2023/06/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/薬品店」にサウロさんが現れました。
サウロ > (平民地区、冒険者ギルドの近辺にいくつかある薬品店。
 日常でも使えるポーションやエーテル薬といった回復薬から、解毒薬などの状態異常回復効果のある薬品。
 または魔物などに有効な毒薬、麻痺薬といったデバフ効果のあるもの。
 さらには自己の攻撃力、素早さや体力、守りの力、魔力などを一時的に上昇させる強化薬など。
 優秀な錬金術師がいるのだろう、そういった薬品などが陳列している建物の中に、サウロは訪れていた。)

「此方が、依頼されていた素材の納品になります」

(自由騎士団の制服とも呼べる、印章のついた黒インナーに白ジャケット。
 パンツスタイルにブーツと、厚手のものを着用している小柄な姿は、騎士見習いのような風体にも見えるか。
 短い金髪を小さく後ろで結びつけ、大きな碧い目をした整った顔立ちや声質は少女性が強いが、
 しっかりとジャケットを着込み、姿勢よく立つ雰囲気や真面目な表情は少年らしさがある。
 体のラインを隠す服装からは、どちらであるかは一瞬では判断がつかないかもしれない。
 店主に素材を渡して、「お使いかい?いつも助かってるよ」と礼を言われて、軽く首肯した。)

「……店主殿、その、少し質問があるんですが」

(周囲に視線を向けながら、サウロは少しだけカウンターに身を乗り出して、声を潜める。
 誰かに聞かれたら恥ずかしいからだ。)

「その……せ、性欲を一時的に抑えるような、薬は置いていないでしょうか」

(現在のサウロの姿は、本来のものではない。
 本来の姿はれっきとした成人男性だが、何の因果か強い術の影響で、少女体になってしまう体質になっている。
 その原因を急ぎ解明し、どうにかしたいが、今の所まだ体が変化する条件しか見いだせていない。
 サウロの問いに、店主は目を丸くしていただろうか。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/薬品店」にアレンシアさんが現れました。
アレンシア > 「こんにちはーって……あら。」

店に入るなり聞こえてしまった話に微苦笑した。

「ごめんなさい、盗み聞きするつもりはなかったのですけれど」

学院の授業が終わって消耗品を少し補充しに来たら面白い話が聞こえてしまって慌てて謝罪した。この前会った人と同じ制服着てるな。等と思いつつ手慣れた様子で商品を手に取るとサウロさんの後ろで順番を待って。アレンシアからこの前と同じ柑橘類の匂いがするのに気づくのかもしれない。

サウロ > (「性欲を上げる薬はあるんだけどなあ」と笑う店主に、声が大きいと内心慌てる。
 欲しいのはそういうのではなくて、と言おうとして、後ろから声がすれば振り向く。
 サウロには見覚えのある女性ではあるけれど、今のサウロを見て以前あった青年と結びつくことはないだろう。
 サウロとしては周囲に人がいないのを確認してから質問したつもりだったが、タイミングが悪かったか。
 別に聞かれて困る内容ではないのだが、性に関する話を大っぴらにするのは恥ずかしいのか、眦を僅かに赤らめてから、咳払いをする。)

「すみません、忘れてください」

(小さくそう告げれば、順番を待っていた彼女に先を譲るように横にずれる。
 以前は魔導具店、今回は薬品店と、彼女と直近で二度も遭遇するなんて、珍しい偶然もあるものだと思いつつ、
 サウロは彼女の買い物が終わるのを店内の薬品類を見ながら待つことになる。)

アレンシア > 「ありがとうございます。普通にえっちして解消とかでは駄目なんです?」

会計を済ませながら話しかけてみた。アレンシアとしては困ってそうな人をほっとけない程度のお人よしが発動しているだけ。払っている金額から結構冒険者としては稼いでいると見当をつけられるのかもしれない。

