2023/05/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──くぁーああぁぁ……」

まだ日の高い時間帯。
大欠伸を漏らしながらふらりと冒険者ギルドに足を踏み入れる、金髪の男が一人。
周囲を軽く見渡してみるが、既にピークの時間は過ぎているようで人影はまばら。
現れた男に幾つか視線が向くも、特にこちらに用向きがある者もいないのか、
程なく各々の用事に戻ってゆく。
そんな光景にフンス、と小さく鼻を鳴らしながら、とりあえず依頼等の貼り出されている掲示板の方へと足を向けた。

「さーて……なんかおもろそうな依頼とかはありますかいのぅ……時間的に、時既にめぼしいところは持ってかれてそうだが……」

顎に手を当てて独りごちながら、掲示板の前に突っ立って掲示物を暇そうな顔をして眺めてゆく。

エレイ > しかしこれといったものは見つからず。頭を掻きながら、とりあえず小腹でも満たそうとギルド併設の酒場の方へ足を向け──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアーニアさんが現れました。
アーニア > 王都の下水道に巣食う魔物の調査、および討伐の依頼を受けて、
一人下水道へと向かったアーニア。

今回はバスタードソードを置いてきて、刃の厚みを重視したブロードソードと、
メイスを携えて潜入していく。

そろそろ駆け出しを抜け出し、本格的に無銘遺跡や、中級クラスの依頼を受けたいところではあって。

「……思ったよりも臭いって少ないんだなここ」

もっと鼻に突く汚臭を想像していたが、便所以外にも多くの生活排水が流れ込んでくるその環境は思ったよりも臭いはなく。

しかし、それも想像より少ない、という話で臭いことには変わりなく。

「……どこかいったん休憩室に入れればなぁ……」

下水道の管理者達が使用する休憩室をひとまず目指し、奥へと進んで……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 その休憩室付近に近寄った時だろう。前には1人の男が見える。極端な軽装。しかし服装等は既に戦闘の後と分かる程度には血に汚れている。しかし本人に傷がないので全てが返り血と分かるだろう。
 足音等から接近に気が付いてそっちに目線を向ける。しかし……首を傾げた。

「……あー」

 そして少し気まずい顔。
 数秒の間が空いて。

「……魔物退治の依頼か?」 

 と思わず問いかけた。

アーニア > 「ああ、先輩さん? そうだね、下水道付近で行方不明が多発してるから調べてくれって依頼うけてさ」

 その気まずい空気を、読みもしないのか片手をヒラヒラさせて。

「魔物の返り血かなんか? そーいうの気にするほどうぶじゃないから気にしなくていーよ」

 背中には携帯品を詰め込んだザック、下水道という場所で短くも威力を重視した武器を選択している”後輩”は貴方を品定めするように視線を這わせて。

「あたしはアーニア。そろそろ駆け出し卒業ってくらい、先輩誰?」

 軽く、狭い水路を飛び越えて近づいてくる。その足取りにはよどみがなく、
 着地にも踏み止まる余地が少ない。
 異常な体幹を伺わせるルーキーは、じっと見つめて。

クレイ >  
「……先輩じゃねぇな。少なくともその依頼内容ならアンタ冒険者だろ。俺は傭兵。クレイ……銀鷲って名前で仕事取ってる」

 なんて溜息を吐いて。

「とりあえず休憩室入れ。ここはくせぇ」

 なんて言いながら休憩室の扉を開く。
 中は清潔。人はいないらしい。そりゃそうだ、魔物がいるエリアに人は置かない。
 冒険者ならと気にせずに汚れた服を脱ぎ捨てる。

「下水道に犯罪者が逃げたとかでな。追い込んだら魔物の巣で……犯罪者を殺しに来たはずが魔物退治だ。そいつらは食われてた」

 事前確認もせずバカな奴らと言って肩をすくめる。
 服を脱ぎ捨てた体は人というよりは獣を思わせるほどに徹底的に鍛え上げられ練り上げられている。
 そして全身に付けられた傷はそれだけ歴戦であると示しているだろう。

