2023/04/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区と富裕地区の狭間 食事処」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >
 狭間地区と呼ばれる場所は学院が出来上がってから名が通った場所だろうか
 富裕地区と平民地区の狭間 中間の土地にアレがあることで、法と荒が一色になる不思議な場所が出来上がる。
 その場所にある食事処は、学院生徒の他、身分構いなくで過ごせる場所として提供される
 貴族からしてみれば、恰好を変えた学院生徒の遊び 頭の固い親の元から自由に過ごしたい貴族など
 平民からしてみれば普段出入りできない場所に出入りできると思えばいい。

 戦場とは違う時間を過ごすメイラは、下手な付き合いや交流を貴族とすることなど当然無い
 むしろ身内や肩の装甲を触れ合わせた者らと行く方が多い。
 こうして一人で自由におやつ時のような感覚で、フラリとどこかに入り浸ることもあった。
 城の中で汚ない笑みを浮かべる者 その空気を吸った隈を拵えた生真面目すぎる者に比べ
 なんとも自由である。王がいない今、制御できる者などどれだけいることか。


   「(あぐっ。)」


 ナイフで切り分けた肉の塊
 臭み消しに香草ソウスや乳脂、刻んだ甘葱をたっぷり塗したもの
 目の前に置かれている幾つもの皿の一つを口に運び、ティーカップのように取っ手のついた盃
 これで横に置かれた小樽から寝かされた甘い葡萄酒を雑に掬い上げ、一口触れる度に空にする。
 一々注がせることも、次を早急することも億劫にしているのか
 メイラの恥とも大胆とも思わない食事風景だった。
 周りは、その黒づくめの、重量級の武具を預けて食事をとる姿に視線をやるものの
 触れずに済ませる方がいいと思う者が多いだろうか。


   「ふん。」


 襟に下げているナプキンで口元を触れる程度で拭いながら、視線に鼻息で返そうか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区と富裕地区の狭間 食事処」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセリカさんが現れました。
セリカ > ―――――誰かに尾けられている気がして、ふと足を止めた。

振り返って背後の暗がりを凝視したが、闇に蠢くものを視認することは叶わず。
軽く首を傾がせ、そっと溜め息を吐いて、女は再び足早に歩き始めた。

サンダル履きの柔らかな足音を聞くとは無く聞きながら、思考は直近の記憶を辿り出す。
思えばつい先刻、館の主から頼まれた買い物を済ませてすぐに、
帝国出身らしき黒髪の男に街角で呼び止められ、少しだけ言葉を交わした。
―――――妙な感覚は如何やら、あの後から、であった様な気がする。

交わした言葉はほんの数えるほど、とある店の在り処を尋ねられ、答えただけのこと。
見知った相手では勿論無かった。
女が帝国の出身であると見て声を掛けてきた、恐らくは旅行者の類だったのだろう。
礼を言われ、いいえと頭を振って、手を振り別れた―――――ただ、それだけ。

けれどもしかすると、要らぬ疑いを招いたのだろうか。
あるいは先刻の男が何か、別の目的で声を掛け、別れる振りで後を―――――

再び、肩越しに振り返ってみる。
眉宇に深い影を刻み、もう、いっそのこと思い切って、誰何の声を投げようか、
逡巡する間が、少しだけ空いた。

セリカ > 「―――――… 気の、所為かしら」

戦場と無縁の女には、気配を読むことは難しい。
こうして立ち止まっている間にも、夜は更けてゆくばかりだ。

溜息をもうひとつ吐いて、女は再び歩き始めた。
先刻までよりも更に速足で、ほとんど駆け足になって。
女が感じた違和感の、真偽の程は闇の中に――――――――――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセリカさんが去りました。