でぱたぱたと自分の顔を扇ぎながら少年冒険者がぶらついている。
王都の夏は自分の故郷である隠れ里よりも数倍暑く感じる。
木々が少なくて石畳だからだろうか……?
たまらず街角にあったアイスクリーム屋で2段になったアイスクリームを買う。
ちょっと贅沢なおやつだ。
路地に入って壁に背を預けて舐め始める……

「あ、これ結構食べるのむずい……!」

溶けたアイスがコーンを伝って指を汚してしまう……

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロスクさんが去りました。