アーニア > 「銀鷲? うんごめんわかんない」

 傭兵、と言われれば違うのかー、とあっけらかんと。

「だね。んで、クレイさんどうすんの? 獲物が食われたなら用ないんじゃない?」

 言われて、連なって休憩室に向かえば、中を見渡して、ひとまず休憩室の中に入り、
 鍵を閉めて。

「こっちは一人でも殺れるしね。傭兵さんを雇うお金も勿体ないし」

 言いつつ脱いでる姿を見る。
 自分よりもよほど鍛えられてる。筋肉のつき方から、異様に鍛えてるわけではない。
 なんというか、対人、ゆくゆくは竜を相手、になどという胆力は伺えない。
 その代わりに”人から受けた傷”を多く伺って、やはり自分とは”違う”のだなと考えて。

クレイ > 「ハハ、だろうな冒険者じゃそうなる」

 服は流石に使えないのでそのままゴミ箱に投げ込む。
 そして休憩室のロッカーからカバンを取り出す。恐らくは仕事前に先に拠点としてここを使う為に置いておいたのだろう。
 そこから取り出すのは布。魔力を帯びた物だ。それで体を拭いていく、戦場で風呂が使えない時の代用品だ。風呂の代わりにはなる。
 用が無いと言われればジトっとした目で振り返る。

「お前もだぞ。お前の仕事内容の魔物。俺が全部ぶっ倒したんだぞ?」

 お前だって仕事ねぇだろうがと。

「で、何もなかったって報告しようにも……この短時間じゃ調査してないってバレるぞ」

 まだ入ったばかりなのだ。調査なんて出来るほどの短時間じゃない。
 カバンから同じ魔法の布を取り出せばポイッとそっちに投げ渡す。使いたければ使えという合図。匂い消しにだってなるわけで。

「だから魔物に食われてたって報告できる俺よりお前の方が困った事態じゃねぇの? 先に別人に依頼完遂されてました。お金下さいとは言えねぇだろうし」

アーニア > 「え、全部やっちゃった? えぇー……。」

 頭を掻きながらじーっと貴方を見つめて。

「獲物食われたなら魔物倒す必要ないだろ? もっと傭兵ってこう、無駄な仕事はしねえ! みたいな印象だったけど」

 とはいえ、実際に魔物を倒されたことは事実で、どうしたもんかな、と思いつつ。

「まあ、それならそれで先を越されてました、クエスト失敗です、っていうのも、
 ああいや違うなこれ。クレイさんも来てもらって報酬貰ってもらえばいいのか」

 などと、傭兵からはおよそ考えられないであろう価値観の提案をしてくる。

 ……そも目の前の女は、遭遇した魔物の”具合がよさそう”ならわざと負けるつもりだったのだと知る由もないのだから当然で。

クレイ >  
「襲ってきた奴らをわざと殺さないで置いておけって? そりゃ無茶だろうさ。襲い掛かってくるなら全部切り捨てる」

 飛んで来た火の粉は払う。傭兵とか冒険者とか関係ねぇだろと。
 その後の提案には首を横に振る。

「それで金はお前に渡せって? 御免だねめんどくせぇ。傭兵は無駄な仕事はしねぇ!」

 あえて相手の口調を真似して。
 それからニヤリと笑って。

「てわけでよ、お前の場合時間を潰した上でお前が魔物は倒したと報告する。それが1番シンプルな解決策なわけだ……余った時間なら潰し方はいくらでもある」

 自分から鍵をかけたのは音で知っている。色々と不用心すぎるだろうと。
 少し怖がらせるつもりで、もし相手がノリ気ならそのまま実行してしまえという感覚でそっちに歩いて行く。

「というか、戦闘上がりの男がいる密室で鍵締めるとか不用心がすぎねぇか。しかもお前は1人で……そう言う誘いだって思われてもしかたねぇぜ?」

 と顔を近づけながら手を掴み上げようとする。
 もし捕まったならば見た目以上に力も強い事がわかるだろう。当たり前だ、不必要な筋肉等微塵もない肉体だ。それこそその辺の魔物ならば素手でも制圧してしまえる程度には肉体の強度は高い。
 人の姿をした獣。肉体的な意味ではそれが間違いなく正しい存在なのだから。