会計が終わると、謎アイテムに買ったものを収納しながら店主と性欲マシマシアイテムはいくらでもありますよねーなどとえっちな話を始めてたりした。

サウロ > 「……僕に言っているんですか?」

(それなりの量を購入しているような彼女から話しかけられて、一瞬反応に遅れた。
 先ほどの苦笑から、その手の話が苦手なのかと思ったが、そうでもない様子。
 店主は豊満なスタイルをした女子学生からえっちな話題をかけられて、鼻を伸ばしながら「そうそう」と頷いている。
 二人の会話に乗れないのは、サウロの性格的なものでもあるだろう。
 少女の顔で少年の雰囲気を持つサウロは、困ったような表情で眉尻を下げている。)

「個人的なことですので、どうか忘れてください」

( 彼女が見ず知らずの相手でも相談に乗ってくれるような人の好い性格であることは、
 以前の邂逅でなんとなくわかっているが、この手の話題まで相談に乗ってもらうことは出来ない。
 小さく息を吐いて、彼女の肉感的な体を見てデレデレとしている店主に、カウンターをトントンと叩く。
 納品したものの清算を急いでくれ、と急かして。)

アレンシア > 「あ……すいません」

嫌そうな反応に素直に謝罪し。ふとこの前の話を思い出して途中まで送っていきましょうか?などと声をかけてみた。この娘も怖かったりするのかなという単純な発想。見た目アレンシアよりかなり弱そうという判断もあった。

駄目なら素直に何か他の事をしようなどと思っていたり。

サウロ > 「いえ……心遣いだけ、ありがたく受け取っておきます」

(彼女の心遣いに、胸に手を当てて騎士の敬礼をする。
 彼女の見立ては正しく、今のサウロは普通の少女ぐらいの腕力や体力しかない。
 剣も振るうどころか持ち上げるのも難しく、盾など構えても踏ん張りがきかず吹き飛ぶだけ。
 故に戦闘から離れて、非戦闘員としてこうしたお使いをメインにした任務をこなしているわけであるが。
 店主が納品と確認を終えるまで、サウロは待っているつもりだが、
 途中までの見送りを断った今、彼女がどうするかはわからない。)

アレンシア > 「はい。失礼しました」

お人よしのアレンシアでも明確に謝絶されては何もできずに。深く頭を下げて謝罪してから店を出て行った。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/薬品店」からアレンシアさんが去りました。
サウロ > 「……すみません、アレンシアさん」

(彼女が店を出ていった後に、口の中で呟くようにぽつりと零す。
 彼女の親切心や善意を謝絶するのは心苦しく思ったが、迷惑をかけるわけにもいかず。
 心が沈んでしまいそうな心地で床を見下ろす。
 ああいけない、身体に精神が引っ張られているのだろうか、気を取り直すように首を横に振る。)

「少し、店内を見させてもらいますね」

(店主へとそう声をかけて、サウロは並ぶ棚の方へと移動する。
 色々な瓶に入った薬品類に張られているラベルなどを見ながら、暫くはまだ店内にとどまって。)

サウロ > (店内を見学していたサウロがふと発見したのは、薬ではなく茶の葉、だろうか。
 十五センチほどの紙袋に入っている茶葉は、どうやら薬茶の類のようだ。
 種類はそう多くはないけれど、睡眠不足の解消や、ストレス緩和、冷え性改善など、効能は様々あるらしい。)

「心身のリラックス効果……」

(読み上げた内容を見れば、これもある種の興奮状態を落ち着かせるのに良いのでは、と考える。
 性欲を発散させるのが一番の手段ではあるが、とある事情を複数抱え込んだサウロの性欲を、
 正しく鎮静化させてくれる娼婦とはまだ出会っていない。
 その手のことに詳しくないせいもあるが、あるいは開いてしまった性癖のせいか。
 今現在少女の姿になっているのも、昨晩性欲の発散に失敗したからだ。
 やっぱりどうにかして早く元の体に戻らなくては、と決意する。
 今更後戻りできるかどうかは別として。