アーニア > 「いや? やったのはクレイさんなんだからもらうのはクレイさんでしょ」

 何を言ってるんだ? と言わんばかりに小首をかしげて見せながら。

「冒険者だろうが、傭兵だろうが、どっちも金に意地汚いと思われる稼業。
 そこで仕事に矜持を抱くか否かは人それぞれ、だったら私は奪われた仕事は譲るよ。」

 提案をされても頷かず、どこか冷めた目で提案してくる貴方を見てくる。

 嗚呼、つまらない。こいつは人間だ。
 下半身を突き付けてくる前に御託を並べてくる。

 こいつは雄じゃない。男だ。

「……それは、相手が”か弱い女”前提の物言いなのかな。
 この狭い空間で、何も考えずに、鍵を閉めたと」

 掴み上げた手が、動かない。
 目の前の”雌”の瞳がギラついて、明らかに敵意を、否、侮蔑の念を抱いて、
 力を拮抗させる、否、普段から鉄塊然とした得物を振り回すガサツな女冒険者は

「自分の欲を人のせいにするな租チンがよ。
 相手に非がなければ女一人抱けねえのか?

 傭兵ってな随分と回りくどくてせせっこましい稼業らしいね?

 それでも雄かよアンタ。

 女へのアピールの仕方も知らないのかよ。ええ?」

 侮蔑の視線の意味が”雄々しさが足りない”というものだと、
 言葉の次の瞬間にはまたぐらを鷲掴みにする女の行動から伺えるだろうか。

「ガタガタ言わずやりたいならヤりたいって言えよ? ええ?
 それとも不用心で無警戒な女しか抱けない〇〇〇野郎かよ。」

 獰猛な表情で、嗤う。目の前にいるのは駆け出しでも、獰猛な、人の姿をした獣であって。

クレイ >  
「仕事奪ったら面倒だ。だからいらねぇよそっちの報酬なんて。しかもチンケな額だろそれ」

 そんなの受けねぇよと笑った。
 しかしその後の相手の言葉を聞く。またぐらを鷲掴みにすればわかる。まだこの男のそこは堅くはなっていなかった。

「プッ……アッハハハハハ!」

 相手の言い分に笑いが生まれた。
 その状態でも手を放さない。つまり近くに居続ける理由はそれだけの余裕だろうか。

「面白いなお前。この状態でそこまで言い返すか。そしてご明察の通り。何も出来ないか弱いルーキーの女に対して怖がらせるつもりで言ったが……気が変わった」

 さっきまで堅くなかったはずのまたぐらが鉄か何かが急に生えてきたほどに堅くなった。
 そして先ほどまでまだ目の奥は人だった。目の前の女……いや、獣相手に人間のつもりで対応していたが正解だろうか。
 だからこそ対応を変えた。目の奥に鈍い光が宿る。戦場での姿……敵を屠る顔。

「お前は報酬を渡したい。俺は貰いたくねぇ。だったら勝負しようぜ。お前くらいの冒険者がこの仕事を終わらせられるまで半日くらいか。それまでにまともでいられたら。お前の提案通り報酬は貰ってやる」

 そんな言い分をする。
 では正気でなくなったら? その場合は知らない。こちらが姿を眩ましてしまえば相手は探しようがないのだから。
 おそらく鎧やらを着ていたほどだ。純粋な力では面倒だろう。だから技を駆使して相手の体重移動を活かして地面に組み伏せようとする。
 もし完全にかけられれば尻を突き出したまま手と頭は地面に押し付けられる形になるだろう。

アーニア > これは、人だ。獣を宿しているつもりの、人だ。
自分は女だ。でも雌になりたい。雌にされたい。

鍛えて、鍛えて、鍛えて、鍛えて。

それでも叶わないほどの”雄”に、出会った瞬間に孕むしかないと思わされるほどの雄に組み敷かれたい。

だがなんだこいつは、力で拮抗するや否や小手先の技で女を捕えようとする。

「気が変わっただの、勝負だの、さっきから聞いてればべらべらと無駄な御託ばかり並べて……。」

まず動かない。体が固まっている。鉄の如く、岩の如く。不動のまま。

「ヤるならヤれっつってんのに、さっきからごたごた管巻いてさあ、
 そこを租チンだなんだと言ってんのが」

 またぐらから離した手をぎゅっと握り、壁に叩きつけ、

「わかんねえのか!」

 下水道中に響くほどの轟音、それと共に、壁に亀裂が走る。

 正気ではない。既に目の前の女は激昂して、冒険者でありながら今後この休憩室を使う誰かを想定しないまま、
 怒りを叩きつけてくる。

「……手ぇ離せよ。」

 それだけ告げてくる。ゆっくりと、ブロードソードに手をかけて。
 未だこちらは装備も外していないのだ。どちらが不利か、告げるように。

クレイ >  
「そりゃそうだ、わかんねぇさ……強い口調、強い行動。さらには武器を握って強いぞってか? くだらねぇ、剣で勝てると思うならやってみりゃいい。素手でお前くらい制圧出来ないと思ってんのか?」

 相手がブロードソードに手をかけても一切引き下がらず、目には余裕の光すら見える。文字通りその程度では制圧出来ないと思っているのだろう。

「さらに言えばそんなに強さに自慢があるなら、この手自分で解いてみろよって話だ出来もしねぇで良く回る口だ……ま、良いけどよ」

 手をパッと話す。

「こっちも血みどろの女抱くのは趣味じゃねぇ。武器まで抜かれるなら無しだ。とりあえず報酬はそっちでもらっとけ。お前だってこのまま仲良く一緒にって空気じゃねぇだろ」

アーニア > 拳を握り締めると、手首が膨張する。
圧で、徐々に握り込めなくなれば、振りほどくだろう。

「力任せにやるなら相手の自信だの、立場の弱みだのなんだの段階を踏むなよ。
 つまんねえ男だな。

 ……テメエで手を出しておいてケリもつけられねえなら最初から獲物に手ェ出すな。
 こんな町の下で魔物が発生する場所なんざ、絶好の”狩場”だってわかんねえのかよ」

 背を向けて、扉の鍵を開けて、肩越しに一瞥して

「女ひとり組み伏せねえくせに、上から物言ってんじゃねえよ気に食わねえ。

 テメエの不始末で出来上がった金ぐらい自分で受け取れよ。
 ……ギルドからはこっちで話つけとくからよ」

 それだけ言うと部屋を出ていく。

 ……おそらくはどちらも受け取らないのだろう。
 そのまま、報酬が浮いたまま、ひとまずは魔物の討伐だけは完遂されて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアーニアさんが去りました。
クレイ >  
「力任せにやる必要がねぇんだよ。俺つえぇから」

 ヤリたいなら金なりを積めばいくらでもヤレる側。だから強姦なんてする必要もねぇと。
 怒り心頭といった相手に対してこちらはいつでも冷静で落ち着いた様子だ。

「でだ、絶好の狩場っていうが。他所の依頼の情報なんて知るかよ。こっちは自分に飛んできた火の粉を払っただけだ。取られたくねぇなら地下の土地でも自分で買うこったな。そうしたら俺が地下に行く前にお前にお伺いたてに行くからよ」

 組み伏せれない云々や報酬金に関しては返事を返さない。
 相手もそうだしこちらもそうだ。お互い本気で殺し合いをした訳じゃない。
 お互いに手札など残り続けている。その状態で本気を出せば~など負け惜しみにしか聞こえないし、相手にも手札がある以上それを証明する手立てがないのだから。

「気を付けて帰れよ。俺みたいなのにおそわれねぇようにな」

 なんてケラケラ笑って見送る。
 こっちにはそれよりも大きな問題がある。

「さーて、でどうやって帰るかな」

 服が無い問題は結局解決できない。休憩室にある服を勝手に持ち帰ってしまおうか。
 色々と考えて、服の代金だけ置いて服を拝借して帰った事だろう

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレイさんが去りました。