 その薬茶の茶葉を個人的に購入しようと、再びカウンターの方へと戻り。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/薬品店」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > ちょうど先客がカウンターに声をかけようとしたとき、カランカラン、と入り口のドアを開けて入ってくる影一つ。
美女、と呼んで差し支えない整った顔立ちの貫頭衣姿、背中に金属の柄の箒を背負ってつかつかと店内に入ってくれば。

「店主ー、頼まれた物持ってきたけど……っと、先客居たのか、ごめんよ。」
お先にどうぞ、と促す仕草を先客の少女にしたが…視界に入ったその姿に、おや……と声一つ。

「…なかなか愉快な状態の子が……。」
ぼそ、と呟いたのは…目の前の少女…いや、おそらく青年なのだろう。何が原因かまでは知らないが、魔法か薬か…性別が弄られてると気づいたのは、相手によって性別すら誘惑のために変えられる淫魔の気質故か。
さて、好奇心から首を突っ込んで良い物か…とりあえずは、店主に頼まれて採取した淫魔の…内緒だが要は自分の血を渡せば、自分の今日の依頼は終わりだ。

サウロ > (カウンターに戻ってくるタイミングで新たな来客を報せるベルが鳴る。
 新たに店に入ってきたその人物は今の自分よりは少しだけ背が高い、美しい顔立ちの人だった。
 男性か女性かは判断がつけられないのは身に纏っているもののせいか。
 または今のサウロと同じく外見と雰囲気がどちらにも偏っていないからだろうか。
 とは言え、サウロのような少女の顔で少年の雰囲気というちぐはぐさはなく、中性的な様子を纏っているのが印象的だった。)

「ありがとうございます」

(先を譲られ、丁寧にお辞儀をする。
 まさか今の状態を見抜かれているとは思っておらず、納品のチェックが終わった店主から依頼料を回収し、
 購入する予定の薬茶の茶葉を出す。
 先ほどのサウロからの質問を思い出したのか、店主が「気休めにもならんと思うがなあ」と
 ぼやきながら会計をするのが、後ろの美人にも聞こえたかもしれない。)

ハーティリア > 律儀に背後に並んで順番待ちをしている間、少女と店内を交互に見回しながら暇をつぶす。
礼をされればひらひらと手を振り、気にするなといわんばかりに。
まぁ、興味を惹かれた少女の姿をした彼をチラ見で分かる程度に診察を試みようか、なんて思った時…店主の言葉にちょっとだけ、背中を押された。

「お節介かもしれねぇけど、どうかしたのかい?」
ひょいと、後ろから茶葉の袋をのぞき込むようにしながら、声をかけよう。
括られていなければさらりと流れるのだろう淡い茶色の長髪を揺らし、チョコレートのような甘い濃茶の瞳を興味に光らせ…話に割り込む。

そういやアンタ、錬金術師だったっけ?などという、店主の言葉が帰ってくれば。
「まぁ、暇つぶしに嗜む程度だけど。」
嘘ではない、ほんの千年嗜んだだけだ。

サウロ > (包んで貰った茶葉を受け取れば、声を掛けられて振り向く。
 改めて見れば、どちらかといえば女性寄りなのだろうか。
 美しく整った顔立ちと淡いミルクブラウンの長髪と、チョコレートを溶かしたような双眸を、碧の双眸が見つめ返す。
 店主との会話から、錬金術師であるらしい彼女にどう言えばいいのか、サウロが思案していたところに、
 店主はさらりと「いやなあ、性欲を抑える薬はないかって聞かれてよ」と暴露するのだから、
 サウロはぎょっとして店主の方を振り返った。)

「ちょ、っ……!」

(止めようとしても、彼女の人柄を信頼しているのか店主の口は止まらないようで、
 「俺は溜め込むより、ぱぁっと発散したほうがいいと思うんだがなあ」と笑いながら、
 「そういう薬、アンタは作れるかい?」なんて問いが彼女へと向けられようか。
 つられるようにサウロは自然とまた彼女を見上げ、僅かな期待の眼差しを向けていた。)

ハーティリア > 「おやまぁ……ふむ。…とりあえず、薬屋が客の情報をぺらぺら喋るんじゃねぇの、せめて暈せ。」
とりあえず、箒の柄でコツンと軽く店主の頭を小突くも…まぁ、聞き出したのは自分なのだから軽いツッコミ程度に。
作れるか、と言われれば…まぁ、作れない事もないが…。

「まぁ、作れなくもないけど…俺としてもお勧めしないかなぁ…腹が減らなくなる薬とか、飲んでる間眠らなくなる薬を飲みたいって言ってるようなもんだからね、体に良くないのわかるでしょ?」
生理的な欲求を抑える薬…もちろん、空腹や眠気など直接的に体のアラートを無視するものではない、が…性欲を抑えるとなると、情動面での副作用が強いものになるだろう。
というより、情動そのものを抑えなければいけないので早い話が鎮静剤の類になる。

「そもそも…性欲そのものを疎ましく思っているのか…別の問題があってその対策に性欲を抑えなきゃいけないのかとか…その辺はっきり聞き取らないと、流石に医者としては処方して上げれないねぃ。」
これでも呪療医(ウィッチドクター)の端くれだからー、と言って…期待の眼差しに、医者としての顔を覗かせ、言葉を返す。

サウロ > (小突かれた店主も笑いながら「悪い悪い」と言っていたが、相談と言うよりは軽い質問だったので、口から出てしまったのだろう。
 とは言えサウロとしては恥ずかしいことに変わりはないのだが。
 作れると聞けば目を見開くが、しかし真っ当な反論を返されて、予想はしていたが軽く項垂れる。)

「はい……無理に抑え込んだり、我慢するものではないというのは、分かってはいるのですが……。
 貴方はお医者様でしたか……僕は自由騎士団所属のサウロと言います。
 少し複雑な、性に関する事情がありまして、ここで伝えるには……」

(いつ誰が来るか分からないところで、今サウロに起きていることを説明するのは気が引ける。
 呪療医というものがどんな職業の人なのかは不勉強であるサウロにはわからないが、
 その名の通り魔術や呪術といった関連に対する治療を施す専門家であると捉えていいのであれば、
 この特異な体質についても何か知見が貰えるかもしれない。
 店主も「ちょうど暇だし、そっちの部屋使って良いぞ」と、顧客の情報をばらした詫び代わりに別室へ続く扉を指さした。)

「もしお時間がありましたら、相談に乗って頂いても宜しいでしょうか……?」

(善意で声をかけ、医者として注意を促したこの人なら。
 そう思って問いかけてみる。断られれば、その時は素直に諦めるだろう。)

ハーティリア > 「飲んで暫くなんもやる気起きなくてぼーっとしていたいわけでもなさそうだしなぁ…男ならそれこそ、一時的に不能になる薬とかなら処方できるけども。」
それはそれで健康に良いかはさておき、男と違って女性の性欲をピンポイントに抑える方法となると、難しい…快楽のシャットアウトなどの不感症に近くなる薬とはまた違うとなると…やはり鎮静剤の類が最適解になりやすい。

「…おや、騎士サマだったか。んん、まぁ医者といっても、田舎で薬草こねくり回して呪文唱えたりする方のね…まぁ、医学もそこそこに嗜んではいるけど。」
そういう家の出だったのよ、と応えつつ…別室を指さす店主と…どうやら相談をする気になったらしい彼に…ふむ、と小さく頷けば。

「これを店主に渡せば俺の依頼はおしまいだから別にいーよ。…あ、俺の名前、ハーティリアね。長かったらハティなりハーツなり適当に縮めておくれ。」
まぁ、どうしてもというなら鎮静剤でも処方するしかねぇかなぁ、などと考えつつも…別室での相談は店主に依頼の品を渡せば暇なのだ、頷いて、別室へと足を進める。

サウロ > 「ありがとうございます、ハーティリア殿。よろしくお願いします。
 店主殿、少しだけ部屋をお借りしますね」

(何とも不思議な雰囲気を持つ彼、または彼女が貴族なのか、医者なのか、
 薬師なのか錬金術師なのか、少しの会話の中でも様々な経歴を持っていることは理解した。
 外見よりも長く生きているという発想に及ばないのは、他者を人か魔か、特別な力で見抜くことは出来ない為。
 人に擬態しているなら人と見る。つまるところ相手の本性は、分かっていない。
 
 基本的に真面目な性格をしているので、礼節さは崩さずに快諾してくれた相手に礼を言う。
 持ってきたものも店主は受け取っただろう。
 二人で部屋へと移動すれば、そこにはシンプルなテーブルとイス、簡易キッチンや食器棚などがある、少し狭い部屋だ。
 店の休憩室なのかもしれない。
 椅子に腰をかけ、テーブルに茶葉を置いてから、サウロは向かいに座るのを待って、真剣な表情を向けた。)

「どこから説明するべきなのか、迷うところなのですが……。
 今のこの体は、僕の本来の性別ではありません。本来は男に生まれ、男として育ってきました。
 こういった体になった経緯は、言えないのですが……。
 特定の条件下で、どうやらこちら側の体になってしまうんです」

(普通に話せば何を言ってるのかと思われるだろう内容だが、超常的な現象がない世界ではない。
 呪術、魔術、妖術、あらゆる現象が起きうる世界で、肉体を変化させ性転換させる術があることも、
 その道に精通しているなら知られていてもおかしくはない。
 ────ただ、サウロの場合は、いくら覗き見て、どう見立てても「どうしてそうなったのかわからない」という結論には、至るだろう。)

「その条件が……その、性欲の発露、と言いますか……。
 とにかく、発散しないと防げないんです。この先…任務の途中ですら、そう言う機会が訪れるかもしれないと思うと、せめて一時凌ぎでも、性欲を抑えられたら、と…」

ハーティリア > 「ん、まぁまぁあんまり気負わずに、通りすがりに人生相談でもしたと思えば良いよ。」
クツクツと、喉を鳴らすように嗤う箒を持った美女めいた風貌は、見ようによっては魔女のそれ。三角帽子など被っていればそれこそ、らしく見えただろう。
部屋の中で向かい合えば、人を弄ぶ淫魔の魔王の本性は棚に上げ、人と共に過ごした年長者の顔で彼と向き合うとしよう。

「あ、うんそれは分かってた。多分男なんだろうなぁ、とは…俺もまぁ、似たような経験あるからね。それはまぁ、さておいて。
ふむふむ……ちょっと失礼。」
そういって、少女の姿をした彼を見るチョコレート色の瞳に、六芒星が宿る、魔力を可視化する六芒眼と魔術師、医者としての見識で彼を隅々まで観察し、許可をもらえばぺたぺたと…体の各部に触れて脈を取ったりなんなりとするが……目に見える呪術の痕跡もなし、精霊の気配もなし…診察した限りでは薬品の気配もうかがえない…血を採って調べればもしかすれば、薬品を検出できるかもしれないが、望み薄である。薬を飲まされたなら、彼がそう申告するだろうから。

「んー…まぁ一応診察してみたけど…経緯が言えないとなると、原因がわからないから大体対症療法になるけど、それは文句ないかい?」
というわけで…彼の前で三つほど、指を立てた。

「とりあえずパッと思いついた対処は三つ。
一つ、サウロくんの言う通り、性欲をなんらかの手段で発散する。この場合、俺が提供できるのは、性欲処理用の特殊なパペットゴーレムとかだね。
二つ、性欲が溜まる前に鎮静剤を飲む。これは、感情そのものを抑制するからあんまりなぁ…下手すると騎士の仕事に差し支える可能性もある。
三つ、性別が転換してからディーナの聖水…えっと、ありていに言うと一時的な性転換薬を飲んで無理矢理性別を元に戻す。ただこれは半日くらいで効果が切れる薬だから、解決にはならないし、短時間で性別を行ったり来たりするから、体の負担はあるかもね。あと単純に薬が高い。」
実はもう一つ案はあるが…とうてい受け入れられないだろうから、伏せておく。
まあ単純な話、淫魔になれば性別なんてどうとでもなるんだけどね、という話になるが、ここで言う程常識を知らないわけではなかった。

サウロ > (からからと快活な口調で告げる相手にいくらかの緊張は解されて、ありがたく礼を伝え。
 男であるということを見抜いていたことについては驚いたが、
 過去に似た経験があるならそういうものなのかと納得する。
 そうして診察というか観察をされて、立ち上がって触診を受けて──
 箇所によっては布越しでも体を強張らせて、顔を赤くして漏れそうになる声を両手で抑えたりする場面があったかもしれない──、
 他にも諸々、医者である相手からの診察を終えれば再び席に着く。)

「……は、はい、大丈夫、です」

(呼吸を落ち着けつつ、頷く。
 直接の原因解明は仲間に相談した時も正直難しいといわれていた。
 今は対症療法だけでもありがたいと、三本立つ指を見る。
 そしてその一つ一つを真剣な表情で聞きながら、腕を組んで考え込む。
 四つ目の案は言わなくて正解だっただろう、サウロ自身、魔に堕ちるつもりはないのだから。)

「その三つ……だと、二つ目」

(薬そのもので鎮静させてしまう方が、とも思ったが、任務に支障が出るのは好ましくない。
 自由騎士もまた命がけの職業だ。常に活動は万全な状態に整えておかなくては。
 三つめは、心身の負担が大きいだろうという理由で。
 そうして候補が削られていけば、残るのは一つ目。
 サイロもあまり詳しくない、パペットゴーレムなるものについて首を傾げて問う。)

「その、性処理用のパペットゴーレムというのは、どういうものなのでしょうか?」

ハーティリア > 「まぁ、俺の場合は呪いなんだけどねぇ…。」
伝承、または信仰という名の呪い。淫魔から魔王になった『男を誑かす美女が居る』という逸話が独り歩きした結果、今の状態になったのだが、まあそれは言わなくても良いだろう。男を誑かす淫魔の魔王という時点で、女の淫魔を思い浮かべない一般人はそう居ない、ただそれだけの話である。まぁ淫魔なので性別などいくらでも弄れるから、結局さしてダメージはなかったが。

「おやおや…生娘みてぇな反応しちゃってまぁ。」
可愛いこと、とクスクス笑いつつも、いたって真面目に診察した結果…結局、原因は特定できなかった。
まぁ、経緯については口を閉ざしているのは彼なのだから、これは彼自身で納得してもらうしかないだろう。

「まぁ、鎮静剤自体、常飲するのは良くないからねぇ…あくまで案としてね。
いちおう参考までに、鎮静剤は一服銀貨5枚、ディーナの聖水は一瓶10回分で金貨20枚ね。」
と、参考になるように各薬の代金を添えておく。
そして、話がゴーレムの話に移れば。

「あーっとね…名前は『クレイペット』っていうんだけど…こういうの。」
と、鞄から取り出したのは…一見、一抱えくらいある粘度の塊。
だが、取り出すとうねりと…表面が波打って見えた。

「この子は俺の故郷ではいわゆる『一人遊び』ようのお供で…柔らかさや硬さが自在に変わって、持ち主の要望に合わせてきもちよくしてくれる、っていうゴーレムというか、マジックアイテムの一種だね。男女どっちも対応してて、慣れてくれば自分にとって気持ちい形や動きを自然にとってくれる優れもの。
 このままでも使えるし、一部分だけ千切って持ち運んだりもできるから携帯性も抜群、っていう…個人的には割とイイ感じの奴だと思うんだけど…まぁ、使い捨てじゃないから材料費込みだと金貨60枚くらいするんだけど。魔導人形とかの関節とかにも使いやすくて個人的には重宝してる。」
と、掌の上で粘度玉を弄びつつ。

サウロ > (呪い。やはり知識の欠けるサウロにとっては相手に起きた現象については、想像も出来ないだろう。
 さておき、触診の際に揶揄うような声をかけられれば、顔を真っ赤にして縮こまる。
 生娘と言われればまさにその通りだが、性感帯の感度が高すぎるので仕方がないのである。
 気を取り直して、値段を教えてもらいつつ、鎮静剤なら手が届く範囲かと思い──。
 そしてクレイペットというゴーレムについて説明して貰えば、目の前に置かれた粘土の塊をじっと見て。
 説明を聞く程に、一人遊び用なら、誰に迷惑をかけることもないとも思える。
 しかし聞けば聞く程、希少価値の高そうなものだ。
 そして案の定、材料費『持ち込み』での値段を聞けば、双眸を見開くことになり。)

「ろくじゅ────ッ!?」

(とんでもない金額だった。少なくとも、平民であるサウロにとっては目を剝くような額。
 相手の手の上で表面を波打たせる粘土の塊が、そんなにするとは……と信じられないと呆然とする。
 どちらにしても、サウロの現在の全財産をかき集めても、難しい金額だ。
 それならば、一晩娼婦を買って落ち着かせる方が現実的になってしまう。)

「……今の僕には、手が出せないですね……。
 鎮静剤の方を、いくつか処方していただくことはできますか……?」

(今の持ち合わせもそう多くはないので、処方してもらえるとしても3回分くらいだろうか。
 魅力的な一人遊び用の魔法道具は諦めて、革袋の財布をジャケットの内側から取り出す。
 そろそろ任務の続きに戻らなくてはならない。
 日が暮れる前に終わらせないと、この国で、この非力な体は危険だと十分身に染みている。)

ハーティリア > 女性の快楽に慣れていないのか、それとも単純に感度が良いのか…顔を真っ赤にして縮こまる様子に、少しくらいはニヤニヤする程度は、楽しみがあっても構わないだろう。
そして説明を重ねた結果…その金額に目を剥く少女に、おやまぁ…と少し考えたのは、騎士ってもうちょっと稼いでると思ってた、みたいな偏見である。

「ん、良いよ。まぁ、サービスってことで、1回1錠で3回分を、銀貨10枚で処方してあげよう。1回分サービスだ。
 あんまり体に良い薬じゃないから、飲んで良いのは1日1回だけ、あと飲んだあと、効き始めの5分~10分くらいは副作用で神経が鈍って気分がぼんやりするから気をつけて。まあ、その間は恐怖心とか薄れたり、幻覚への耐性が上がるから使いようはあるかもだけど。」
それで良いかい?と注意点だけをさらっと述べて了承が取れれば、言った通りの金額と引き換えに、3錠の薬剤が包まれた薬包紙を彼に持たせるだろう。

「この薬、この店に同じ値段で売ってるから、今後も欲しかったらここで買うといいよ。…くれぐれも、飲み過ぎには気を付けて。」
と言い添えて。

サウロ > (正規騎士とてピンキリ、ましてや自由騎士というある種の慈善団体組織にも近しい集団故に、
 稼いでいるかと言われれば何とも言えない。まったくのただ働きというわけでもないが。
 なんなら冒険者の一攫千金の方がまだ夢も浪漫も溢れているくらいだ。
 そんな懐事情はさておいて、初回サービスということで割り引いて貰えば、
 指定された金額を差し出して、処方された鎮静剤が包まれたものを受け取り。)

「ありがとうございます。一日一回ですね、十分に気を付けます」

(戦闘中に神経が鈍るのは、かえって危険だ。
 遠征任務の際など、緊急性が高い時以外は、なるべく使わないようにしようと決めて、茶葉と一緒にポーチの中へとしまう。
 この店にも同じものがあると教えて貰えば、席を立ちながら店内の方を見る。
 確かに色々な薬が置いてあった気がするけれど、錬金術師の作る薬品は奥が深い。)

「できるなら薬に頼らないほうがいい、ということですよね。
 ご忠告ありがとうございます」

(そう言って部屋から出れば、自然と身に付いた動作で扉を抑えながら相手が出るのも待つ。
 店主も「もういいのかい?」と言い、それに頷いて返せば、気さくに「またどうぞ」と言ってくれた。
 カランカランとベルを鳴らしながら外へと出れば、陽もだいぶ傾き始めていて、改めて向き直る。)

「お世話になりました、ハーティリア殿。
 またお会いした時には、相談のお礼に何か奢らせてください」

(無意識に抱えていた不安を少しでも解消できたのが嬉しかったのか、自然と頬が綻んで笑みが咲く。
 軽く胸に拳を当てて自由騎士の礼を取った後、頭を下げて踵を返した。
 そのまま次の任務先へ急ぐように、少し駆け足になって、やがてその小さな背は雑踏の中へ見えなくなっただろう────。)

ハーティリア > そういえば、自分の知っている騎士は大体、聖騎士か暗黒騎士かロードだったな…と思い出すことはあるのだろうか。
魔王故のカルチャーギャップが微妙にあったことは、お互いに伝わらないままで。

「飲み過ぎると体に力が入らなくなると思うから、ちゃんと守ってね。」
そういう時はまぁ、癒し手の解毒の魔法をかけてもらえれば症状は改善するかもしれないが…そういえば、神聖魔法に鎮静の魔法あったなとか思いつつも、そもそも自分は神聖魔法は使えないので結局は言わぬまま…まぁ、仲間に僧侶が居たらまた相談すると良いのかもしれない。

「じゃ、お大事に……っと、ありがとう。
 別に薬に頼っちゃダメじゃないけど、使い方を考えないと痛い目見るよ、ってだけ。」
当然のようにエスコートされればひらりと手を振り、店主にも挨拶を返して、店の外へ。
忠告ありがとうと言われると、錬金術師としてそれを訂正しながら苦笑いする。薬に頼るななんて口が裂けても言えない職業だ、まぁ既に死体の自分には薬なんて意味がないのだが。

「はいはい、気を付けてね。面白い相談なら、また乗ってあげるから。」
じゃあね、と踵を返した少女に手を振れば、箒に横座りに腰かけ、ふわりと…浮き上がり、薄暗くなってきた空へと、姿を消して。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/薬品店」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/薬品店」からハーティリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリュファスさんが現れました。
リュファス > 平民地区の商店が並ぶ大通りの一角で開かれている露店。
石畳の道に敷物を敷き、その上に色々な商品、薬品をメインに扱っている露店。
ただその値段はそれなりにし、足を止めて見ていくお客も多いが買うには至らず。
しかしそんな事には慣れているのか気にせずに一定間隔で呼び込みをして。

「いらっしゃいよー、色々な薬があるよー。
活力剤に解毒剤、他の国の珍しいのまで何でもあるよ」

本当に何でもあるのかは疑わしいがそんな謳い文句で客を呼び。
時々に売れがするがほとんどは冷やかしばかり、それでも気にせずに呼び込みを続け。

「そこのあなた。よかったら見ていかない」

そうして今も店の前を通る人影に声を掛けて。

リュファス > そうして少しの利益が出るまで露店を続けて…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリュファスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にメリエルさんが現れました。
メリエル > 夜も更け始めた頃合の平民地区の一軒の酒場。
店内には酔っ払いや静かに酒を楽しむような客しか残っていない中、カウンター席の隅で静かに食事と酒を味わう。
もう少し早い時間ならば声を掛けようとするものもいるかもしれないが、そのような酔っ払いが掃けてしまったしまった時間では案外静かに食事を楽しめ。

「このお酒、いいですね。もう一杯頂けます?」

気まぐれに頼んだ酒の味を気に入ってはマスターにお代わりを頼み。
少し濃い味付けの料理を味わいながらお酒を頼んでいて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からメリエルさんが去りました。